サムライスピリッツ

登録日:2015/02/21 Sat 19:53:28
更新日:2024/04/24 Wed 18:14:40
所要時間:約 10 分ニテ読メシ物ナリ






サムライスピリッツとはSNKが制作した対戦型格闘遊戯である。略称は「サムスピ」「侍魂」。
日本国外で販売される際には「SAMURAI SHODOWN」と言う題名となっている。
本項目においては其れら一連の作品について解説を為す。




概要

本作独自の要素は、登場する剣客らが皆帯剣をしている事が挙げられる。
他の対戦型格闘遊戯においても帯剣ないしは武器の所持をしている登場人物はいたが、其れを遊戯内容に活かしているとは言い難い物があった。
然しながら本作はその剣に主眼を置いており、遊戯の上での規則や登場人物の背景にまで関わるものと成っている。
第一作目から剣ではなく爪、鎖鎌、宝珠、後の作品では腕輪、玉串、銃、筒、弓矢、石柱等、剣はおろか刃物ですらないものも見られるが、寸言は無用。
そして剣戟で勝敗を付けるため、凝った曲や斬撃の効果音、自然や町屋を象った背景、血飛沫や人体の切断と言った演出が遊戯を行う者を悦せた。
尚、近年の作品では猟奇的な演出は縮小傾向にあるので注意されたし。


遊戯性は一撃の重みと駆け引きに趣きが置かれている。
基本的に技の隙は大きいが、故に真剣で剣戟を行っている様な雰囲気は本作独自の物。
如何にして相手の剣撃を避わし、如何にして自らの一刀を加えるかと言う駆け引きも侍同士の一騎打ちが強く感じられる。
これまた、登場人物には侍や忍者はおろか、巫女、歌舞伎役者、からくり、魔人、亡霊、果ては狼や鳥と言った人外の者も多いが、不平を述べるだけ無駄な行為だろう。
其れらの独自性が故に、『餓狼伝説』『龍虎の拳』と共に全盛期のSNKを支えた。


なお剣サム以外の全作品が同じ時系列として扱われているが、順番は昔からのサムスピ好きでなければかなり解り難い。
初代サムスピの過去に当たる話がある事もザラ・・・というか大半が過去の話となっている。


歴代演目ノ項

平面格闘遊戯ノ一覧



SAMURAI SPIRITS


武士道トハ 死ヌコトト見ツケタリ
修羅道トハ 倒スコトト見ツケタリ
我、悪鬼羅刹トナリテ
目ノ前ノ 敵スベテヲ…
斬ル!!

○物語
一七七八年末期。
世界各地に疫病、天変地異、戦乱が起き、人々は不安と絶望の中に陥っていた。
其の混迷の世を見て、微笑む者がいた。
かつて徳川幕府によって命を断たれた恨みを心に残した天草四郎時貞は暗黒の力を得て甦り、不気味な力を操り、邪教の教えを広めて世界を破滅に導こうと目論む。
災厄の時代の中、己の信念をかけて戦う者たちがいた。
目的も信念も違う彼らだが、互いに引き寄せられるように出会い、闘い、そして災厄の中心へとその足を向けるのだった。


○登場剣客ノ一覧
・拾弐ノ剣客
覇王丸、橘右京、ナコルルガルフォード、シャルロット、服部半蔵、柳生十兵衛、千両狂死郎、王虎、タムタム、不知火幻庵、アースクェイク

・最後ニ現レシ敵
天草四郎時貞(一部の移植版において使用可能)

・熱闘版ノミニ現レシ剣客
黒子、飛脚

一九九三年稼働開始。爽快感溢れる操作感覚で人気を博した第壱作。絵師は臼井影氏氏。
必殺技を繰り出す駆け引きよりも、強斬りの絶大な威力が最大の特徴。
他、攻撃を受けることで溜まり、最大になると攻撃力が上昇する怒りゲージと言う一連の作品を象徴する要素や、鍔迫り合い、飛脚が投げ込む物品等、意欲的な物も取り込まれている。
対戦に於ける釣り合いも程よく、最初の作品でありながら最高傑作としても名高い。
現在にも熟練のもののふが集う、「北河内武芸帳」なる集まりも存在する。

同年の、読者が選ぶゲーメスト大賞を受賞の他、ベスト演出賞、ベストVGM賞、ベストキャラクター賞・ナコルルを受賞している。
特に十二人の剣客の中でもナコルルの人気は群を抜いており、萌ゑの概念を作り出したと人はそう呼ぶ。
他にも、武士道を体現した主人公覇王丸、北米人で有りながら忍のガルフォード、巨体故に相手に投げられないアースクェイク等、魅力的な剣客は多く存在する。




真SAMURAI SPIRITS 覇王丸地獄変


今は昔のものがたり
我が道 極めんとする男あり
血生臭い 生きざまに
凶事まとうは 偶然ではなかった


○物語
暗黒神アンブロジァを復活させんと、世界に災厄を引き起こした天草四郎時貞は一人の剣士に滅ぼされ、其の存在は史実に記されることはなかった。
復活した天草に深く関わった者の一人、覇王丸はある晩に闇討ちを受ける。
容易く首を取られる訳もなく男を捕えたが、明らかに暗黒の力に操られており、覇王丸に向かって「貴様の魂はいずれ奪ってやる……。あんぶろじぁ……復活」
魔性の者が自分の命を狙っている。天草と同じ暗黒の影を感じとった覇王丸は剣技の師を訪れた。
話を聞いて、師はいつになく険しい表情で覇王丸を見据えた。
「彼奴には近付くでない。お前はたしかに強ぅなった。しかし、手を出すでないぞ。よいな」
師は何かを知っている様子であったが、何も語らず、覇王丸も聞こうとはしなかった。
その夜、久しぶりに師と酒を酌み交わした覇王丸は夜明けを待たずして旅に出た。
――口元に不敵な笑みを浮かべて。


