プレデター(初代)

登録日:2015/09/12 (土) 22:28:38
更新日:2024/02/04 Sun 20:11:26
所要時間:約 10 分で読めます





オマエハイッタイ、ナンダ


いま…<死のハント>が始まる!




プレデターとは1987年に公開された映画である。
「プレデター」シリーズの第1作目。
上映時間は107分。

全米公開は6月12日、日本公開は6月28日。

20世紀フォックスが送る『エイリアン』と並ぶSFアクション大作の記念すべき初代作品。
密林へとやってきた特殊部隊が姿の見えぬ異星人『プレデター』(英語で捕食者、天敵の意)に
1人、また1人と狩られていく静かな恐怖とロクな武器も無い中、
ただ1人勇敢にプレデターへと立ち向かうシュワちゃんによる相変わらずの筋肉ゴリ押しマッスルアクションが見所。

監督はジャック・ライアンシリーズ第1作『レッド・オクトーバーを追え!』、ブルース・ウィリス主演作『ダイ・ハード』、シュワちゃん主演作『ラスト・アクションヒーロー』のジョン・マクティアナン。

プレデターシリーズに興味の無い人でも、シュワ映画の1作という理由で初代だけは知っているという人も多い。



何処から舞い降りたのか
こんなに凄い生物は地上に初めてだ。

人間の想像を絶するド外れた怪物――。

人の体温をキャッチし、人が抱く恐怖を
感じ取とり、狙いをつける。

獲物は人間。豹のようにすばやく襲い、
殺し、むさぼり食う。それが楽しみ……

だが今度は襲う相手を間違えた。

公開当時のポスターのキャッチコピーより


●あらすじ
ダッチ・シェイファー少佐はフィリップス将軍の命よりバル・ベルデ、グアテマラ国境付近でゲリラに襲われた政府要人を救出する為、
自らが率いる精鋭部隊と今はCIA所属の過去の戦友、ジョージ・ディロンも加えて目的地へと向かう。
その道中、墜落したヘリと皮膚を剥がされて逆さづりにされたまま死に絶えている特殊部隊員という壮絶な光景を目にする中、
潜伏していたゲリラ部隊のアジトを難なく殲滅。アンナという女兵士だけは情報を聞き出す捕虜として捕らえる。
そんな中ダッチはディロンが先に目撃した特殊部隊員が既に死んだのを知っていたことや、ゲリラが持っている極秘資料を入手するのに
自分たちは云わば都合の良い道具として担ぎ出されたという真実を知ってしまい、それに憤慨しながらもジャングルからの脱出を図る。
だが、既にそのジャングルの奥深くにはダッチ達特殊部隊員を監視する姿なき異形の狩人が潜んでいたのだった……


●登場人物
CV:屋良有作(フジテレビ版)、玄田哲章(テレビ朝日版)
特殊部隊の指揮官、元グリーンベレー所属の歴戦の勇士。
作戦決行時は容赦なく敵を殲滅する指揮官であるが、自分たちは殺し屋ではなく救助隊というポリシーも持っている。
部下たちがプレデターの脅威に怯える中で毅然とした態度で皆を纏め上げ、敵を倒さないと自分たちに未来は無いといち早く悟る。
部下や装備を次々と失う中で敵の特性を把握しつつ、ジャングルの木などで作ったといった間に合わせの原始的な武器と数々のトラップ、
そして己の頑強な肉体と折れぬ闘志により見事プレデター相手に勝利を収める。

  • ジョージ・ディロン(カール・ウェザース)
CV:内海賢二(フジテレビ版)、菅生隆之(テレビ朝日版)
ダッチの元戦友で現在はCIAの職員として働いている。
ダッチたち特殊部隊を動かし自らも前線に参加するが、所々で全盛期より衰えているような描写が見られる。
真相を知られた際に軍人は駒だと冷酷に言い切るも、敵の脅威に立ち向かう中で嘗ての闘志を復活させる。
部隊員のマックと共にプレデターと闘うも、力及ばずにプラズマキャノンの狙撃で腕を捥がれ、リストブレイドでトドメを刺される。

  • アンナ・ゴンザルベス(エルピディア・カリロ)
CV:勝生真沙子(フジテレビ版)、塩田朋子(テレビ朝日版)
ダッチたち特殊部隊が殲滅したゲリラ部隊の兵士の1人。
当初は言葉を喋れないふりをしてスペイン語で話していたが英語も話せる。
現地の先住民族でもあったようで、村に伝わる異業の狩人の言い伝えを教えていた。
「非武装者の女は襲わない」というプレデターの特性と、それを見抜いたダッチの静止により生還する。

