テッカマンブレード

登録日:2015/05/24 (Sun) 11:56:33
更新日:2024/02/05 Mon 19:08:18
所要時間:約 15 分で読めます






突如、空から落ちてきた少年

敵か味方か…そして、少年は宇宙を目指す

次回、宇宙の騎士テッカマンブレード『天駆ける超人』

仮面の下の涙をぬぐえ!






死なないさ。いや…死ねないんだ、俺は!!


宇宙の騎士 テッカマンブレード』の主人公。
変身者はDボウイ(媒体によってはDボゥイとも)こと相羽タカヤ。



概要

Dボウイはテッククリスタルという結晶体を掲げて、「テックセッター!」と叫ぶことでテッカマンへのテックセット(いわゆる変身)を行う。
この時出てくるクリスタルフィールドは一種のバリアみたいなものであり、変身中に攻撃されても宇宙空間で変身しても大丈夫。

ただし、干渉スペクトルという特殊な光を当てられるとテックセットできない上にクリスタルが壊れてしまう。
敵テッカマンのテッカマンダガー/フリッツ・フォン・ブラウンはこれを利用してクリスタルを破壊した。

クリスタルが壊れた後、その破片を組み込まれたサポートロボット・ペガスに向かい「ペガス!テックセッター!」と叫び、
「ラーサ!」と認識したペガスがハッチを展開、その内部に飛び込めばテックセットできるようになった。

ちなみにブレードはラダムに洗脳される前、テックシステムが完了する前に父・孝三に救い出されていたため、
テッカマンとしては色々な面で不完全な存在となっている。

このため、30分以上テックセットしていると脳にコピーされたラダムの本能が蘇り、ブレードは自我を失い暴走して見境なく暴れだしてしまう。
この時は緑色に光っていた目も赤くなるなど暴走していることがより分かりやすくなる。*1

もしも暴走した時は一度テックセットを解けば元に戻るのだが……。当然、それは命がけのものとなるのは言うまでもない。
劇中では暴走中に自分を食い止めんとする友軍を大量に虐殺しており
この時点でテッカマンブレードは不可抗力とはいえ人類とラダム双方の視点から見て「味方殺し」の十字架を背負っている。


基本スペック

シリーズ後半で民衆から白い魔人と呼ばれるように、アーマーの色は白がベース。ガンダム同様に白いヒーローは見栄えが良いのだ。
テッカマンのアーマーの防御力は地球の兵器ではまともに傷つけることはほぼ不可能で、通常でも極超音速を遥かに超える機動力(最大で光速域の速度)に加え反応弾の直撃にさえ無傷でいられるほど。
(続編『ラダム再び』ではワームホールを生成(時間の概念のない空間)し赤色星を呼び出す事で太陽系を消滅させる程の力を持つ。)

ラダムテッカマンであるブレードは強襲突撃型という特性を持っており、多数の敵を短時間で一掃するための能力が与えられている。
特に作中では大量のラダム獣と戦わなければならないので、結果的にこのブレードの特性はザコ敵を片付けるのには適したものであったと言える。

……ところが、逆にダガーやエビル/相羽シンヤなどの対テッカマン相手となるとどうしても苦戦は免れないことが多い。
元々、テッカマンブレードは他のテッカマン同様に侵略の尖兵として送り込まれるために生み出された存在であり、
与えられた能力も侵略対象の大軍を殲滅するためのものであるため、テッカマンのような強敵を相手にするようなものではないのだ。
(本来はテッカマン同士が戦い合うということ自体が想定されていない)

おまけにブレード自身が不完全なテッカマンであることにも拍車をかけているので、
テッカマンブレードとしての能力は発揮しきれていないのである。

これらのことが重なり後にDボゥイの体にある異変を生じさせることに……。


貴様らの野望は宇宙で叩き潰す!この俺が…必ず!!


主な能力・装備

●テックランサー

テッカマンが共通して装備している武器。ブレードの場合は双頭刃式の槍を装備する。
テッカマンには「光=物質変換機能」という能力があり、テックセットする際のアーマーやテックランサーもこの能力で作っている。
ランサーは基本的にラダム獣を容易に倒すことができるほどの威力であり、テッカマンにもダメージを与えることが可能である。

ランサーは中心で分割することで二刀流の小型剣にすることもできる他、ランサー先端の刃部もブーメランの様に分離して飛ばすことができるようになっている。
ブレードは合体させたままで投げ槍兼ブーメランとして投げつけたり、正面で回転させて敵の攻撃を防いだりといった様々な局面で応用している。


