チドリ(ペルソナ3)

登録日:2012/01/11(水) 14:15:26
更新日:2024/03/24 Sun 10:26:06
所要時間:約 10 分で読めます




ペルソナ3に登場するキャラクター。



主人公と対立するグループ『ストレガ』の一員。武器は鎖付き手斧。
赤いパッツンのロングヘアーに白いロリータ服が特徴の少女となかなかに目立つが、これでも他の2人(禿と髭)に比べれば大分マシな容姿。

趣味は絵を書くことで、ストレガとして活動していない時はスケッチブックを携えて駅などで絵を書いている。
一見クールに見えるが精神的に不安定で、自傷癖がある。

所有ペルソナは『メーディア』。風花同様探知能力があり、ストレガのナビ役。作中で風花の探知に割り込んでクラッキングを行ったことも。
しかし最も特筆すべきは驚異的な治癒能力。作中で登場する回復魔法とは違い、枯れた花を復活させる等の規格外の性能を持つ。
風花は自分の「命を感じるペルソナ」に対し彼女のペルソナを「命を放出するペルソナ」と表現した。

この能力の影響か、彼女は凄まじい自然治癒力を持ち、前述の自傷行為で出来た傷もたちまち治ってしまう。
また、この能力とストレガのリーダー・タカヤの思想の影響により、死に対する恐怖がない。


※以下ネタバレ注意






ある夏の日。
いつものように外で絵を描いていると、偶然そこを通りかかった自分達の敵対組織SEESの伊織順平に話しかけられる。
(この時はチドリも順平もお互いが敵対組織に属している事は知らなかった様子)
自分の服装と描く絵(彼女の描く絵は所謂前衛的なものだったので我らがテレッテに理解できる筈もなかった)に興味を持ち積極的に話しかける順平を最初は疎ましく思うも、
徐々に惹かれていく。

この時初めて名前が明かされた(ついでに順平からチドリンと言うあだ名を勝手に付けられた)。

しかし、順平の素性を(恐らくストレガのジンから)聞かされて『始まりの十二体のシャドウ』討伐を止めさせる為、交渉材料として彼を拉致。


計画は成功したかに見えたが、予想外に他のメンバーの駆けつけが早かった事、
彼らに自分と同じ探知タイプのペルソナ使いが居ることを知らなかった事等の不確定要素が重なり、計画は失敗。
チドリは桐条グループの病院で事実上の軟禁状態になり、明彦美鶴の尋問を受ける。

尋問はチドリが全く喋らない為に一向に進まず、暗礁に乗り上げてしまうが、ただ自分を心配して病室に駆けつけてくれた順平には僅かに心を開き、会話にも応じた。
順平は放課後はチドリの病院に(看護師さんに顔を覚えられるまで)入り浸り、彼女に優しく接し続けた。

その結果、チドリは順平にだけは心を開き、「病院は嫌いだけど順平がいるから今はここにいる」と言うまでに順平に信頼を寄せるように。
異性としても意識し始めたのか、ページが無くなったので順平がスケッチブックを買ってきた時にはデレを見せた。


リア充爆発しろ!!


しかし、順平との仲が深まっていくに連れ、チドリは彼と一緒にいる時に嬉しさと共に胸の痛みなどを感じるようになり、ついには忘却していた死への恐怖に襲われるようになった。
その自分の心の変化に耐えられなくなったチドリは、ストレガの2人と共に病院から脱走してしまう。

そして再び順平と敵対する事に……


戦闘では前述の手斧の他に火属性攻撃と毎ターンHPを自動回復する『生命の泉』を使用するが、4人で行けばまず負けない。
正直中盤のボス程度の強さしかないが、コレは彼女に順平たちと戦うことに迷いがある故だろうか……。


戦闘終了後、チドリは順平の元を去ってしまった本当の理由を語る。

彼女が本当に恐れていたのは、死ではなく「執着する事」、そして「執着したものを失ってしまうこと」……。
チドリが本当に怖かったのは「順平を失う」ことだったのだ。

それを聞いたタカヤは、チドリを用済みと判断。彼女を庇う順平に銃撃し、順平は昏倒する。

気が付くと、順平は自分がチドリの居た病室にいた。
困惑する順平に、傍の椅子に腰掛けていたチドリが話しかける。先程までとはまるで違う、穏やかな表情を浮かべて。

ただただ困惑する順平に、チドリは穏やかに話し続ける。自分が間違っていたと。
順平と一緒にいて怖くなったのも、胸が痛くなったのも、順平が悪いわけじゃない。ただ、自分が順平と一緒にいたいと思ったから。
チドリは自分がペルソナ使いになった時から、自分の死期を悟っていた。だからこそ、いずれ彼と一緒にいられなくなることを感じ、怖くなったのだ。
そして、チドリは笑顔で彼に告げる。貴方はここで死んではいけない、と。

