ブラック・ブレット

登録日:2015/08/30 Sun 18:21:58
更新日:2024/04/26 Fri 06:50:59NEW!
所要時間:約 11 分で読めます





『ブラック・ブレット』とは電撃文庫から刊行されているライトノベル。既刊7巻。
作者は神崎紫電。イラストは鵜飼沙樹。

人間を怪物化する寄生生物「ガストレア」の出現によって、結界の内側に人類が追いやられた近未来を舞台に、
ガストレアウイルスとその抑制因子を体内に宿すことでガストレアに対抗する力を持った少女「イニシエーター」と、
彼女らを指導する「プロモーター」によって組織された「民間警備会社」通称民警の戦いを描く物語。


登場人物にょぅι゛ょがとても多いのも特徴。

…が、内容そのものはかなり凄惨。
ライトノベルとしては登場人物の死亡率は非常に高い。
味方でもょぅι゛ょでも死ぬ時は関係なく死ぬ。むしろょぅι゛ょほど死ぬ。
なので、そういう話が嫌いな人は注意。


アニメは2014年4月から7月にかけて放送された。
原作4冊分を1クールにまとめたためだいぶ圧縮されており、少々残念な出来になってしまった。


2014年に最新7巻が発売されて以来、2019年現在に至るまで続刊の音沙汰が無く、
著者の神崎紫電氏もSNSが2015年を最後に更新が途絶えているため、読者からは未完に終わってしまうのではと危惧されている。
神崎紫電氏は2018年頃に電撃文庫の抽選企画で直筆サイン入り複製原画を提供しているため、恐らくは健在であるとは思われるが……



◇あらすじ

突如現れた異形の寄生生物「ガストレア」。
赤く輝く目と圧倒的な力、そして桁外れの再生能力を持つ彼らの侵攻に、人類はなす術もなく大敗を喫する。

それから10年。
国土の大半を失った現在、人類は彼らが唯一弱点とする金属「バラニウム」で作られたモノリスに囲われた、狭い「エリア」の中で、ガストレアの脅威に怯え、隠れながら生きることを余儀なくされていた。

そんな中、生き残りをかけた人類のささやかな抵抗として組織されたのが、ガストレアへの対抗手段を持ったスペシャリスト集団「民間警備会社」通称「民警」。

その一つ、天童民間警備会社に所属する高校生・里見蓮太郎は相棒の少女・藍原延珠とともに、東京を壊滅に追い込まんとする危険な企みに巻き込まれていく―――。
(アニメ公式サイトより)


◇主な登場人物


◆里見蓮太郎
声 – 梶裕貴
本作の主人公。
天童民間警備会社のプロモーターで勾田高校2年生。
ガストレアの侵攻の際に両親を亡くし、天童家に引き取られた。
性格は、よく言えば熱血で熱くなりやすい、悪く言えば少々怒りっぽくキレやすい性格で口調は少し乱暴。
不幸顔とぶっきらぼうな口調に反して誠実で世話好きな面もあり、料理好きなど家庭的な面もある。
相棒の延珠にとっては保護者的な存在。
天童民間警備会社が儲かっていないために生活にはかなり困窮しており、爪に火をともすような生活をしている。
ファーブル昆虫記を読破するなど幼いころから生き物が好きだったため、動植物全般への造詣が深く、ガストレアとの戦いではそれらの知識を活用することもある。
40口径仕様のXD拳銃と天童式戦闘術で闘う。
幼いころガストレアから木更を庇って左目・右腕・右足を失う瀕死の重傷を負い、機械化兵士となっており、短時間ではあるが、演算装置による思考の加速と義肢を利用した超人的な攻撃および高速移動も使用可能。
しばしばロリコン呼ばわりされているが、本人は天童木更に好意を寄せており、ロリコンではない。
が、延珠に依存している部分もかなりあるので、あながち無罪とも言い難かったりする。


◆藍原延珠
声 – 日高里菜
もう一人の主人公で蓮太郎の相棒。
ウサギ因子のガストレアウイルスを宿したモデル・ラビットのイニシエーター。10歳。
驚異的な跳躍力と脚力を持っており、それらを駆使した蹴り技が武器。
自分を「妾」と呼び、口調も態度も偉そうにしているが、中身は天真爛漫でとても優しい性格。
蓮太郎の「ふぃあんせ」を自称しており、そのことが蓮太郎がロリコン呼ばわりさせる原因になっている。
蓮太郎との年齢差は6歳差で、他作品で言うと彼女くらい離れている。
1巻終了時点でガストレアウイルスによる体内浸食率が40%以上の超危険域に達しており、残り2年も生きられないと予測されているが、このことは延珠本人には伏せられている。