●テックシールド/テックワイヤー

ブレードの腰に装備されている小型の盾。
といっても防御としては少々頼りなく、そもそも鍔迫り合いの際はランサーをそのまま使うことがほとんど。

しかし、この盾の真骨頂は内蔵されているテックワイヤーである、これは旧作である「宇宙の騎士テッカマン」のテックウィンのオマージュ装備。
ワイヤーを射出することでランサーを回収したり、敵に巻きつけて捕縛したり、投げつけたランサーの軌道を変えて敵を攻撃するといったこともできるのだ。
専らシールドはワイヤー射出のために使用されているので盾としては実質機能していない。


●近接格闘

ランサーを失って丸腰になってもブレードは体術を駆使して戦闘を続けられる。
Dボウイが幼い頃から父の友人でもある科学者ゴダード/テッカマンアックスから格闘術を習っていたのもあり、手刀で敵の急所を突いたり、白羽取りで攻撃を受け止めて投げ飛ばすといったことができる。
尤も、これは本当に最後の手段とも言うべきものであるのでピンチになった時くらいに使う程度である。


●クラッシュイントルード

アーマーをスリムにして飛行のためのバーニアを全開にすることでオーラを纏いながら敵に突撃するテッカマン共通の攻撃方法。
ブレードは強襲突撃型というのもあり、他のテッカマン以上にこの技能が高いようで、
多数の敵を一気に殲滅する能力に長けているのも拍車をかけている。

ちなみにこのクラッシュイントルードはクリスタルフィールドを展開して行うものなので、
クリスタルが壊れた後はペガスと一緒でなければ使えない。しかも威力と速度は少々低下してしまっている。

また、『テッカマンブレードⅡ』以降は再フォーマットによって再び単身で使用可能となっただけでなく威力もパワーアップし、鳥型の巨大なオーラとなり、より多くの敵を一掃できるようになった。


●ボルテッカ


ボルテッカァァァァァァァッ!!

テッカマンが共通して装備している最強の必殺技。体内に蓄積しているフェルミオン(ブレード世界に存在する反物質の一種)を加速・放出する。
基本的に正面にしか撃てないがその威力は絶大で、至近距離から直撃させれば反応弾も効かないテッカマンでさえ消滅させることもできる。
ただし、極めて体力を消耗するので変身につき1回しか撃てない。しかも撃った後はほとんど身動きができなくなるほどになってしまう。

ブレードの場合は両肩のアーマーを上に展開して放射器を露出しそこからボルテッカを発射する。


●ハイコート・ボルテッカ

サポートメカのペガスに装備されているフェルミオン砲を連携放射することでボルテッカの威力を増強したもの。
テッカマンエビルのPSYボルテッカさえも掻き消すほどであり、遥か上空のミサイルさえも撃ち落すほど命中精度も優れている。
しかも講談社『デラックスボンボン』のコミカライズ最終回(作者はあの『機動戦士ガンダムF91』の井上大助先生!)では
エビルを一撃で葬り去るほどの威力を見せつけている。 ち・・超スーパーすげェどすばい・・・・
でも作中ではたった2回しか使われない……。


●ボルテッカ・クラッシュイントルード

『Ⅱ』第6話でイーベルとの特訓の末に習得した新たな必殺技。
ボルテッカのエネルギーであるフェルミオンを放出せずに巨大な塊として集め、そのエネルギーを纏った上でのクラッシュイントルード。
クラッシュイントルードの加速力とボルテッカの破壊力が複合したものであり、ボルテッカは距離が離れると威力がその分減衰してしまうが、
こちらは直撃地点に発射直後のエネルギー全てをそのまま一気にぶつけるので通常のボルテッカより破壊力は段違い。
PSYボルテッカのようにボルテッカを無力化できるボルテッカドレインを持つテッカマンデッドに対抗して使われた。


―50%の確率で、待つのはただ死ぬ事か…―

―テッカマンとして生きる事が許されないなら、俺は普通の人間として生きるだけか…―

―…違う!俺は戦ってきたんだ!―
―俺はもう後戻りできないんだ…俺は、自分自身でラダムと戦う事を選んだんだ!!―


ブラスター化

前途のように不完全なテッカマンであり続けたブレードは、やがて肉体の組織がボロボロになるほどにまで蝕まれていた。
そこで、その不完全さを補うために実行されたのが、進化したテッカマン―――――ブラスター化である。

