暗黒神ラプソーン

登録日:2015/09/24 (木) 13:23:44
更新日:2023/09/11 Mon 19:41:50
所要時間:約 6 分で読めます








待ちかねたぞ。幾度となく我が行く手を遮ろうとした愚かなる者達よ。

我こそは暗黒神ラプソーン。この身を取り戻すために思えば随分長い旅をしたものだ。

旅の途中、お互い幾度もの悲しみを味わったな。

だが人間よ。今は共に喜び合おうではないか。

この光の世界闇の世界はたった今より一つの世界となり、新たなる神を迎えるのだ。

新たなる神の名は暗黒神ラプソーン!

さあ我を崇めよ!! 身を引き裂くような激しい悲しみを我に捧げるがいい!!




『暗黒神ラプソーン』とは『ドラゴンクエストⅧ 空と海と大地と呪われし姫君』に登場するデb……もといラスボスである暗黒神

CV:高木渉(小)、大友龍三郎(大)
ちなみに高木氏はCDシアターではジャミを演じている。
本作では魔犬レオパルドと兼任だが、恐らくラプソーンによるテレパシーと思われる。

概要

破壊神シドー』以来となる神のラスボスである。
腹心の部下に『妖魔ゲモン』『魔神ジャハガロス』がいる。

壁画に描かれていた姿は巨大な山羊のような角を二本と小さい角を二本、さらに立派なを生やし、マントを羽織っている。
強いて言えばデスタムーア最終形態がマントをしているような巨大な姿である。
暗黒神だがまさに魔王然としており、貫禄溢れている。
マントの下の姿は謎であるが、ドルマゲスの第二形態・魔犬レオパルド・ラプソーンを模った彫像、
いずれも鳥人系である事からラプソーン自身は鳥人系と思われる。

ラプソーンは元々主人公達が住む『 光の世界』と表裏一体のモノクロ世界『闇の世界』を司る神様。
一応神なのでラプソーン教と言うべき集団が光の世界にも存在している。
信者達は礼拝の際には闇の衣を纏っていたらしい。
神を直接崇めていたためか、信仰心が結構ある信者がかなりおり、封印された後も辺境とはいえ『闇の遺跡』という立派な聖地が建てられるほど。
……もっとも時間が経ち過ぎたせいで、本編開始時点でラプソーンを崇めている人はほとんどいないが。


太古の時代、光の世界闇の世界は一つの混沌とした世界であった。
しかし、何かしらの理由で分断。
ラプソーンは再度世界を一つにし、その世界を支配する事を目論んでいる。
とは言え次元移動はレティスの固有能力らしく神とは言え簡単に出来る事ではない。
そこで巨大な浮遊城『暗黒魔城都市』を作る事にした。
この城は闇の力を増大する事が出来、次元ゲートを作る事が出来る。

この闇の世界は前述したとおり水・火・宝箱以外はモノクロなのだが、神であるラプソーンには色が普通についている。
これはラプソーンが光の世界と分断する前から存在するという事か、それともラプソーンは水や火といった自然的な存在という事なのだろうか……。
宝箱も自然的なものなのだろうか……

他にもラプソーンは地味に様々な事をしており、あまりの強さにヘルクラッシャーを封印したり、その力を認め暗黒の使いを暗黒魔城都市の番人にしたり、
ラプソーンの怒りが生命を持ちギガンテスが誕生したり、さらにダークナイトが身に纏っているマントにはラプソーンの力が宿っているという。
一方でメタボなトカゲのリザードファッツがお気に入りだったり、チキンドラゴに大したことないバスタードソードを授けたりと魔王系にしては珍しく妙に人間臭い。
ぶっちゃけ元人間の設定があるミルドラースやウルノーガよりも人間臭い。

