ジル/アレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツ

登録日:2015/04/23 Thu 13:47:53
更新日:2023/09/11 Mon 22:01:54
所要時間:約 8 分で読めます





CV:本田貴子

人物

対ドラゴン機関『アルゼナル』の総司令官。本名は『アレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツ』

ガリア帝国の元第一皇女で、世界初の王族(皇族)出身のノーマである。
10歳の時にノーマであることが発覚してアルゼナルへ移送されたが、公にはノーマであるという事実を隠すため、病死扱いされている。

自他共に厳しく冷徹な人物であるが、司令官としての高い実力と使命感を持っており、部下から信頼されている。
そしてドラゴンの正体が『人間』であることを知っている人物でもある。

同じ元皇女という立場からかアンジュに目をかけているフシがあり、アンジュの書いた嘆願書をミスルギ皇国に送ったり、
アンジュが大金でモモカ・荻野目を買収しようとした際にあっさり了承したり、
アンジュがミスルギ皇国へ脱走した際にタスクに連絡をとって救出させたり、
サラマンディーネ率いるアウラの民が襲撃した際に謹慎処分を受けていたアンジュをヴィルキスのメイルライダーとして復帰させていたりしていた。

部下であるサリアを『自分にそっくり』と評価し、『妹のような存在』と感じている。
そのためリベルタスに巻き込みたくないという想いから辛く当たることが多い。

しかし、後述する過去のトラウマが原因で使命を果たすためなら手段を選ばなくなっており、周囲の意見と心情を踏みにじることも辞さなかったことが原因で後に多くの仲間の死と離反を呼ぶことに……




アルゼナルに移送された当初は荒れていたが、王族の血筋と指輪を持っていたことでラグナメイル『ヴィルキス』の起動に成功。
メイルライダーの使命に目覚めた。

そして、ジルは差別に満ちた世界を変えるため、反抗作戦『リベルタス』の主力メンバーとして参加。
全ての元凶であるエンブリヲを倒しにアルゼナルを出発した。

しかしリベルタスの途中でエンブリヲに洗脳されて『人形』に成り下がり、
助けに来てくれたバネッサ(タスクの母)やフェイリン(メイの姉)、騎士の一族などの仲間たちを全て失う。
更に我に返ったジルもエンブリヲの元を去った際に右腕を失ってしまったことでリベルタスは失敗に終わった。

リベルタスに失敗してアルゼナルへ戻ってきたジルは、当時の総司令官だったジャスミンに仲間たちが戦死したことを伝え、
ヴィルキスの力を完全に引き出せなかったことを悔やんでいた。
これ以降、自分を弄んで仲間を皆殺しにしたエンブリヲに憎悪を抱いたジルはエンブリヲへの復讐を誓う。
そして長い月日が経ち、ジャスミンの総司令官退任にともなって次期総司令官に就任。リベルタスの計画を再スタートさせる決意をした。

しかしエンブリヲに洗脳された影響は今でも残っており、うなされながら「エンブリヲ様」と寝言を言う事がある。


劇中での活躍

アルゼナルへ移送されたばかりのアンジュに身体検査を強行した後、彼女の教育課程終了に伴ってパラメイル第一中隊に配属させる。

その後、敵前逃亡でゾーラ、ココ、ミランダの3人を死なせても皇女として振る舞い続けて現実を受け入れず、
「ノーマは人間ではない」という考えにこだわり続けるアンジュに対し、
「だったらお前は何だ?皇女でもなく、マナもなく、義務も果たさず敵前逃亡し、年端も行かぬ仲間を殺したお前は一体何なんだ!?」と激怒。
更に「死んだ仲間の分も、ドラゴンを殺せ。それができないなら、死ね!」と言ってアルゼナルの兵士としての自覚を持たせようとするも、
アンジュは自暴自棄になって「殺してください」と懇願してくる始末。
そこでジルは「戦って死ね」と発破を掛けてかつての愛機だったヴィルキスを与え、斑鳩皇家の指輪を返却する。
アンジュがヴィルキスのメイルライダーとして頭角を現してからはリベルタスの計画を始めた。


サラマンディーネ率いるアウラの民の襲撃後、話を要求してきたアンジュを浴場へ連れて行く。
そこで自身の過去とリベルタスについて話したが、ドラゴンのことについては何も教えなかったため、ヴィヴィアンのドラゴン変身騒動後にドラゴンの正体が明かされた際には、ドラゴンの正体を教えなかったことに激怒するアンジュからリベルタスの参加を拒まれてしまう。
拒否されたジルは「神様に飼い殺されたままでいいなら、そうすればいい」と吐き捨てつつ、リベルタスの参加を拒否するアンジュを無理やり参加させようと考えるようになる。


ジュリオ・飛鳥・ミスルギ率いるミスルギ皇国軍の艦隊の襲撃を受けてリベルタスを発動させ、サリアにアンジュをアウローラへ連行するように命令したが、モモカの妨害にあったため、アンジュを逃してしまった。
アンジュに逃げられたジルはアルゼナルを放棄し、生存者とパラメイルを潜水空母『アウローラ』収容してアルゼナルを出航した。


その後、本来の地球から帰還したアンジュ、タスク、ヴィヴィアンの3人と合流。
アンジュから遺伝子改造でドラゴンになったアウラの民のことを聞かされ、共闘することを提案されるも話を信じられなかったジルは耳を貸さなかった。
しかし、戦力が心もとないことを考慮したジルはアンジュの意見参考にしてドラゴンとの共同作戦の立案を決意するが、リベルタスを成功させることだけしか考えていないジルはアンジュが命令に従わなかった時の予防策としてモモカを人質に取り、減圧室の中に閉じ込めてしまう。