テッカマンには本来、戦う環境に応じて、その状況に対応する為、進化する能力が備わっている。
ブラスター化を行ったテッカマンは二段変身を行い、より鋭く大きくなったアーマーを装備したマッシヴな姿となるのが特徴。
ブレードの場合は腰部分に二対のウィングも装備される。

ブラスター化したテッカマンの強さは、はっきり言ってチートであり、至近距離からボルテッカを受けようが全くの無傷。
通常のテッカマンの切り札とも言えるボルテッカが効かないようでは最早絶望するしかない。
おまけに機動力も通常のテッカマンでさえ対応できないほどに強化されていた。

ブレードの場合は、さらに装備や能力も以下のように強化されていた。

●テックランサー/ボルテックランサー

ランサーの形状が変化してやや大きくなっており、通常時同様に先端を分離しブーメランとして飛ばすことができる。
更にランサーの先端から何と通常のテッカマンで使うボルテッカを消耗無しで放てるようになる。


●クラッシュイントルード

通常の機動力そのものがクラッシュイントルードと化しており、さらにそこからこの技を使うと
最早他のテッカマンでさえ何もできなくなってしまうほどのスピードで飛び回り翻弄するようになる。


●ブラスターボルテッカ

「超ボルテッカ」とも。
ブレードの場合は肩以外にも数箇所のボルテッカ発射孔が装備され、さらに一点だけでなく全方位に放つことができるようになった。
発射する前の余波でさえ広範囲のラダム獣を蹴散らしてしまうほどである。
さらにボルテッカをPSYボルテッカのように軌道を自由に変化させることが可能となり、そこからさらに一点集中に戻すことさえ可能。
威力はハイコート・ボルテッカでさえ比較にならないほど強大で、直撃すれば通常のテッカマンなど一瞬で消し飛ぶ。
ストリートファイターは生身でこれ喰らってもピンピンしてるけどな!
そうでなくとも直撃地点に巨大な光の柱を広がせるほどのフェルミオンの爆発を巻き起こす。


……もう、何が何だか分からない。ブラスター化したテッカマンを止める手段はほぼ無いに等しい。

しかし、ブラスター化は寿命を縮め、長くても半年の命になってしまう。
その上、不完全なテッカマンがブラスター化を行おうものなら、成功する確率は50%、失敗すれば死が待っている。

ハインリッヒ・フォン・フリーマンはブラスター化を発見しながらも、死と引き換えのパワーアップを良しとしなかったが、Dボウイの固い決意を知り、
開花したラダム樹のエネルギーをペガス内のDボウイに注ぎ込み、ブラスター化を決行。
Dボウイは3時間に渡るブラスター化調整の激痛に苦しみながらも、50%の賭けに打ち勝ち、ブラスター化を果たした。
問題視されていた短命化もブレードの場合は不完全を補うための進化であったことから、短命化は避けられた。

……その代わりに、その異常が脳細胞に集中。どういう事かというと、「記憶喪失を装って得た名前『Dボウイ』」「妹が好きだったアマリリスの花」「戦士の背中を見せてくれたバーナード」「クリスタル破損後に得た新たな変身アイテムにして相棒のペガス」……変身する度に過去の記憶を失っていくというあらゆる意味で最悪な状態になってしまった。
この結果、ラダムへの怒りと憎悪を除き、最終話では……


ラダム……



ラダムッ!



うおおおおおおおおおッ!




神様…あなたは何処にいるのですか?
彼はもう、持てるもの全てを失いました…愛する父も、兄弟も、友も、その思い出すらも……
これ以上、彼から何を奪おうというのですか!
一人の人間に…これほど重いさだめを背負わせていいものなのですか!?
一人の…そう…一人の怯える魂に……!!

神様…神様、どうか…!
Dボウイに救いを……Dボウイ!!





帰ろう、家へ……




なお、幻の「ラダム再び」(後に映像特典『MISSING LINK』で断片的に描かれる)で肉体を再フォーマット化され完全なテッカマンになった。これにより、『Ⅱ』以降は再びテッククリスタルを使用し直接テックセットできるようになり、タイムリミットも克服され、戦闘力も底上げされた。
ただ、「ラダム再び」ではまだ廃人状態のまま、ラダムの精神波を受けて暴走状態でテックセット、あまつさえブラスター化して本隊を導くワームホールを開いてしまった。(この時はアキによって阻止されている)
この一件から、パワーアップに伴うリスクが相対的に増加したブラスター化は封印している(元々不完全さを補うための措置だったので、テッカマンとして完成したのなら必要はない)。