○登場剣客ノ一覧
・拾五ノ剣客
牙神幻十郎チャムチャム、ナインハルト・ズィーガー、花諷院和狆
覇王丸、橘右京、ナコルル、ガルフォード、シャルロット、服部半蔵、柳生十兵衛、千両狂死郎、王虎、不知火幻庵、アースクェイク

・人ノ身ニハ操レヌ強者
黒子(乱入)、羅将神ミヅキ(最後に現れし敵)

一九九四年に稼働を開始した弐作目。前作より明るい演出と作風になっている。武器破壊必殺技(超必殺技に相当)など新たな要素も登場した。
然し 其れらは煮詰まっているとはとても言い難く、決めれば利点があるが失敗が痛い物が多い。同時期における格闘遊戯の高難易度化を象徴しているとも言える。
アースクェイクが投げられる様になる等対戦では修正された点もあるが、屈すると幻庵共々投げられない、右京が並ぶ者なしの強さを誇ると悪化した点も見られる。
この作品も初代同様人気を博した作品ではあるが、対戦公平性はあまり良い方ではない。しかも主人公&ひろいん格の覇王丸とナコルルが最弱の作品。
特に、人気を博したナコルルは最弱と言う憂き目に遭っているが、彼女の物語もあって今作が時系列の後ろにせざるを得なかったと言う事情も抱えている。

新たな剣客は何れも曲者揃いで、特に覇王丸の好敵手の牙神幻十郎、時代を先取りしたとされるチャムチャム、シゲルことズィーガーらが特に目立っている。
独特な演出も特徴的で、黒子が爆発したり、背景を跆拳道の達人が駆け抜ける事もある。




サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣


剣の道 まさに 修羅の道なり
屍を築き 血河を流し
生き延びる事こそ 無敵なり


○物語
男は、鬼と呼ばれた。
男の名は壬無月斬紅郎
何時の頃からか無差別に村々を襲い、殺戮を繰り返すようになった。
斬紅郎の刃に、人々は断末魔の叫びを発し、血の海に沈んでいく。
鬼の兇行を止められる者は何処にもいなかった。
しかし、とある村で斬紅郎は一人の赤子を殺さずに見逃した。
いや、殺せなかったというべきか。なぜ殺せなかったのか?
その真相は誰にもわからなかったが、この時以来、斬紅郎は帯刀した者のみを襲いはじめたという。

そして数年後、それぞれに志が違う12人の剣士が動き出した。
「鬼・壬無月斬紅郎」目指して。


○剣客ノ一覧
・拾弐ノ剣客
緋雨閑丸、首斬り破沙羅、花諷院骸羅、リムルル、天草四郎時貞
覇王丸、橘右京、ナコルル、ガルフォード、服部半蔵、千両狂死郎、牙神幻十郎

・人ノ身ニハ操レヌ強者
黒子(乱入専用)、壬無月斬紅郎(最後に現れし敵)

時系列では『初代』の後に当たる第参作。通称『斬』。一九九五年稼働開始。
今作は前作の明るい作風から一転して、暗く渋い作風となっている。
作中の電子点描画はしろー大野氏の絵を元に新たに描き起こされた。
その一方で、絵を一新したことによる製作上の労力の都合か、前作までに登場していた剣客の多くが姿を消してしまっている。
特に異国の剣客は顕著であるが、結果として和風の世界観が強調されたと見る向きもある。

遊戯面に於いては新たな操作が多数追加されたが、故に対戦場は血に塗れる悲惨な事になった。
投げの代わりに追加された防御崩し、相手の背後を取れる見切り・回り込みの要素、連斬に傾倒している遊戯内容、火力の増大。
其れらにより、ほぼ全ての剣客が一瞬の隙を突いて相手を切り刻む光景が見られる様になり、一連の作品の中でも対戦面での評価は頗る低い。
侍らが集うに相応しい暗い雰囲気、美しい描画や曲、他各種演出は一定の評価はされるものの、遊戯としては全員永久持ちなど調整が杜撰で釣り合いがとれておれず、評価は良いとは言えない。
しかし、「ほぼ全員壊れているからこそ、ある意味では釣り合いが取れている」というような、後の世紀末格闘にも通ずる評価をする好事家も存在する。

前作で登場した武器破壊必殺技は、「破壊された武器が再度復活するのはおかしい」という至極尤もな声により、武器を落とし素手になってしまう武器飛ばし必殺技に変更。以降はこれが本作における超必殺技の標準となっていく。
また、今作より剣客の性能を変える剣質選択と言う要素が導入された。
これは、修羅羅刹のいずれかを選択する事で、同じ剣客であっても技の構成などが異なったものになるというもの。
前述の剣客の少なさを補う目的もあったと思われるが、当時は斬新な要素として好評を得た。




サムライスピリッツ天草降臨


一七八九年
寛政の改革が 人々を圧迫せし頃
一ツの魔性の魂が 燐火を上げて蘇った
大地を揺がし 出現した城は
島原の人々を 災いに染めていった
それに呼応するかの如く 己が身を修羅に変え
定めに生きる者たちが 現れた


○物語
時は天明八年。
各地で冷害や洪水、大火、飢饉が打ち続く中、島原の地に不気味な城が忽然と姿を現した。その城の主の名は天草四郎時貞
一度は魔界から復活し、野望半ばにして倒されたはずの天草四郎が、またしても現世を征服すべく蘇ってきたのだ。
島原半島を飲み込み、日に日に巨大化していく魔の城。
人々は何時しかその魔城を天草城と呼び、恐れながらも、救いを求め、崇めるようになったという。
しかし、其れが更なる災厄を呼び込もうとは、まだ誰も知る由も無かった……


