うちはシン

登録日:2016/01/05 (火曜日) 01:43:42
更新日:2023/10/04 Wed 23:51:00
所要時間:約 8 分で読めます






進化なき種はいずれ滅ぶ

それ…一番…合理的…



うちはシンとは『NARUTO‐ナルト‐』の外伝作品である『NARUTO‐ナルト‐ 外伝 ~七代目火影と緋色の花つ月~』の登場人物である。
作中ではオリジナルであるうちはシンとそのクローンのうちはシンが登場する。
サイの「根」時代の兄貴分と同名だが関係はないはずである……たぶん。



うちはシン(オリジナル)

CV:檜山修之
大蛇丸の弟子であり元実験体。
移植された組織に拒否反応を全く示さない特異体質であり、その体質を買われ柱間細胞との繋ぎとして彼の右腕はダンゾウに移植された。

穢土転生大筒木ハゴロモほどではないが肌の血色が悪い。
の衣を羽織り、腕から肩、頭部にいたるまで大量の写輪眼が埋め込まれている。
それらは全て万華鏡写輪眼を開眼しており、右目はピンのようなもので常に強引に開かせているためか充血している。
体中にある写輪眼は視神経が通っているのかは不明だが、頭部の眼で後方を確認し対処した場面があるので見えている可能性が高い。
本来、万華鏡写輪眼は須佐能乎等の例外を除いて一つの眼に一つの瞳術しか宿らないはずなのだが…

瞳術としてマーキングした物体を自在に操ることができる能力を持つ。
オリジナルは主に両方に刃のついた武器を無数に放ち攻撃するほか、戦闘中に相手の武器にマーキングし不意を突く戦法をとっている。
マーキングした器具を操り自力で臓器移植手術を行えるほどに精密な操作が可能。
また、器具を集積することで疑似的な右腕を作ったり巨大な手裏剣とすることもでき、体に突き刺せば低空飛行だが地面に浮かぶことも。

自身の分身のような存在であるクローン達に対しては「血肉を得る為の牙」「血肉の代わりになるストック」と評し、
息子以前に人間としてすら見ておらず攻撃から身を守るための盾にしたり、
自身の命が危うくなれば臓器を奪い取るなど都合のいい手駒程度にしか思っていない様子。

「人が進化するには争いが必要不可欠」という思想を抱き、子を成すことはより強い種を作る為の本能的な行為、
争いはより優秀な遺伝子をつむぎだす生命の本質的な行為でありそれこそ人類の進化であると解釈している。
忍術や技術の急速な発展は戦争という極限状況に追い込まれたためにあり得たものとも。
再び争いを起し人類の進化を促すための組織として暁復活を狙っている。

そのためか表向きには一族を虐殺し木ノ葉を襲ったうちはイタチに心酔しており、
イタチを殺したサスケを「誇り高きうちはのハジさらし」と蔑視しているが
シン自身はうちはの人間ではなく勝手にうちはを名乗っているだけである(アニメでは写輪眼も複製であることが大蛇丸が言及している)。

小説『サスケ真伝』にて香燐にその存在を仄めかされていたりする。




うちはシン(クローン)

CV:富樫美鈴
オリジナルの歯と神経を培養して造られたクローン。
そのためオリジナルのシンには歯がない。
クローンという技術が一般的でないNARUTOの世界では影分身のさらに上級と例えられていた。
作中では全く同じ見た目のクローンシンが七人確認できる。

栗のような髪型にオリジナル同様万華鏡写輪眼を開眼しており、うちはの装束を纏っている。
年齢はサラダ達の世代に近く見えるが、眼は常に全開に開き片言で喋り表情の変化もあまりないため、年齢不相応の薄気味悪さを放っている。

瞳術もマーキングした物体を自在に操ることができる能力と同じであるが、
クローンは鎖をつけた手裏剣の刃先を操作して相手に向け攻撃したりするほか、
十字の取っ手が付いた矢印のような形の専用の武器を用いて戦う。
鈍っていたとはいえ九喇痲モードのナルトの攻撃を避けきるなど大した身体能力である。

イタチに陶酔するなどオリジナルのシンの思想に染まっており、目の前で自身の分身が殺され
自分達を使い捨てのストックと吐き捨てられても顔色一つ変えず、一見忠実に見えるが…