が、後に起きた対テッカマン特化型のデッド戦ではそれが災いし、初戦における敗因となってしまった。
かといって、そのためだけにブラスターを解禁するのはリスクが大きすぎる。それを補うために出した結論が「新技」で、特訓の末に上述のボルテッカ・クラッシュイントルードを編み出すことになる。


if…燃え尽きる生命

詳細はこちらを参照。


余談

  • ブレードことDボウイの声を担当した森川智之はボルテッカのアフレコが回を増すごとに迫力が強くなっていき
    (7話のダガー戦あたりから本格的に)、終いにはマイクを二本破壊してしまうほどの絶叫を発するようになった。
    このマイク破壊の伝説はかなり有名である。
    なお、森川曰く「あれは若かったから出来た」との事だが、杉田智和からは「でもタツノコVS.CAPCOMではもっと凄くなってたじゃないですか」と言われている。

  • 変身後の「テッカマンブレード!」の台詞は、アフレコでは横で「テッカ巻ブレード!」と茶々を入れることもあった。横山智佐によると「まじめなセリフをしゃべっているとテレちゃったりするから、茶化すために」とのことである。『スーパーロボット大戦W』でもカズマ「いくぜ! マグロは酢飯とノリで巻いてやる!」ミヒロ「それは鉄火巻だよ、お兄ちゃん!」と言った台詞がある。

  • スパロボでは初参戦の『J』にて、ハイコート・ボルテッカの扱いが原作に忠実に再現され、習得2話後にブレードが一時離脱→合流時にはブラスター化という微妙っぷりだった。
    幸いというか、『W』においては習得からブラスター化までの間がかなり長いのでそんな事はないが、今度はボルテッカ・クラッシュイントルードが習得の次話でブラスター化となった。
    しかも同技はシナリオ終了時に習得なのでブレードの最強技であるのはインターミッションだけである。
    一応こっちはブラスター化しても使えるしブレードは格闘の方が強いのでまだ救われているが、
    それを抜きで比較するとブラスターボルテッカより攻撃力が低いくせに燃費はブラスターボルテッカより悪い。
    それに真っ先にブレードの射撃を上げてるプレイヤーは多いだろうし…
    この展開から、スパロボにおいて「折角修得したのにわずか数話でお払い箱になる新必殺技」をハイコート・ボルテッカ枠と呼ぶプレイヤーもいる。

  • 『W』では『DETONATOR オーガン』とのクロスが描かれる。
    Dボゥイの父である孝三は彼をアルゴス号から脱出させた後、同伴していたシグナライト号も救助しようとメッセージを送る。このことがきっかけでイバリューダーが誕生、『始祖アイバ』と孝三を敬う彼らは数百年にもわたりラダムと抗争を繰り広げてきた。
    そんな中でDボゥイはオーガンこと真道トモルを導き、「Dボゥイ」でも「テッカマンブレード」でもなく、『始祖アイバ』の息子「相羽タカヤ」としてイバリューダーとの決戦に臨む事になる。

戦いをやめろ、ゾア! お前達も元は地球人だったはずだ!

そんなものは忘れたわ! 我らはイバリューダー! 全てを破壊する力をアイバに与えられた最強の存在だ!

ならば俺は、相羽孝三の息子としてお前達を止めて見せる! それが俺に託された役目であり、俺の使命だ!

  • なお、その『W』ではこともあろうにブラスター化の反動で本当に余命数か月になった上で記憶障害もきっちり起きるシナリオライターは人の心とかないんか?

  • 何度も無理をしてはその度に反動に見舞われる為、『W』では「恐れていた事が起きてしまった」と3回も言われてしまう



  • ブレードのボルテッカが肩部アーマーを展開する方式になった理由について、OPアニメーターの大張正己氏は「額にすると旧テッカマンと被り、胸部にするとガイバーのメガスマッシャーと被る為」と解説している。
    これは大張氏がOVA版『強殖装甲ガイバー』にスタッフとして参加しており、ガイバーのデザインや人気を知っていた為である。


Wiki篭り達の…そして、俺達の項目…壊させはしない!テックセッター!!


追記・修正はマイクを複数壊してからお願いします。

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  • ※火曜夕方18時30分です。
  • 光と影の兄弟

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最終更新:2024年02月05日 19:08

*1 加えて、作画のばらつきの一環ではあるが、暴走形態がメインで扱われた回「魔神蘇る」ではマスクのデザインその物が通常時と大幅に異なり多重の牙を剥いたような鋭角的な外殻の奥から吊りあがった真紅の眼光が輝くという禍々しいものとなっている。