アクア・パトロール

登録日:2015/01/05 Mon 00:13:58
更新日:2023/05/19 Fri 20:06:39
所要時間:約 8 分で読めます







「今だ!この隙にシールドを展開し直せ!」――アクア・パトロール





アクア・パトロール》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DM-15「転生編 第2弾 神滅奥義継承(シークレット・オブ・ヒドゥン・ギア)」に収録された水文明リキッド・ピープルである。


解説


アクア・パトロール 水文明 (4)
クリーチャー:リキッド・ピープル 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、プレイヤーをひとり選ぶ。そのプレイヤーは自分自身のシールドの枚数を数え、それを山札に入れてシャッフルし、その後、山札の上から同じ枚数のカードを裏向きのまま自分自身のシールドゾーンに置く。

さすがに聖拳編の「カスレアを強いられているんだ」期は過ぎた転生編期のカードなのだが、単体のスペックはあまり高いとは言えないにもかかわらずベリーレアカードである。
多くのプレイヤーから見向きもされないスペックであった。

相手が《エメラル》や《アクア・スーパーエメラル》で盾を仕込んでいればかなり強いカードとなり得る。
…だろうか?

シールド総数は変化しないので、5枚相手がシールドを蓄えていたら、シールドを5枚展開し直すことになる。
まあ間違いなくトリガー混ざりますわ。

自分に使っても対して割のいいシールド回収手段でもない。
戻ることすらシャッフルの仕方によってはありうる。

そのため、当初はあまり注目を集めているわけでもなかった。だが…


ベスト・パートナー達の登場


《海王龍聖ラスト・アヴァタール》

海王龍聖ラスト・アヴァタール 光/水文明 (7)
クリーチャー:アポロニア・ドラゴン/ポセイディア・ドラゴン 7000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
シールドゾーンにカードが加えられた時、そのプレイヤーは自分自身のシールドの中から1枚選び、墓地に置く。
W・ブレイカー
自分の最後のシールドがブレイクされる時、カードを1枚引いてから、そのシールドをブレイクする。そのターン、クリーチャーは自分を攻撃できない。

DM-24で登場した同じくベリーレアのラスト・アヴァタールの登場でパトロールの価値は上がった。というか、
一気にマジキチ性能化してしまった。

ラスト・アヴァタールの以下の効果に着目していただきたい。
シールドゾーンにカードが加えられた時、そのプレイヤーは自分自身のシールドの中から1枚選び、墓地に置く。
ようは差し引きのシールドが0になり、シールドの増加を防ぐというわけだ。
これがバトルゾーンに居る時にアクア・パトロールを出すと……?

1.アクア・パトロールが相手のシールドを全て山札に戻す
2.相手は5枚のシールドを追加する。ただしルール上、シールドの追加は1枚ずつ処理が行われる
3.つまり1枚追加するたびにラスト・アヴァタールの効果が発動、追加されたシールドは墓地に
4.この動作を元のシールドの枚数と同じ回数だけ繰り返す
5.相手のシールドゾーンはからっぽ\(^o^)/オワタ

言うまでもなくマジキチコンボである。
しかもこれが、両方共別に踏み倒しに制限はない。
ラスト・アヴァタールの登場した時期は《母なる大地》が4投出来た上、同じ弾で《母なる紋章》が登場している…意味はわかるな?

このため《アクア・パトロール》は無制限からいきなりプレミアム殿堂に引き上げられてしまった。
凶悪過ぎるコンボの発生源といえばやむを得ないのかもしれない。
「殿堂コンビで良かったんじゃないか」という声も度々聞かれるが、「相手がラスト・アヴァタール使っててこっちがパトロール出したら大惨事だろ」という意見もあり、プレミアム殿堂はやむなしだろう。
とはいえ、《フューチャー・スラッシュ》《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》《超次元バイス・ホール》と並ぶ「殿堂入りを経ていないプレミアム殿堂」に、かつてカスレア同然だった《アクア・パトロール》が並ぶのは皮肉のような話である。

え、「ラスト・アヴァタールと一緒じゃないなら使用しないのでは?」って?
実はアクア・パトロールのプレミアム殿堂入りのあと、とあるカードタイプが追加された。

である。

城はシールドゾーンにあるシールドを要塞化することでバトルゾーンに影響を与えるカードで、《ローズ・キャッスル》《ハッスル・キャッスル》《無敵城 シルヴァー・グローリー》《パンドラ城デス・ファントム》《海底鬼面城》あたりはよく使われるカードである。
このうちハッキャとシルヴァー・グローリーは破壊置換効果を持っているためなかなか剥がれてくれない。

だがアクア・パトロールの効果なら、シールドの数こそ変わらないが城は剥がせるのだ。なにしろ、そのシールドが一瞬でも離れていれば城は墓地送りなのだから。
つまり、アクア・パトロールは城メタとしてもしかしたら日の目を見た可能性がある。4コストでそこそこの軽さだし…
これが殿堂コンビ派の意見であった。




