仮面ライダーカブト

登録日:2009/06/26 Fri 02:38:55
更新日:2024/02/14 Wed 09:14:25
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仮 面 ラ イ ダ ー 生 誕 3 5 周 年 記 念 番 組


7年前のあの日――

宇宙がちっぽけな落とし物をしたせいで

ぼくは、ひとりぼっちになった

渋谷の街は瓦礫の山になって

ぼくの心にも、ちっぽけな穴が開いた

でも……宇宙の落とし物は

それだけじゃなかったんだ――


天の道を行き、総てを司る!


画像出典:「仮面ライダーカブト」第2話より
2006年1月29日から2007年1月21日まで放送/全49話
© 2006 石ノ森プロ・テレビ朝日・ADK・東映




【概要】


『仮面ライダーカブト』は平成ライダーシリーズの七作目であり、仮面ライダー生誕35周年記念作品。
2006年1月から2007年1月にかけてテレビ朝日系にて放送。

前作『仮面ライダー響鬼』が「変身」の掛け声やベルトによる変身、キックの必殺技などを撤廃した“完全新生”を掲げた異色作だったのに対し、本作は「変身」の掛け声や変身ベルト、ライダーキックなど伝統的仮面ライダー要素を取り入れて“原点回帰”をしつつも、“仮面ライダーの限界に挑む”というコンセプトで製作されている作品である。

メインライターは響鬼での穴埋め要員からいきなり本を任された米村正二。実質的なシリーズ構成に近いプロデューサーはお馴染み白倉伸一郎
なお、主要キャラは分業制となっており、今回サブとして就いた井上敏樹は風間大介、神代剣がメインの回を担当している。

一応特撮ヒーロー番組なのだがやたら料理の話が多い(仲間が戦闘中なのに、主人公は料理対決していた事も)。かつて閲覧できた公式サイトでも本編に出た料理のレシピが公開されていたので、狙ってやっていたのだろう。後に主演2人が再会した料理動画がようつべに投稿されるほどカブト=料理という図式は外せないものとなっている。

余りにも強烈かつ個性的な登場人物、現在もなお色あせない魅力的なデザインとアクションはコアなファンを魅了した。カブトのライダーキック(後ろ回し蹴り)、カブトVSザビー、キックホッパーの連続キックなどは今も尚語り草となることが多い。
今作から全編映画を意識したフレームレートの撮影方式移行や2次元寄りのギャグ・コミカル描写の増量など、電王と共に第二期平成ライダーシリーズの基礎となった作品と捉えることもできる。
後半のシナリオに関しては大人の事情込みで色々お察しください。一方でぼっちゃまの最期とか良い回もあるし...それだけカブトという作品が良くも悪くも愛されているということである。

放送当時は運の悪く「ポケモン☆サンデー」の放送時間が1時間に拡大、視聴率で苦戦を強いられていた。
一応、玩具売上などの方面では前作から多少ではあるが回復してはいる。DS同時期の戦隊が強すぎたのだ…。





ちなみに記念作品ということでコンセプトは『歴代最強ライダー』らしく公式的には最強…ん?…






【ストーリー】


1999年、渋谷に隕石が落下した。 
それから7年後の2006年。隕石から誕生した地球外生命体〈ワーム〉は、人間に擬態する能力を持っており、一般市民が気付かない所で密かに人間と対立している。
対ワーム組織〈ZECT〉の下っぱ隊員、加賀美新は、ワームに対抗するための装置『マスクドライダーシステム』を使用しようとするのだが、呼び出したカブトゼクターは加賀美ではなく他の人間の手に収まった。

その男の名は、天道総司。

天の道を行き、総てを司る男―――――。

だいじょうぶ……ぼくが、そばにいる

ぼくが……そばに……




【登場人物】


天道総司
本作の主人公で、カブト資格者。
「天の道を行き、総てを司る男」を名乗る偉そうな俺様系青年だが根は優しく、友情に厚い人物。
度々「お婆ちゃんが言っていた……」と様々な名言を述べる。偉そうにするだけあって料理、スポーツ、戦闘、何をやっても非常に優秀というトンデモスペック。
でも序盤は仮面ライダーカブトとして戦う為に自宅トレーニングしてたのでニート。しかし才能も資産もあるロイヤルニート。
一見冷たく見えるが、前述したとおり実は世話焼きで友達思い。加賀美に対してはツンデレ。そしてシスコン。


加賀美新
ZECTの下っぱ隊員。無駄に熱く、自分の信じた道を突き進む性格。天道に足りない主人公成分を補う副主人公。
洋食店『Bistro la Salle(ビストロ・サル)』でバイトしているが、ZECTの任務でサボる事もしばしば。序盤では変身出来ず、カブトに助けられてばかりだが……。
弟を殺したワームを憎んでいる。
ネットなどでは「カ・ガーミン」や「かがみん」と呼ばれる。某柊は関係無いぞ!多分10年後の「かがみ」親子も関係ないぞ!
「うわぁぁぁぁ!!」→ウンメイノーはもはや伝説。


