ダビデ(Fate)

登録日:2016/01/05 (火) 00:21:19
更新日:2024/02/21 Wed 10:46:34
所要時間:約 20 分で読めます




「アーチャー、ダビデ。うん、僕はやるよ。かなりやる」



Fate/Apocrypha』に登場する予定だったサーヴァント。クラスはアーチャー
リストラの憂き目に遭ったものの、後に『Fate/Grand Order』で復活を果たす。

イラスト:ギンカ
設定制作:星空めてお
CV.中村悠一

身長:171cm
体重:62kg
出典:旧約聖書
地域:イスラエル
属性:秩序・中庸


◆ステータス

筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
C D B C A B


◆スキル

クラス別スキル
○対魔力:A
Aランクの魔術すら無効化。

○単独行動:A
マスター不在・魔力供給なしでも、一週間程度なら現界していられる能力。
本格的な宝具の使用に関しては、基本的にはマスターのバックアップが必要。


保有スキル
○神の加護:A
王者になると予言された、優れた肉体と容姿。
ライオンや熊の尻尾を掴んで叩き殺す俊敏さと腕力がある。

○治癒の竪琴:B
イスラエル王国の王・サウルの悪霊を祓ったダビデの竪琴(キヌュラ)には破魔の効力があり、聴く者の精神を平穏に保つ。
古代社会における竪琴は悪霊を鎮めるとして重要視されていた。
ダビデが竪琴を弾く間、敵味方を問わず槍の命中率が極端に下がる。
GOではこれらの設定を反映し、精神異常状態(魅了等)の回復、回避状態を付与、HP回復の効果を全体にもたらす。

○カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。
ダビデは2代目イスラエル王として全部族を従え、エルサレムを制圧した。

○神性:D
キリストの祖として所持する弱い神霊適性。ナザレのヨセフとほぼ同格に当たる。
キリストの威光を背景とする宝具に対して耐性を発揮する。


宝具

五つの石(ハメシュ・アヴァニム)
ランク:C-→B 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大補足:1人


ん、巨人かな?……じゃあやろうか。

君には改心する権利がある――では、仕方ないな……

忠告も警告もしたんだけどねぇ……改める機会だよ!

五つの石(ハメシュ・アヴァニム)』!!


巨人ゴリアテを打ち倒した投石器。
五つの石はダビデの寛容を表し、攻撃は四度まで外されるが、五度目の攻撃は必ず命中する。
宝具として重要なのは「ダビデが投げる」ことなのか、落ちている石を拾っても宝具に変容するという相当なコストパフォーマンスを誇る。
ちなみにゴリアテに対しては一発目から脳天に的中させ、昏倒したところをゴリアテの剣で首を刎ねたという。
作中の設定においても明確な驚異に対してはカウントを短縮しても問題ないとされている。
寛容さの欠片もないが、それだけダビデにとってもギリギリの戦いだったという事だろう。


燔祭の火焔(サクリファイス)
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大補足:600人

旧約聖書・民数記にいう「神の命令によって燃え上がった、明るく輝く、最も熱い火焔」。
使用すると幻の香炉から立ち上った紫の煙が相手を取り巻く。
じきにシナイ山を思わせる雷雲と霧が立ちこめ、天より遣わされた業火が、神の意に沿わぬ者を一滴の血も残すことなく焼き尽くす。
炎は全体で祭壇を形成する。


契約の箱(アーク)
ランク:EX 種別:契約宝具 レンジ:1~99 最大補足:900人

モーゼが授かった十戒が刻まれた石板を収めた木箱。ダビデ曰く、「神が人類に与えた契約書のようなもの」
伝承では開けた者に罰をもたらすとされているが、この宝具は触れただけで死をもたらす。その効果は蘇生宝具すらも無効化する。
そして仮に「神」の類が生贄に捧げられてしまった場合、暴走して周囲に死を撒き散らす。
その規模は真っ当な世界ならば周囲一帯の破壊で済むが、何かしらの要因で不安定になった世界で暴走した場合、その世界そのものを死なせかねない程のものだという。

そして厄介なことにこの宝具は現物として召喚されるため、霊体化ができない。
しかもダビデが消滅したとしても所有権が移っていた場合、アーク自体は残り続ける。
その上相手に触れさせなければならないのに見るからに異様な魔力を放っており、
大抵のサーヴァントはその危険性を感じ取れるので触れさせる事は困難という厄介極まりない宝具。
ぶっちゃけ産廃扱いされても仕方ないレベル。

