続・終物語

登録日:2015/02/25 Wed 23:30:43
更新日:2023/10/06 Fri 19:34:05
所要時間:約 5 分で読めます




“私、とっても幸せなのに―――こんなの、全部嘘だって思ってる”



僕達と、育ち続ける物語。




『続・終物語』は講談社BOXから発売されている、001%趣味で書かれた小説。
物語シリーズのファイナルシーズン第6弾にあたる。

著者:西尾維新
イラスト:VOFAN

阿良々木暦を語り手とし、卒業式翌日の朝を発端にした、高校生でなくなった彼が経験する少し違った世界の冒険を描く。
前作『終物語(下)』でシリーズ自体は完結しているため、著者の西尾維新曰く「読んでも読まなくてもいい」ファンディスクのような位置づけで、全17巻のおさらいと、ヒロインズの異なる一面を描いた、これまでのファンへのご褒美のような内容である。

舞台が鏡の中ということで、鏡の中の世界のキャラクターの台詞の一部は反転した「鏡文字」として表されており、手鏡と一緒に読むのが必須。


当初のサブタイトルは『第本話 こよみブック』だったが、『暦物語』のタイトルっぽかった、とのことで変更になった。


最終話 こよみリバース


三月十六日、直江津高校卒業式の翌日。
卒業式をサボったもののなんとか無事高校卒業を迎えた阿良々木暦は、妹達に起こされることなく自力で起きたものの、「何者でもなくなった」自分に心許なさを感じていた。
そんな風に考えながら洗面所で顔を洗っていると、鏡に妙な違和感を覚え、謎の怪現象が起こる。
気付いた時、暦を取り巻く世界は一見何の変哲もない世界だったが、彼の周りの人物がいつもと「反転」していた。
混乱する彼に、神になった八九寺真宵おねーさんは暦に告げる。「君は鏡の中に来たんだよ」…。
果たして暦は、「裏返った」ヒロイン達の暮らす異世界から抜け出せるのだろうか…。



登場人物


「阿良々木暦、見たまんまの男さ」

本シリーズの主人公で、波乱万丈な一年間を送ってきた元吸血鬼の元高校生。
ひょんなことから色々なものが反転した鏡面世界に迷い込んでしまい、元の世界に戻るべく例のように四苦八苦、空回り、ラッキースケベを繰り返す。
今回は変態成分は抑え目で、「反転した」ヒロイン達(おねーさんの神様、キメ顔童女、ヤンキー蛇、暴力悪魔、崇高すぎる姫、活発幼馴染etc)に振り回される一方。

…が、そこは我らが阿良々木さん、全裸で熟女との混浴などというけしからん所業を(事故だが)きっちり行っている。
さらに、今回は西尾作品主人公伝統の女装まで披露。その筋のファンにはたまらない一瞬である。


「阿良々木くふぅーん!」

前回の事件で、北白蛇神社の神様に祀り上げられた迷子少女。
鏡の中の世界では、事故に遭わなかったパラレルワールドそのままの21歳のおねーさんの姿で登場。
言動も大人っぽくなり論理と説明で暦を導いていく頼れる神様だが、暦にやけにフレンドリーで少しイタズラ好きなのは相変わらず。


「で、鬼いちゃんは今日は、どこで誰のパンツを脱がせていたの?」

監視も兼ねて、阿良々木家に居候している人形童女。
鏡の中の世界では、パンツルックに表情豊かで常にキメ顔でいつも通りに会話する非常にイラつくキャラとして登場。
しかし、こちらの世界の異変を察知し、「キャラをブレさせて」、暦の知る無表情キャラに変わり、彼と共に事件の謎を漫才しながら追う。


  • 老倉育
「へっへ。暦と間接キッスー!」

かつて暦と幼少時代を過ごしたものの、様々な事件により関係が破綻し、高校生活も家族関係も最後まで報われることなく街を去った少女。
鏡の中の世界では、阿良々木家の養子として暦と家族同然の仲となっていた。ちなみに暦とは寝ている部屋も同じ部屋である。
ショートカットが明るい印象を与える、現実とは性格が180度変わってフレンドリーなものに。
さらに険悪だったはずの暦に対するスキンシップも豊富になり、暦にとってはなんともうらやまけしからん嫁同然となっている。おいそこ変われ。
しかし、元々聡明であまりに現状と違うためか、この幸せな生活に薄々疑問を抱いているようで…。