○剣客ノ一覧
・拾八ノ剣客
風間火月、風間蒼月、柳生十兵衛、シャルロット、タムタム、チャムチャム(PS移植版の天草降臨SPECIALで追加)
覇王丸、橘右京、ナコルル、ガルフォード、服部半蔵、千両狂死郎、牙神幻十郎、緋雨閑丸、首斬り破沙羅、花諷院骸羅、リムルル、天草四郎時貞(善)

・人ノ身ニハ操レヌ強者
天草四郎時貞(悪)、壬無月斬紅郎(共に半ばに立ち塞がりし敵)

・最後ニ現レシ敵
剣客によって異なる(後述)

一九九六年に稼働を開始した第四作。通称『天』。時系列では『斬』の続編。
作風は前回に続いて暗い雰囲気を打ち出している。然し火月が猪突猛進の派手忍者なので、ある意味作風の暗い空気は緩和されてるかもしれない。
連続で剣撃を加えられる連続斬りを始め、体力が二倍になり一撃の威力が抑え気味になるなど、より連斬を重視した作りであるが、同時に『初代』の遊戯傾向とはかけ離れて行ってしまった。
一方で食らい抜けの出来る怒り爆発や、一発逆転の切り札である一閃など、以降の作品で定番となった要素も多い。
演出の質は相変わらず高く、姿を消していた剣客らが再び登場している点も評価に値するだろう。

遊戯評価の基準としては従来の得点制ではなく時間制が採用されており、規定数の敵を全て倒すのに要した時間を競うものとなっている。
同時にこれは展開が分岐する要素でもある。
天草城に辿り着いた時点で剣客毎に設定された制限時間を超過していると、同じく指定された好敵手が先に天草(悪)を倒してしまっており、その者と戦うこととなるが、勝利しても後味の悪い結末となってしまう。*1
しかし、制限時間内に到達出来れば天草、斬紅郎、好敵手との三連戦となり、真の結末を見ることが出来る。
平面遊戯侍魂で唯一「人には操れぬ敵が半ばに立ち塞がり、最後に戦う相手は剣客により変わる」という構成の作品である。

+ 一覧表
選択した剣客*2 制限時間*3 最後に現れし敵
風間火月 九分 風間蒼月
風間蒼月 九分 風間火月
柳生十兵衛 八分 服部半蔵
シャルロット 八分 覇王丸
タムタム 十分 ガルフォード
覇王丸 八分 牙神幻十郎
橘右京 十分 千両狂死郎
ナコルル 九分 牙神幻十郎
ガルフォード 九分 タムタム
服部半蔵 九分 柳生十兵衛
千両狂死郎 十分 橘右京
牙神幻十郎 八分 覇王丸
緋雨閑丸 八分 覇王丸
首斬り破沙羅 十分 花諷院骸羅
花諷院骸羅 十分 首斬り破沙羅
リムルル 九分 牙神幻十郎
天草四郎時貞(善) 十分 服部半蔵

斬紅郎に勝てるのならば後は消化試合と思われがちだがCPU補正と超反応が合わさってそれなりに強い。
特に覇王丸は超反応弧月斬、足払いと裂震斬による中下段揺さぶりなどで悪天草や斬紅郎よりも強いとされている。




サムライスピリッツ零


武士道とは死ぬことと見つけたり
修羅道とは生きることと見つけたり
我、悪鬼羅刹となりて、
目の前の敵、全てを

斬る!


○物語
漆黒よりなお黒く、虚無の果てなる深き闇。
その渦中。
禍禍しき念が胎動を始めた。
刻まれし鼓動は、眼に映らぬ、手で触れられぬ、波となりて闇を漂い、
彷徨の果てに日本へと辿り着く……

時に一七八六年、後の世に言う天明の大飢饉。
その痕跡は今なお癒えることなく、餓えた地に治まりの兆しは差さず。
各地においては、一揆や打ち壊しが後を絶たず、荒廃の一途に拍車をかける。
人々は未曾有の災厄に苛まれ、今日か明日か、何時尽きるとも知れぬ露命を繋ぐ。


○剣客ノ一覧
・弐拾四ノ剣客
徳川慶寅、劉雲飛、真鏡名ミナ、妖怪腐れ外道
羅刹丸、レラ、炎邪、水邪(これら四人は覇王丸、ナコルル、火月、蒼月の羅刹が発展した剣客である)、パピー(隠し)
覇王丸、橘右京、ナコルル、ガルフォード、服部半蔵、千両狂死郎、牙神幻十郎、緋雨閑丸、首斬り破沙羅、花諷院骸羅、リムルル、風間火月、風間蒼月、柳生十兵衛、シャルロット、タムタム

・人ノ身ニハ操レヌ強者
萬三九六、黒河内夢路(共に半ばに立ち塞がりし敵)、兇國日輪守我旺(最後に現れし敵)

SNK倒産後、二〇〇三年に権利を受け継いだSNKプレイモアから発売された(実際の開発は悠紀エンタープライズ)。久々に平面格闘遊戯に回帰した第五作。時系列では『初代』以前の物語となっている。
SNK時代の侍魂開発者集団は倒産で解散しているため、今作からある意味で新たな剣魂と言える。剣客の絵はたっくんが担当。
今作は『斬』『天』のような全体的に暗い雰囲気の作品。と言うか、新たな剣客の多くに『斬』『天』からの切り貼りが多い。

久々に平面格闘遊戯となった本作を評価する声も多いが、描画に『天』からの流用が散見されるため、幾ら良好な演出でも飽きる者が見られた。
剣戟においても、無暗に牽制を出すと威力が下がる剣気ゲージや、相手の動きを強制的に遅くする切り札である無の境地等の要素が登場している。
然し、特定の剣客同士の対戦だと一方がもう一方にまず敵わない、特定の戦法が強過ぎる等の調整不足、他にも多数の不具合も存在。