というか元ネタの聖書の記述からして王どころか大祭司ですら許可なく触れてはならない神聖な物であり、
ダビデがペリシテ人から返却された契約の箱を王都エルサレムに運ぼうとした際、
牛車から落ちそうになった箱を押さえようとした祭司が神罰で死亡するという事故が発生し、ダビデが「どうしたらいいのこんなの…」と頭を抱えたほどの代物。
(後に王自ら讃美歌を歌いながら付き添う中、4人の祭司による人力運搬で解決しました)



◆真名

古代イスラエルの王であり、魔術王ソロモンの父。
かのミケランジェロのダビデ像のモデルとなった人物である(最もあの像自体は制作当時の文化の影響が色濃く、別にちんこ丸出しで戦っていたわけではない)。
またトランプのキングのモデルの一人としても有名。

元々は羊飼いであったが、初代イスラエル王・サウルが神の命令に背いたことで寵を失い、神の命を受けた預言者サムエルによって新たな王として見出された。

そして油を注がれたダビデは聖霊の加護を受けるようになったが、逆に加護を失ったサウルは悪霊に悩まされるようになり、
家臣達はサウルに竪琴の巧みな者を傍に置くように進言し、こうして竪琴の名手でもあったダビデはサウルに仕える事となった。

当時、イスラエルはペリシテ人との戦争の最中にあり、ペリシテ人の中でも最強と謳われるゴリアテに悩まされていた。
ゴリアテの挑発に対し、その力を恐れた兵達は誰一人立ち向かう事が出来なかったが、ダビデはゴリアテとの一騎討ちに応じ、見事これを討ち果たした。
ただし、本人曰く「二度と戦うのはゴメンだ」との事。

この後、頭角を表し始めたダビデをサウルは妬むようになり、幾度となく戦場に送り込んでは抹殺しようとしたが、
ダビデは悉く生還し、遂には直接手を下そうとするが、息子でありダビデの親友でもあったヨナタンや、ダビデに娶らせた娘のミカル等の手引きもあり、それすらも失敗に終わった。
ダビデはそのような扱いを受けても「神の選んだ人に手をかけられない」といってサウルに報復しようとはせず、害意のない事を示し続けた。

その後、神の加護を失っていたサウルは息子ヨナタンと共にペリシテ人との戦いで戦死。
ダビデは神の託宣を受けてユダの王となり、サウルの息子であるイシュ・ボシェト率いる軍と戦いを繰り広げたが、
イシュ・ボシェトは昼寝中に家臣に首を刎ねられ、その首はダビデの元に届けられた。
ダビデはその男達を即座に処刑し、ここに至って全イスラエルの王となったのである。


王となったダビデはペリシテ軍を打ち破り、その後もモアブ人、アラム人、エドム人、アンモン人等、多くの異民族をも打ち破り、これを配下に収めた。
こうしてダビデはイスラエル史上最大の繁栄をもたらし、理想の王と讃えられた。


しかし、晩年になってダビデはある問題行動を起こす。
家臣ウリヤの妻であるパテシバを見初め、関係を持ったダビデは、それがバレるとまずいため、ウリヤを最前線に送り出して謀殺したのである。
それを知った預言者ナタンはたとえ話としてダビデの所業を語り、それを聞いたダビデは「酷いヤツだ。そんな男は死罪にしよう」と宣ったという。
お前が言うなとはこの事である。

そして神はダビデに罰を与え、パテシバが産んだ長子の命を病気で奪った。
その際ダビデは食事もとらず七日間にわたって伏して神に長子の助命を嘆願したが、
家来たちが動揺しているのを見て長子が死んだのを察した途端に体を清めて家に帰って食事をとったという。
どういうことか聞いた廷臣には「生きている間は神が許してくださる可能性もあったが、死んでしまったからにはもうどうしようもない」とコメントしているが、
これを割り切りが早すぎると見るべきか自分の意思を殺して王としての職務に殉じたと見るべきか、はたまた篤い信仰の結果何か悟ったのかは彼と神のみぞ知る。

