ハイランダー(TCG)

登録日:2015/01/04 Sun 18:37:07
更新日:2024/05/05 Sun 21:34:39
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たった一つの不協和音が最強の肉体を崩壊させる。



ハイランダーとは、デッキの構築の方法である。

概要

語源は「Highlander(日:ハイランダー 悪魔の戦士)」という映画から。
副題が「There can be only one(生きていられるのは1人だけ)」であり、不老不死の男たちが生き残りをかけて争うという人気作である。
ここから、「1人だけ→1枚だけ」となったようだ。
多くのTCG用語同様に『Magic:The Gathering』で使用されるようになった物が他のTCGにも広がっていった。

つまるところ、「同名カードは1枚しか投入しない」という構築。

ただし、MTGの「土地」やポケモンカードゲームにおける「エネルギーカード」など、
「複数投入しないとそもそもデッキが回らない」タイプのカードがある場合は、例外的にそれらを「1枚制限」の対象にしないこともある*1
そういったタイプのカードがない遊戯王OCGやデュエル・マスターズ、カードファイト!ヴァンガード等では、完全なハイランダー構築が可能。
というか、2010年代以降のカードゲームの大半は「土地」や「エネルギーカード」のようなシステムが採用されていないものが大半なので、
ルール上同じカードを複数枚投入しないといけないなどの、構築を大きく縛るルールでもない限りは強いかどうかは抜きにしてハイランダー構築でデッキを組める。

ハイランダーは独特の構築論につながるため、たまに「ハイランダーを推奨する」ようなデザインのカードが登場して話題になる。
たとえばデュエル・マスターズの《黒神龍アマデウス》(冒頭のフレーバー・テキストを持つカード)は、
マナゾーン・墓地に同名カードがあると死んでしまうのでまさにハイランダーのためのカードといえる。
MTGでも《独占市場》《不同の焦点》《不思議のバザール》など、プレイヤーが同名カードを使うことをとがめる面白エンチャントがたまに登場する。
これらはこちらがハイランダー構築に近いなら影響を受けないので、この手のカードがある環境ではハイランダー構築にチャレンジする人が登場する。
さらにハースストーンやシャドウバースのようなデジタルカードゲームでは、非公開領域の情報をコンピューターが自動で判別してくれる特徴を生かして、
ハイランダー構築、あるいはそれに類するデッキ構築で効果を発揮するカードが実装されている。

たくさんのカードをピン挿ししているデッキは「ハイランダー気味」と言われることもある。
大抵の場合は「グッドスタッフ」「ジャンク」と呼ばれるタイプの札束デッキがこれに該当するが、
「手札にたくさん来られると困るが、特定の相手や状況に対抗するために採用している」タイプのカードを一枚だけ投入(ピン挿し)しておき、
いざその状況・対戦相手と相対した時に確定サーチで引っ張って使用する形で、幅広い戦略を取れるデッキ構築など、
明確な意図をもってハイランダー気味の構築がなされているデッキも見られる。
この手の戦略や構築論は「シルバーバレット」「ツールボックス」などと呼ばれ、ピン挿しのカードが多い一方、
それらが有効な場面で確実に手札に引っ張ってこれるようにサーチカードはフル投入される他、
あくまで「ハイランダー気味」なだけなので、それとは別に戦略の要となる強力なカードは複数枚投入されることが多い。

また、名称を指定してデッキから引き抜いたり使用を禁止したりという強力なカードが環境に存在する場合、
これらを避けるためにカードを散らすということも考えられる。
実際ラヴニカへの回帰期の青白コントロールはこのアプローチが取られ、
『本命のカードを対処できたのに1枚挿しの強烈なカードに対処しきれずに負ける』という光景がよく見られたものである。
ただしこれらはあくまでも「デッキの合理的な構築を考えてたら偶然なんとなくハイランダーっぽくなった」だけであり、
カードプールが変遷すると合理性を突き詰めてピン挿し多用の構築から抜けてしまうことの方が多い。


映画の元ネタでもあり、それらのカードの元ネタでもある「ハイランダー」とは、
スコットランドはハイランド地方のクレイモア(大剣の一種)を持った戦士のこと。パズドラにもいるよね、勇者降臨とかで。
カード自体に「ハイランダー」という名前を持つカードも多いので混同しないように注意。
特に遊戯王で多かったのが、《天刑王 ブラック・ハイランダー》が出た直後あたりのこと。
天刑王はデッキの構築をピン挿し40枚にする理由がまったくないカードなので、これをメインに据えたデッキもハイランダー構築にならないため、
他のTCGの方を深く遊んでいるプレイヤー同士の会話に遊戯王メインの人が混ざっている時などは、
「(互いに)ハイランダーの話じゃないのか?こいつら何を言ってるんだ?」と本気で困惑する姿が見受けられた。
ちなみに、当時はジャンド*2など、その手の食い違いは「ハイランダー」以外でも見られた
尤も、近年ではこのカードが出てからずいぶん時間が経ったことや、カードゲームを一種類に限らず広範に遊ぶプレイヤーも増えたため、
このテの食い違い現象はかなり少なくなった様子。