リベルタスのために手段を選ばなくなったジルは『ドラゴンを捨て駒にしてアウラの奪還とエンブリヲの抹殺を行う』という非道な作戦を立て、
サリア達を「持ち主を裏切るような道具はいらん」といって助けない方針を固める。
「全てはリベルタスのための道具にすぎん。ドラゴン共もお前も、私もね…」と言い放ち、アンジュからの反発を招いてしまった。


命令を拒否したアンジュを従わせるため、予め減圧室に閉じ込めておいたモモカの姿を見せ、暴行を加えて首を掴み、唾を吐いて反抗し続けるアンジュを殴って服従させようとするが、ジルの変貌ぶりに気づいたタスクによってガスで無力化されそうになり、アンジュを逃してしまう。


ナイフで自分の太ももを刺してアンジュを追いかけ、格納庫まで追い詰めたジルはアンジュと決闘を始め、
「お前は私だ…!お前がエンブリヲを殺し、リベルタスを成功させるんだ…!!全てを取り戻すために!!」といって戦いを強要し続けるが、
他人と自分を重ね合わせて他人に自分を託す姿に『空っぽ』といわれ、更に「あなたのやり方は大ッ嫌いよ!!アレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツ!!!」と名指しで否定されたジルは怒りを爆発させてアンジュに殴りかかろうとするもかわされ、更にその隙を突かれて背後から蹴られて倒れ、ジャスミンから負けを宣告された。


アンジュの脱走後、ガスの影響と出血多量で倒れたジルは担架で運ばれ、治療を受けていたが、
彼女がダイヤモンドローズ騎士団に捕まったこととヴィヴィアン、タスクの2人がロストしたことを聞いて『滑稽』と嘲笑いつつ、もっと従順になるように仕込んでおくべきだったと悔やんでいた。
しかし自室のベッドで眠っている時に「ごめんなさい…。エンブリヲ様…」と寝言を言っている姿をヒルダに見られてしまい、不審に思われるようになる。


その後、ヴィヴィアンとタスクを独房へ送り込み、進路をアルゼナルへ変更するように通達するも、エンブリヲに洗脳された影響が残っているジルは単身でエンブリヲを抹殺しに行くことを決める。
そこでブリッジに残っているオリビエを気絶させてアウローラの隔壁を閉めてライダースーツに着替えて格納庫へと向かうが、
ヒルダ、ロザリー、ヴィヴィアン、タスクの4人に拘束され、失敗に終わった。


拘束された後、10年前のリベルタスでエンブリヲに心を支配されて人形になっていたことを明かし、再び洗脳されることを危惧したジャスミンから指揮権を剥奪される。そしてヒルダに指揮権を与えたが、指揮権を剥奪されてからは何もしないままでいた。


帰還したアンジュに不確定性世界のどこかにエンブリヲの本体がいることを教えたが、責任を取らずに引きこもっていることを非難される。
そしてビンタで発破を掛けられたことで、もう一度メイルライダーとして戦うことを決意。
エルシャが脱走時に乗ってきたラグナメイル『レイジア』で出撃し、サリアを説得した。

ちなみにこの時、

「期待外れだな、サリア。それで強くなったつもりか?」
→普通に劣勢でレイジアの腕を斬られる
→「…強くなったじゃないか、サリア」

というポンコツコンボを披露した。
ぶっちゃけサリアが「エンブリヲの本性」を見なければマジでやばいレベルで素のスペックに開きが出てしまっていた。


そしてエンブリヲがいる明けの御柱へと向かい、エンブリヲを凍結させてラグナメイル『ヒステリカ』を破壊しようとするが、
ヒステリカのレーザーを受けて致命傷を負ってしまう。
追いかけてきたサリアによってアウローラへ運ばれるものの、死を悟ったジルは治療を拒否し、マギーにタバコを要求する。

最期の一服を味わいながらサリアと最期の会話を交わし、今まで辛く当たっていたことを謝罪して息を引き取った。


リベルタス成就後、遺体は本来の地球に埋葬されたらしく、エピローグではサリア達がジルの墓参りに赴く姿が描かれている。


スーパーロボット大戦シリーズでの活躍

スーパーロボット大戦V
初参戦作品。
原作と違い、アルゼナル自体がオーブ等他国の支援を受けられる状況だったこともあってか、原作よりも幾分か協力的。
原作中盤で見せた問題行動や暴言もカットされており、悪印象が大分薄れている。
また、「一度絶望した女司令」繋がりでスメラギとは仲が良い。
スパロボのお決まりとして生存させるIF展開も可能であり、その場合はエンブリヲへの未練を完全に断ち切り、
クルツから冗談交じりでクルーゾーをパートナー候補として紹介された時には新しい男性のパートナーを探す意思を見せるなど、かなり前向きになっている。
ゲーム面ではレイジアの性能が残念とはいえ、先見の消費SPが10、期待の消費SPが45とサポート役としては優秀。

スーパーロボット大戦X
今作では無条件で生存する。アルゼナルが舞台となるステージが少ないからか、『V』の時よりも悪印象が更に薄れている。
ネモとは旧知の仲で、彼の元にパラメイル第一中隊の面子を派遣した。
中盤で記憶を取り戻し、自分の存在意義を思い悩むイオリを諭すシバラクを「顔以外はいい男」と褒める場面も。


追記・修正はリベルタスを成功させてからお願いします。

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最終更新:2023年09月11日 22:01