そして次子として生まれたのが次の王となるソロモンであった。

その後もアビシャグという美しい処女の娘を妻に迎えたりと全然懲りてないダビデだったが、
(実際には年老いて寒がりになった王のために家臣たちが用意した添い寝役で、当のダビデはもう手を出す元気もなかったとか)
そんな折、息子の一人であるハギドの子アドニヤが王位継承権がないにもかかわらずダビデを差し置いて王を僭称するという事件が起こり、
ナタンとパテシバはこれを聞いてダビデのもとに赴き、息子ソロモンを次の王にするという誓いを再確認し、確証させた。
そうして王の座はソロモンへと譲渡され、ダビデはソロモンに王として覚えておくべき戒めを残して世を去ったという。


余談だが、なにかとネタにされる女好き設定について、聖書に記録されているうちでは8人の妻(と11人のそばめ)とこの時代の王にしては少なめなレベル。
しかし生活が不安定な放浪時代に少なくとも2人の妻がおり、エルサレムで正式に即位するまでにパテシバ以外の妻を連れていたのだからやはり色を好むことには否定できないかも。
ただ妻は同国人か属国の女性に限ったこと、最初の妻ミカル以外は特に不仲だったエピソードがないことなど、
パテシバとのスキャンダルを除けばそこまで女好きで身を持ち崩した逸話は少ない。
むしろ元ネタでは700人の妻と300人のそばめを持ち、異教徒の妻たちの影響で異教崇拝や魔術に傾倒してイスラエル王国分裂の遠因を作った某グランドキャスターさんの方がゲフンゲフン


◆劇中の活躍

ストーリーでは「封鎖終局四海オケアノス」に登場。
『契約の箱』によって時代の完全崩壊を狙う黒幕の配下とそれに利用されているイアソンに狙われていたため、身を隠していた。
そして主人公達と共闘してアルゴノーツを打ち破り、去り際に黒幕と目される息子の人物像を語り、去っていった。
その発言が後に著しい風評被害をもたらすとはこの時誰も予想していなかった……


イベントでは「ほぼ週間サンタオルタさん」に登場。
狩り勝負をしていて漁にでた紅茶緑茶の船にこっそり忍び込んだ挙句、「南国美女に会いたいなー」と勝手に海洋に船を進めて嵐に巻き込まれ、
カルネアデスの板のたとえを出して二人を海に飛び込ませようとするケーカちゃんも真っ青の傍若無人っぷり。古代の王はドイツもコイツもこうなのだ。
そして現れたサンタオルタをアビシャグと勘違いして口説きにかかったりとすったもんだした結果、どうにか嵐を乗り越えたのだった。
ちなみにカルネアデスの板の件はすっかり忘れ、「え?誰だい、カルネアデスの喩えなんて口にしたのは。酷いヤツだ。そんな男は死罪にしよう」と宣った。こいつry

「星の三蔵ちゃん、天竺に行く」では猪八戒役を担当。(本来ユダヤ人の律法では豚は食べてはならない汚れた生き物扱いである)
役になりきるために自分からブヒブヒ言い出し、いきなり三蔵ちゃんを口説き始めたり、
金角銀角に「自分は安全圏で敵を倒したいなんて恥を知りたまえ!」と一喝したかと思えば自分は下がって戦わなかったり、やりたい放題。自重しろ豚野郎!
しかし旅の途中で溜め込んだ財宝をお師さんの名義で貯金していたり、自分とは異なる神なれど、同じく神を信じる者として敬意を払ったりと真面目な顔も見せたりする。


そんなナチュラルにクズいダビデマンだが、マスターのことは運命共同体だと思っている。
「君の破産は僕の破産。ああでも、僕の破産は僕だけのものだから、その時はきっぱり縁を切ってくれ」
サーヴァントとしても王としても極めて優秀、だがクズい。
良くも悪くも自分に正直でいる人間なのだろう……か?


◆性能

サーヴァントとしては若かりし頃の姿で現界している。恐らくゴリアテを打ち倒した頃。
ちなみに基本の武器は羊飼いが狼を追い払うのに使う杖で、これで相手を殴る。そして宝具は投石器。
弓?持ってませんが何か?