ミニシン

30cm程度の大きさの謎の生物。
シン達からは終始名前を呼ばれることがなく、ナルトからもアレ呼ばわりされ結局正体不明(のまま連載が終わってしまった。
十尾の分裂体の一体だとか白ゼツの生き残りだとか、BORUTO公開前だったのもありモモシキ・キンシキの使いだとか考察されてきたが、
この項目では彼?もうちはシンの一人として便宜上「ミニシン」としておく。

斜めに裂けた口に鼻、一つ目の写輪眼と枝のような四肢に尻尾がくっついた、
一見マスコットキャラクターに見えなくもないかわいらしいフォルムをしている。
なおこの写輪眼はシン達と輪廻眼のように視界共有をしており、ミニシンが見た光景はオリジナルとクローンにも共有される。

彼もまた万華鏡を開眼しており、うちはオビト神威に似た時空間忍術を有している。
が、こちらはすり抜けもなければ、個別の空間もないため現実空間から現実空間への移動しかできないが効果範囲の境界にある物は引きちぎれる*1ため、拘束状態からでも発動できれば脱出可能となる。
移動、逃走手段としては十分に便利であり、大蛇丸をして厄介と言わしめたのもこの能力のためだろう。

描写からすると恐らくオリジナルの端末であり、意識を共有していると推測される。

ちなみに1体ではなく、最低でも2体が存在する(「暁の復活だ」と述べているシーンで、傅くクローンたちの間に立っている)。




外伝本編での活躍

カグヤの時空間の調査をしていたサスケをクローンの一体が襲い、
不意の一撃を食らわせようとするも軽くあしらわれ、背中のうちはの家紋と写輪眼を表しながら姿を消した。
最終回の時点でサスケは何者かの気配を感じ取っていたので、数年間尾行し続けていたのだろう。

何処か遠くの場所で、マントを目深く被ったオリジナルに経過を報告するクローン。
イタチを殺したサスケへの憎悪を口にするクローンに対して、暁の衣をチラつかせながらオリジナルも同調する。
ミニシンからの視界共有でサラダの顔を確認すると、今度はサラダの誘拐に向けクローンが動き出す。

父親探しの旅に出ていたチョウチョウとサラダの前に現れ、自前の武器と写輪眼の動体視力を駆使して二人を追い詰め
計画に不要なチョウチョウを抹殺しようとするも、間一髪のところでナルトが到着。
邪魔をしに来たナルト共々殺そうと万華鏡写輪眼の瞳力を使い武器で攻撃を仕掛けるも九喇痲のチャクラの衣に弾かれ、
撤退やむなしと判断したミニシンによってオリジナルの元へ送り返された。

オリジナルが暁の復活に向け動き出すことを宣言すると、今度はサスケ達がいる峠塔にクローン一体と共に時空間移動し、ナルトとサラダに攻撃を仕掛けた。
異変を察知したサスケと空中で交戦、剣術で万華鏡の瞳術により操作した武具を全て弾かれ天手力で背後に回られ、
火遁を放たれるもクローンを盾にし難を逃れる。
マーキングに成功したサスケの草薙剣を動かしナルトの腹に突き刺すことで彼のチャクラコントロールを乱すと、
九喇痲の衣の内部にいたサラダに武具を向けサスケに庇わせ、彼の動きを止めた。
さらに武具を展開しこのまま優勢…かと思われたが突如乱入したサクラの渾身のパンチを食らいダウンしてしまう。
そのまま木ノ葉に連れていかれそうになったところをミニシンの時空間移動に会い、
瀕死のクローンとオリジナルをサクラごと連れ去ってしまった。

サクラをクローン達に見張らせ、オリジナルは瞳術で自身の治療を始める。
手術中にクローンの臓器を摘出したことをサクラに咎めれられるも、クローンは自分の代用品でしかないことを自身の目的と共に語り、開き直ってみせた。
しかし敵の狙いを聞き出すことこそサクラの狙いであり、シンもまた自分の計画の邪魔になる遺伝子を排除するために戦闘を開始。
サクラの左二の腕に刃を二本突き刺し、武具を集めて作った巨大手裏剣でとどめを刺そうとするが、
大蛇丸からシンについての情報とアジトの所在を聞き出しやってきたサスケの完成体須佐能乎の剣に手裏剣を粉砕され、
オリジナルもまた須佐能乎の拳に握りつぶされ全身の骨を折られる重症を負う。
右腕に武具を突き刺し自身を引きずる形で何とか逃げようとするが、それを逃がすサスケ達ではなく
オリジナルはクローンのシン達を囮にして一旦引こうとする。

 「お前達…やれ!」





















ズ ボ ボ







!!?