また、アニメや漫画作品などでは、
「同じカードが一ゲーム中に何枚も出ても絵面が映えない」
「同じカードなのになぜか片方だけ弱くなってたり強くなってたりというのが、初心者や子供に理解しにくい」
「新カードの販促のため色んなカードを使わせたい(特にメインキャラ)」
などといった演出上の都合などで、登場人物のデッキはハイランダーやそれに近いデッキとなっている事も多い。
ただし設定の上でもそうなのか、単に画面上に出ていないだけなのかは作品やキャラによってマチマチ(デッキレシピが公開される作品では後者の傾向が強い)。

一方、味方が使う場合は「切り札として印象付けるため」「展開の幅が広がる」、
敵が使う場合は「陰湿で執拗な描写ができる」「いきなりラスボス級のカードが数枚登場」「やっとの思いで強力なカードを倒したら2枚目が登場」
などといった描写が出来るため、同名カードを複数枚投入しているキャラクターも多い。
ぶっちゃけこの辺は演出の都合でしかなく、デッキの中身はどんな作品でも割とふわっとしており、
場合によってはストーリー展開でデッキに入っていない新たなカードを生み出してそのまま使うなんて場合も。ジャッジもどう判断していいか困ることだろう


ハイランダー構築の特徴

全てのカードを1枚しか採用しないので、事故の確率やプレイング難易度はとんでもなく上昇する。
いつ何のカードを引けるかがわからなくなるため、戦略を明確に定めることが不可能になってしまう。
また、この手の解説では忘れられがちだが、ハイランダーであることが相手にバレてしまったときの不利がとんでもなく大きい。
対戦相手に「一度使ったカードは絶対に飛んでこない」ということがバレてしまう。
そしてデッキに入るカードの候補なんてハイランダーでもかなり限られているため、相手のプレイングに無駄がなくなるのだ。

コンボデッキではキーカードを引きやすくする(=複数積みする)ため、基本的にハイランダー構築は推奨されないことが多いが、
そもそも論として、上述の「ハイランダー用カード」によほど強く依存したデッキを組まない限りハイランダー構築は推奨されない。
先述の通り「いつ何のカードを引けるかがわからなくなるため、戦略を明確に定めることが不可能になってしまう」、
「ハイランダーだと相手にバレたときに情報アド的に大きく不利になる」といったデメリットがあるからだ。
さらに、コンボデッキはその特性上、「キーパーツが1枚だけになるので大きく弱体化する」という多大なデメリットを持っているため、
ハイランダー構築にした場合のデメリットは、他の戦略・デッキよりも深刻になる。
制限カード化したことで鳴りを潜めたコンボデッキなんかを想像してみればわかるだろう。

以前の版では『コントロールデッキではやりやすい』という趣旨のことが書かれていたが、これはコントロールが目指す戦略の質による。
たとえば「1枚のカードで対戦相手のカードを数枚奪っていく」、「同じような役割のカードが非常に多く搭載されている」、
「特定の状況において光るカードを大量に搭載し、サーチによってそれを使い分ける」というタイプなら、
むしろ様々な種類のカードが手札に来ている方が対応しやすくなるため、ハイランダー気味の構築でも十分やれる。
その一方で「特定の強カードに非常に大きく依存する」「打ち消しやハンデスによって相手の脅威を未然に防いでいく」という構築の場合、
前者ならその切り札が1枚挿ししかできない、後者ならそもそも質の高い打ち消しやハンデスを使わないとテンポアド損がひどすぎると、
ハイランダー構築にした結果、強くなるどころか弱くなってしまって本末転倒になるため、しない方が良い。

ビートダウンではハイランダーをやりやすい、というのも印象論に近い。
特に「一流のクリーチャーを複数枚積めなくなる」という点がキツいため「無駄なく強いビートダウン」はまず組めない。
ただ「一流ではないが二流ともいえないクリーチャー」でいいのであれば環境次第では強力なデッキに仕上がることもある。
遊戯王なら《凡骨の意地》デッキが華やかなりし頃は、凡骨ビートを組む際に攻撃力1900*3のカードを大量に詰め込んだハイランダー風の構築を組む人もいた。
こういうデッキではぶっちゃけ通常モンスターである点と攻撃力しか参照しないので、
《ツーマンセルバトル》《ジャスティブレイク》《正統なる血統》などで参照できれば誰でも同じだったのだ。
ちょっと違うがMTGの白ウィニーやZooなどでもあえてハイランダーに寄せた構築があった。
もちろんネタ構築なのだが《壌土のライオン》《ミリーの悪知恵》など侮れないカードが結構多く、
そういうのが許されていた緩い時代という追い風もあってレガシーでたまに見受けられた。

MTGの統率者戦はハイランダー構築ながらコンボが決めやすいと言われているのだが、これは対戦相手全員がハイランダーだから
つまり全員が最初に述べた不利な点を互いに背負っているので平等なのだ。
「普通の2人対戦においては60枚デッキに4枚積める優秀な打ち消しや妨害手段を、100枚デッキに1枚しか入れられない」、
「しかも2人対戦と同じ感覚で打ち消しなんてしていたら自分が真っ先に息切れするため、要所のみを的確にさばきたい」
という根本的な戦略思考があるため、2人対戦環境よりもコンボを決めやすいのである。