  • マック・エリオット軍曹(ビル・デューク)
CV:渡部猛(フジテレビ版)、麦人(テレビ朝日版)
スキンヘッドにした黒人の部隊員、後述のブレインとはコンビで兄弟と呼び合う程の戦友であり
ベトナム戦争を始めとして数々の死地を潜り抜けてきた。
ディロンのことを快く思っていなかったが、最終的には同じ目的に燃える者同士として友情を築いていた。
ブレインが殺された怒りにより、その遺品のM134機関銃で初めてプレデターに手傷を負わせることに成功したが、
ディロンと組んでの再戦では光学迷彩からのプラズマキャノンの狙撃により頭部を撃ち抜かれて即死した。

  • ブレイン・クーパー(ジェシー・ベンチュラ)
CV:銀河万丈(フジテレビ版)、青野武(テレビ朝日版)
噛みタバコとスローチハットが特徴的な兵士、上述したようにマックとは兄弟と呼び合う仲。
作戦中ではM134機関銃をぶっ放す派手な戦闘を繰り広げる。
ディロンに対する不快感はマック以上であり、輸送ヘリの中では唾を吐きかけるなどしている。
後述のホーキンスの捜索中にプラズマキャノンによって撃ち抜かれて死亡。

  • リック・ホーキンス(シェーン・ブラック)
CV:江原正士(フジテレビ版)、神谷和夫(テレビ朝日版)
メガネ装備の通信兵、インテリ系な見た目に反してエロネタや漫画ネタを好むというコミカルな一面がある。
拘束を振り切って逃走を図るアンナを追跡中にプレデターの攻撃を受け、部隊員の中では最初の犠牲者となる。
しかも裸にひん剥かれた挙げ句に逆さづり、遺体は結局仲間に見つけて貰えない。
逆さづりにされる=プレデターからすれば手応えの無い獲物という意思表示をされるなど散々な目に遭っている。

  • ホルヘ・ラミレス(リチャード・チャベス)
CV:山口健(フジテレビ版)、大塚芳忠(テレビ朝日版)
メキシコ系の軍人でスペイン語に堪能、当初は英語を話せないフリをしていたアンナの言葉を訳していた。
他の仲間が次々と倒れる中で自分も致命傷を負ってしまい、足手纏いになるだけだと置いて行くように懇願する場面もあったが、
最終的に自身もプラズマキャノンを頭部に受けて事切れてしまう。

  • ビリー・ソール(ソニー・ランダム)
CV:飯塚昭三(フジテレビ版)、大友龍三郎(テレビ朝日版)
言葉数少ない屈強な兵士、ネイティブアメリカンの一部族スー族の末裔でもある。
俗に言う第六感的な能力に優れており、光学迷彩状態のプレデターの気配を真っ先に察知した。
仲間からもその能力と度胸を買われており、ビリーの様子がおかしいだけで訝しむほど。
逃走の最中丸太橋の上でただ1人残り、マチェットナイフ1本でプレデターを迎撃するも敗北。
その意志の強さをプレデターに買われ、頭蓋骨トロフィーの1つとしてあまりにも残虐な最期を遂げることに。

  • ホーマー・フィリップス将軍(R・G・アームストロング)
CV:江原正士(フジテレビ版)、加藤清三(テレビ朝日版)
ダッチたち特殊部隊とディロンを派遣した少将。
ラストにはヘリを派遣し唯一生き残ったダッチとアンナを救出した。


●登場プレデター
  • プレデター・ウォーリアー
CV:大友龍三郎(テレビ朝日版)
地球とは違う外宇宙からやってきた異形の狩人の正体。
尚、ウォーリアーという呼び名は区分上の物であり、作中では呼称されていない。
後のプレデターと比較すると武装は狙撃用のプラズマキャノンと近接戦闘用のリストブレイドのみとオーソドックス。
アンナの言から考えるに、ダッチたちと遭遇するずっと前から作中部隊のジャングルで人間狩りをしていたと思われる。
一度はマックを含めた特殊部隊員たちの一斉射撃で手傷を負うも、すぐさま治療を終えて復活。
敵を1人、また1人と確実に狩っていくも最後に残ったダッチを仕留めきれずに苦戦。
狩りがいのある獲物として敬意を払い、プラズマキャノンとマスクを外しての一騎打ちを行う。
その素顔にダッチの「何て醜い顔なんだ…」に激怒、圧倒的な身体能力差でダッチを追い詰めるも、事前に仕込んでおいた二重のトラップによる巨大丸太の下敷きとなって大ダメージを受ける。
敗北を悟ったウォーリアーはダッチの呟いた「お前は一体なんだ?」という言葉を復唱した上で自爆装置を作動。
哄笑と共に閃光の中へと消えていった。その笑いが何を意味するものか、知る者はいない。

