生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと(漫画)

登録日:2015/10/25 (日) 00:11:33
更新日:2024/02/20 Tue 11:18:51
所要時間:約 3 分で読めます







『生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと』は、
月刊アクションにて連載された永瀬ようすけによる日本漫画である。

所謂「タイムリープもの」の物語であり、『ダメダメな人生を送っていた主人公が、
タイムスリップして人生をやり直す』という、今ではありふれた物語である。



  • あらすじ

漫画家志望の32歳「向井和也」は、酩酊の果てに母校の小学校の屋上から飛び降りた。
目覚めるとそこは20年前の世界で、自分の姿も小学6年生に戻っていた。

屈辱にまみれた人生をやり直すチャンスを得たカズヤは、初恋の少女アンナと結ばれる事を望む。



■登場人物

  • 向井 和也
無職童貞の主人公。
1995年(20年前)にタイムスリップし、アンナと結ばれることを望む。


  • 保田 杏奈
和也の初恋の相手にして、本作のヒロイン。
2015年時点では京太の妻であり、また和也の数少ない友人。


  • 小杉 京太
和也の親友。
2015年現在ではエリートサラリーマンにして杏奈の夫だが、杏奈と同じく和也の数少ない友人。


  • 外海 いづる
突然転校してきた、杏奈の従妹。
しかし、未来からやってきた和也には彼女が転校してきた覚えはなく……。




追記・修正お願いします。

















   *   *
 *   + 騙されるな!!
  E) ∧_∧ (ヨ
+ u (#・Д・) u
  Y   Y  *







この物語が他のタイムリープものの物語と決定的に異なる点がある。
それは、主人公が作者からも公言されているほどのクズという事だ。*1


■本当のあらすじ

漫画家志望・無職童貞・遅刻癖有りの32歳「向井和也」は、
居酒屋で杏奈と京田の妊娠を聞き、自暴自棄になって酩酊の果てに母校の小学校に侵入し、
忘れ物の小学生の水着でナニしていたところを警備員に追いかけられ、追い詰められた果てに
屋上から飛び降りた。

目覚めるとそこは20年前の世界で、自分の姿も小学6年生に戻っていた。
屈辱にまみれた人生をやり直すチャンスを得たカズヤは、初恋の少女アンナと結ばれる事を望む。

が、杏奈と京田は既に恋人の関係であり、自分の入る隙間など無かった。
しかし和也は、杏奈を欲望のままに汚す事を考え、行動を起こし始める……。



■本当の登場人物

  • 向井 和也
タイムスリップ前から被害者の側面を持ってはいるものの、
性に興味を持つクラスメイトを性欲のはけ口にしたり、
事故が起こることを知って、いじめっ子をその場へ誘導・殺害したりなど、
クズな大人は、子供に戻ってもクズのままだった
ある意味、現在に点在する転生もの・タイムスリップもの主人公への強烈なアンチテーゼ。

実は小学生時代にタイムスリップするのは2回目であり、最初の人生では杏奈をレイプしたことで自信を付け、
職も女もあるリア充人生を過ごすようになるが、実の娘であったいづるに殺されていた。
その後、第1話開始時の堕落人生という第2の人生を過ごし、現在の第3の人生に至るようになった。
最終的にいづると相打ちになるが、再びタイムスリップして、杏奈を汚す事をいづるに仄めかす。


  • 小杉 京太
和也の1回目のタイムスリップ時には別の女性を恋人=婚約者にしている
本作の時間軸では、表面上は和也との交友関係は保っているが、和也に良いように扱われているだけで空気。
最終的に和也の本性を知り、いづるを救うため和也に攻撃を加える。事件後は転校したが、その後の描写からして以前の時間軸のように杏奈と結ばれる望みはかなり薄い事がうかがえる。