通常環境にハイランダー構築で挑むのは多くのTCGでは無謀に近く、
むしろ真面目な競技環境を志向するプレイヤーには白眼視されがちである。
上述の通り単なるお遊びであり、「名称指定系のカードに強い」以外にはデメリットしかないからだ。
特にデッキリスト公開制の大会の場合は「すでに墓地にあるカードは絶対に飛んでこない」「気を付けるべきカードはこの程度だ」という情報アドバンテージ損が激しく、
勝ちにこだわるのであれば、ぶっちゃけ使う意味・メリットは一切ない。

しかし逆に言えばハイランダー構築は非常に大きな話題性を呼ぶ。
これがうっかり上位入賞なんてできたら、大会の優勝者よりも話題になることは間違いない。
そのプレイヤーの好みや腕に合わせて作られるためにコピーデッキとしての価値が極めて薄くなりやすく、
「コピーデッキを使ってあの人のすごさが分かった」という余波まで産むなど話題性は抜群。
これは、特定の個人に合わせてオーダーメイドで作られた道具が、その当人以外には扱えないというある種当然の帰結である。

一方で、ハイランダーないしはそれに近い構築を肯定するカードを軸にした場合は、まったく話が違ってくる
というかハイランダーという極端な構築にする戦略的なメリットは、9割以上この手のカードが存在するからである。


各TCGのハイランダー事情

Magic:The Gathering

まず、ハイランダーといっても基本土地は複数枚積まれるのが大前提。
土地まで1枚縛りなのは《荒地/Wastes》*4登場前の無色統率者デッキくらいである。
ハイランダーで一番メジャーなルールは「統率者戦/Commander」(旧称Elder Dragon Highlander)であろう。
100枚のカード用いてデッキを構築し、それとは別に統率者と呼ばれる伝説のクリーチャーを選択。
統率者に指定したクリーチャーの色+無色のカードだけをデッキに入れることができる。
統率者はゲーム中何度も出せる(ただし出すたびに次回の召喚コストが増える)こともあり、そのクリーチャーの能力によってコンボデッキが優勢になることが多い。
基本的に4人対戦なので瞬殺コンボがないと時間がかかりすぎるというのもあったりするが。
使用可能なカードの範囲は基本的にヴィンテージに準ずるが、禁止カードは統率者戦用に独自の物が指定されている。
「対戦相手3人、ハイランダー構築」という点から独特の対戦理論が生まれやすい。

1枚制限とはいえ、貴重でバカ高いカードを用いるカード資産がないプレイヤー向けのカジュアルな統率者戦として「ブロール/Brawl」もある。
こちらはカードプールがスタンダードと同一、デッキ枚数は60枚+統率者、
統率者にプレインズウォーカーを指名可能など、より手ごろに遊べるようになっている。
通常のハイランダー戦は「シングルトン/Singleton」の名称でMagic Onlineでサポートされていたこともあるが、
プレイヤー人口が著しく少なかったこともあり、現在ではデッキ枚数100枚の100カード・シングルトンに取って代わられている。

デッキ構築に制限をかけることでサイドカードから手札に加えられる「相棒/Companion」能力を持つクリーチャーの内、
《呪文追い、ルーツリー/Lutri, the Spellchaser》はハイランダー構築をその条件に指定している。
そのため統率者戦およびブロールでは情報公開とほぼ同時に禁止カードに指定されることになった。
ルーツリーは発売前禁止の話ばかりが話題になるが、
上述の「ハイランダーだと相手にバレたときに情報アド的に大きく不利になる」という弱点が最も如実に出るカードでもあるため、
ほとんど活躍できずにスタンダードを去った。
一方相棒全盛期にはヴィンテージで「ルーツリーハイランダー」と呼ばれるデッキが登場。
ヴィンテージには「制限カード」「青のカード」が非常に多いのでハイランダーのデメリットが小さく、当時の相棒のルールは事実上手札を1枚増やせるのと同義だった。
相棒ルーツリーは最初から3マナの《双つ術》が手札にあるようなものなので、《Time Walk》などをコピーできれば祭が始まるという理屈。
話題性では上述の「発売前禁止」、使用率では後の「90%以上使われてヴィンテージ禁止」のルールスの陰に隠れていたが、
真面目な2人対戦の場でハイランダーに近い構築が登場した例である。アーキタイプとしてはたぶん初めてだったんじゃない?