だが。

《デュエマの鬼!キクチ師範代》《禁術のカルマ カレイコ》

狂気の闇鍋ことブラック・ボックス・パックで、ギャグみたいなカードが登場する。

デュエマの鬼!キクチ師範代 闇文明 (3)
クリーチャー:ヒューマノイド 3000
いずれかのプレイヤーの山札から、手札以外のゾーンにカードが置かれる時、かわりにそのプレイヤーはそのカードを山札に加えてシャッフルする。
あのねぇ…
単体でもマナブーストから墓地肥やしからデッキ肥やしからなにからなにまで封じる強さのクリーチャーだが、パトロールと組むと

1.パトロール効果でシールドを山札に加える
2.相手はシールドを置く。もちろん1枚置くごとにキクチ効果が発動
3.相手は計五回、シールドを置いては山札に戻してシャッフルすることを強いられる


4.相手が察して「5回やったことにしていいですか」と言うので了承してカットするかドSっぽく最後までやらせる


あとにはからっぽのシールドゾーン。またか。
しかも山札バウンスなのでどこぞの無法者の効果すら発動しない。
あとは殴るだけ。《潜行する穿孔 ギーガ》や《腐敗電脳メルニア》のようなブロックされない2コストクリーチャーを用意すると
2ギーガ→3キクチ→4パトロールと綺麗に繋がる。
1t目にメルニアとか置いとけばいい。

しかも公式は何を血迷ったかエピソード3ではキクチ互換の《禁術のカルマ カレイコ》(種族がオラクルになっただけ)を出し、翌年のドラゴン・サーガではギーガ互換の《アクア戦士 ドリルゲッター2号》(種族がリキッド・ピープル閃になっただけ)を出す始末。

おかげでパトロールとキクチカレイコ、ギーガメルニアドリルゲッターを積み込んだ【キクチパトロール】なる凶悪デッキが出来てしまった。
もちろん、通常環境ではパトロールがそもそも使えない。だが使えてしまったなら…もはやゲームにならないのはわかりますね?
殿堂ゼロデュエルでは対策していればなんとかなるものの、無対策だったり対策カードが引けないと終了するため、
「殿堂ゼロデュエルの魔境という環境すら破壊しようとしている」と言われている。
パトロールって元ネタどう見ても警察なはずなんだけど、何が彼をそんなにグレさせるのか…
同じリキッド・ピープルの《アクア・ハルカス》を泣かせる気まんまんである。
誰が呼んだかこのコンボの事を「鬼畜パトロール」と呼んだりしたりしなかったり。

ちなみに多くのプレイヤーからは
「もうラスト・アヴァタールとキクチカレイコをプレミアム殿堂にしてパトロール返せや」と言われてしまっている。
でもラスト・アヴァタールも単体ではプレミアム殿堂ほどとは言えないので、ラスト・アヴァタールにとってはとんだとばっちりである。
キクチカレイコは知らん。

その後

前述で「城」の追加でメタとしてそこそこ単体で使える部類にもなっていると書いたが、他にも
等々、シールドに対して干渉するカードは長い年月の中で増えてきていたりする。
これらの存在を考えると、今現在では普通に使えるカードだったりするのはいろいろ皮肉である。


関連カード


アクア警備員(パトロール) ラスト R 水文明 (4)
クリーチャー:リキッド・ピープル閃/革命軍 2000
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、カードを1枚引く。その後、いずれかのシールドゾーンからシールドをひとつ選ぶ。そのシールドの持ち主はそれを自身の山札に加えてシャッフルする。そのターンの終わりに、そのプレイヤーは自身の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとしてシールドゾーンに置く。

登場からおよそ10年後に登場したリメイクカード。
キャントリップを得たが、シールド1枚にしか触れなくなってしまった……というだけではない。
シールド追加が「そのターンの終わり」に変化したことで、能動的な革命2や革命0の発揮やS・トリガーを使わせない詰めの一手といった新たな役割を得ている。

こうした使い方を想定しているためか、マジック・コマンドの部下として侵略者側に付いているはずのリキッド・ピープル閃にもかかわらず革命軍である。

Vチャロン VR 無色[ジョーカーズ] (7)
クリーチャー:ジョーカーズ 8000
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、プレイヤーを1人選ぶ。そのプレイヤーは自身の手札をすべて、好きな順序で山札の一番下に置き、その後、その枚数と同じ数、カードを引く。その後、そのプレイヤーは自身のシールドゾーンにあるカードをすべて好きな順序で山札の一番下に置き、その枚数と同じ数のカードを、山札の上から裏向きのまま、それぞれ新しいシールドとしてシールドゾーンに置く。

少々長ったらしい効果だが、要約すると手札も入れ替えるようになったパトロール。

……つまりパトロールと同じことができるというわけである。
もちろん相方のキクチカレイコは健在なので【キクチVチャロン】として活躍。とはいえ周辺カードの変化によって片方が7マナなのは無視できない重さであり、環境を掌握するほどには至らなかった。



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最終更新:2023年05月19日 20:06