  • 保田 杏奈
本作最大の被害者
和也の1回目のタイムスリップ時には彼に犯され、娘を出産後自殺している
本作の時間軸では、和也にレイプされかけるも、いずるに救出される。
最終的にはトラウマを背負う顛末を迎えるも、いずるに守られたお蔭で妊娠することはなかった。傷心のまま別の町に引っ越すも、中学に進学すると同時に、「未来の娘との再会」を信じて、前を向いて生きることを誓った。


  • 外海 いづる
突然転校してきた、杏奈の従妹。
しかしその正体は、「外海いづるの偽者」にして、未来からやってきた和也と杏奈の娘「保田」(厳密には、杏奈の従妹である外海いづるに魂だけが入り込んだ存在)*2
顔つきは、あろうことか、和也に似ている。しかし彼とは異なり、頭脳明晰かつ文武両道な優等生だった。
以前の時間軸では、自身の顔が災いして、杏奈との親子仲は不仲で、祖父母からも愛されずに育つ。
それでも母に喜んでもらおうと勉学やスポーツに励み、優秀な成績を収めていた。だが、その努力が報われることはなかった。
クリスマスの日、杏奈と外出できたことを喜ぶが、その直後に母は線路に飛び込んで、帰らぬ人になる。
この後、いづるは杏奈の日記を読んだことを機に、実の父親である和也に会いに行くが、
和也は杏奈のことで悪びれるどころかのうのうとリア充していた為、いづるは自らの手で実の父親を殺害。
その後、和也の血を残さぬために自身も命を絶った……。

だが、運命のいたずらにより、自身が生まれる前の時代にいる人間「外海いづる」として目覚める。
そして、未来の母である杏奈を救うために、杏奈のクラスに転校し、元凶の和也とも顔を合わせるのだった。
これらのことから和也に抱いている憎しみは尋常ではなく、どんな手段を使ってでも和也を抹殺しようとする
最終的に和也を道連れに戦死するも、この先、何度でも和也を殺すことを誓った。事件後、保田の魂は抜け出たため、本物の外海いづる本人の意識は回復した。
ちなみに、この作品のタイトルは「生まれる価値のなかった自分(いづる)がアンナ(母)のためにできるいくつかのこと」と解釈できるものであり、題名から既にミスリードだったのである。

  • いづるの祖父と祖母
いづるが元いた世界に存在した祖父母。つまり杏奈の両親である。
敬虔なクリスチャンであり、杏奈が妊娠した際には彼女の意志を無視して堕胎を反対していた。
だが、杏奈が出産した後は上記の経緯が原因でいづるを忌み嫌っており、彼女に対する愛情は全く無かった*3
杏奈が自殺した後は、杏奈の過去を嘲笑したクラスメイトに暴力沙汰を起こしたいづるに対し、
彼女を庇うどころか「悪魔」「お前が娘を殺したようなもの」と罵倒して悪人扱いする有様であった。
被害者と言えなくはないが、大きな目線で自分の行為を省みられない想像力の欠如で結果的に杏奈といづるを苦しめていた事から、和也とは別のベクトルでタチの悪い人物と言える。



■もう一つの結末

連載終了後に本編とはオチが異なるアナザーエンディングがニコニコ静画で公開されていた。
ただし、期間限定であったために現在は配信が終了しており、単行本にも未収録であったが、読者の希望が多かったため作者である永瀬ようすけ氏のTwitterにてセリフ無しながら一部が上げられた。






追記・修正は、例えタイムスリップして子供に戻っても、清く正しく生きる事を誓ってからお願いします。

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最終更新:2024年02月20日 11:18

*1 作者は主人公を「クソゲス」と称している。

*2 和也と杏奈の娘は「保田家の孫娘」として育てられたため、苗字は保田姓であることが確定しているが、下の名前は意図的に伏せられている。

*3 一応、高校卒業まではいづるを育てるつもりではいたが、逆を言えば高校卒業したらすぐにでも彼女を捨てるという魂胆であった。