その後もハイランダー的なデッキは何度か登場しており、デッキリストを記入するスタッフの作業量を何倍にも増やしている。
たとえばヒストリックに【オラクルパクト】と呼ばれるデッキが存在した。
《汚れた契約/Tainted Pact》*5でライブラリーを消し飛ばし、
ライブラリーが特定枚数以下の時に戦場に出すと特殊勝利ができるカード《タッサの神託者/Thassa's Oracle》で0枚のライブラリーを見通して勝つデッキ。
キーカードを2枚ずつ入れる以外は基本土地も含めて1枚ずつしか入れない、ほぼハイランダーデッキとなる。
統率者戦以上に1がずらりと並んだデッキリストのまがまがしさは必見。

また、団結のドミナリア期のスタンダードには【5色レジェンズ】というアーキタイプが登場。
《統べるもの、ジョダー》という、伝説の呪文を強力にサポートするカードを軸に、多くの種類の伝説のクリーチャーを入れたデッキである。
こちらはほとんどの場合「種類を絞って常に強いクリーチャーがめくれるようにする」ことが多いが、
最近のスタンダードには伝説のクリーチャーの種類がやたら多いことを利用してあえて徹底的に散らすことで、
さっさとジョダーのロード能力の値を上げて速やかに殴りぬけるというアプローチをとる人もいた。


余談だが、漫画『デュエル・マスターズ』ではMTGを題材にしていた頃、
ハイランダー(シングルトン)で試合が行われたことがある(3巻収録の勝無vsミミ)。
MTG時代でも屈指の好試合と評価する声も多いので、未読の方は目を通してみてもいいだろう。


遊戯王OCG

禁止カードが存在せず、【スタンダード】が主流だった時期はハイランダー構築も大会で見ることもあった。
強力な制限カードを大量に投入するため自然とハイランダー構築になってしまうことが多かったのだ。
実際テーマデッキが主流化する前の遊戯王は、【スタンダード】の類を組むとデッキの1/3~半分くらいが1枚挿しなんてことも珍しくなかったし、
必須カード枠とされたカードにも制限のものは多かった。
しかし現在はテーマデッキ(デザイナーズコンボ)が主流な為に、数を減らしている。
BF六武衆魔導といった大所帯のカテゴリであればハイランダー構築も可能だが、玉石混交になるためさほど強くはならない。

また、通常のデッキでもハイランダーの長所を取り入れたり、ハイランダー気味な構築がされる事がある。
同名カードメタの《連鎖破壊》や《連鎖除外》の対策として、同名カードの複数積みをせずに相互互換を1枚づつ投入したり、
サーチやリクルート手段が豊富なデッキでは対象になるカードをピン挿しで多数投入する等。
テーマ性の強いカードゲームではあるがその分サポートカード等も多いためハイランダーでも意外と回る事が多いし、
そもそも「エクストラデッキからの特殊召喚」を軸にする場合はハイランダーのデメリットを大きく軽減できる。
ものすごく極端なたとえ話をすると、たとえばハイランダー構築でも《レスキューキャット》を使えば状況に応じてレベル4~6のシンクロモンスターを出せるし、
《ジャンク・シンクロン》でもレベル5のシンクロモンスターで幅を出せる。つまりこういう構築ができる場合、ハイランダー特有の事故率は他のゲームと比べて有意に低い。

ハイランダー構築を意識したカードとして《影星軌道兵器ハイドランダー》というカードも存在する。
墓地のモンスターの種類が全てバラバラな時に特殊召喚及び効果の適用が可能になるが、
参照にしているのは墓地のモンスターのみのために魔法・罠は被っていてもOKだったり、
墓地の同名カードを除外するなどして調整することも可能なため、完全なハイランダー構築で使う必要はない。

かつては「遊戯王オンライン」に「1枚制限ロビー」というものがあり、
「全てのカードを制限カードとしてあつかう」事実上のハイランダーフォーマットであった。
こちらではコンボデッキが決めにくいため普通に出して殴れというのが定石の模様。
《名推理》のように頭数を増やせるカードが地味に強い。

なお、「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 最強カードバトル!」のラスボスはハイランダーという名の制限カードの暴力である。
タッグフォースシリーズではオリジナルキャラの田中康彦がハイランダー編成のデッキを使う事が多く、
コンセプトは【グッドスタッフ】となっているのでCPUでも扱いやすくレベルが高めに設定されていることが多い。
とはいえ《神の宣告》などCPUが使うと変な事になるカードもあるにはあるのはご愛敬か。

原作・アニメにおいては青眼の白龍などの複数枚あるのが前提のカード以外は基本的に一枚積みであり、キャラクターの大半がハイランダーデッキだった。
これはメインキャラクターほど使用カードが多くなるために必然的にハイランダーよりになるためである。
ただし一応十代や吹雪、カイザー亮のように複数積みしているキャラもいる。
というかカイザーに至っては3枚じゃ足りないので《プロト・サイバー・ドラゴン》なんてカードも印刷されたくらいだ。

GXまではハイランダーの傾向が強かったが、5D's移行では厳密なハイランダーではない決闘者が多くなり、
カードプールが現実に近くなったARC-Vではまさかのセイクリッド・プレアデス複数枚積みというアニメでは珍しい事態が発生した。


