シンデレラプロジェクト プロデューサー

登録日:2015/10/19 (月) 23:16:08
更新日:2024/02/17 Sat 08:46:40
所要時間:約 30 分で読めます






いい、笑顔です。






シンデレラプロジェクト プロデューサーとは、
アニメ『アイドルマスターシンデレラガールズ』メインヒロイン主要人物である。
CV:武内駿輔

『シンデレラプロジェクト プロデューサー』というのは彼の名刺から。
EDクレジットでは『プロデューサー』とだけ表記されている。

ファンの間では演者の名字から取って、専ら『武内P』と呼ばれることが多い。



概要

大手芸能プロダクション『346(美城)プロダクション』アイドル部門に所属するプロデューサー。
新人アイドルによるプロジェクト『シンデレラプロジェクト』のプロデュースを一手に引き受けている。
メタ的にはゲーム版におけるプレイヤーの分身とも言うべきポジションにあたる。

……と、ここまでなら前作の赤羽根Pと(会社の規模以外は)そこまで変わらないが、
どこから来たか分からない謎の大男というインパクト抜群のビジュアルと、それに見合った重低音ボイス第1話から話題をさらった。

彼が養成所でとあるアイドル候補生に名刺を差し出すところから、シンデレラたちの物語は始まっていく。



外見的特徴

きらりに匹敵する長身*1に屈強かつ大柄な体格、さらに殺し屋めいた鋭い目つき&無表情と、
おおよそ『アイドル事務所のプロデューサー』のイメージとはかけ離れた外見の持ち主。
服装は常に黒スーツ(せいぜい、天候や季節に合わせて上着を脱いだりコート等を羽織ったりする程度)だが、
それが逆に怖さに拍車をかけるのか、劇中では不審者に間違われたり、女の子に怖がられるといったトラブルに見舞われることも少なくない。
物語が進むにつれ顔つきは徐々に柔和になっていったが、それでも計4回警察のお世話になったり、話しかけただけで「ママーッ!」と叫ばれたりした。
視聴者からも葛木宗一郎キリコ・キュービィーフジキド・ケンジといった物騒なキャラに似ていると言われる。

その年齢を推し量ることは難しいが、少なくとも劇中の描写を見る分にはプロデューサーとしてそれなりのキャリアはある様子。
常に丁寧口調で話し、それはたとえ年下のアイドル相手であっても(むしろだからこそ?)変わることは無い。

考え事をしている時や、返答に窮したり困ったりした時などに、首の後ろに手を当てる癖がある。
この癖は当初頻繁に見られたが、物語が進む中であまり見られなくなった。

また余談ではあるが、『いつもスーツを着ている』『寝癖がついている』『目つきがぴにゃこら太そっくり(?)』等のいくつかの特徴は、
ゲーム版で語られているプロデューサーの特徴とも共通する部分であり、ゲームのファンならニヤリとできるポイントになっている。



性格

寡黙で不器用だが、実直で粘り強い性格の持ち主。
アイドルのプロデュースという仕事に対しては内心熱いものや強いこだわりを持っていることがうかがえるが、
凛をスカウトすべく行く先々で名刺を差し出して待ち構えるという行動に出る(妖怪名刺だけでも)など、少々やり過ぎとも思える場面も。

また、当初はその口数の少なさも手伝って「現在、企画中です」「検討中です」など事務的な発言に終始することも多く、
どこか掴み切れない印象を与えていた。(これは「不確定事項を話すことは避ける」という彼の誠実さの表れであったのだが、どうしても言葉足らず感は拭えない。)
そういったアイドル達から一歩引いた態度が災いし、彼女たちからは「何考えてるか分からない」(by莉嘉)という評価を受けることも。

しかし第6話での出来事(後述)を転機に、改めてアイドル達と共に歩んでいくことを宣言。
それからは、性別も年齢も異なるアイドル達とのコミュニケーションに対して、時に悩み、時に振り回されつつも、
不器用に少しずつ、しかし確実に信頼関係を築いて行く様が(時におかしさを交えながらも)描かれるようになり、
彼自身もアイドル達と距離を縮めていくにつれて、自分の思いを冒頓ではあるが真摯に伝える姿が見られるようになっていった。