因みに後のエイリアンVSプレデターの監督によれば、
これだけの能力を誇りながらも同族の中で見ればまだまだ経験の浅い若者だったのだという。
確かに、姿の見えない相手(泥を塗ることで体温を隠したダッチ)から攻撃を受けた際に、辺り構わずプラズマキャノンをぶっ放すという、およそプロとは思えない行動をとっている(このような状況で武器を乱射しても、敵に自分の位置を教えるだけである)。

但し上記のようにあくまで監督の発言であるため注意が必要である。
というのもプレデターに限らずアメリカでは監督ではなく映画会社に権利が帰属することが一般的であるため、監督や脚本家などのスタッフの個人的見解と会社側の見解(公式設定)に食い違いが発生することがよくある。
事実、DVD等でスタッフのインタビューや音声解説が流れる際には多くの作品で免責事項として「インタビュー(音声解説)の内容は会社の見解を代表するものではない」ということが通知される。

なお根本的な問題としてプレデターシリーズの権利を持つ20世紀フォックスは2019年にディズニーに買収されている。
その為上記の発言が現状どこまで有効なものかハッキリしていないという点にも注意が必要である。


●余談
コマンドーイレイザーターミネーター等と並ぶシュワ映画の金字塔の一つとして某動画サイトでよくネタにされている。

上に関連して部隊員の1人であるマック演じるビル・デュークはコマンドーでもクック役としてシュワちゃんと共演してることで密かに有名。

吹替えの帝王シリーズの第三弾としてフジテレビ版、テレビ朝日版双方の吹替音声を収録した特別版ブルーレイも2013年12月20日に発売。
テレビ放映の際にカットされたシーンの日本語音声も追加収録されているお得仕様……なのだが、
叫び声や戦闘中の音声などが何故か原音のままになっており、そこに不満を示す人も多いんだとか。
後の2018年12月5日に続編のプレデター2の日本語吹き替え完全版と共に再版されたニューマスター版においては
これら指摘のあった部分の音声が修正されている。

本作で主役を演じたシュワちゃんは後のプレデター作品のオファーは断っているとのこと。
ただ、本作のシュワちゃんを吹き替えた玄田哲章と屋良有作は続編でも別役(両者ともに同じ役)として登場し続けている。
また本作主人公のダッチは初めてプレデターと闘い唯一生還した人物として、続編・続々編で度々その存在に触れられることもある。

ホーキンス役のシェーン・ブラックは脚本家・監督としても有名。代表作は「リーサル・ウェポン」シリーズ(脚本)、「ラスト・ボーイスカウト」(脚本・製作総指揮)、「ラスト・アクションヒーロー」(脚本)、「アイアンマン3」(監督)など。2018年秋に公開された「ザ・プレデター」でも監督を務めており、奇妙な縁を感じさせるものがある。

ところで、「プレデターのスーツアクターを務めたのは無名時代のジャン・クロード・ヴァンダムである」というトリビアを見かけることがあるが、実はこれ、半分ガセビアである。
どういう事かというと、確かにプレデターを演じはしたのだが、それは本編ではなくリハーサル段階での話なのである。
当初すでにコマンドーやターミネーターで筋肉アクション俳優として名を馳せていたシュワちゃん主演、それもメイン敵役に抜擢という経緯から彼本人は格闘バトルを期待してオファーを受けたものの、実際の現場では着ぐるみスーツ着用で顔が一切出ないスタントマン扱いだったことに不満を持ち*1、リハ2日目で降板。
本編でのプレデターはケヴィン・ピーター・ホールという人物が演じることとなった。
ちなみに、このヴァンダム降板の影響で撮影が止まってしまったタイミングを利用してプレデターのデザインを再考し、最終的にあの昆虫のアゴを模したグロテスクな頭部に修正された。なので地味にヴァンダム関係の諸問題は作品人気に貢献していると言えなくもない。






この項目を編集するには
超人的知識と超野獣的反射神経を身につけ、
項目変更ボタンを押さなければならない。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • プレデター
  • 20世紀フォックス
  • 映画
  • 洋画
  • いたぞぉおおおおお!!
  • 何て醜い顔なんだ
  • お前は一体なんだ
  • ジャングル内での死闘
  • バル・ベルデ
  • アーノルド・シュワルツェネッガー
  • VSコマンドー
  • 異星人
  • プレデターシリーズ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月04日 20:11

*1 あと着ぐるみは暑い上に機敏な動きができないためキレのある格闘アクションができないのもモチベーション低下に繋がったらしい