◆天童木更
声 – 堀江由衣
天童民間警備会社の社長で蓮太郎と延珠の雇い主。蓮太郎の想い人。黒髪ストレートの容姿耽美な巨乳。
名家と名高い天童家の出身だが出奔しており、蓮太郎と同じように貧困した生活をしている。
天童式抜刀術免許皆伝であり、剣の達人。
幼い頃に両親が親族達の陰謀で殺害されており、以来、天童家に対しては並々ならぬ憎悪と復讐心を抱いており、そのあまり狂気に取りつかれつつある。


◆ティナ・スプラウト
声 – 黒沢ともよ
蓮太郎が出会った少女。
いつも眠そうにしており、カフェインの錠剤をよく口にしている。
その正体は聖天子を暗殺するために送り込まれた暗殺者でフクロウの因子を宿したモデル・オウルのイニシエーター。
1km以上先の目標を百発百中で射抜くスナイパーで、マシンガンやナイフによる戦闘もこなす。
蓮太郎との死闘の末に敗れ投降したが、蓮太郎と聖天子の計らいで不問となり、木更にスカウトされる形で天童民間警備会社に雇われる。
それ以来蓮太郎に対して好意を抱くようになるが、そのことによってしばしば蓮太郎を(社会的に)抹殺しかねない状況を引き起こしている。


◆聖天子
声 – 豊崎愛生
物語の主な舞台、東京エリアの統治者。十六歳。
ガストレアの問題を片付け、大戦前の日本を取り戻すことと、呪われた子供たちの人権を保証することを目的として行動しており、呪われた子供たちを保護する政策方針を取っている。
国民からの信頼は厚いが、その行動指針ゆえに敵も多い。


◆室戸菫
声 – 甲斐田裕子
勾田公立大学付属病院で法医学教室室長を務めるガストレア研究家。
蓮太郎を機械化兵士にする手術を執刀した張本人で、存命させるためにやむを得なかったとはいえ、蓮太郎を機械化兵士にしてしまったことに罪悪感を抱いている。
蓮太郎の義手・義足・義眼のメンテナンスを行っているほか、蓮太郎にアドバイスを送るなど、彼の良き相談相手になっている。


◆司馬未織
声 – 小清水亜美
勾田高校生徒会長で世界に名立たる巨大兵器会社・司馬重工の社長令嬢。
蓮太郎と延珠に各種装備品を無償提供しているパトロンで、その立場を利用して事あるごとに蓮太郎に迫る。
常に鉄扇を持ち、振袖に身を包んでいる。
木更とは犬猿の仲で、同じ空間にいるだけで血の雨が降るとまで言われている。
木更と互角に渡り合うなど戦闘面での実力は高い。


◆片桐玉樹
声 – 細谷佳正
天童民間警備会社に勝るとも劣らない零細民警・片桐民間警備会社を切り盛りするプロモーター。
自己主張が強い目立ちたがり屋で、情に厚い性格。木更に惚れている。
メリケンサックとブーツに仕込んだバラニウム製チェーンソーを組み合わせた格闘戦とオートマチックリボルバーを駆使した接近戦を得意としており、その実力は折り紙つき。
自分より弱い奴の下にはつかないというマイルールがあり、アジュバント勧誘に蓮太郎が訪れた際に蓮太郎たちと決闘し、蓮太郎たちの実力を認めてアジュバントに加わった。


◆片桐弓月
声 – 大久保瑠美
玉樹の実妹でペア。金髪ツインテールにパンクファッション。
非常に警戒心が強く、攻撃的な性格。口も悪い。一方で実力を認めた相手には素直になり、延珠やティナとは親友になった。
モデル・スパイダーのイニシエーターで指先から粘着性の糸を射出することができる。
この糸を使って敵の動きを封じ、そこを玉樹が仕留めるというコンビネーションを得意としている。


◆薙沢彰磨
声 – 三木眞一郎
フリーのプロモーターで天童式戦闘術八段の腕前を持つ蓮太郎の兄弟子。
蓮太郎からは「彰磨兄ぃ」と呼ばれている。寡黙な性格。
天童式戦闘術とSIG SAUER P226拳銃を駆使した中・近距離戦闘を得意としている。
第三次関東会戦直前に蓮太郎と再会し、彼のアジュバントに加わる。


◆布施翠
声 – 小倉唯
彰磨とペアを組むモデル・キャットのイニシエーター。
引っ込み思案で恥ずかしがり屋な性格。
ガストレア因子の特殊な発症例によりネコミミが生えており、それをコンプレックスに思っていることから、それを常に黒い魔女の帽子のようなもので隠している。
身軽な素早い動きと、かなりの切れ味を誇る爪を駆使した近接戦闘を得意としている。


◆蛭子影胤
声 – 小山力也
細身の長身にタキシードとシルクハットをまとい、顔には闇の男爵のような仮面を被った怪人物。
対ガストレア特殊部隊「新人類創造計画」の機械化兵士。自称「世界を滅ぼす者」。大量殺人を繰り返す戦闘狂。
機械化によって斥力フィールドを発生させる能力を持っており、これによってあらゆる攻撃を弾き返すほか、フィールドによって相手を押し潰したり、槍状にして相手を貫といった使い方もできる。
ステージVのガストレア「スコーピオン」を東京エリアに引き寄せようと目論むが、蓮太郎と延珠に撃破され、海中に沈んでいった。
この時に死亡したと思われていたが生き延びており、絶体絶命のピンチに陥った蓮太郎を助ける。
アニメ版では中の人の怪演も相まってキャラが立ちまくっている。
常に仮面を被っているところや手袋をしているのに綺麗な指パッチンが出来る事から某アニメあの人を彷彿とさせる。