デュエル・マスターズ

構築ルールでは「メガデッキデュエル7」なるものがある。
これはデッキ70枚、超次元7枚でゲーム開始時はシールドが7枚の7づくしのハイランダー構築。
プレミアム殿堂のカードも1枚までは投入可能であるがその一方でプレミアム殿堂超次元コンビのカードはどちらか片方でも投入不可。
一見デッキもシールドも増えているため面白い構築に見えるが、超次元は7枚とこのルールでは減ってほしくないところが減っている。
あんまりウケがよろしくなかったのか段々衰退していっていつの間にか消滅したが……

MtGにおける統率者戦/EDHにあたるルールも草の根では行われていたが、2023年には『デュエパーティ』として公式化した。
59枚でのハイランダーに1体のパートナーを設定することが義務付けられているルールにあたる。
こちらはEDHと同じくカジュアルなフォーマットであり、公認大会はないが公認イベントはそれなりの頻度で開催されているといった感じ。
まだ制定されて日が浅いフォーマットながら公式でも結構プッシュされており、GPのサイドイベントとして開催されたりこのフォーマット向けの新規カードが登場したりしている。
イベントの景品も限定プロモカードやプレイマット等が配布され、結構豪華なので興味がある方は是非参加してみよう。
ただ、まだデュエパーティ向けのデッキ、スリーブセットなんかは現状未発売なので完全に一から組むとなると結構骨が折れる。

オリジナルやアドバンスといった通常フォーマットに目を向けると、ビートダウンや速攻だと4×10構築ないしそれに近い形の方が強いので基本的にハイランダーはコントロール、それも5cで組まれる。

代表的なハイランダーデッキとしてはボルメテウスコントロールが存在するが、最近ではサポートカードの充実によってハイランダーにするメリットがなくなっているため、ハイランダーなのは理屈よりぶっちゃけ一種の自己満足に近いところがあり、「あえてハイランダーにする理由」が見つけにくくなっている。
一昔前の5cコントロールなんかもハイランダーで組まれる事が多かったが《聖魔連結王 ドルファディロム》や《龍風混成 ザーディクリカ》等のパワーカードが増加した現在のカードプールではハイランダーで組まれる事は少ない。
ただし現行デッキでも【5c蒼龍】なんかはハイランダー気味に組まれる事が多い。

他にも、このゲームでは同型再販や相互互換(あるいは多少の上位・下位互換)が多いことに加え、「天使と悪魔の墳墓」という代表的な同名カードメタが存在する。
詳しい効果や影響についてはリンク先の項目を参照のこと。
この呪文の効果を避けるためにハイランダー気味にデッキを組むことが「墳墓避け」と呼ばれている。

2023年現在ハイランダー構築はかなり厳しい状態にあると言わざるを得ないが、同時に
  • スタン落ちが存在しない
  • サイドボードが存在しない
  • テーマ性が薄く、グッドスタッフ気味な構築が主流
  • 初動からフィニッシャー等1枚で様々な役割を持てるツインパクトの存在
といった要素から、恐らく現行TCGでは最もガチ戦でも通用するハイランダーデッキが構築できる環境とも言え、実際にCS等の大規模大会にハイランダーデッキを持ち込み、見事入賞を果たすプレイヤーもたまに現れ、話題となる事も。


アプリ版であるデュエル・マスターズ プレイスのイベントであるSPルールマッチではこの構築で対戦するものがある。



Z/X -Zillions of enemy X-

特殊ルール含めハイランダー関係のルールは存在しないのだが
  • トラッシュに別名カードが25種存在することでノーマルスクエアの相手ゼクスをすべてデッキに送る「マジカルフェンサー エルナト」
  • トラッシュに20枚以上のカードがあり、かつ20種族以上あることで相手に1点のダメージを与える「悪戯な九尾 妲己」及び妲己の派生カード
  • リソースにリブート状態で名前が異なるホウライが13種あればコストを踏み倒せる「降魔の龍王 優鉢羅」
と、ハイランダーで組むことを前提としたカードが幾つか存在する。
どれもZ/XRという最初からデッキ構築のピーキーさを前提としたカードではあるが。

そもそもZ/Xはスタートカードやバニラを除いて相互互換・同型再販が少なく、
また同名メタカード自体が「天空祖霊オニャンコポン」くらいしかいないのでハイランダーにするメリットがない。
『エンジョイ&フィーバー』を主題に掲げている現在、この方針は変わらないと思われる。


ハースストーン

「大金持ちになれるぞ!」
同名カードが2枚まで(レジェンドカードは1枚まで)しか採用できないハースストーンでは、ハイランダー構築の制限も他タイトルに較べて格段に緩いのだが、
ゲーム展開が早いハースストーンでは、モタモタしていると殴り殺される上にあえてハイランダーにするメリットも無いという事もあって、
ある時期までは全く見ない存在であったが、拡張セット『リーグ・オブ・エクスプローラー(LOE)』参入により一転することになる。

