クロコダイル(薬物)

登録日:2015/03/19 Thu 02:55:29
更新日:2024/02/22 Thu 02:38:28
所要時間:約 4 分で読めます





【初めに】

この項目は危険物の項目です。

ふざけて手を出すと命の危険がある事を踏まえた上で御覧下さい。









クロコダイル(薬物)とは、ロシアの若者や貧困層の間で爆発的に流行した合成麻薬の一種で、正式な名称は「デソモルヒネ」

もともとロシアは世界最大の麻薬消費国のひとつで、かつて最も多く使用されてきた薬物はアフガニスタンから流入するヘロインだった。
だが、クロコダイルはそれを上回る勢いで拡大。2011年のロシア紙の調査によれば、同国内各地で新たに麻薬中毒となった患者の90%がクロコダイルの常習者であった事が明らかとなっている。

……ここまでだと、ただのロシア産の麻薬で終わってしまうが、
クロコダイルは依存性がかなり強いだけでなく、副作用で生きながら肉体が腐っていく。



腐っていく



大事なことなので二回言いました。

比喩でも誇大表現でもない。本当に注射した箇所の肉体が腐敗してしまうのである。
更に恐ろしいのは原料を低コストでいとも簡単に入手できる上に、化学の専門知識や特別な器具が無い素人でも自宅で密造できること。
ちなみにヘロインの中毒患者が死に至るまでは平均で5年ほどなのに対し、クロコダイルの場合は2年以内に死んでしまうケースが多いとか……。


【主な材料】

医師の処方箋無しに薬局で買うことができる咳止めの薬が主な原料であるが、それと組み合わせる材料がシンナーやガソリンなど。
……どう考えても人体に取り入れるようなシロモノではないですね、はい。

だが、原料の成分や製造方法には個人差があり、一般の燃料用のガソリンには鉛や亜鉛など有毒な重金属の不純物が混ざっていることが少なくない上、埃臭い地下室などの劣悪な環境で密造したり、使いまわしの不衛生な道具を使ったりすることで有な物質が混入することも多く、それらが後述の凄惨な症状を引き起こす要因になっている。


【症状】

一度注射してしまうと、非常に強力な効果で ほぼ100%依存症になる だけでなく、成分に含まれている有害な不純物によって血管や内臓を蝕まれ、やがて皮膚や肉体を壊死させた挙句、骨がむき出しの状態になるまで生きながら肉が腐っていく。
もはや化学兵器じゃねえか!

しかも、有効な治療法が今のところ無く、肉体の損傷に関しては壊死した部分を切断するしかない上に手遅れになればに至ってしまうが、依存症や余命の方は完治が難しい模様。
ぶっちゃけ一度クロコダイルを体内に取り入れた時点で人生終了のお知らせを受け取ったのと同義。
粗末な製法を止めれば体が崩壊するまでは行かないのだろうが、精神面の毒性と依存性もご覧の通りなので適量も何もない。もう毒薬に分類していいのでは…。

なお、「クロコダイル」という呼称は、
・注射した部分の皮膚が緑に変色して鱗のようになる。
・壊死した部分がまるでワニに噛まれたような傷口になる。
……といった特徴から付けられたらしい。


【蔓延した原因】

圧倒的なコスパと簡単な製造法が増加の主な原因だが、その根底にあるのは国内における貧困や格差社会である。

ロシアは石油や天然ガスなどの地下資源大国として、中国やインド、ブラジルと並ぶ新興国(いわゆる「BRICK(s)」)のひとつに数えられる。
だが、その資源輸出の利益を享受できるのは、モスクワやサンクトペテルブルグなどの大都市の一部の富裕層のみ。一方、その裏で取り残された地方の貧困層には全くと言って良い程恩恵は行き渡らず、その生活水準は下手な発展途上国より悲惨な所もあるほどだとか。
まともな職もなく明日の朝食にさえ事欠くレベルの人間も少なくなく、絶望のあまり、「アヘンの3倍の効きめでヘロインの10分の1の値段」で手に入るクロコダイルに手を出す者が続出、それがロシア全土の中毒患者をますます増加させる結果となってしまった。


【対策】

国内で大問題となったクロコダイルの流行に対して、当然ロシア政府は深刻な脅威と感じており、様々な対策を講じた。
主な対策が密造場所の摘発やクロコダイルの主な原料となる咳止め薬の入手規制。
だが、前者の方は密造場所の多くが個人の自宅であるため摘発が追いつかず、後者に至っては利用者や製薬メーカーだけでなく薬局にとっても売上に大きな影響が出るというデメリットがあり、仮に規制が始まったとしても「薬局が闇販売に走った場合にどうやって取り締まるのか」という懐疑的な見方をする報道も少なくない。

他にもメディアで麻薬の恐ろしさを若者に訴えるキャンペーンを展開したり、製造方法を詳細に示したサイトを閉鎖したりしたものの、どれもイタチごっこという有様。

 ※クロコダイルやデソモルヒネで検索すると上記のようになった中毒者の画像が出てきます。
 麻薬の恐ろしさを知るという意味では見るべきかもしれませんが、大変ショッキングで下手をしなくても
 トラウマ必至な画像がたくさん出てきますので、軽い気持ちで検索することはおすすめしません。


追記・修正は、クロコダイル及びその他の薬物に手を出さないと誓ってお願いします。

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最終更新:2024年02月22日 02:38