いつも持ち歩いている手帳にはアイドル達それぞれの好みや性格がびっしりと書き込まれており、彼の真面目さが垣間見える。
特に独特の口調が特徴的な神崎蘭子のページは、その言葉の意味を彼なりに解釈した辞書のようになっていた。(視聴者曰く「蘭学書」)

一方で、彼自身の私生活や趣向についてはほとんど何も分かっていない。劇中の描写から可能な限り推測したとしても、
  • ハンバーグが好物
  • 部長にコーヒーを奢ってもらったことから、コーヒーは嫌いではなさそう
  • 甘いものも普通に食べる
  • 社内全てが禁煙になっても全く憤っていなかったので、恐らく非喫煙者か、していても嗜む程度である
  • メンバーとのやり取りを見るに、女性への耐性は低すぎず高すぎない
  • 高級そうな腕時計をしていることから高給取りだとは思われるが、彼の住まいや暮らしぶりについては不明
といったことくらいしか分からない。



過去

第7話にて、プロデューサーの上司である今西部長の口から、シンデレラプロジェクトの少女たちに「ある男の話」として彼の過去が語られた。

+ ある男の話
「昔々あるところに、とてもまっすぐな男がいてね
 男はいつもまっすぐに道を示した、シンデレラたちが正しく進めるように、まっすぐ、まっすぐ…
 でも、正しい道でも、まっすぐな示し方でも、時と場合によっては息苦しく感じてしまうものだ 
 結果、何人かのシンデレラたちが男の元を去っていった 
 それ以来、男はとても臆病になってしまった
 そして男は自分を、シンデレラたちをお城へ送る無口な車輪に変えてしまった…」





転機

第6話『Finally, our day has come!』、第7話『I wonder where I find the light I shine...』のネタバレを含みます。

+ ...
シンデレラプロジェクトが始動し、ボイコット騒ぎなど危うい部分もあったものの、何とか順調にアイドルたちをプロデュースしていたプロデューサー。
しかし、6話にて行われたラブライカとニュージェネレーションズのデビューイベントのミニライブ後に事件は起きた。
3話でバックダンサーとして美嘉の煌びやかな―――あまりにも煌びやか”過ぎる”大ステージを経験していた未央は、
それに比べてギャラリーの数や盛り上がりが少なかったことから、自分達の今回のライブは失敗してしまったと思い込んでしまう。*2
自信満々に友達をライブに招待していた気恥ずかしさなども相まって、プロデューサーに向かって感情を爆発させてしまう未央。


そんな彼女に対しプロデューサーが選んだ言葉は……「今日の結果は当然のものです」というものだった。


このシーンはまさに彼の言葉足らずな部分の悪さが前面に出てしまった瞬間であり、
彼自身は「(新人アイドルとしては)今日の結果は当然のものである(から、何も気にすることはない)」という前向きなニュアンスで言ったにもかかわらず、
未央には「(リーダーの未央が力不足だから、ライブの失敗という)今日の結果は当然のものである」という真逆の受け取り方をされてしまう。
この時それを見守っていた卯月も驚きのリアクションをとっているため、やはり誤解されかねない言い方であると言わざるを得ない。


これが結果的に未央にトドメを刺してしまい、

「もういいよ……私、アイドル辞める!

と叫んで走り去ってしまう未央。その姿に、自身の過去の再現を見たかのように茫然と立ち尽くすプロデューサー。


それでも内心の動揺をなんとか隠しながら、後日、本当にプロダクションに来なくなった未央を引き戻そうと彼女の家に訪れるが、
本心を伴わない彼の言葉は未央の心をますます頑なにするばかりだった。

その上、プロジェクトのアイドル達には「こちらに任せてください」とだけ言って問題を1人で抱え込んでしまい、
彼女達もそんなプロデューサーの真意が見えず、徐々に不安が広がっていく。
見かねて真意を問いただそうとする凛に対しても、あいまいな発言ばかりで本音を話そうとせず、その姿に失望した彼女からも信頼を失ってしまう。
『シンデレラプロジェクトはこのまま解散してしまうだろうか…?』という不安が、いよいよアイドル達の間で深まっていく。


そんな折、風邪をひいて休んでいた卯月の見舞いに訪れることになったプロデューサーは、
もさもさ髪のしまむーに癒され彼女とのやり取りの中で大切なことに気が付き、奮起。
プロジェクトのアイドル達にも「解散はさせません」と宣言して、改めて未央の元に向かうプロデューサー。