LOEで登場した『レノ・ジャクソン』はCIP効果でライフを満タンまで回復してくれるが、
条件としてデッキの中身が重複していない=ハイランダーを求められるため、このカードに合わせて構築も変化した。
中でも、元々『ハンドロック』としてコントロールデッキを確立していたウォーロックが新たに『レノロック』を生み出し、環境に送り出された。
ウォーロック以外ではドローソースの多いメイジがギリギリ構築級といった程度なので、依然としてハイランダーはメジャーな存在では無かったが、
拡張セット『仁義なきガジェッツァン(MSG)』で更にハイランダーが条件の超強力カードが追加された結果、
前述のレノロックは一気にトップメタの一角として上り詰め、メイジやプリーストなどのハイランダーデッキも環境で活躍するようになった。
制限の無く自由に構築出来るフォーマットでハイランダーがメタ上位を占めるのはかなり珍しい。
現在『レノ・ジャクソン』はスタン落ちしたが、その後も『カザカス』や『縛鎖のラザ』、『偉大なるゼフリス』などのハイランダー専用カードが登場している。


シャドウバース

「群生する意思、孤高にて絶つ。」

「40枚固定、同名カード3枚まで」というデッキルールの本ゲームでは、カード資産がないために已む無くという場合を除けば、
長らくハイランダーを構築するメリットは皆無であり、敢えてそれを使うもの好きなプレイヤー以外が組むことはなかった。
『2Pick』という、ランダムに提示される2枚から選択して30枚のデッキを組むレギュレーションにおいては、
プレイヤーの選択で図らずもハイランダー構築となることもあるが、敢えてハイランダー構築を狙う利点はなかった。

しかし、第十弾パック『Omen of the Ten / 十禍絶傑』の実装において、
カードパックの顔として登場した《唯我の絶傑・マゼルベイン》を皮切りに実用的な構築が生まれ始める。

マゼルベインはコスト6(後にコスト5)、4/4という控えめなスタッツであるが、
場に出した時に「マゼルベイン自身を除いてデッキに重複するカードがない*6」という条件を満たしていれば、
永続的に「ターン終了時に、自分の場がフォロワー1体なら+2/+2して、ランダムな相手のフォロワー1体に2ダメージ、相手リーダーに2ダメージ」を持つ」という、
事実上ハイランダー専用の効果を持つぼっちハゲカードであった。
ゲームスピードに比して重めのコストと、構築制限から事前評価は低かったが、
いざ実装されてみると「+2/+2」が対処されづらく、押し切って勝てるという報告が続々と上がり評価は一転。
特に当時は「メンコバース」「エロメンコ」と揶揄されるほど単体で効果を発揮するパワーカードが多かったゲームゆえに、
「場に1体だけ」という条件もさほど重荷にならなかった。
もちろん『2Pick』のレギュレーションでも(ハイランダー構成にできれば)当然強い。
実装後のオールスター2Pickでも6ターン目に出せれば勝ちといわれるほど猛威を振るった。
(声優が中田譲治なのも密かな人気)

第十二弾パック『鋼鉄の反逆者』で実質ハイランダー専用カード「天界の門」が登場。
効果は鳳凰の庭園に似ており、「場にある限り、両リーダーは自分のターン開始時、ランダムな手札1枚のコストを-3、ハイランダーなら-10する」というもの。
大抵のカードをコスト0に出来るが、既にコスト0であっても抽選対象になる。
直接召喚により5ターン目には必ず出せるが、恩恵を先に受けるのは相手というのが玉に瑕。
原則こちらのメリットが大きいが、相手もハイランダーだと目も当てられない。

第十八弾『レヴィ―ルの旋風』ではヴァンパイア《享楽の支配人・ボルテオ》が登場。
cipで全フォロワー5ダメージ与えつつ、「ボルテオ」以外がハイランダー構築ならば、
ターン終了時に「『魔導装甲車』→デッキ内のランダムなフォロワーを出す×2」する効果をリーダーに付与する。
運にかなり左右されるが、上手くいけば空になった場にボルテオ+守護持ち高スタッツフォロワー×2という盤面が出来上がる。

いずれもアグロやバーンで押し切られたり、「天界の門」については出した直後に処理されてしまったり、
他も肝心のカードを引けずに事故るリスクが高めだったりと相応の弱点もある。
また、ハイランダーサポートカード同士は方向性が嚙み合わなかったり、お互いに3枚例外効果を潰し合うため併用はほぼ無意味。
しかしプレイヤー毎に十人十色のデッキが組めたり、通常構築では使いどころのないカードが輝いたりと、デッキ構築の面で他にはない楽しさがあるとの声もある。


カルドセプトシリーズ

一風変わった存在として、 非ハイランダーブックピンポイントメタカード が存在する。
一部作品に登場する「マーブルアイドル」や、「リボルト」に登場する「ミラーワールド」というスペルである。
マーブルアイドルが設置されていると、 同名クリーチャーを配置することができなくなり
ミラーワールドの有効時間中は、 同名クリーチャーが既に存在している場合そのクリーチャーは戦闘開始時に破壊される

どちらも際立って強力、というほどではないが、レッドキャップブックやマイコロン、パウダーイーターブックなどの
「同じクリーチャーを大量展開して場を制圧する」ことを目指すタイプのブックに対して非常に良く効く。
もちろん、これらのカードをあえて投入する場合、自分のブックは(少なくともクリーチャーに関しては)ハイランダーにしておくことが求められる。