剣質選択の要素は廃止され、修羅と羅刹の技を統廃合。或いは上記のように羅刹を独立・発展させた剣客を新たに登場させている。
新たな剣客の中には弓矢を使う真鏡名ミナ、更に一撃に趣きのある妖怪腐れ外道、風を操る高機動力の劉雲飛と言った独特の操作感を持つ者も登場している。
其の一部は著名な漫画家である、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の和月伸宏氏や『トライガン』の内藤泰弘氏の手によって描かれている。*4




サムライスピリッツ零 SPECIAL


鬼となりて、いざ逝かん。

神を斬り、仏を斬りて
天に仇為し我道を逝かん。

仁を断たらば修羅と為さん。
義を断たらば羅刹と為さん。

二拾八のつわものども、
対峙すれば死合うのみ。
己が死生を刃に賭けん。

技、極めること叶わねば
殺すことも、また情け。
道、貫くこと叶わぬ果て
野垂れ死ぬとも、本懐なり。

無情の生涯、語るに及ばず。
我道に殉ぜし極みこそ
古今無双の死に様なり。

いざ、尋常に勝負せよ。


○剣客ノ一覧
・弐拾八ノ剣客
天草四郎時貞、羅将神ミヅキ、壬無月斬紅郎、兇國日輪守我旺
覇王丸、橘右京、ナコルル、ガルフォード、服部半蔵、千両狂死郎、牙神幻十郎、緋雨閑丸、首斬り破沙羅、花諷院骸羅、リムルル、風間火月、風間蒼月、柳生十兵衛、シャルロット、タムタム、徳川慶寅、真鏡名ミナ、劉雲飛、妖怪腐れ外道、羅刹丸、レラ、炎邪、水邪

・最後ニ現レシ敵達
天草四郎時貞、壬無月斬紅郎、兇國日輪守我旺、羅将神ミヅキの順で登場。
但し、ミヅキ以外は絶命奥義か一閃を命中させなければ倒しても次へ進むことは出来ず遊戯は終了と成る。*5


『零』の改良版。二〇〇四年に稼働開始。本作がネオジオ/MVSでの最終作。
物語重視ではなく、対戦重視の作りになっている。
改良に伴い、演出などは全て変更。絵は伊藤サトシ氏が担当している。

各作品の最後に現れし敵らが集っているが、これと言った物語は無い為に時間軸の齟齬は発生していない。
新たな要素として絶命奥義が登場。特定の状態で発動する事により、相手を文字通り絶命させる。
醍醐味と言う者もあれば、悪趣味と言う者もいると賛否両論。
演出面は縮小傾向にあるが、其の分対戦の公平性は過去最高と言われており、熱心な対戦者によるやり込みが続けられている。

但し、今作の家庭用発売には様々な問題が付き纏った。
受注生産された本作は絶命奥義の演出が自主規制により削除され、制作側が試しに操作をしてみれば分かる様な不具合も多数。
送付すれば修正版と交換と言う動きもあったが、後に未修正版を改造した機械にて起動すれば絶命奥義の演出が元に戻り、自主規制故に発生した不具合も修正される結果となり、
其の残虐表現や制作側への不信から、作品の愛好家らに大きな亀裂を生み出す始末と成った。
故に、未修正版は高額で取引される様に成っても問題が起きたが故にか長らく家庭用には移植されていなかったが、二〇一七年にPS4/PS Vitaで配信がされた。残虐表現も完全再現され、その後は他の作品と同等に扱われている。

完全版なる、題字が赤い作品の試験運用も為されたが、其れは流通担当の基板屋と開発会社がプレイモアに無許可で製作した物と判明しており、
永遠に闇へと葬られる作品と成った……はずだったが、二〇二〇年に遂に表舞台へと姿を現わす。
通常版では削られていた剣客たちの個別物語、戦いの合間に挟まる物語が追加されているが、残虐演出は規制版である。だがこれは、演出を増やした分の容量を確保するための策だったという。
設定上は個別EDを見る限り後述する天下一剣客伝の前日譚に位置する。




サムライスピリッツ天下一剣客伝


○物語

駿府御前試合之事

御前にて尋常なる仕合に臨む武辺者を素性不問にて世界各国より広く募りて候勝者には左の報奨を約束す
 一、天下無双の証
 一、大願の成就
 一、金一千両及び米一千石

存分に剣技を尽くすもの也

         徳川慶寅


○剣客ノ一覧
・参拾五ノ剣客
アンドリューいろは、機巧おちゃ麻呂、祭囃子双六、黒河内夢路、萬三九六、チャムチャム、不知火幻庵、アースクェイク、ナインハルト・ズィーガー、王虎、花諷院和狆
覇王丸、橘右京、ナコルル、ガルフォード、服部半蔵、千両狂死郎、天草四郎時貞、牙神幻十郎、羅将神ミヅキ、緋雨閑丸、首斬り破沙羅、花諷院骸羅、リムルル、壬無月斬紅郎、風間火月、風間蒼月、柳生十兵衛、シャルロット、タムタム、徳川慶寅、真鏡名ミナ、劉雲飛、妖怪腐れ外道、羅刹丸、レラ、炎邪、水邪、兇國日輪守我旺

・家庭用ニテ現レシ剣客
羅刹ガルフォード、キム・ウンチェ(韓国版における花諷院骸羅)、EX徳川慶寅、EX劉雲飛、EX妖怪腐れ外道、EX真鏡名ミナ
パピー、シクルゥ&ママハハ、チャンプル、パクパク、黒子

・人ノ身ニハ操レヌ強者
魔界を統べし我旺(最後に現れし敵)