その言葉を聞いた直後、順平は現実世界に立ち戻る。
瀕死状態だった順平を、チドリがペルソナを用いて蘇生させたのだ。
だがそれはチドリ自身の命を犠牲にする行為と同義。命を順平に渡したチドリは崩折れる。

チドリは自分を抱き起こす順平に、笑顔のまま「順平の中でいつまでも自分が生き続ける」と告げ、事切れた。
彼女の最期の『大好き』に涙腺崩壊させられたプレイヤーは数知れないだろう。

号泣する順平に対し、タカヤはチドリの最期をくだらないと侮辱する。

チドリの死を侮辱された事で順平は激怒。それに呼応するかのように順平のペルソナは「トリスメギストス」へと覚醒。怒りの攻撃でストレガを撤退させる。
P3P版ではヘルメスとチドリのペルソナ、メーディアが合体し、トリスメギストスに覚醒する演出に変更され、『チドリが順平の中で生き続ける』ことを示唆したものになる。
(この時ジンが順平の火炎魔法で吹っ飛ばされるが、何故火炎耐性持ちのジンにアギ系が効く…とか無粋な事は考えないように……)
ちなみにこのペルソナ、チドリの固有スキル『生命の泉』を継承する。憎い演出をしているのだ。 


――数日後、チドリがいた病院から一冊のスケッチブックが届く。それは順平がチドリにあげた物だった。
スケッチブックの中身を見てもいいか、と聞くゆかり達に『どうせ理解できない(写実的な絵ではない)』と言う順平。
しかし、順平の予想に反してゆかり達は感嘆の声をあげる。その反応に困惑した順平はスケッチブックを覗き込んだ。

そこには今まで前衛的な絵しか描かなかったチドリが描いた、極めて写実的な順平の顔があった。
チドリは、自分に会いに来てくれていた順平を書いていたのだ。
それを見て生きる希望を見失っていた順平は、再び戦うことを決意する。



余談

彼女の本名は「吉野 千鳥」。
桐条グループによって作られた人工ペルソナ使いの生き残りである。

また、声優を担当した沢城みゆき氏は鬼畜隠しボス、そしてキタローの嫁の一人でもあるエリザベスも担当している。
エリザベスはほとんど他のキャラとの絡みがなかったため、沢城氏は『ペルソナ3』ではエリザベス役よりも、チドリ役と彼女の大事な人である順平への思い入れの方が強いらしい。

ドラマCDなどでもちょくちょく登場し、自分の絵を広めるために奮闘した順平に、貸していた絵をそのままプレゼントしたりするなど、順平との交流も描かれている。

ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス』では名前しか登場しないが、時折順平が彼女に対する愛を告白する。
また、女の子に鼻の下を伸ばす順平にゆかりが『チドリンどうしたわけ?』と言うことも。



以下、感涙のネタバレ












FES以降のバージョンだと、一定の条件を満たすとチドリが復活
条件は『チドリにできることを模索する順平を励まし続ける』こと。悩む順平を見かけたら、諦めないように彼を元気づけてやろう。
条件を満たしていると美鶴のもとに『安置されていたチドリの遺体が影時間中に象徴化(棺桶の姿になること)する』という一報が入り、しばらくして意識を取り戻す。
※象徴化するのは『生があるもの』だけであり、死んでいる(はず)のチドリ(の遺体)が象徴化することは本来有り得ない

回復したチドリは影時間に関する記憶は失っているものの身体はいたって健康で、以前命を放出し続けたことで縮めた寿命もおそらくは元に戻ったとされている。
また、チドリはそれが誰かは覚えていないが、かつて自分が誰かに救われたことを覚えているようだ。

二度目の生を受けた彼女は、見舞いに訪れた順平を(記憶を失っているため)訝しがるが、かつての自傷行為などから自分を心配する順平に自分の意志を告げる。
『自分を救ってくれた「優しくて温かいあの人」を探すまで死ねない』と。

P3と世界観が続いている『P4U2』では、プレイアブルキャラとして新規参戦した順平のセリフなどからチドリが健在であり、交際も順調であることが読み取れる。
どうやら、P4の世界ではチドリが生き残る展開が正史となっているようである。


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最終更新:2024年03月24日 10:26