本編の数百年以上の昔、暗黒魔城都市の力でようやく光の世界に来たラプソーンと配下の魔物達だが、思わぬ来客に遭遇する。
それは竜神族の襲来である。

ラプソーンは竜神の大群と戦闘し、現在の『竜骨の迷宮』がある砂漠地帯で勝利を収める事が出来た。
この戦いはラプソーンの圧倒的な勝利だったようだが、かなりの危機感をラプソーン達に与えたらしく、
後にレティス達と戦っている時でさえ、レティス達よりも竜神族の方を気にしていた。(都市の文献より)

竜神族との戦いを制したラプソーンはさっそく光の世界を侵略しようとしたが、今度は神鳥レティス率いる七賢者(しちけんじゃ)に邪魔される事に。
(七賢者との戦いは『三角谷』の人たち曰く「数百年前」、闇の遺跡の関係者曰く「数千年前」と証言が食い違っている)

なんだかんだで敗北したものの、ラプソーンは完全に倒されなかったので封印される事になった。
ラプソーンの魂は七賢者の血を使って『神鳥の杖』に封じられ、トロデーン城の結界の中で保管される事に。

肉体は現在の『聖地ゴルド』がある場所の大岩へ封印され、
七賢者の一人、シャマル・クランバートルが後世の人が大岩を雑に扱う事がないように、空を自由に飛び人々に勇気を与えた存在をモチーフに大岩を女神像に変えた。
そのため明言されていないが巨大な女神像はレティスの擬人化であると考えられる。
こうして厳重に封印されたラプソーンは二度と目覚めないかに思われたが――?


ストーリー

ある日不器用な師匠であったマスター・ライラスのせいでドルマゲスのコンプレックスが爆発。
見返すためにトロデーン城から『神鳥の杖』を強奪した。
ドルマゲスは『神鳥の杖』の力でトロデ王ミーティア姫を魔物と馬の姿へと変えた。
その後ドルマゲスの精神を完全に乗っ取り、トロデーン城をイバラの呪いで滅ぼした。
封印には賢者の血が使われていたため、完全に復活するためには賢者の末裔を殺さねばならなかった。
そのためラプソーンはドルマゲス・ゼシカレオパルドマルチェロと憑代を変えながら賢者の末裔殺害ツアーを敢行した。

主人公達の妨害やマルチェロの異常な精神力のせいで逆に乗っ取られてしまったが、マルチェロの敗北を機に神鳥の杖で女神像を破壊し、肉体を取り戻して復活する事に成功する。
封印されているので部下がいないため、ある意味デスピサロ以上に前線を動きまくっていたラスボスである。


戦闘

第一形態

HP:4850、攻撃力:346
HP:5350、攻撃力:346、守備力:196、素早さ:125 (3DS)

行動パターンは以下の通り。
Aパターン:こごえるふぶき→メラゾーマ→痛恨の一撃→イオナズン→通常攻撃→Bパターンへ移行
Bパターン:まぶしいひかりorあやしいひとみ→メラゾーマorイオナズン→Cパターンへ移行
Cパターン:通常攻撃、痛恨の一撃、イオナズン、こごえるふぶき、いてつくはどう、Bパターンへ移行からランダム


『暗黒魔城都市』で戦う事になる最初の姿。復活して間もないからか、かなり小さい。
公式でこの形態をプチソーンと呼ばれている。
姿は邪悪なクリオネというか、仮にラプソーンが本来は鳥系とすると、孵化しかけの黄色い卵からガキ大将のような小生意気な顔が出ていると言うべきか。
意外と強く、痛恨の一撃は約300くらうため注意。

ぐ……ぐあああああっ!!!

第二形態

HP:5640、攻撃力:428
HP:6500、攻撃力:448、守備力:191、素早さ:125(3DS)

うおお……おおおおっ!! なんというチカラか……。

我が魂は遂に最強のチカラを持つ肉体を手に入れた。

時は満ちたり……今こそふたつの世界を一つに束ねる儀式を行う時。

出でよ我がしもべ達! この卑しき世界の何もかもを喰らい尽くすがよい!!