二〇〇五年に稼働開始した、今までの集大成とも言える作品。絵師はたっくん。
お祭り作品らしく、これまでの作品で曲調、画面、決闘場のすべてが一番明るい作風。
過去作品に登場せし全ての剣客らが集い、米国陸軍の軍人アンドリュー、「めいど」のいろは、機械仕掛けの戦士・機巧おちゃ麻呂、祭り男の祭囃子双六ら新たな剣客も登場。
スピリッツなる要素は過去作に因んで『怒』『真』『斬』『天』『零』『剣』、更に家庭用で追加された『獣』『魔』『祭』の何れか一つを選択する事で剣客の性能を変化させるため、やり応えも増した。
但し、遊戯性が一撃の重みから連斬に重視される様に成り、登場剣客の余りある多さから剣客ごとの釣り合いも取れているとは言い難い。
絵師は『零』と同じ御仁であるが、今回は剣客人数が多く一人に時間が掛けられないのか、彩色が零の時と比べあっさりしている。剣客の画も印象が変わり、声優も総取り替えと、旧来の愛好家には不満が募る作品。
残虐な表現が皆無な点も人によっては評価が分かれる所であろう。



サムライスピリッツ 六番勝負


初代、真、斬紅郎無双剣、天草降臨、零、天下一剣客伝の改良版の六作品を集めた、言わば総集編。PS2とWiiにて発売された。
天下一剣客伝は単体での家庭用移植版と異なり、声優を過去作と同じ声優に変更出来る選択肢もついている。しかもこの作品のために声優の声を録り下ろしている。
その豊富な作品量と、現在では店舗での新品の入手もほぼ不可能なせいか、中古でも定価以上の取引も多い。




SAMURAI SPIRITS(2019)



○物語
天明七年、松平定信により寛政の改革が執り行われた。
しかし、各地の飢饉や大火、打ち壊しによる混乱は猖獗を極め、
悪気・邪気とも言える暗雲は、今や日ノ本全土を覆わんとしていた。


○剣客ノ一覧
・十六ノ剣客
鞍馬夜叉丸、ダーリィ・ダガー、呉瑞香(ウー・レイシャン)
覇王丸、ナコルル、服部半蔵、ガルフォード、橘右京、千両狂死郎、柳生十兵衛、タムタム、シャルロット、牙神幻十郎、アースクェイク、色、徳川慶寅

・後ヨリ参戦シ剣客
リムルル、首斬り破沙羅、風間火月、王虎、緋雨閑丸、真鏡名ミナ、風間蒼月、いろは、チャムチャム、天草四郎時貞

・異世界ヨリ参戦シ剣客
ウォーデン(For Honorより参戦)、公孫離(王者栄耀より参戦)、高嶺響(月華の剣士より参戦)、梅喧GUILTY GEARより参戦)

・人ノ身ニハ操レヌ強者
静御前(最後に現れし敵)

二〇一九年にPS4/Xbox Oneにて発売。その後遊技場版も稼働、更にはSwitchやPCでも発売されている。
新時代の侍魂として装いも新たに生まれ変わった。
時系列の上では『零』と『初代』の間に位置する。

人物の造形等は立体遊戯の技法を用いてはいるものの、操作性そのものは平面遊戯に準じている。
怒り爆発や一閃といった従来の要素を受け継ぎつつ、描画や演出が向上したことで爽快感や外連味に溢れた一作となった。
家庭版では、人工知能が使用者の行動や癖を学習し、それを元に生成された分身と模擬戦が行えるという画期的な機能が搭載されている。
遊技場版においても乱入受付可否の選択、個人稽古の搭載など、初心者にも入り易い要素が取り入れられている。

なお、正式な題名としては初代同様副題が付かないが、区別の際には上記のように西暦が併記されることが多い。
令和元年に登場したことから愛好者の間では『令サム』等の愛称がある。



・立体格闘遊戯ノ一覧



SAMURAI SPIRITS ~侍魂~


修羅とは 大地を揺るがし
往く者のことなり
羅刹とは 大海を斬り裂き
逝く者のことなり
血潮の海に身を沈め
目の前の敵 全てを 斬る


○物語
二十数年前……其れは数年間に渡って行われた。
「壊帝ユガ」は、全国各地で母の腹から抜き取った胎児達にある秘術を施し、再び母の腹へと戻した。
何事も無かったかのように生まれる赤子達。
彼らは幼少の頃から類い稀なる才能を発揮し、神童、鬼童と呼ばれた。
そして数十年後には、非常に優秀な若者へと成長を遂げ、いずれも名高き、一角の人物となっていたのである。
そんな彼らの前に「壊帝ユガ」は突然現れ、ユガの事等覚えていない彼らに人形芝居を見せる。
其の人形芝居を見た彼らは思い出す。
この世に誕生する前に与えられていた使命を……


○剣客ノ一覧
・十二ノ剣客
色、柳生磐馬、黒子(対戦時のみ)
覇王丸、ナコルル、風間火月、風間蒼月、リムルル、ガルフォード、橘右京、服部半蔵、牙神幻十郎

・人ノ身ニハ操レヌ強者
巖陀羅(乱入)、木偶♂/♀(半ばに立ち塞がりし敵)、壊帝ユガ(最後に現れし敵)

一九九七年には立体格闘遊戯に進出した。愛称は「ポリサム」。
この作品から絵師が北千里氏に変更となった。
また、ようやく出た『真』の後の時系列の作品であり、『真』のEDの関係で続投が危ぶまれたナコルル(と右京)も無事続投した。

実の所、ハイパーネオジオ64基板は高品質な平面描画を得意にしていたが、立体描画も可能であった。
可能であったが得意とまでは言えなかった為にお粗末な描画と言えるが、それ故に生み出された立体と平面の融合を図った演出は上質。
行動によって消費し、使い切ると無防備になるスタミナゲージ、連斬の十一段以降は補正無、防御不能連携や永久も存在するため、『斬』を越えた極端な遊戯傾向となっている。
一閃や技、勝利などに挿入される北千里の描いた一枚絵と演出が格好いいと好評であった。
対戦における釣り合いも取れてなかった為に遊戯場から早々に姿を消してしまい、故に家庭用に移植もされていない作品ではあるが、今でも移植を望む声はある。
剣客の一人、は他作品への登場も多い為に知名度はあるのだが。