どうにか未央と対面した彼は、ライブの写真を見せて言う。
あのライブは本当は成功だったと思っていると。確かに観客は少なかったが、彼らは足を止め、こんなにも笑顔だったのだから、と。
だとしたら余計皆に合わせる顔が無いと言う未央に、「だからこそ、このままではいけないと思います」
「私は、このままあなたたちを失う訳にはいきません」と、初めて本心をさらけ出すプロデューサー。

彼の言葉によって、無事に未央はもう一度アイドルを続けることを決意。
凛との信頼もまた、彼女と真摯に向き合ったことと未央の仲介もあってどうにか回復に成功。
こうして彼は、アイドル達一人一人としっかりと向き合い、これからは共に歩んでいくことを改めて宣言したのだった。

―――その後、未央の提案で「アイドル達との距離を縮める試み」の一環として、敬語の喋り方を止めようと悪戦苦闘することになるのだが、それはまた別の話。





プロデュースについて

アイドルの個性と自主性、そして何より彼女たちの笑顔を重要視している。

当初は過去の経験もあってか、一歩引いた立場からスタッフや他のアイドル達を通してプロジェクトのアイドルたちをフォローする名黒子ぶりが描かれたが、*3
第6話以降は前述の通り、アイドル達の意志を尊重し、そのサポートのため奔走する姿が目立つようになる。
ライブスタッフと共に掃除や会場設営等の現場仕事に取り組んだことも。

実務に関しては非常に有能であり、その点は美城常務達にも高く評価されている模様。
各種イベントでの立ち回りだけでなく、咄嗟のトラブル対応にも落ち着いて対応する姿からは、経験の豊富さを感じさせる。
(その割には、職質された時など自分に降りかかるトラブルに対しては殆ど狼狽えっぱなしだったが。)

デビューイベントのために良い会場を押さえるなど、営業面でも優秀さがうかがえる。
おそらくは弁舌よりも、持ち前の誠実さと粘り強さで仕事を取って来るタイプだろうか。

全体的に慎重派で、ともすれば過保護にも思える場面も多々存在するが、
一方で、サマフェスの合宿では(おそらく)アイドル達の結束を促すためにトレーナーも付けずアイドル達だけで自主レッスンをさせたり
卯月が復帰するニュージェネレーションズのライブ1曲目に彼女のソロ曲を持ってきたりと、アイドル達への信頼に基づいて豪快な真似をすることもある。

また、自分のプロジェクトの中でアイドル達をプロデュースしたいという思いも強かったようで、
20話で常務からアナスタシアと凛のプロジェクトクローネ参加を打診された際には、最初は強く反対していた。
しかし最終的にはアイドルたちの意志を尊重し、どこであっても彼女たちが笑顔でいられると思う道を全力でサポートすることを決意。

彼もまた、アイドル達と共に成長していったと言える。



シンデレラプロジェクト

オーディションやスカウトで選ばれた新人アイドル達から構成される、彼がプロデュースする346プロのプロジェクト。(以下、CPと表記。)

総勢14人の少女から成り、6つのユニットが随時デビューしていった。
それぞれのユニット名の頭文字を繋げると"CINDERELLA"になるという偶然の符合がある。
このユニット名は多くの場合アイドル達自身によって命名されたが、『new generations』『Rosenburg Engel』『✽』に関しては、
結果としてプロデューサーが名付け親になっている。

彼は当初、CPメンバーのほぼ全員から「プロデューサー」とだけ呼ばれていたが、
信頼関係が築かれるに従って何人かのメンバーからは仇名めいた呼び方*4をされるようになっていった。
最終回では、アイドルとして一本立ちした彼女たちに続き、2期生が選抜されている。
彼が1期生2期生両方のプロデュースを同時に担当しているのだとしたら、過労死しないか心配である。

+ 1期生メンバーとユニット一覧
  • new generations(ニュージェネレーションズ)

  • LOVELAIKA(ラブライカ)

  • Rosenburg Engel(ローゼンブルクエンゲル)

  • CANDY ISLAND(キャンディアイランド)

  • レーション(デコレーション)

  • ✽(Astarisk)(アスタリスク)


ちなみに前作では美希が赤羽根Pに好意を抱いているような描写が見受けられたが、こちらのプロデューサーにはそういった明確な恋愛絡みの描写は薄い。
ただ、蘭子ときらりについては好みのタイプに彼が当てはまるような答え方はしており、
また、卯月によると凛の父親はどことなくプロデューサーに似ているらしい。



