ピラニア

登録日:2012/03/31 Sat 01:48:50
更新日:2024/01/19 Fri 04:54:05
所要時間:約 7 分で読めます





切り離した「手」はすでに ちがう「生き物」となっている
おまえの腕の中に「侵入し」「食い進む」生き物にな…!!

ご存じ「ピラニア」にだ…


殺人魚フライングキラー


ピラニアとは南米アマゾンに生息する、恐ろしい人喰い魚である(現地の言葉でピラは魚、ニアは歯の意味)。

カミソリ並の切れ味を持つ歯を持ち、数百匹の群で獲物を襲い、あっと言う間に骨だけにしてしまう…。
特にピラニアが興奮状態になる可能性がある出血状態(怪我や月経等)では数匹でも近づいて来た者を襲い食べつくしてしまう。

実際にテレビでも水槽の中に入れられた動物の肉を一瞬で食いつくしたり、現地でも水の中に落ちた馬が陸に上がることもできずに消え去ったという…。


その凶暴さ故に、人喰い魚と言えば「海はサメ」「川はピラニア」と広く知れ渡っており、名前を聞いたことが無い人の方が珍しいのでは無いだろうか?





追記・修正お願いします。

















上記の文は
 *   + うそ
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *
では無いのだが…


多分に誇張表現されている。



えっマジで…


……本人も驚いている様なのでアマゾンでのピラニアの現実を教えよう(凶暴な種類も確かに存在します)。
以下は人がぱっと思い浮かぶであろう腹が赤いピラニアナッテリーという種類。

正式名「ピゴゲントルス・ナッテリー」の非情な現実である……。

ナッテリーは常に群れで行動しているがそれには訳がある。
実は平常時の彼らは群れずにはいられない臆病な性格なのである。以下はその臆病具合の説明。

例1:水族館でピラニアの水槽の掃除に飼育係が飛び込むと、一斉に反対側に逃げる。追いかけると群れで襲い返す…事も無く反対側に華麗にスルー。

例2:餌として生きた金魚を入れたのは良いが、自分よりサイズが大きいと襲わないで一緒に泳ぐ。
   むしろ金魚に虐められたり餌を横取りされる始末。

例3:水槽にナッテリー1匹だけ飼育してたら、水槽の前を横切っただけでパニックを起こし、水槽にぶつかり擦り傷だらけに…。
   おまけに餌喰いも悪くなるビビリ具合。

つまり一般的なピラニアは血で豹変しないとヘタレなのだ。
また鋭い牙を確かに持っているが、弱って出血した動物や魚を襲う習性のため、無傷で自分より大きな動物は基本的に殆ど襲わない。
なのでアマゾンではピラニアのいる川で平気で子供が泳ぎ、母は洗濯や洗い物をしている。

しかもピラニアは食用になるので現地の人には重要な食料で絶好の釣りの的。幾ら鋭い歯でも釣り針は噛み切れず、その場で焼かれて食べられてしまう。
その扱いたるや、日本ではアユサケと同レベルの大衆魚である。ちなみに身は白身魚で骨が多いらしい。

人間以外にも、空からは水鳥が、川の中では大型ナマズワニ、あげくカメにまで捕食されてしまう…。
凶暴な人喰い魚どころか、喰われる事の方が多い可哀想な魚なのである。

鑑賞魚としてもナッテリーは繁殖技術が確立され東南アジアで大量に養殖、販売される。
そのお値段、稚魚なら500円~1000円程で販売されている。


まぁなんてリーズナブル


あまりに安価、しかも丈夫なんでゲームセンターのUFOキャッチャーの景品になる始末。
上のぬいぐるみの方が本物より高いと言う本末転倒っぷり。
安いからってあんまりな扱いである…。

どうだろうか。アマゾンの人喰い魚と言われる割には余りに不遇な扱い…。
現実は残酷なのだ…。

しかし、クマやイノシシやサメなどと同じ話で、基本的には臆病だから怖くないという認識も誤りである。
というか、厳しい自然を生き抜くために臆病ではない動物の方が珍しい。
(クマについては人の味を知ると積極的に襲いにかかってくるようになる可能性もあるが)

魚類トップクラスの鋭さを持つ歯と、多少の傷はものともしない丈夫な体。
アマゾンの泥川の中で血の匂いを瞬時に嗅ぎ分ける嗅覚と、喰われても喰われても個体数が減る事は無い繁殖力…と魅力あふれる部分も沢山ある。

いくら臆病と言っても鋭い歯に注意が必要であることには変わりない
油断して、ケガをしたまま川に入ろうものなら、それこそ人喰い魚のイメージ通り、一瞬で骨だけにされてしまうだろう…。

もちろんペットとして飼った時にでも咬まれたら、大人の指くらいなら

簡単に咬み千切られる

ので幾ら臆病でも水槽に素手を入れる事は避けよう(入れた手にパニクって突進した際に、歯に触れて八針縫った知人を知っている)。
また、小さな子供がいる場合、不意に子供が水槽に手を入れてしまい怪我をする恐れもあるため注意が必要である*1

目次

分類

これらはピラニアナッテリーの解説なので以下は細かい種類の説明をする。

[ピラニアピラヤ]

ナッテリーと同じピゴゲントルスの仲間で比較的大人しい。ピラニアの仲間でも大型になる種類で最大50センチにもなる(ナッテリーは最大30センチ)。
腹の色は黄色掛かったオレンジ色で非常に綺麗。高価な魚で稚魚でも三万円。大型個体だと十万円を越す場合も。