◆蛭子小比奈
声 – 悠木碧
蛭子影胤の実娘でタイプ・マンティスのイニシエーター。
交戦的で気まぐれで人を殺す、殺意の塊のような非常に残虐で危険な少女。
影胤に対しては従順だが、他人に対しては挑発じみた言動を繰り返す。
腰につるした二本の小太刀を振るって神速の斬撃を繰り出し、接近戦では無類の強さを発揮する。
自分の斬撃を弾いた延珠に対して強い執着心を抱いている。




◇用語

◆ガストレア
物語開始の10年前に突如現れ、世界を壊滅に追い込んだ異形の生物の総称。ガストレアウイルスに感染し、遺伝子を書き換えられた生物。
赤い目と普通の動植物を巨大化させたような醜悪な外見が特徴。EDF!EDF!
高い再生能力を持つために通常兵器での殺傷は不可能であり、対抗するにはその再生能力を阻害するバラニウムの存在が必要不可欠。
通常ステージⅠからステージⅣに分類される。
作者曰く元ネタはゾンビだが、ゾンビものにならないようにいろいろ考えた結果、現在のような形になったらしい。


◆ガストレアウイルス
遺伝子情報を書き換えるウイルスで、ガストレアを生み出す力を持つ。
感染した生物は体内浸食率が50%を超えると形象崩壊を起こしガストレアと化してしまう。
さらに、ガストレアは獲物に血液を送り込み、相手をウイルスに感染させる。
これを繰り返してガストレアは倍々ゲームのように増えていく。


◆バラニウム
ガストレアが嫌う磁場を発生し、その再生能力を阻害する金属。人類がガストレアに対抗しうる唯一の手段として使われている。
現在人類は巨大なバラニウム製の金属板「モノリス」によってガストレアの侵入を防がれたエリアにしか住むことができなくなっている。


◆呪われた子供たち
ガストレアウイルス抑制因子を持ち、ウイルスを持ちながらそれが発現していない子供たちのこと。
胎児の段階で母親がガストレアウイルスに接触したことで生まれるので、必然的に生まれたのはガストレアが発生した10年前以降、つまり全員が10歳以下である。
出生時に目が赤く光っていることにより判明する。
ウイルスが遺伝子に影響を与えるため、現在のところ、女の子しか確認されていない。
力の開放や治癒に伴って体内浸食率が上昇し、ガストレア化する危険性を持っているが、日常生活だけを送ってさえいれば通常の人類と変わらぬ寿命で天命を全うできる。
また、超人的な治癒力や運動能力など、感染したウイルスの種類に応じてさまざまな能力を併せ持つ。
ガストレアウイルスを保菌していることやガストレアに対する憎しみから周囲の人間から相当厳しい差別や迫害を受けており、殺害されてしまうことも少なくない。


◆民警
民間警備会社の略称で、ガストレアへの対抗手段を持ったスペシャリスト集団。
通常、プロモーターとイニシエーターの二人一組=ペアで行動する。
それぞれのペアは、国際イニシエーター監督機構(IISO)という組織によって、その強さと実績を基にした『IP序列』で管理される。


◆イニシエーター
ガストレアウイルスとその抑制因子を持ち、高い戦闘力を有した「呪われた子供たち」の中でも、民警としてガストレアと戦うことを選んだ者たちのこと。
ウイルスの元になった動物の特性を受け継いでおり、たいていは人を超えた高い運動能力と再生能力を持つ。
能力を使用する際に瞳が赤く光るほか、稀に動物に由来する外見を持つ者もいる。
能力の使用はウイルス侵食率を上げるため、普段は侵食抑制剤の投与によってそれを抑えている。


◆プロモーター
民警に所属する人員の中で、イニシエーターとペアを組み、ガストレアとの戦闘にあたる者のこと。
イニシエーターに指示を出す司令塔の役割と同時に、幼い彼らの精神的な支えともなるが、イニシエーターを道具扱いする者、家族のように接する者など関係は様々。
主要人物で言うと蓮太郎や木更がプロモーター、延珠やティナがニシエーターにあたる。


◆東京エリア
物語の主要な舞台。
モノリスによって守られた、日本に残された5つのエリアと呼ばれる人類居住区のひとつ。
日本には他に北海道、仙台、大阪、博多に存在し、世界にも同様の地域が複数ある。
危険の少ない内地ほど栄えており、モノリスに近い外周区は、ほとんど廃墟。





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最終更新:2024年04月26日 06:50