SAMURAI SPIRITS 2 ~アスラ斬魔伝~



○物語
知られざる地にて妖気が天を貫き、闇の塊を地に導いた。
最凶の魔、壊帝ユガの復活である。
再び世に舞いおりた彼の目的は、半陽の男と半陰の女を使った現世と魔界の統一。
即ち、暗黒神復活の土台となる完全なる理想郷の建設であった。
半陰半陽の子が探しだされ、魔力の前に操り人形と化した者共は、理想郷建設の儀式に必要な生け贄を集めるべく殺戮を繰り広げはじめた。
或る者は幕府の中心人物となって過酷な政策を行い、或る者は辻斬りと化し、また或る者は故意に反乱を起こす等で屍を増やし、生け贄としたのである。
また、魔の復活の影響による飢饉や疫病の流行は、更なる屍を増やし、その有様は魔に更なる力と歓喜を与えた。
こうして集められた屍の山は魔界の祭壇に積み上げられ二本の柱と成り、後はそこに封じ込められるべき半陰半陽の男女を待つのみとなった。
そんな折、魔界に帰ってきた一人の男がいた。
闇の中、文字通りの人柱の前に立つ其の男の名は、アスラ。
魔手を操り、ユガに復讐するべくこの世に現れた漆黒の剣人。
しかし、彼の敵は自らの理想郷の建設を着々と進めていた。
現世と魔界を呑みこんだ復讐劇が今、幕を開けようとしている。


○剣客ノ一覧
・拾参ノ剣客
アスラ、八角泰山
覇王丸、ナコルル、風間火月、風間蒼月、リムルル、ガルフォード、橘右京、服部半蔵、牙神幻十郎、色、柳生磐馬

・人ノ身ニハ操レヌ強者
巖陀羅(乱入)、壊帝ユガ(最後に現れし敵)


一九九八年に稼働開始した立体遊戯版第弐作。
前作に存在した要素の多くを削り取り、描画は立体だが傾向は平面格闘に近い物となっている。
今作から剣質選択で別人のようになる剣客が複数存在していることや*6その意匠など好評を得た面もあるのだが、如何せん前作の根本的に解決していない所が尾を引いてしまっている。

一人用モードの登場順はある程度決まっており、1~3戦目が右京(修羅)、幻十郎(羅刹)、ガルフォード(羅刹)、磐馬(羅刹)、泰山(修羅)、
4戦目がアスラ(修羅)、火月(羅刹)、5戦目がナコルル(修羅)、リムルル(修羅)、6戦目が半蔵(修羅)、蒼月(羅刹)のどれか、
7戦目以降の登場順は覇王丸(羅刹)、色(羅刹)、アスラ(羅刹)、ユガ固定となっている。

ED的にはこれまでの物語の総括になっている剣客も何人かおり、次作が『蒼紅の刃』である事もあって『初代』から続いたサムスピのひとまずの完結作と言えなくもない。




剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章



○物語
世は太平の時代となり、剣の時代は終わりを告げようとしていたが、国には時代の流れに適応できない人々が増え続け、何時しか社会問題へと発展していった。
そこで幕府は江戸近海の小島に無宿者たちを更正させる場として「牢人街」を作り、其の者たちを管理した。

しかし、その牢人街を利用し、幕府を滅ぼして「選ばれた者だけの新たな世界」を創ろうとしている者達がいた。
その名を「覇業三刃衆〔はぎょうさんじんしゅう〕」と云い、各々が強大な力を持ち、それをもって無宿者たちを従え、其の場所に国家転覆の足掛かりを作り上げていった。
そして、何時jの頃からか「牢人街」は「離天京」と呼ばれるようになった。

彼らによって「離天京」は、「社会復帰のための更正の場」から一転して「強いものだけが生き残る無法地帯」へと変貌していった。
人々は、日々を生きる為に憎しみ合い、奪い合いそして殺しあう。
「覇業三刃衆」はその憎悪の力を吸収しながら着実に勢力を強大にしていった。


○剣客ノ一覧
・十一ノ剣客
九葵蒼志狼、花房迅衛門、服部半蔵、覇王丸、吉野凛花、沙耶、榊銃士浪、七坐灰人、十六薙夜血、乱鳳、つむじ風の臥龍

・隠サレシ剣客
九鬼刀馬、命、幽堕、眠兎、無限示、大熊猫、陀流磨
伊賀忍軍、お侍、朧衆、ゴロツキ(これら四人には必殺技が無い)、九皇蒼志狼

・人ノ身ニハ操レヌ強者

一九九九年に家庭用(PS)に発売された立体格闘遊戯。
前作より凡そ二十年の時が経っていると言う事情もあり、今の所一連の作品の時系列では最後に当たる。
故に主人公は九葵蒼志狼に交代した他、登場する剣客も一新されている。
過去作から登場する剣客も年を経た覇王丸と、先代の半蔵から名を継いだ服部半蔵、操作は不可能だが、精霊となったナコルルと封印されていたリムルルも健在(今作の半蔵は息子の真蔵なので、実質旧作の剣客からは3人登場)。

相手の攻撃を文字通りにいなす、いなし。防御不能だが相手をよろめかせる峰打ちと言った独特な要素も追加されている。
然し家庭用専用のゲームでありながら剣客ごとの必殺技操作の閲覧すら難しく、遊戯全体においても速度が遅い、立体描画もかなり角ばっていて低品質と残念な点が多い。

北千里氏の手がけた剣客の意匠自体は評価されているものの、作風の大きな変化についていけない愛好家は多く、
旧作の剣客はほとんどおらず、出ていても年月の経過による変化が大きく、特にナコルルがいきなり小さくなって精霊化した点は不評の声が多い。
(「剣魂といえばナコルルという風潮がある」 「ナコルル(三×歳)に需要がないこと」 を考えればある程度は許容すべし点ではあるが)