日下部ひより
加賀美のバイト先であるSalleで働く従業員。一人称は「僕」で、喋り方も男っぽい僕っ娘
内向的でテンションは常に低く、人混みが苦手なため滅多に外出しない。人と話すのも苦手で言葉使いは乱暴だが、性格は優しい。
料理の腕は天道も認めるほどで、趣味は絵を描く事(ちなみに絵の原画を担当したのは、555より蛇フェノクでお馴染みの唐橋充)。


◆天道樹花
天道の妹。あだ名は樹花りん。「天の道を行き、樹と花を慈しむ少女」らしい。
兄をたいへん好いており、毎回美味しい朝食に感激している。テンションは常に高い元気っ娘。トンデモスペックの兄に勉強を見てもらっているため成績優秀。


田所修一
加賀美と岬の上司。厳しく、任務に忠実だが、常に部下を気にかけており、部下の為なら自分の体を張れる。加賀美達にも信頼されている平成ライダー一、上司にしたい男。
実家は300年続く老舗蕎麦屋で、ヤのつく自由業をやってそうな弟が店をついでいる。その為に客も似たような人達が大勢。


◆岬祐月
田所の部下の女性。性格は厳しいが、仲間想い。戦闘時の情報伝達から怪盗まで何でもこなす。
立ち食い蕎麦のプロ。ミサキーヌ。


矢車想
初代ザビー資格者。
チームワークを重んじ、『パーフェクトハーモニー(完全調和)』の精神を持つ部下思いの上司……だったが、カブトを倒す事に躍起になるあまりチームを放棄、ザビーゼクターに見限られてしまう。
彼の作る麻婆豆腐は美味いらしい。中盤、再登場するもその姿は……。


影山瞬
三代目ザビー資格者。
最初は上司思いの部下だったが、次第に小悪党化、落ちぶれていった。
「俺のザビーゼクター返してくれよぉぉ!!!」と天道に泣きつく姿は…もはや何も言うまい。


風間大介
ドレイク資格者……だが、やや迷惑がっている。
職業はメークアップアーティストで、風間流奥義『アルティメットメイクアップ』を用いて女性を輝かせる。
メイク完了後、客に誉め言葉を言うが、語彙が少なく途中で止まる。ゴンが続きを言い、「そうそう、それそれ」と言うのがお約束。
役者の都合もあり出番が少ないがメイン回が多く、最終的な成虫ワーム撃破数は第三位。


◆ゴン
大介と一緒に行動している記憶喪失の女の子。ゴンという名前は『名無しのゴンベイ』から。
大介の保護者を名乗り、天道も認めている。
好きな飲み物は苺ミルク。


神代剣
サソード資格者。
自称「神に代わって剣を振るう男」「全てにおいて頂点に立つ男」。「じいやが言っていた」と言ったり、スポーツ万能だったり、天道と共通点が多い……が、世間知らずの愛すべきバカ。
イギリスの名門『ディスカビル家』の末裔であり、かなり箱入りで常識を知らない。食べ物の名前さえ知らない。
また、初めて聞いた名前を外国語っぽくする。
『豆腐→トゥーフー』『ラーメン→ラ・メーン』『加賀美→カッガーミン』
姉を殺したサソリ型のワームを追っており、「ワームは全て俺が倒す」と宣言している。
一時期は地獄兄弟の仲間入りを果たすが、地獄でも頂点を目指そうとするなどポジティブ。


◆じいや
剣の世話をするご老人。さる筋では有名な方で、天道が「人類の宝」として敬意を払う人物。
剣の世間知らずは、この人の過保護が原因っぽい。
同じく料理の達人の双子の兄弟がいる。


◆加賀美陸
加賀美の父親。警視総監にしてZECTの実力者にあたる。
過去の事件で息子との間に深い溝が出来ている。
本編では説明がないが、超全集においてホッパータイプは『赤い靴』とは別系統の対ネイティブ用兵器としてひっそり作っていた物を矢車に渡したと推察している。
後年に発売されたムック本『語れ!平成仮面ライダー』ではこの人の名場面が取り上げられていた。
豚の餌ぁぁぁぁ!!!


三島正人
ZECTの幹部。有能だが、目的のためなら手段は選ばない。
味覚がないので普段はサプリメントで栄養を摂取している。


◆高鳥蓮華
後半から登場したZECT見習い。特技はワイヤーを使った攻撃。
ある事情からZECTに所属した天道を監視するため、彼の副官に任命された。
その後は色々あって天道に弟子入りする。


【用語】


《ZECT》
ワームに対抗する秘密組織。警察のトップと繋がりがある。


ワーム
渋谷隕石から生まれた地球外生命体。共通の幼体から、様々な虫型の成体に脱皮する。成体になるとクロックアップが使えるようになる。
擬態能力を持ち、人間に化け、記憶までコピー出来る。
心はワームのままだが、ごくまれに擬態した人間と同じ意思を持つようになる者も・・・?