【プロジェクト外で関わりがあるアイドル】

莉嘉の実姉であるカリスマギャル。
劇中ではCP結成前にデビューしており、アイドルに疎い凛でも知っていたほどの高い知名度を誇る先輩アイドル。
初登場時から既に他部署のプロデューサーである彼にも物怖じせず声をかけ、
デビュー前のニュージェネレーションズに期待して自分のライブでバックダンサーをさせることを提案するなど、初対面とは思えない態度をとる。
その後も莉嘉を心配してちょくちょく顔を出している他、サマフェスの時にはCPの為にステージに上がって時間を稼ぐなど、良き先輩として振舞っていた。
プロデューサーに対しては莉嘉絡みで怒りを露わにしたこともあったが、人柄自体は気に入っているのか基本好意的で、気軽に接している。

1話のOPでセンターを務めた、お茶目でミステリアスなアイドル。
美嘉と同様にCP結成前から既にデビューしており、かなり知名度が高いアイドルのようだが、新人であるCPのアイドル達にも分け隔てなく好意的に接する。
プロデューサーとの関係性は不明で、彼と会話したのは2話での挨拶1回だけだが、その時の描写に妙に含みがあり、謎の距離感を感じさせた。
未央に楓と知り合いなのかと聞かれたプロデューサーは「同じ事務所だから」だと答えていたが、「以前に何らかの関係があったのでは?」と考える視聴者も。
また、15話で彼女が常務の話を蹴ったという話を聞いた今西部長は「彼女は少し君に似ている」とプロデューサーに語っている。

ホラーやゾンビが大すきな、CPの先輩にあたる小さなアイドル。
本来は人見知りで気弱な彼女だが、何故か強面で大柄なプロデューサーを怖がることなく、むしろヘルプを頼まれて快く応じるほど好意的。
それには勿論、蘭子やアナスタシアなど同じく寮生活を送るCPのアイドルのために…という思いもあったのだろうが、
プロデューサーからみくと李衣菜の共同生活を見守るように内密に頼まれていたりと、彼からも信頼を寄せられているような描写も存在する。
また、オータムフェス(346プロの秋の定例ライブ)では、
友人でもある蘭子との2人ユニット『Rosenburg Alptraum(ローゼンブルクアルプトラウム)』としてプロジェクトに参加。
その際も、年少組の動向を彼から任されるだけでなく、
感情が読み取りにくい彼の微妙な変化も読み取る*5など、やけに意味深な描写が多い。

秋フェス等で『✽(Asterisk)withなつなな』として参加した先輩アイドル。
アスタリスクの2人(菜々はみくから、夏樹は李衣菜から)からリスペクトされており、彼女たちもまた2人の情熱に救われたことがある。
菜々とプロデューサーは直接的な絡みこそないものの、みくと菜々の交流がCPが他部署と協力する流れができるきっかけになったので、
彼にとっては言わばCPのキーパーソン的存在とも言える。(明言はされていないが、みくが「菜々の部署と協力して活動できないか?」と彼に提案したようだ。)
一方で、プロデューサーと夏樹には会話シーンが用意されており、
初対面から仇名で呼んでいいと言う夏樹に、「アイドルの皆さんを仇名で呼べません」と敬語禁止令のトラウマが蘇ったのか狼狽しつつも固辞するプロデューサー。
そんな彼を夏樹は「頑固というか、ロック」と表現したが、なかなかどうして的を射た評価である。

赤いリボンファッションが特徴的な先輩アイドル。
14話にて妙にホラーな演出と共にプロデューサーをつけまわす「怪しい人影」として登場し、CPメンバーの恐怖と警戒を呼んだ。
正体が判明してからはリボンに包まれた手紙を渡して彼を呼び出し、「プロデューサーに気があるのでは?」と再び別の盛り上がりを見せたが、
『彼と彼女の担当プロデューサーとが同期であったため、その誕生日を質問する機会を窺っていた』というオチでCPメンバーと視聴者を拍子抜けさせた。
ちなみにこの件を通して、プロデューサーは歌鈴にお祓いされたり早苗さんに逮捕されたり、振られたわけでもないのに励まされたりする羽目になった。