サムライスピリッツ閃



○物語
日本に謎の異国船が現れ、不法侵入の異国人が増え出す。
其の一部は刺客として剣士たちに襲い掛かり、
彼らの背後にいる独立戦争の立役者である将軍ゴルバは、
天降藩の養女である鈴姫を狙っていた。
日本より、異国より、弐拾四人の剣士たちがゴルバの居城を目指す。


○剣客ノ一覧
・弐拾四人の剣客
猛千代、鈴姫、菅又刃兵衛、クロード、J.、キム・ヘリョン、ヴァルター、ガロス、ブラックホーク、アンジェリカ(半ばに立ち塞がりし敵)
覇王丸、橘右京、ナコルル、リムルル、ガルフォード、シャルロット、王虎、柳生十兵衛、服部半蔵、千両狂死郎、牙神幻十郎、風間火月、風間蒼月、柳生十兵衛

・家庭用ニテ使エシ剣客
ドラコ(半ばに立ち塞がりし敵)、ゴルバ(最後に現れし敵)

二〇〇八年に稼働を開始した、立体格闘遊戯の第四作目。時間軸ではアスラ斬魔伝の翌年に当たる。
アスラ斬魔伝のEDで死んだはずの幻十郎と右京がなんで生きているのかって?なんのことやら?
以前までの作品よりも他社の立体格闘遊戯を意識しており、多数の飛び道具の消失や連携重視の戦闘に其れが見られる。

一人用モードでは1~3戦目は日本国内、4戦目以降は日本を離れて海外の地で真剣勝負をすることになるのでその決闘場にあった刺客達が登場する。

侍魂愛好家間で好評であった絵師の北千里を再度迎えるなど、絵に関する評価は好評だが、遊戯の方は描画技術も其の他社には劣る。
一連の作品では好例の良質な演出や、剣客固有の派手な技の効果などがこの作品では非常に地味で、全体的に地味さが否めない物に。
ちなみに画面も暗い決闘場が多く、剣客の描画が黒く見えてしまっている。

残虐描写は存在しない・・・のだが、そもそも国外版で存在していたものが日本版ではごっそり削除されたため、手が有るのに斬られた様に振る舞う剣客の姿は滑稽其の物。
投げが矢鱈と強いが全体的に対戦要素は悪くない出来である。



・他遊戯ノ一覧


真説サムライスピリッツ 武士道烈伝

平成九年に発売された、SNK初のろぉるぷれいんぐげぇむである。三機種(ネオジオCD、SS、PS)にて発売。絵師はしろー大野氏。
『初代』を基盤とした邪天降臨之章と、『真』を基盤にした妖花慟哭之章の二本が収録されており、邪天降臨之章は日本各地を、妖花慟哭之章は世界各国を旅しながら、敵と戦うことになる。妖花慟哭之章は世界を巡るので、それなりに量がある物語となっている。
開発当初は魔都封滅之章と云う物語も構想されており、三機種に二つの物語を異なる組み合わせで収録しようとしたが、様々な事情で魔都封滅之章は没となり各機種で共通の構成となった。
一応、機種毎に特色を出そうとしたことの名残として、攻略を終えた後に其々の機種で貰える特典が異なると言う要素も存在する。
一番言われる問題点は読込の多さと長さ。NCD版は映像が一番綺麗だが読み込みが恐ろしく長い、PS版は映像はNCD版に劣るが読み込みは早い、といった特徴がある。
読み込みの多さと長さに加え遊戯性の調整不足が目立つが、電子点描画の質や剣客の意匠などは一定の評価もある。


ナコルル ~あのひとからのおくりもの~

平成十三年に発売された、ナコルルを中核に据えたあどべんちゃぁげぇむ。
『初代』の後にナコルルが帰って来たカムイコタンを、従者のミカトからの視点で描いている。
争いを好まないが故に自己嫌悪に陥ってしまう彼女の心の変化が見られるが、後に里へ魔が迫って行く……

後に剣客として登場するレラ、『CVS』にて登場演出に出て来るマナリ、ナコルル愛好家の怒りを買ったヤンタムゥが登場する。
然し、遊戯を記録しても読み込みが出来ない、度々小規模の遊戯が挿入されるが、失敗すると遊戯終了に至る物も存在する等雑な出来。


Days of Memories

SNK作品の登場人物が攻略対象となっている恋愛遊戯作品。
第参作『大江戸恋愛絵巻』ではねおじ山に暮らすナコルル、孤独に生きる真鏡名ミナ、謎の芸妓の色、何故か初対面の主人公を世話して来るいろはが登場。
主人公の能力を鍛える存在として、覇王丸、橘右京、牙神幻十郎も登場。幻十郎と結末を迎える事も可能。
第七作『僕と彼女と古都の恋』では旅館で働くナコルルとリムルル、女性乗務員に『恋のいろは』に登場したつなみ、時代劇の星として覇王丸と幻十郎が登場。
第八作『風舞う都で捕まえて!』では転校生の真鏡名ミナ、女性乗務員にいろは、前作からナコルルとリムルルは続投。
第九作『世界で一番熱い冬』にはナコルルの名を持つ別人の少女が登場している。



・映像オヨビ漫画作品ノ一覧


破天降魔の章

映像作品。一九九四年九月十八日、フジテレビ系列にて特別映像作品として放送された。
シャルロットと前世で恋人同士と言う設定の覇王丸をSMAPの香取慎吾氏、タムタムと共にいる事が多いナコルルを千葉麗子氏、そして天草四郎時貞を元・宝塚女優の大輝ゆう氏が演じている。