主人公達に倒された後、偶然『暗黒魔城都市』を取り込んで強くなった姿。
ラプソーンもこの姿には驚いていた。
だがラプソーンよりも驚いていたのはプレイヤーだろう……。
この姿のラプソーンはかなりデカイのだ
いや……勿論縦もデカく、ブオーンに匹敵するほどだが……、

とにかく横! そのお腹が物凄くデカイ!!


突如現れたメタボのオジさんに困惑する人が多発した。
壁画に描かれていたラプソーンは何処に消えたんだ……。
尤もラプソーン本人は「我が魂は遂に最強の力を持つ肉体を手に入れた」と言っているので本人にとっても想定外だったイレギュラーな姿であり、
壁画に描かれていたのは当時の戦いの時で最も強い力を持っていた時の姿だったのかもしれない。
一応髭やツノなど、壁画のラプソーンは第二形態の特徴を捉えているので、痩せれば案外あんな感じなのかもしれない。
北米版のエンディングではヤンガスに「あのデブとの戦い以来でがすなぁ」(意訳)といわれる始末。

ファンからはこの姿を『デブソーン』と呼ばれている。プチソーンとは違い、これは非公式だが。
ラプソーンは戦闘当初、超強力な闇の結界で身を守っており、この間はどんな攻撃でもラプソーンを傷付ける事は出来ない。
例え永遠の巨竜エスタークを倒せるようになっても、このラプソーンには指一本触れられない。
ゲームの仕様と言えばそれまでだが、ラプソーンも神なんだ、という事を再認識する結界である。

そのため主人公達は神鳥の杖に全員で祈り、賢者の魂を一人ずつ呼んで、最終的に七賢者が揃うと結界を破ってくれる。
1ターンの間に全員が祈ると言う行動する関係で、必然的に回復と祈りを交互に繰り返す必要があり、若干作業感がある。
一度結界を破りさえすれば、全滅しても結界アリの状態で戦う事は無くなる。
ラプソーンは神だけあって空中に浮かんでいるため、主人公達はレティスの背に乗って戦う事になる。
この際に流れる『おおぞらに戦う』は名曲のため必聴。


愛する我が子孫よ。僕達に出来るのはここまで……。

この素晴らしい我らの世界を……我らの未来をどうか守り通してほしい。

僕達は遠くできっと見ている。さらばだ愛する子孫。そして神鳥レティスよ……。

うおおぉぉぉっ!!!

おのれぇぇ……!! どこまでも目障りな虫ケラどもがぁぁっ!!

我が闇の結界を払い除けたことを地獄の底で後悔するがいい!! この肉体の真のチカラを見せてやろう!

死して尚消えぬ程の永遠の恐怖をその魂に焼き付けてくれるわっ!!

結界破壊後の行動パターンは以下の通り。赤文字は3DS版で追加された行動。
Aパターン:こごえるふぶきor流星→念じボールorあやしいひとみ→BまたはCパターンに移行
Bパターン:はげしいほのお、念じボール、神々の怒り、腕を叩きつける、いてつくはどう、あやしいひとみこごえるふぶきめいそう、Aパターンに移行からランダム
Cパターン:腕を叩きつける→念じボールorいてつくはどうor不敵な笑い(3DS版では削除)orあやしいひとみor流星orAまたはDパターンに移行
Dパターン:めいそう→マダンテ→いてつくはどう→いのり→メラゾーマ→Aパターンに移行
※ただし3DS版ではパターンを無視して行動することもある


ラプソーン自体はそこまで強くはなかったのだが、3DS版ではかなり強化されている。
まずHPが6500まで大幅増加。
無駄行動だった「不敵に笑う」が結界解除後は使用しなくなった。
また「神々の怒り」の威力がラプソーンのものは特別に強化され、PS2版では一発70前後だったものが一発150前後と倍以上になった。
これが4発とんでくるので、一人に集中すればレベル70代でも即死クラスの威力と、念じボール以上に厄介な特技と化した。
さらに行動パターンが細かく変更されており、それによって弱い行動の頻度が下がり逆に厄介な怪しい瞳(強制ラリホー)などの使用頻度が上昇。
その中でも、元々威力が高い全体攻撃だった「腕を叩きつける」は頻繁に使用する。
最も厄介なのは、マダンテ後の瞑想という無駄行動の削除。
その代りに入った行動がなんと凍てつく波動or叩きつけるの2択。
マダンテ→叩きつける、という鬼畜コンボを放つ可能性も高く(合計ダメージは全体に300~400ほど)、
PS2版での弱さを知っているプレイヤーを驚愕させた。