「しゃしゃしゃしゃっ!いよ暦お兄ちゃん、俺様だぜ!」

暦に秘めた想いを抱いたものの、暴走して蛇神となり、紆余曲折を経て再び疎遠になった少女。
鏡の中の世界では、蛇神時代とイメチェン後のベリーショート姿を合わせたような姿で、かつて彼女が妄想の中で作り上げた「クチナワさん」そのものの粗暴で豪快な性格の「誰子さん」。
真宵の先代の神様として、現実の頭の残念さとは打って変わって、彼女と共に暦の相談役として口悪くも助言する。


「にゃんでもは知らにゃいにゃあ―――知ってることだけ、にゃん」

重い家族問題を抱えながらも何とか解決した、暦の憧れの少女。現在海外放浪中。
鏡の中の世界では、もう一人の彼女である猫、ブラック羽川として登場。
ある人物に頼まれ、暦を危機から助け、「相棒を探せ」と助言を与える。
ラストには、ブラック羽川口調の幼女羽川が登場した。


「―――憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!」

猿に願い、悪魔の左手を身につけた変態気味な暦の後輩。
鏡の中の世界では、常時暦への憎しみを露にしたレイニー・デヴィルの姿で登場。
神原邸に近づく暦を超人的な脚力で追い回す。



「さながら水面に映った月のように―――」

現実世界における暦の「相棒」の、元鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼幼女。
暦が異世界に行く際に元の世界に置き忘れられてしまい、連絡が不可能となってしまう。
鏡の中の世界では、元々学習塾跡があった土地に建てられたお城に住む人間の姫として隠居中。
そのあまりにも高貴な威光によって、普通の人間は彼女の姿をまともに見るだけで死にたくなるほどのオーラを持ち、普段はカーテン越しに会話する。
暦でさえ数分会話するだけで自殺したくなるほどで、まともに会話できるのは余接くらいである。
詳しくは、ファンブックの短編童話「うつくし姫」参照とのこと。


「十六歳だよ」

暦のでっかい方の妹。中学卒業し、高校入学を控えている。
鏡の中の世界では、暦より遥かに低い150㎝以下の身長となり、スカートも好んで履いていた。


「目を閉じててね?失明の恐れがあるから」

暦のちっさい方の妹。ファイヤーシスターズ解散となり、どうやら思うところもあるらしい。
鏡の中の世界では、表裏がないためかほとんど変化がなく、持ち前のピーキーさで暦を振り回し、裸で二人洗顔プレイをお見舞いした。


  • 臥煙遠江
「知ってるとか知らないとか、そういうのはどーでもいいんだよ、阿良々木くん」

元の世界では既に故人となった、駿河の母親にして臥煙伊豆湖の姉。
しかし、鏡の中の世界で、神原家の浴槽を実験として入浴していた暦の前に突然全裸で鉢合わせ、そのまま暦と混浴することに。
翼のような「知っていることだけ知っている」でも、伊豆湖のように「何でも知っている」でもなく、「見りゃだいたいわかる」天才肌。
そして、今までの人物像とは打って変わった、一見明るく若々しいお母さんだが、その内面には陰りも垣間見える。
暦の背中を流す際に、あるメッセージを背中に残すのだが…。


  • 忍野扇
「理解が遅いから、そんな風に無様に、私のコスプレとかする羽目になるんですよ」

暦をいじめ抜くのが大の趣味な、阿良々木暦の「裏側」の少女。
前回の事件を経て和解したものの、間髪入れずに次の事件に巻き込まれたため、暦は一度彼女の関与を疑った。
その後、ここが鏡の中と判明し、暦は鏡の中の自分は扇だと推測するのだが、彼女の所在は不明。
終盤登場した彼女の姿は、次の『花物語』にかかっていると思われる。


「またまた謙遜して。成長したわよ。これからはお父さんって呼んでいい?」

すっかり毒気を抜かれた暦の彼女。
鏡の中の世界で、ヒロインズの中では唯一登場しなかったが、後日談に登場し正妻の貫録を見せつける。
今回はツインテールにミニスカートと、これまでのイメージを一変させすっかり可愛らしくなってしまった。
もはや初登場時の面影なし。







追記修正は女子の制服を着て母校に見られないように侵入してからお願いします。









































さよならは、言わない。


<物語>シーズン、ネクストシーズン


接物語

See you later, alligator.

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最終更新:2023年10月06日 19:34