作中に『真』で使える天覇封神斬の操作が表示されると話題になったが、録画でもしない限りまともに確認できる物ではなかった。
7人の聖剣士とかアニスレイザとか聞き慣れぬ単語が出てきており、遊戯本編と物語が別物である。
因みに右京は作中には登場しないが、制作者一覧が流れる際に背景として彼が野盗を成敗して俳句を詠む映像が流れる。
かつて放送された『バトルファイターズ餓狼伝説2』のように完全版と称してこの右京の場面が収録されるかと思われたが……映像そふと発売は本放送から約九年後の二〇〇三年九月二十六日。その上右京の場面・声優は不在。なぜこのような事態になったのかは不明。
放送の約二カ月後には、本編の脚本を手掛けた岸間信明氏による文庫版小説が小学館から発売された。

なお、真行寺たつや氏が今作の漫画版作品『聖剣士烈伝サムライスピリッツ』を執筆。
登場人物の性格は電影遊戯版を準拠にしており、てれびすぺしゃるの後日談として真サムライスピリッツを下敷きにした物語も展開された。


アスラ斬魔伝

公式映像作品。一九九九年十二月二十四日、VHS/セルDVDで前編・後編の二部構成で発売。
制作にサムスピでお馴染みのSNKと、あの大作RPGで有名なエニックスも関わっている。声優は本編と同じ。
同作の本編の映像化で、さすがに遊戯の制作と同社が制作しているため、破天降魔の章のような独特のよく分からない単語は出て来ない。

ナコルルが主人公となっており、他に覇王丸、ガルフォード、リムルル、幻十郎、色、アスラ、そして紫ナコルルも出てくる。
矢鱈と赤ナコルルの前に現れては挑発する紫ナコルルは、尺の事情による説明不足から赤と紫の相関関係が分かりづらい(本編をやってなかったら更に分からないだろう)。
剣客の意匠考案者は七瀬葵氏。


ナコルル ~あのひとからのおくりもの~ 郷里之畏友編

公式映像作品。二〇〇二年三月二十八日に前編が発売。この時SNKは倒産していたので、ナコルル制作委員会が公式。
同名の遊戯作品が原作と成っている。
勿論ナコルルが主人公。ナコルルが裸を披露している。
前後編の二部構成の予定だったが、後編は発売元の倒産で制作中止になり、物語は中途半端な結末を迎えている。


サムライスピリッツ 島原天草邪神城攻略編

石川賢氏が絵師の漫画。
覇王丸、ガルフォード、ナコルル以外はいなくても良い様な存在。
剣客連中の性格が支離滅裂になっているが、変身した天草の迫力ある画は必見。


サムライスピリッツ(コミックボンボン版)

『炎の転校生』『炎のニンジャマン』『吼えろペン』などを代表作に持つ、燃える炎ノ漫画家・島本和彦氏が絵師を務める。
覇王丸が主役、ナコルルがひろいんを務め、全体的に『笑い』の要素が強いが、要所要所できっちり『燃える』熱血活劇となっている。
紫ナコルルが赤ナコルルの好敵手として登場、不知火幻庵が彼女に共感し惚れる役柄になっている。


魔界武芸帳 サムライスピリッツ

『JESUS』『闇のイージス』の七月鏡一を語り部とし、『デビデビ』の三好雄己が絵師を務める。
主人公は覇王丸、敵は由比正雪とする電影遊戯版と異なる独自の展開だが、最終回で大どんでん返しが待ち構えている。


サムライスピリッツ 覇王丸地獄行

『ムッシュゴリグリ鈴木ド・ヤコペッティの華麗な生活』『ファージアスの邪皇帝』『OZN-オズヌ-』などのしろー大野を絵師とする漫画。
死合いと血に飢えた黒い覇王丸が現れ、覇王丸がそれに敗北するという衝撃的な幕開けで独自の物語が展開される。
後に大野氏は『斬紅郎無双剣』『武士道烈伝』の絵師を務め、今作に登場した黒い覇王丸は『零』に登場する羅刹丸の起源とされている。


侍魂 斬紅郎無双剣 斬肉の夏

BLACK LAGOON』で有名な広江礼威氏の作品。主人公は緋雨閑丸。
或る時リムルルと遭遇するが、彼女は祈りの時に「姉様の魂が砕け散るのが見えた」と語り……
後に氏は読み切り漫画作品集ことあんそろじぃこみっくにおいても閑丸が主役の作品を描いてる。


ボンボン餓狼

記憶喪失から復帰したテリー一行が独逸に向かう際、山中にて本作に登場した剣客らが登場。
テリーは覇王丸、舞はガルフォード、ジョーは半蔵、ダックはナコルルと激闘を繰り広げ、後に共闘するが何故か覇王丸以外は刀を用いなかった。
実は彼らは原作における彼らの子孫で、十兵衛がクラウザーに挑むテリー一行に心について教える為に連れて来たのだった。
なお、この話はボンガロの単行本に収録されず。その理由はSNKで無断で『サムライスピリッツ』のキャラクターを客演させたからである。


他、本作の漫画作品は内藤泰弘氏、島津わか乃氏、矢口岳氏の手によって執筆されている。
小説作品もまた、いさき玲衣氏が二作、嬉野秋彦氏、梅村崇氏の物が存在。










追記道トハ 加エルコトト見ツケタリ
修正道トハ 直スコトト見ツケタリ
我、雨意鬼籠トナリテ
目ノ前ノ 項目スベテヲ…
更新スル!!



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最終更新:2024年04月24日 18:14

*1 制限時間及び好敵手は剣客選択後の序幕において確認出来る。

*2 チャムチャムは対人戦でのみ使用可能なため対象外。

*3 設定により変わる。以下は二本先取制の場合。

*4 和月氏は慶寅、雲飛、我旺を、内藤氏は腐れ外道を手掛けた。

*5 必ずしも止めである必要は無い。当たれば勝利となる絶命奥義はともかく、一閃の場合は命中させてさえいれば最終的な勝利方法は問わず、使用する局面も最終戦でなくとも構わない。

*6 中にはアスラや磐馬みたいに完全に別人扱いになっている刺客もいる