[ジャイアントイエローピラニア]

ジャイアントと名前がついてるがナッテリーと同じ位の大きさ。こちらも大人しい種類だが、現地では群れている癖に水槽で飼育するとケンカしだす困った奴。

[ダイヤモンドピラニア]

ナッテリーとは違い、セルラサルムスと言う種類になる。
セルラサルムス科は臆病なくせに攻撃的、テリトリー意識が強く群れずに単独行動と、どこぞのDQNの様な性格で複数を同じ水槽に入れるとすぐにケンカになる。
セルラサルムス科はケガをしてなくても自分のテリトリーに入った者には躊躇無く攻撃してくるので非常に危険。

ピラニアのイメージそのままの行動をしてくれる。
体色は名前の通り、ウロコがダイヤモンドの様にキラキラ光り美しい。

[ブラックピラニア]

セルラサルムス科の最大種で60センチを越すことも。
ブラックと名が着いているが、個体差が激しく、紫や白に近い色の個体もいる。水槽で飼うと何故か大きく成りにくく、こちらも大型個体は非常に高値。

[パールホワイト]

メラニン色素がない、アルビノのピラニア・ナッテリー。日本でも数匹しかいない貴重なタイプで価値は数十万円
突然変異の為、他の個体より小さく、更に臆病な性格の持ち主。鱗がプラチナの様な純白の為、非常に美しい。

[ウィンプルピラニア]

最大で15センチにしかならない小型種。珍しいのは特殊な食性で、大型の魚に高速で近づきウロコだけを剥がし食べる「スケールイーター」と言う。
スリみたいな喰い方とか言うな。

ペットとして日本では飼育が出来るがナッテリー以外は養殖が出来ていないので、アマゾン川から野生の個体を採るしか無く、
またその鋭い歯で輸送用のビニールを切ってしまうので特殊な運搬法で輸入するしか無い。そもそも需要が少ないと、事情が重なり熱帯魚としては高価な部類に入る。
どの種類も大変丈夫で、大事に飼えば二十年は生きるが、臆病な性格故に騒がしい環境*2では飼育困難という意見もある。



多摩川で捨てピラニアが見つかっているが、熱帯魚である彼らは日本の気候で生き抜くことは難しい。
そして、 ペットの放流は生態系を破壊するので飼育するなら最後まで面倒を見る事を決めて飼育しよう (ピラニアに限った話では無いけどね)。
どうしても買いきれない場合は近所の熱帯魚屋などに相談をすること。


ピラニアをモチーフとしたキャラ


ピラニアが登場する作品

大富豪の老人2人組によって、川へ放り投げた少女をピラニアの群れが何秒で食い尽くすか賭けるという
文字通り「鬼畜」な賭けの道具として使われていた。
幼気な子供に容赦なく襲い掛かり、白骨になるまで食い荒らすピラニアの捕食シーンはトラウマ物である。

第2部 戦闘潮流』で究極生物となったカーズが肉片をピラニアに変えて射出し、ジョセフを襲う他、
第5部 黄金の風』では主人公のジョルノ・ジョバァーナが千切れたゴールド・エクスペリエンスの右手をピラニアに変え、ベイビィ・フェイスに襲わせたりしている(本項目冒頭の台詞はその際のもの)。

  • シン・アナコンダ -捕食領域-
ガンを治す幻の果実「血の海棠」が存在する復活島へと向かった主人公達に現れた変異ピラニアが何故かミサイルのごとく大量に空中を飛んできて襲いかかった。*3

この漫画名物の過激な大会などで時折登場するが、
人間クレーンゲームの回ででも払うような扱いをされるなど
両津勘吉かませ犬のような扱いになることが多い。
両津が人工交配させた錦鯉「両津三色」に補食されまくってニュースになったが、作った奴とコイの生態を考えれば不思議ではない。

寒中水泳の話で登場。校長の手により氷の張ったプールに投入された。
水質から水温から無茶であり勿論即死したが、校長の眼力で蘇生
しかしこんな異常な状況で生き残っている高校生が普通の高校生のはずがなく……
確かその後も登場して部長を襲ったことがある。


ご覧の通り、ほとんど悪役かダークヒーローたまにかませ犬もといかませ魚である。
やはりなかなか悪いイメージは払拭できないと言える。

余談

ちなみに、レンタルビデオ店で「ピラニア」と題した映画が何点か置いてあるが、
サメ映画の親戚のようなものであり、その全てが間違いなくB級、下手すればZ級映画なのでパッケージの凶暴な絵には騙されないように(なんとピラニアが出てこないピラニア映画もある)。
間違って家族や友人達と鑑賞しようモノなら、「アマゾンの人喰い魚」の名に恥じぬ強烈な一撃をお見舞いされる事になるので、
本物と同様細心の注意を払い取り扱う技量が必要とされる。

「ち、血の匂い!くいてえよぉーー!!
「えっあっ、ご、ごめんなさい。釣りの餌だなんて知りませんでしたなので早く群れに帰してくださいお願いしますおねg…あぁぁぁぁぁ……

追記・修正は生き物を捨てたりしない人にお願いします。


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最終更新:2024年01月19日 04:54

*1 逆に子供が水槽を叩いたりしてピラニアにストレスを与えることもあり得るため、子供の手が届かない高さで飼育するといった配慮が必要である。

*2 子供が水槽をたたく、爆音が鳴っているなど。

*3 ちなみに復活島の森には「森のミサイル」と呼ばれる爆発性が高い木の実が生えている。