カードファイト!!ヴァンガード


ここでは主に新フォーマットの解説をする。
デッキに投入できるカードは一種類4枚までと多い上、ダメージを受けるとダメージゾーンにカードが落ちて使えなくなるため基本的に複数積み推奨。
中には6枚積めたり18枚積めたりするカードもある。
しかしバミューダ△にて、登場時に山札の上から10枚を見て、ノーマルユニットの名前が全部違う場合に強力な効果を得られるカードが登場。
各々がスペックが高い事もあり、彼女たちを組み込むとなるとおのずとハイランダー構築になる。
ただしトリガーは対象外で同じ名前のカードが何枚出ても問題ない*7上に、
そもそもハイランダー構築できるほど種類もない*8為、厳密にはハイランダーは組むことが不可能である。
一応旧スタンを投入できるルールなら可能だが、現状では旧スタンカードはほぼ現行カードの下位互換の戦略的に組み込む意味も少ない。
またハイランダー効果を持っているのは3種類いるが、その中の一枚アネシュカの効果は飛びぬけて強いため、
彼女だけ2枚採用投入されることが多く、結果ハイランダー気味構築になりがち。


ハイランダーの楽しみ方

ハイランダーは真面目な対戦理論としてははっきり言ってハイリスクローリターンでデメリットの方が大きい。
どんなデッキでもカードごとに勝利への貢献度が当然異なるわけで、
勝利にさほどつながらないカードよりも大きく貢献する強いカードを数枚入れた方がいいからだ。

たとえメリットをどこまで突き詰めても、「でもキーパーツは入れられるだけ入れた方がいいよね?」だとか、
「そこまで極端な構築にする理由はないよね?」といったド正論言葉で一蹴されがちである。
ハイランダーを肯定するカードを軸にしたデッキも、
「強いカードとサーチカードは複数積みが基本で、ハイランダーにする必然性はなかった」で終わってしまうことが多い。
また、デッキを組むときは「新しい可能性に触れられるんだ!」とワクワクしてたのに、
3回くらい使うと引きムラの激しさや動きのワンパターンさで崩すことを考え始めるなんてことは結構多い。

更に膨大なカードプールを把握し、そこから必要なカードを選定できる知識、一般的な構築のデッキ以上に求められる緻密なプレイングが求められるため、上級者でも難易度が高い。

だが逆に、そこまでガチガチに勝ちを突き詰めないカジュアルな環境で使ってみるとこれが意外と面白い。

たとえば遊戯王の場合はメイン40枚+EX15枚のデッキに各3枚までカードを入れられるのだが、非常に極端な話をすると14+5種類のカードでデッキが組めてしまう。
もちろん制限カードやら構築論やらで実際にはもう少し種類は必要なのだが、要は理屈の上では20種類足らずでもデッキは組めてしまうのだ。
これをあえて40+15種類のカード(理屈上の3倍弱)になるまで徹底的に分散させて構築してみると、
「普通にデッキを組んだのでは絶対に入らないようなカード」を使わざるを得なくなる。
六武衆のような大所帯テーマであれば純正テーマデッキとしてのハイランダー構築も可能で、
《六武衆-ニサシ》のようなカードの意外な強さや利点を見出しつつ、結局弱いという事実に変わりないという再評価に触れることができる。
といってもテーマデッキはいわゆる「デザイナーズコンボ」以外が弱いため、こういう再評価的な組み方は難しいかもしれないが、
《スクラップ・コング》を能動的に使ってみたり、《エネミーコントローラー》みたいな懐かしいカードで盛り上がったりと割と面白い動きはできる……かもしれない。

まだテーマデッキ化が著しくなかった頃の遊戯王では、いわゆる「安価40枚デッキ」や、
「ショップで投げ売りされているカードセットをデッキにして遊ぶ*9」というものもあった。
《サイバー・レーザー・ドラゴン》《ブルーメンブラット》《クレイ・チャージ》などの進化元や発動条件がそもそも存在しないカードがデッキに入ってしまうため、
これらを《呪術抹消》《最終戦争》などのコストにあてがいながら、名前も聞いたこともないような変なモンスターをフィニッシャーにする……というものだ。
あまりにも素朴すぎるのだが息抜きとして遊ぶ分にはこれがなかなか面白い。
当時の電波デッキビルダーたちはこういったところから意外なカードの強さに触れ、発想の源を研鑽して真面目なデッキを組むこともあったのだ。

最初期の「カードファイト!!ヴァンガード」などでは、アーキタイプにもよるが、
むしろ完全ガード以外をハイランダーで組んでみると意外と上達が早まったりもした。
このゲームはクランと呼ばれるデザイナーズテーマがルールレベルで存在しており、このクランから逸脱したカードを入れると明確なデメリットが存在するのだが、
実はこのクランから逸脱したカードを少し入れたデッキが強いという時期があった。
たとえば「ブースト役にバニラ8000」あたりでごまかしながら組んだハイランダーはカジュアルプレイヤーがこの構築論を学ぶのにちょうどよく、
「実はクランや名称指定で構築を縛るより、ハーレムデッキのオラクルシンクタンクに《伊達男 ロマリオ》なんかを入れた方が強いのでは?」ということに気づいてくるのだ。
といってもこの辺にうまく合致するハイランダーを組める人はほとんどいなかったのだが……。グレ1速攻あたりからアプローチできれば少し違ったのかもだけど。

