飯山線

登録日:2016/01/31 (日) 22:30:09
更新日:2024/02/03 Sat 10:24:33
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飯山線(いいやません)とは、豊野駅から越後川口駅を結ぶJR東日本の鉄道路線である。
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概要

豊野~十日町間は私鉄の飯山鉄道として開業し、後に国有化。
十日町~越後川口間は国鉄の十日町線として開業する。
飯山鉄道の国有化を機に、全線が飯山線となった歴史を持つ。
地方交通線に指定されており、全線が単線で非電化。
全線に渡って長野県内では千曲川、新潟県内では信濃川の沿線を走る。
また沿線は日本有数の豪雪地帯で知られ、冬季には新潟県側では度々除雪による運休が発生する。
長野県内の豊野~森宮野原間は長野支社の管轄、新潟県内の足滝~越後川口間は新潟支社の管轄となっている。
なお、2010年3月までは越後川口駅を除く全線が長野支社の管轄であった。

運行形態

線路名称上の起点は豊野駅であるが全列車が長野駅発着で、北陸新幹線開業後は長野~豊野間はしなの鉄道北しなの線に乗り入れる形態となっている。
青春18きっぷ等を使う際は、しなの鉄道の料金をきちんと支払う必要がある為、注意が必要。
下りのみ全線通しの列車が運行されているが、上りは十日町または戸狩野沢温泉で乗り換えが必要なダイヤになっている。
下記の列車の他、臨時快速「おいこっと」が土休日を中心に1往復長野~十日町間で運転される事がある他、臨時快速「越乃Shu*Kura」が十日町〜越後川口で運転されることもある。

豊野~戸狩野沢温泉

飯山線の中では本数が多く、1~2時間に1本程度。
最低でも2両編成で運行されるが、朝の時間帯には4両編成で運転される列車もある。
殆どの列車が戸狩野沢温泉かその先まで運行されるが、一部のみ飯山駅発着の列車も存在する。
また、一部列車でワンマン運転が行われている。

戸狩野沢温泉~越後川口

この区間は1日8往復(始発/最終のみ森宮野原発着)、十日町~越後川口間は1日10往復の閑散区間となっている。
そのためか、列車によっては1両での運行もある。
十日町駅で運行形態が分断される事が多いが、下り列車はそのまま直通することも多い。
越後川口駅より上越線に乗り入れ、信越本線長岡駅まで直通する列車が1日2往復設定されている。
(下りは森宮野原/十日町始発、上りは戸狩野沢温泉/十日町行きとなっている)

使用車両

  • キハ110系200番台
JR東日本の気動車で、長野総合車両センター所属。
全車両が、元北上線特急「秋田リレー号」用300番台からの編入改造車である。
2017年にはかつてのキハ52が纏った飯山色の復刻塗装が期間限定で登場した。
2両は観光列車の「おいこっと」に再改造されている。但し、臨時快速の運転がない日は定期列車にも投入されている。
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  • キハ40形
越乃Shu*Kuraとしての運用のみ。


主な駅一覧

豊野…しなの鉄道北しなの線分岐駅。路線名称上の起点駅。

信濃浅野…有人駅。一見古くからの駅舎に見えるが、近年リニューアルされたもの。

立ケ花…この辺りから千曲川沿いを走る。長野市の駅だが近くの橋を渡ると中野市に入る。

上今井…昔の線路施設の跡地に利用者向けの駐車場が整備されている。

替佐…中野市豊田地区の中心駅。交換可能で有人。列車到着時にメロディが流れる。

蓮…「はす」ではなく「はちす」。永國寺の参道を駅が横切っている。

飯山…北陸新幹線乗り換え。飯山市の中心・直営駅で交換可能。
新幹線開業に先立ち、在来線駅も移転し新しくなった。
斑尾高原スキー場や野沢温泉方面へのアクセス駅になっている。
一部の列車は当駅で折り返す。

北飯山…県立飯山高校最寄り駅。

信濃平…駅舎が貨車の改造。

戸狩野沢温泉…駅名の通り、戸狩温泉・野沢温泉、そのスキー場への玄関口…であったが、新幹線開業後はその役割を飯山駅に奪われつつある。
直営駅でみどりの窓口あり。交換可能。
当駅で多くの列車が折り返す。
当駅以北は原則2両編成の為、直通列車は増解結する事も。

上境…近くに入浴施設あり。

上桑名川…飯山鉄道の国有化の際に一回廃止されている。

桑名川…交換可能。保線車両が留置されている。

西大滝…西大滝ダム最寄り駅。

信濃白鳥…1日の利用者は数名だが有人。

平滝…1日の利用者は片手で収まる程度だがここも有人。
そのためか、JR東日本の有人駅で一番利用者の少ない駅となっている。

横倉…長野県北部地震で駅舎が被害を受けた駅。近くには栄村唯一となった小学校がある。

森宮野原…栄村の中心駅かつ長野県最北端の駅。交換可能で始発列車/最終列車の発着駅となっている。
冬季は当駅~十日町間で除雪による運休が頻発している。
それもそのはず、この駅は昭和20年(1945年)2月12日に7.85mもの積雪を記録している。
これはJR全駅で最も多い積雪量で、駅構内にはJR日本最高積雪地点を示す標柱が設置されている。
当駅まで長野支社管轄。

足滝…これより新潟県に入るととともに、新潟支社管轄となる。
牛山氏の全国秘境駅ランキング78位。

越後田中…近くに温泉旅館あり。

津南…津南町の代表駅だが中心市街からは少し離れている。
駅舎に温泉施設が入居している。

越後鹿渡…津南町の駅はここまで。

越後田沢…ここから十日町市で、中里地区の中心駅。

越後水沢…芸術作品のオブジェだらけの駅。

土市…ここもアーティスティックな作品が駅前に展示されている。

十日町…北越急行ほくほく線乗り換え。
直営駅でみどりの窓口もある、十日町市の代表駅・沿線随一の拠点駅。
当駅で運転系統が分断される列車も多いが、接続はあまり良くないので注意。

魚沼中条…火焔型土器が出土したことで知られる笹山遺跡の最寄駅。

下条…「しもじょう」と見せかけて「げじょう」と読む。
駅前の茅葺の塔が目を引く。
十日町市の駅はここまで。

越後岩沢…ここから小千谷市。国鉄時代からの駅舎・駅名標が残る。

内ケ巻…牛山氏の全国秘境駅ランキング155位。

越後川口…上越線乗り換え。終点駅でみどりの窓口あり。
長岡市の飛び地である旧川口町に位置する。
2往復の列車が当駅より信越本線長岡駅まで直通する。

余談

かつて、JR東日本は当路線沿線の信濃川発電所で不正取水を行っていたことが発覚し、水利権を取り消された事がある。
再び水利権を認めてもらうのに際し、沿線の十日町市等の要望に飯山線活性化が含まれていた事もあり、JRは飯山線を蔑ろにできないとも言われている。
憶測の域を出ないが、廃止の検討でも出ようものなら再び水利権の取り消しで発電所使用不能になるのでは?とも言われている。
信濃川発電所はJR東日本の電力の23%を賄っていると言われている為、水利権は死活問題であろう。
なお、前述の長岡駅直通列車増発や新潟県内区間の新潟支社への移管が不正取水発覚後に行われているが、JRによれば特に関係ないらしい。


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最終更新:2024年02月03日 10:24

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/kiha/kiha110oikotto.jpg 日時:2016/02/02

*2 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/kiha/kiha110oikotto2.jpg 日時:2016/02/02