+ プロデューサーの過去に関する考察
前述の通り、今西部長は「過去に彼の元から去った女の子がいた」と言及していたが、
これに関して「業界そのものからは去らずに残ったアイドルもいたのでは?」と考える視聴者も少なくない。
つまり、現在346プロに所属しているアイドルの中に彼の前担当がいるという可能性である。
この「その人物とは果たして誰だったのか?」という議論は、視聴者の間で度々話題になった。
勘違いのないよう明記しておくが、必ずしも『彼の前担当アイドル=彼の元を去ったアイドル』という訳ではなく、
  単純に『彼がCPを任される前に担当していたアイドルがいるかもしれない』という話でもある。)

仮にそれに該当するアイドルがいるとするならば、
346プロダクションという巨大企業で、業界から注目される新規プロジェクトを一人で担当するという重役であるプロデューサーの立場から考えるに、
彼が過去に何かしら大きな実績を残していることはほぼ間違いない=現在でも華々しい活躍をしているアイドルがそうである可能性が高い、という推理が成り立つ。

その候補として視聴者の間でよく名前が挙がるのは、(346トップアイドル)、美嘉(カリスマJK)、小梅(映画主演)の3人。
楓については直接的な絡みこそ少ないものの、CP担当に選ばれる実績を上げる対象としては充分ではあり、何かと意味深な描写も多い。
美嘉は彼との絡みも多く、距離感も非常に近い。実績としてもカリスマギャルとして広く知られている彼女をプロデュースしたのであれば申し分ないだろう。
小梅に関しては、プロデューサーは「幽霊が苦手」と語っているにもかかわらず、「あの子」の存在を出されても特に驚いていない描写があってこれまた怪しい。


もっとも、あくまでこれは1つの考察の域を出ない話でしかなく、
そもそも物語的に重要なのは『前担当がいた』ということではなく『彼の元から去ったアイドルがいた』という事実の方なので、
これについての何かしらの言及が公式からされることはまず無いと言っていいだろう。





その他の関係者

ゲーム版同様、プロデューサー(と言うよりはCP)の頼れるアシスタント。
スタドリをくれたり、良い時期にライブ会場を押さえたり、イベントのアナウンスを務めたり……と、仕事ぶりもとにかく有能。
基本的に穏やかで優しい女性だが、プロデューサーが誤解から警察にお世話になった時には、
威圧感さえ感じさせる(気がする)笑顔と共に身元保証人として彼を迎えに現れた。プロデューサーもそんな彼女には中々頭が上がらない様子。

  • 今西部長
プロデューサーの(おそらくは)直属の上司。
出番や発言こそ決して多くないが、アイドルやプロデューサーの成長を穏やかに見守っている。
また、前述したようにプロデューサーの過去を知っていることから、彼とは短くない付き合いであることがうかがえる。

第2クールからアイドル事業部統括重役として登場した、346プロダクションの常務。
プロデューサーとは上司と部下の関係にあり、ネクタイを直してあげたりしつつその能力について高く評価していたが、
「現行のプロジェクトを全て白紙に戻す」という彼女の宣言を皮切りに、アイドルのプロデュースについての方針・考え方の違いから対立していく。
と言っても表立って反発するわけではなく、相互不干渉で企画を進めながら、その成果を提出するという方向で動いていくことになる。)
紆余曲折はあったものの、最終的に熱いポエムバトルを経てお互いの考えを少しずつ認めることで一旦の和解をみた。

+ ポエムバトル抜粋


Q.ポエムバトルとは?
A.プロデューサーと美城常務の間において劇中で度々行われた、たとえ話や詩的な言い回しをふんだんに用いたやり取り。
  見た目に反してどこかロマンチックなプロデューサーと、口調の強さに反してどこか乙女チックな美城常務による言葉の応酬は、視聴者に大きな印象を残した。

(プロデューサー= 美城常務=常)

◆23話

常「アイドルを星に例える者がいるが、星の光は永遠ではないと知るべきだな。
  雲に隠れた星に、価値など無い。見えなければただの闇、無だ。
P「晴れない雲はありません。島村卯月は、シンデレラプロジェクトに必要なメンバーです。彼女は必ず戻ってきます。」

◆24話

常「分からないか?私は君のここまでの成果を損なうのは惜しいと言っている。」
 「君がその、"Power of Smile"などという幻想を捨て、島村卯月を切り捨てればいい。早く目を覚ますことだ。」
P「……方針は変えません。」
常「何?」
P「"光"はそこにあります。今の貴女には、見えていないだけで。