ちなみにラストバトルは馬車の持ち込みができない(=3DS版であってもメンバー入れ替え不可能)。そんな、ひどい……。

PS2版ではレベル40もあれば十分勝てる、という強さだったラプソーンだが、これらの要因が重なり3DS版では一気に強ボスとして知られるようになった。
ちなみに、本作は特技が少なめで馬車がないことから、低レベルクリアの障壁としてはPS2版の頃から存在感があった。
「低レベルクリア最後にして最大の障壁」とも言われるくらいには実力はある。
その低レベルでもキツいのに、なにを思ったかレベルアップしてもステータスが一切上がらないという狂気のチートプレイで数千回に及ぶ再戦の末撃破に成功しているという動画がある。

以降の作品でのラプソーン


他の魔王たち同様にカードを使えば『とどめの一撃』を使う事が可能。
ドルマゲスが杖を掲げるとラプソーンが出現し、闇を纏って突撃する『ドルマドン』を唱える。
OPでは天空の勇者と戦っている。

  • DQMシリーズ
JOKER以降のシリーズに登場。(第一形態はJ3無印で欠場)対戦ではイマイチ奮わず、専ら配合素材として用いられがち。

  • 初代JOKER
本作のみ、???系がないので魔獣系として登場。
第一形態は本編で憑依していたドルマゲスにミルドラースかデスタムーアで誕生。
更にゾーマかオルゴ・デミーラを配合するとデブソーンが誕生する。
デブソーンになるとHPと攻撃力は上昇するが、それ以外のステータスは低下し合計値も第一形態より下がる。
そして何より致命的なのはザキが素通しな点である。「肥満は死を招く」という公式からのメッセージとも。
そのため、運用法にもよるが第一形態の方が使いやすいのが実情である。

  • JOKER2
サイズシステムが導入され、本編に倣って第二形態は3枠の大型モンスターとなる。
同じく大型化した神鳥レティス相手には勝負にならず一方的にボコボコにされてしまう。

  • JOKER2P~イルルカ
配合が複雑になり第一形態はゾーマ、ミルドラース、デスタムーア、オルゴ・デミーラの四体配合となり手間が増大した上に、
第二形態はそこに通信無しでの入手数が限られる(J2Pのみ)エスタークを使うという豪華なレシピである。
テリワン3Dとイルルカでは一度仲間にしたことがあれば再入手が楽になるシステムがある為、気兼ねなく使えるようになった。

  • DQ9
他の大魔王の地図同様にラプソーンの地図も登場。
戦闘時は当時の作品の戦闘背景を再現しているのだが、ラプソーンだけ足場がレティスの空中戦だったせいか唯一エルギオスの背景が流用されている。
一応微妙に違いはあるのだが。

  • DQ11(3DS版)
彼の力を宿したラプソンフープというモンスターが登場。オルゴ・デミーラの力を宿したモンス・デミーラとコンビを組む。
また、冒険の書の世界のトロデーン城ではミスなのかは不明だが仲間呼び限定で邪モンスターが出る為、
同じ邪神としてニズゼルファ同様にモンスターを邪モンスター化させる能力を持っているのではないかと考えられる。*1



追記・修正はラプソーンに体を乗っ取られてからお願いします。

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最終更新:2023年09月11日 19:41

*1 第二形態誕生後に、スライムダークになるまいと苦しむNPCスライムがいる。闇の世界のモンスターは邪モンスターに近い存在と考えられる。