ナルト達ではなくオリジナルである自分に刃を突き立てるクローン達に動揺するシン。

 「なっ………」
 「何を……してやが…」


 「もう…いい…」
 「父様…今は…古びた…使い捨ての肉…」

クローン達にとってあれやこれやと命令し自分達を捨て駒にするオリジナルなどもはや害悪でしかなかった。
オリジナルの思想に感化されすぎたためにオリジナル本人が不要と判断されたのである。

 「お…お前ら…」
 オレが!……オリジナル…だぞ!


 「父様の瞳力…もう…弱い」
 「これからは…オレ達が…進化…させる」

 それ…一番…合理的…

クローン達は秘密裏に造っていたオリジナルすら驚愕する数の大量のクローンを放ち、ナルトも多重影分身で応戦する。
技術が不完全なために体形や身長に差異があり肥満体やガリガリに痩せた個体もあったが、
どう間違えたのか超巨大なクローンもできており、サスケが須佐能乎で対処した。

そうして戦場が混乱している間に、オリジナルは物体操作の瞳術が既に入っているはずの右目で時空間移動を始め、
同時に戦闘に気を取られているサクラ、サラダ、チョウチョウにミニシンを近づかせ、
時空間忍術で拉致しようとするがサラダには感づかれており、ミニシンは殴りつけられて絶命した。
と同時にオリジナルも何故か亡くなった。
クローン「死んだ……」
ミニシンと意識が連動していたのか、それとも逃走経路が絶たれ絶望のあまりショック死したのかは不明だが、どちらにしろ哀れな最期であった。

オリジナルが死のうがクローンが止まる訳もなく、さらなる増援がやってくるが
父親譲りの写輪眼と母親譲りの怪力を生かしたサラダの「桜花衝」に圧倒され、
残るクローン達もナルトの中の九喇嘛の威圧に飲まれ戦意喪失してしまう。
マダラ、オビト、サスケと三度に渡って写輪眼の前に辛酸を嘗めてきた九喇痲にとって、貧弱すぎる瞳力は許せるものではなかったのかもしれない。

クローン達はその後カブトが院長を務める孤児院に預けられることになった。

 君達は今日からここで暮らします
 つまり今日から僕が君達の父親になります
 僕の名前はカブト
 遠慮はいらないよ





余談

顔が明かされた当初は鼻に面影があるとしてうちはシスイではないかとファンの間では考察されていたが、
実際は完全な新キャラということで読者を驚かせた。
また話が進むにつれて(主にオリジナルの)残念さが話題になった。
例)どうだ…お前に負けてないだろう?(ドヤァ→サスケの瞳力が弱ってただけでした

他には大量の写輪眼を持っていながらイザナギを使うでもなく全く活かせていなかったり、
無理に強調した右目に隻腕にハゲとサスケとは対のデザインになっているだけでなく、
子を酷使し裏切られ死ぬという、活躍までも親子愛を取り戻したサラダ親子の対比としてて描かれてしまった。
そのあんまりな扱いがウケたのか一部の人達からはコラ画像が作られるなどして愛された。

一方で仲間思いだったり昔はいい人だったり改心したりすることが多いNARUTOの悪役の中では珍しく、
特に善い部分もなく終止悪のまま死亡した。
外伝であるため話が短く掘り下げるのが難しかったという事情はあれど、
純粋悪として描かれ切ったのはオリジナルであるシンとガトーくらいである。


ついでに、右目の術が物体操作か空間移動かがよくわかっていないが、劇中の描写を見るとシン単独ではオリジナル・クローンを問わず物体操作であり、空間移動は必ずミニシンを通して行われている。
なので、空間移動はミニシンの能力だと思われる。




追記・修正なき項目はいずれ廃れる



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最終更新:2023年10月04日 23:51

*1 劇中ではオリジナルとクローンを拘束していた腕に変化させた九尾チャクラを引きちぎっていた