仮面ライダーBLACK PartX イミテーション・7

登録日:2012/04/04 (水) 23:35:17
更新日:2023/11/22 Wed 16:55:55
所要時間:約 3 分で読めます






「あ…あんた……本物の−−!」



『仮面ライダーBlack PartX イミテーション・7』とは、『仮面ライダーBLACK』のコミカライズ作品の一つ(名義こそ萬画版『Black』の方だが、内容は特撮版『BLACK』のコミカライズ)。
作者は仮面ライダーの原作者・石ノ森章太郎リスペクトで有名な、炎のマンガ家・島本和彦氏。
1989年の『週刊少年サンデー』30周年記念増刊号(4月10日発売・小学館)に掲載された読み切り作品で、現在は単行本『仮面ライダーZO 完全版』(2011年12月27日発売・一迅社REXコミックス)に収録されている。
比較的コメディ描写も多かった『ZO』と違い、終始ハードボイルドな作品。基本的にギャグマンガ家の島本氏にしては『スカルマン』ともども割と珍しい。

タイトルの「イミテーション・7」は訳すると「模造品7号」
すなわち、今作の主人公・太刀川洋のことである。


【あらすじ】

謎の研究施設に捕らわれていた青年「太刀川洋」は、施設から脱走し、かつての仲間であった暴走族に戻る。
かつての日常を取り戻した彼は、峠で謎の凄腕の走り屋と勝負するも、敗北の上に事故を起こす。
しかし、彼は一つの怪我も負っていなかった……。

再戦を誓う彼の前に、組織の追手が現れ、彼の仲間を虐殺する。
かつて味わった死の恐怖が蘇り、必死に逃げる洋。
だが、彼の舎弟の一人の悲痛な叫びを聞き、洋は今、変身して戦うことを誓った!



【登場人物】

メインキャラ

  • 太刀川洋
「すまねぇ…お前らを巻き込んだのは俺なんだ!」

主人公。暴走族のリーダーをしていた青年。
喧嘩っ早い、いかにもチンピラな性格だが、施設に捕らえられていた時の事がトラウマとなっており、異形の存在である怪人の事を恐れている。

施設は(誰が見てもわかると思うが)ゴルゴムの怪人訓練施設であり、彼はそこで「ブラックダミー」として改造人間にされていた。
自らを追ってきた怪人達に恐怖心から屈するも、舎弟たちが殺されるのを見て奮起、変身して立ち向かうが……?

ラストでは本物のBLACKに協力して施設を破壊したが、その後どうなったかは描かれていない。
下の名前が爽やかさNo.1ライダーと同じ。

  • サブ
「アニキ…仮面…ライダー、だったんだね…カッコ…い……」

安直な名前の洋の舎弟。
腕を失い、片目を潰されてもなお洋を応援し、ダブルBLACKの雄姿を見届けた後息絶えた。
生命力が異常に高い。

「その男を離せっ!!」

ご存じ我らがてつを(不思議な事が起こる前の)。
素顔は1ページしか出てこないが、非常にイケメン
暴走族(走り屋)のリーダーである洋をぶっちぎるバイクテクを持っており、峠で伝説となっていた。
ライダーキックやライダーチョップの叫びが手書きの『RIDER KICK!』『RIDER CHOP!』表記で、ちょっぴりアメコミ風味
ブラック・ダミーを数で圧倒した怪人どもを歯牙にもかけない強さは本物の貫禄か。


ゴルゴム怪人

  • ケラ怪人
冒頭で脱走した洋に地中から襲いかかるが、恐慌したブラック・ダミーの飛び蹴りを顔に受けて倒れる。

  • アリ怪人
洋を追跡する怪人の中でも、台詞が一番多いのでおそらくリーダー格かと思われる。
原作には登場しない漫画オリジナルの敵怪人*1で、素手で暴走族の首を引き千切る残虐な男。
サイ・ヒョウらと共に洋の部下を襲撃し虐殺するも、恐怖と焦燥に駆られた洋に逃亡されてしまう。
その後ハチ・カニと合流して喫茶店で洋に襲い掛かるが、BLACKのライダーキックで殺害される。

  • サイ怪人
洋を追跡する怪人のひとり。バイクを紙細工のようにひん曲げてしまう怪力の持ち主。
ガッチリした体格でなんか原作とデザインが全然違う。
ブラック・ダミーをその剛腕で捕まえ、嬲り殺しにしようとするが、BLACKのライダーキックを顔面に受け頭が吹っ飛んで即死する。
(サイ怪人とヒョウ怪人は死体がブクブク泡吹いて消滅するコマがある)

  • ヒョウ怪人(?)
追跡班の紅一点。絵柄のせいでどうもネコ怪人に見えるがBLACKのネコ怪人はクロネコ怪人なのでおそらくの怪人。*2
人間態は黒髪セミロングにワンピース姿の妖艶な美女。
ブラック・ダミーのライダーキックを喰らって怯んだ後に、BLACKのライダーチョップを背中に受けて死亡。

  • ハチ怪人
洋を追跡する怪人の一人。指先から針を高速で射出し(原作では尻から発射していた)、分厚い装甲も貫く。
先遣部隊のアリ・サイ・ヒョウらと合流し、喫茶店で洋を襲撃。
サイ怪人に捕らえられたブラック・ダミーを針でめった刺しにするも、BLACKの登場で怯んだ隙に後述の煉瓦パンチでボコボコにされて倒された。

  • カニ怪人
洋を追跡する…どう見てもお前カニ獣人だろ!
先遣部隊のアリ・サイ・ヒョウらと合流して喫茶店で洋を襲撃するが、ライダーキックで真っ先にぶっ飛ばされ、
壁に叩きつけられてしまいそのままフェードアウトする。


【今作のキーワード】

ブラック・ダミー

仮面ライダーBLACKの模造品であるサイボーグ。
賢者の石(テレビシリーズにおけるキングストーンのこと)こそ埋め込まれていないが、オリジナルのBLACKとほぼ同等の能力を持っているらしい。
ただしこいつらはゴルゴムの怪人がBLACKを倒す為の訓練用の生贄であり、怪人に殺されるための存在である。
例えるなら『RX』の試し切り用ロボライダー、『仮面ライダースーパー1』のロボットスーパー1、『ウルトラマンA』のエースロボットのようなものだろう。

また、洋は7号だったため、少なくともあと6人は存在したと思われる。お、どっかで聞いたような数になるな。
もうこいつらにてつを襲わせちゃえばいいのに。
上記の通り戦闘能力だけならBLACKに引けはとらない。そんなのは偽物怪人の常套句だというのは禁句
BLACK同様白兵戦に特化しており、パンチキックで戦う。
ただしパンチの際にレンガを握りしめながら殴っている。
このコマはあまりにインパクトがデカいため、よくコラ画像として出回ったりしている。

正義のヒーローがやることじゃねぇ。
が、必死に戦ってる感じが出ててGOOD。
かけ声も本物のBLACKが上記の通りアメコミ風味なのに対し、崩れた叫び。
本物もそんなに洗練されてなかったのは言わない約束。



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最終更新:2023年11月22日 16:55

*1 萬画版ではコウモリ怪人の手下として登場。美術品を運搬する役目を担う量産型として多数が存在。

*2 萬画版にはネコ怪人が登場するが、こちらは信彦の恋人・紀田あゆみが改造された。