西洋では西洋史を代表する大英雄の一人であるが、その割にはレアリティは☆3とやや低め。

だがスキルが極めて強力で、その性能は☆3最強クラスの一角と名高い。
シナリオクリア特典で全員もらえるカードでこれかいと多くのマスターの目を疑わせた。

何よりそのスキル「治癒の竪琴」が極めて強い。
性能は【味方全体の体力回復+精神異常解除+回避一回付与】。
それまでは☆5のジャンヌ・ダルクの宝具を使わないとできなかった「味方全員回避」ができると言うのが大きい。
ただしゲージを貯めないと使えないけど能動的に早く貯めることができるあちらと違い、
こちらは初手から撃てる代わりに二度目以降は規定ターンを経過しないと使えないので上位互換というわけではない。
高ランクの全体攻撃力強化である「カリスマ」を併せ持っているのもサポート役としては非常に便利。
アタック値が☆3最高クラスなのに加え、「神の加護」でしぶとく生き残れるので、アタッカーとしても充分活躍できる。
これで☆4以上だったらえらいことになるので、このレアリティも納得ではある。

宝具はBuster属性で【自身に必中付与(1ターン)+敵単体に超強力な攻撃&高確率でスキル封印(1ターン)〈オーバーチャージで確率UP〉】。
NP効率が良いだけでなくクリティカルも出やすいので、うまくArtsチェインを決めれば一度の戦闘に連発することも可能。
自前バフがカリスマのみかつ未強化という事で他の☆3アーチャーと比較して火力不足なのがネックだったが2020年夏に5周年記念強化クエスト対象の一人に選ばれ、【巨人】特攻攻撃に変化+基本威力強化という逸話通りかつ的確な強化が成された。【巨人】属性持ちの数自体は多くは無いが厄介なエネミーが揃っているためそれらに対する切り札として大いに活躍出来るだろう。特に高HPで強化クリティカルを連発してくるスプリガン(基本セイバークラス通常エネミー)は対処法が少ない強エネミーだがダビデにとっては絶好のカモ。

相性としては火力を補ってくれる上にスキルチャージの短縮化をしてくれる玉藻の前がベストパートナー。
もしくは「うたかたの夢」のデメリットを補ってやれるジャンヌ・オルタも良相性。

第六章の宝具連発というデタラメな「ギフト」付きのモードレッド戦には必須と言ってもよい。必ず育てておこう。

マイルーム会話では「僕は地味に欲にまみれているからね。女性とお金が好きさ。妻だって多ければ多いほどいいと思う!」とか堂々と言う。
こいつ本当に全然反省してねえな。ホームズはこいつを見てどう思った事やら*1
ただ、「サーヴァントでいる時くらいは王ではなく羊飼いの気持ちでいたい」と言ったり、「戦いは好きになれない」とこぼしたりするので、
神によって選ばれ、戦いに明け暮れた王の時代は彼にとってしんどいものだったのだろう。

その為か、タマモキャットのキャラクエでは形ある島で牧場を経営している。
何でも心労ばかりの玉座にいた頃、牧場経営の夢が心を癒してくれたらしい。
なお家に帰れば大勢妻がいるらしい。こいつ全然ry

ちなみにアビシャグの献身がとてもいいものだったため、自分好みの女性=アビシャグという困った価値観を持ってしまっている。
ただし、ゴリアテのトラウマから自分より背の高い女性は例外的にNGだとか。

特殊会話の対象はミドラーシュのキャスター、タマモキャット玄奘三蔵オケアノスのキャスター見事に女性ばかり
ミドラーシュのキャスターに対しては敬愛はしているが「商売の在り方について、僕と彼女は同じコースを走るライバル」と見做しており本音トークは少し怖い模様。
タマモキャットは前述のキャラクエ内で牧場計画を潰されたため恨んではいるが、彼女の第二再臨のメイド服と第三再臨の裸エプロンに対しては大きな可能性を感じており、マスターを喫茶店経営に誘おうとしてくる。
三蔵ちゃんは自分より背が低いながらアビシャグ認定はしていない。僕の世界とは相容れないが偉大な人物であると語り、サーヴァントとしての彼女の在り方に感慨深いものを感じている。
オケアノスのキャスターには「体つきはちょっと残念だが顔がいいから、そこはアビシャグとしよう」などとのたまっている。その後勧められたキュケオーンを食べたのか「妙にまわりがうるさいブヒねぇ」と呟いている。

君には改稿する権利がある。……では仕方ないな、追記・修正!

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最終更新:2024年02月21日 10:46

*1 ホームズは原典で「同僚の恋人を寝取るために同僚を罠に嵌めて敵の捕虜にして寝取りに成功したが、数十年後にその同僚が帰還して真相がバレてしまい「お前ウリヤ寝取った時のダビデみたいなヤツだな!」と妻に罵られた挙句、帰還した同僚の姿を見てショック死」という事件に関わっている