◆25話(ラストバトル)

常「あるところに1人の少女がいたとしよう。何の取り柄も持たない、不遇の灰かぶり。
  少女は憧れる、綺麗なドレス、きらびやかな舞踏会、優しい王子に手を引かれ、共に美しい城の階段を登ることを。
  物語には、目指すべき目標が必要だ。みなが憧れる、光り輝く目標が。
  だからこそ、城は気高く、美しく、そこに立つ者達はそれにふさわしい輝きを持つものでなくてはならない。
  君のような、輝きを失った者まで守ろうとするようなやり方では、やがて城の威厳は失墜し、廃れていくだろう。
P「城を目指す少女は、何かを願う者です。想いの形は、それぞれが違う。その全てが、星のように大切な輝きだと、私は思います。
常「星……君はその星全てを見出だせるというのか?
P「いいえ。私に見えて常務に見えないこともあれば、その逆もあります。渋谷さんとアナスタシアさんの別の可能性を常務が示されたように。
  部署という枠に囚われていた私には、思いもよらなかった可能性です。触発された他のメンバー達も、それぞれの可能性を広げ、輝きを増しています。
  そして、それも無限にある、彼女達の可能性の1つに過ぎないのではないかと。」
常「私の理想も、その1つに過ぎないというのか。」
P「……一番大切なのは、彼女達が笑顔であるかどうか。それが、私のプロデュースです。」
常「……君とは噛み合わないな。私は城を、君は灰かぶりの夢を、第一と考えている。我々は平行線のままだ。」





シンデレラの舞踏会 ~Power of smile~

劇中でプロデューサーが企画した、アイドルの個性を活かした総合エンターテイメントイベント。

事の発端は第15話。
現行のプロジェクトを再編しようとする美城常務のやり方に真っ向から反発して話をややこしくしたプロデューサーに対し、
常務はその対案の提出を要求。それを受け、CPのアイドル達の協力を得て彼が提出したのが、この『シンデレラの舞踏会』である。
コンセプトは勿論「笑顔」で、アイドルとそれを支えるもの、それぞれの心からの笑顔が力になる…というもの。
部署の存続を賭けた一大イベントであり、常務にはこの『Power of smile』がプロデューサーのポリシーのようなものとして受け取られたようだ。

そしてCPのアイドル達が活躍する中で、プロジェクトの活動そのものに他部署のアイドル達が参加する流れが生まれていき、
そうしたアイドル達に加え、高垣楓をはじめとするCPを応援する先輩アイドルたち、さらには美城常務主導のプロジェクトクローネ、
他にも346プロに所属している多くのアイドル達がイベントへの参加を表明。

最終的には、その内容はステージイベントやアイドルがファン達と直接交流するブロック、アイドル同士のゲーム対決、そして勿論ライブなど多岐にわたり、
まるでアイドル達の熱に押されるかのように、346プロのオールスター企画と呼んで差し支えないほどの大規模なイベントとなったのだった。



【主なセリフ】


+ ここまでに紹介していないものを記載。各話のネタバレを含むので注意。


「笑顔です。」(1話ほか)

1話においては、一度オーディションに落ちている卯月に選考理由を尋ねられての一言。彼のアイドルに対する考え方を端的に表している台詞だが、
凛に自分をスカウトする理由を問われた際にも(この時まだ凛は彼に対して笑顔を見せたことがないにもかかわらず)同様の発言をしていたため、
1話時点ではアイドルにとっても視聴者にとっても底の見えなさがあった。


「今、あなたは楽しいですか?」
「少しでも、君が夢中になれる何かを探しているのなら…一度、踏み込んではみませんか。そこにはきっと、今までとは別の世界が広がっています。」(1話)

凛をなんとか言葉巧みにスカウトしようとする際の台詞。
最初は「アイドルなんて訳分からないものは興味ない」とまで言っていた彼女に1話でアイドルへの道を決心させる辺りは流石の手腕と言ったところか。


「今日は…第一歩目です。頑張ってください。」(6話)
「あ…今日の舞踏会は……。…みなさん、今日は笑顔で楽しんでください。」(25話)