そして構築に著しい制限をかけるタイプのカードを軸にしてみるとわけのわからないカードにニッチ極まりない需要が出てくる。
たとえばMTGの統率者戦及びその派生ルールはこれによって市場が再活性させることに成功した。
MTGの統率者戦で高騰したカードの例として《Timetwister》や《荊州占拠》が非常に有名だが、そんなに極端な例でなくても例はいくらでもある。
たとえば《森林地帯のドルイド》(1マナ1/2 バニラ)や《霜剣山の逆落とし》(非常に効率の悪い呪文だが、手札に大量のカードを引き込みつつ秘儀という性質を持つ)などは、
スタンダードでは見向きもされなかったが、統率者戦でめちゃくちゃニッチな居場所を見つけて大きく話題になったカードである。

要は肩肘張らず、縛りプレイのひとつやカードを再評価するつもりでプレイしてみると初心に帰れて結構面白いということだ。
特に示し合わせて行うハイランダーは両者ともに素朴な事故や新しい発見に満ちている
コメントでも、
「ハイランダー限定でプレイするとデッキビルディング能力とプレイングがかなり鍛えられる……気がするし普通に面白いから変わったゲームがしたいって人におすすめ。」
と書かれているが、実際普段と違った能力が求められ、初手ひとつとっても常に違ったカードが来るのでやってみると結構面白い。
あるいは勝ちを求める行為にうんざりしてきたときにやってみると案外いい息抜きになるかもしれない。
実際MTGのハイランダーフォーマットはそういうところから始まり、商売を立て直すレベルで大流行したわけだし。


余談

「すべてのカードを1枚挿しにする」という構築論から転じて、カードゲーム以外でも、
「なんらかの編成要素をすべてばらけさせた時に真価を発揮する」もののことを「ハイランダー編成」と呼ぶことがある。
たとえばグランブルーファンタジーの「支配の天秤」という武器は「装備している武器が全て異なる時のみ」にボーナスを発揮する。
そのためこの武器を軸にした編成のことを「○ハイランダー」(○は属性名)と呼ぶことも多い。いちいち「闇属性の支配の天秤編成」と書き込むよりも楽だからだ。


追記・修正はちゃんとハイランダーデッキを作って、それを回してからお願いします。

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最終更新:2024年05月05日 21:34

*1 当然だが「こちらもガチガチに縛ったものでないとハイランダーとは呼べない」という派閥も当然存在する。たとえばかつてMTGの統率者戦では、該当する基本土地が存在しない無色デッキの扱いで「基本土地を入れてもいい」とする派と「特殊地形のみで戦うべきである」派に大きな溝があった(公式ルールでは後者)。またポケモンカードGBの縛りプレイ配信などではむしろこの「各色1枚ずつしかないエネルギーカード」を色拘束が強すぎるカードプールでどのように扱うかという点が見どころになる。

*2 MTGでは「続唱ジャンド」、遊戯王では「ジャンクドッペル」の略称として使われたデッキ。どちらも当時の環境最前線で大暴れするほど強かった上に時期もそこそこ近かったため、当時のプレイヤーが何気なくジャンドの話を振るとアンジャッシュのコントのごとく食い違っていった。

*3 当時2000のカードは《ジェネティック・ワーウルフ》のみ

*4 無色マナしかを出す能力しかない基本土地。無色マナを指定したカードであるエルドラージの登場に合わせて作られた。

*5 自分がそれを手札に加えると宣言するか、同名カードが2枚めくれるまで、デッキを上から1枚ずつ追放しつづけるカード。同名カードを複数枚投入している通常のデッキの場合、「本当は○○が欲しいのだが、そこそこ強い△△が6枚目にめくれた。……○○がめくれるまで欲張るべきだが、これまでめくった6枚のカードと同名のカードがめくれたら何も手札に入れられずに終わってしまう……妥協すべきか欲張るべきか、ああ、どうしよう!」という、『欲をかいたら何も手に入れられないが、欲をかかなきゃ使う意味がない』というジレンマを感じながら使うサーチカード。カード名は基本土地も対象になるので狭い環境だとめちゃくちゃ使いにくい。

*6 ここでいうデッキは所謂山札なので、理論的には重複カードを引き切っていればOK。後述のカードも同様

*7 ただし引いた10枚のうちノーマルユニットを特殊召喚するカードもあるので出ないに越したことはない

*8 4枚入れないと駄目なヒールトリガーは未だ一種類

*9 最近ではデュエルスペースに使用料を支払うというのも当然になったが、この使用料代わりに商品を買ってくれとする店も多く、こういう安いカードを買うことで使用料代わりにしたというもの。当時はパックに収録されているカードが全体的に弱く、特に「E・HERO」などのアニメのメインテーマでも組まない限りシングル買いの方が安く済んだため。