《マスクドライダーシステム》
ZECTが開発した対ワーム用の切り札。ゼクターと呼ばれる虫型デバイスを用いる事で変身する。
カブトやガタックを除くとベルト以外のデバイスで変身するという平成ライダーでも珍しいタイプ。
一応『エクゼイド 』のライドプレイヤーなんかはベルト無しで変身するが、あちらは量産ライダーである。

カブト
天道が変身する赤いカブトムシ型ライダー。
必殺技〈ライダーキック〉

ザビー
複数の人間が変身した黄色いハチ型ライダー。
必殺技〈ライダースティング〉

◆ドレイク
風間が変身する水色のトンボ型ライダー。
必殺技〈ライダーシューティング〉

◆サソード
剣が変身する紫色のサソリ型ライダー。
必殺技〈ライダースラッシュ〉

ガタック
加賀美が変身するZECT最強のライダーであり、「戦いの神」とも呼ばれる青いクワガタ型ライダー。
必殺技〈ライダーキック〉〈ライダーカッティング〉


《ゼクター》
ライダーに変身するために必要な虫型デバイス。意思を持っており、資格者を自分で選び、ワーム出現の際には資格者を呼んだり急かしたりする。
ZECT製なのに部外者(しかも変人)ばかり選ぶ組織に優しくない子たち。

◆カブトゼクター(カブトムシ)
天道を資格者に選んだ。天道も認める手際で麺を切る。ワームを感知して天道を呼んだり急かす姿が可愛らしい。

◆ザビーゼクター(ハチ)
資格者をころころ変える事からビッチ扱いされるが、一人目は自業自得で二人目は辞退なので、そこまで酷くはない。
序盤では唯一ZECTに残っているゼクター。

◆ドレイクゼクター(トンボ)
一番大きい。そして一番影が薄い。

◆サソードゼクター(サソリ
出現時に「STAND BY」の音声と共に毎回地面などを突き破って出てくる困ったちゃん。
装着者を適にした設計なので、設定上は変身の敷居が低い。
身体についた土や砂を振り払う姿が愛らしい。

◆ガタックゼクター(クワガタムシ)
気性が荒く、資格者を選ぶ実験では候補者を全員半殺しの病院送りにした。だが、野球中の資格者を応援する為だけに現れたりもする可愛い子。
コイツもZECTに残っている。


キャストオフ
マスクドライダーがマスクドフォームからライダーフォームに移り、外装をパージする事。戻す場合はプットオンという。


クロックアップ
ワームが行う高速行動。対ワーム用であるマスクドライダーにも搭載されている(ライダーフォーム時のみ使用可)。使用中は周囲の時間の流れが遅くなり、周囲が止まって見える。


《黒包丁》
かつて、闇の料理人が使っていた伝説の包丁。


《白包丁》
かつて、光の料理人が使っていた伝説の包丁。


《田所家伝来の包丁》
長い間しまわれていたため真茶色に錆びてた。
「錆びてるぅ!」


【主題歌】

YU-KI(TRF)『NEXT LEVEL』


【劇場作品】




【小説】


  • 『世界の果てで君と出会う』
DVDの特典だったが、7年ほど経ち小説版に再収録。
加賀美が行方不明になったひよりを求めてタイのバンコクまで旅をする話。
本編ラストとどう考えても繋がらない箇所が散見されるが、これはDVD特典ということで本編終盤の製作前に執筆された事に起因しているらしい。

  • 『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER KABUTO EDITION -since 1986-』
日下部総一と加賀美陸が登場。

  • 『小説 仮面ライダーカブト』
講談社キャラクター文庫の第1弾として2012年に『W』『オーズ』の小説共々刊行。著者は米村正二
本編のノベライズ………なのだが、前日談である天堂の過去編と、本編第1話及び終盤3話と、上記の特典小説の再録だけで構成されており、最初から地獄兄弟状態な矢車と影山、エピローグだけにしか出ない風間、登場すらしないぼっちゃまと突っ込みどころが満載であり、文章自体も擬音が多いなど拙さが指摘されている(特に戦闘シーンの酷さは特筆に値する)。このため「電波小説」と評されてしまうなど、全ライダー小説の中でぶっちぎりに低い評価を貰ってしまっている。
もっとも低い評価なだけであって悪いわけではないことは留意。特典小説の再録に価値を見出せるのであれば買っても損はないだろう。
ちなみに、特典小説は『祭りのあと』に改題されている。


【ゲーム】


プレイステーション2で3D格闘ゲームとして登場。キャラゲーは大味という定説を覆し、一本の格闘ゲームとして評価が高い。
にもかかわらず、平成ライダーのゲーム化は本作で終了。三年後の『ディケイド』からオールスターバトル方式で復活する。
生産本数が少なく、中古屋ではかなりの高値で取引されている。
本作に登場する仮面ライダーダークカブトは、テレビ本編とは打って変わった邪悪な人格になっている。
これは、本編での彼のキャラクターがまだ固まっていなかった時期に企画・制作されたため。
「ダーク」の名にふさわしい人格と、ユニークな必殺技モーションで人気が高い。
後の『仮面ライダー 超クライマックスヒーローズ』では、本作のザビーの全ボイスとキックホッパーの一部音声が本作から流用されていると言われている。




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最終更新:2024年02月14日 09:14
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