それぞれニュージェネレーションズのデビューライブ前、シンデレラの舞踏会のライブ前に何か一言求められての発言で、
彼の凛をスカウトしていた時とはまるで別人のような口下手さ…というか口数の少なさがよく表れている台詞。
共に「それだけ?」と周囲からツッコまれるのは共通だが、6話では発言を受けてどよめきが起こったのに対し、25話では笑いが起きたことから、
彼のそういった性格や言葉に込められた思いがCPのメンバーに伝わるようになっていった証拠でもある。


「え?あぁ、はい、じゃあいただきま……も、もらおうかな。」(8話)

CPルームにてかな子にお茶を勧められた時の反応。敬語禁止令に悪戦苦闘している様子がうかがえる。
この後も何度か脱敬語を試みるが、最終的には言い出しの未央にも「やっぱプロデューサーは丁寧口調のままの方がいいかも…」と言われてしまった。


「に…ニコォ…!」(10話)

凸レーションのイベントを見守りつつ、「アンタも笑ってみたら?」と美嘉に促されてぎこちなさ過ぎる笑顔と共に一言。
???流石我が友!禍々しき冷気を感じる…!


「あの時とは、違います。」(23話)

卯月に会うために凛がプロデューサーに養成所の場所を尋ねた際、「『こちらに任せて下さい』って言わないんだ…」と言われての返答。
6話・7話の経験が彼の中でしっかりと生きていること、そして彼の確かな成長を感じられる台詞でもある。


「島村さん。選んだその先で、あなたは一人ではありません。」
「私達が……みんながいます。」(24話)

ライブを控える卯月に「このままここで留まるか、それとも可能性を信じて前に進むか」という選択を迫った時の言葉。
この台詞と共に自分の指で不器用に笑顔を作りながら彼女の背中を押したプロデューサーの姿には、多くの視聴者が胸キュン感動したとか。


「笑顔で、いきましょう!」(25話)

最終話の最後の台詞。笑顔で始まり笑顔で終わるのは、実に彼らしいと言える。*6
1話での彼の言う「笑顔」と、ここでの「笑顔」は、たとえ同じ言葉であってもきっと違って聞こえることだろう。





余談

プロデューサーの声を演じた武内駿輔氏は、アニメ第1話放映当時なんと17歳の高校生という若手声優。
第1話放送に合わせて配信されたニコ生でその情報(=労働基準法に引っかかるので収録に参加できないという旨を本人が伝えるVTR)が公開されると、
その年齢と落ち着いた渋い声のギャップからたちまち話題になり、放送からほぼ2日間にわたりTwitterのトレンドに「武内」の名前が残るほどの反響を呼んだ。
当時は81プロデュースの養成所に通っており、同事務所への所属が決まったのも放送翌年であったが、本作への大抜擢がきっかけで様々な作品に出演するように。
以降は10代の青年から大人の男性・壮年役に至るまで幅広い役柄を演じ、第10回声優アワードでは新人男優賞を受賞した。
シンデレラガールズアニメ化で一番シンデレラストーリーを歩んだ人。

オーディションの選考基準は「落ち着きがありながらも若さを感じさせる声」だったとのことで、
「30ぐらいだと思ったら、プロフィールに17歳と書いてあって『冗談だろ!?』と思った」というのはオーディションに立ち会ったディレクターの談。

また武内氏は放送終了後もアニメ版『シンデレラガールズ劇場』で台詞アリの男性モブなどが必要になった際に時折出演しており、多彩な芸風を披露してくれている。
なおそのアニメ版『しんげき』のプロデューサー、徹底的に首から上が隠された原作漫画よりも若干ガードが緩くなっているのだが、
どことなくこちらのプロデューサーに似せて描かれている模様。ある意味逆輸入と言うべきだろうか。



…追記・修正については、現在企画中です。

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最終更新:2024年02月17日 08:46

*1 初期設定では185cmとのことだが、劇中で186cmのきらりを優に超えている描写もあるため、詳細は不明。

*2 センターの未央の視線の先だけが特にギャラリーが少なかった描写もあり、凛や卯月よりもさらに強く失敗だと思い込んでしまった。

*3 黒子に徹しすぎてこの時点では彼の尽力があまりアイドル達に伝わっていなかった。

*4 ゲーム版でのプロデューサーへの呼び方に準拠したもの。

*5 ちなみに、この段階では決して浅い付き合いではない莉嘉とみりあには分からなかった

*6 厳密には、彼の初台詞は第1話で養成所のトレーナーに何者か尋ねられた際の「いえ、私は…」。