クール星人

登録日:2014/12/15 Mon 18:15:45
更新日:2024/01/28 Sun 13:55:29
所要時間:約 4 分で読めます





人類なんて、我々から見れば昆虫のようなものだ



クール星人とは、『ウルトラセブン』の第1話「姿なき挑戦者」に登場した宇宙人


【データ】

別名:宇宙狩人
身長:2メートル
体重:75キログラム
出身地:クール星
声:矢田耕司

【概要】

地球侵略の下準備として、地球人の人間標本を作っていた宇宙人。見た目は昆虫そっくりだが、人類を昆虫呼ばわりする。
母船と小型円盤部隊からなる軍団で地球に襲来、保護色で姿を隠した母船によって次々に人間を誘拐し、標本にしていた。
武器は尻尾のような足から出す痺れガス(劇中未使用)。
水曜日のダウンタウン』でレビューされた際には「ウルトラシリーズの中でも際立った頭脳派であり戦闘力はほぼゼロ」と身も蓋もない解説をされた。

透明円盤を使って人間標本を作っていたが、ウルトラ警備隊が行動を開始したことで遂に本格的に行動を開始。
地球防衛軍に降伏を迫るも、当然ながらウルトラ警備隊はこれを拒否。すると拉致していた人間標本の人々がまだ生きていることを見せつけて脅迫する。
研究サンプルをそのまま人質に使う一石二鳥の作戦というわけである。
しかし、ヤマオカ長官が降伏を拒否したために攻撃を開始し、母船からの光線で京浜工業地帯を壊滅させ、次は東京だと迫る。
相手が見えないのではウルトラ警備隊も手も足も出ず、クール星人の地球侵略計画はここまで完璧に進行していた。
だが、クール星人もひとつだけ想定できなかった要素があった。謎の風来坊モロボシ・ダンである。
彼の発案した特殊噴霧器による作戦で保護色を無効化されて発見され、ウルトラホーク1号の攻撃を受けるも、なんとか不意を突いて退ける。
さらに小型円盤群を送り込むが、ダンの繰り出したカプセル怪獣ウインダムによって円盤を2機撃墜される。
残りの円盤群による合体攻撃でウインダムを退けるも、ここで初めて光の国の超人ウルトラセブンが登場して母船に進入され、
迎撃に現れたが何もしない内にアイスラッガーで横に真っ二つにされて倒された。
標本にされていた人々は無事に救出され、宇宙へ脱出した母船もエメリウム光線で破壊された。
セブンの前に姿を現してからあっという間に倒されてしまい、その倒されるまでの時間はわずか4.5秒である。

入念に地球をリサーチしてから侵略作戦を開始するという点では前作『ウルトラマン』のダダやゼットン星人を彷彿とさせ、
人質をとったり円盤を透明化して一方的な攻撃を可能にしているなど、自分の虚弱さをカバーする知能派ぶりを見せている。
実際、途中までは作戦は完璧に成功しており、そのまま進めば東京が壊滅させられていたのも間違いなかったと思われる。
が、彼らは徹底的に『運』に見放されていた。
この時点ではまったく想定することができなかった不確定要素、無敵の超人ウルトラセブンが人類の味方についてしまったのである。
人類相手の対策は完璧であったが、初めて地球に現れたウルトラセブンには対抗のしようがないのも当然であり、
彼らがセブン対策も含めた上で侵略作戦を開始していればかなりの強敵になったのは疑いないと思われる。
せめてあと一月でも作戦開始が早いか遅いかしていれば…。

尤も、地球防衛軍の超高感度レーダーだけはクール星人の円盤を探知しており、特殊噴霧装置も設計者こそウルトラセブンであるが、地球人の軍事施設で手に入る部材で作った即興品。
劇中でも言及されているように、地球人の現況でも「超高感度レーダーの有効範囲に入ったタイミングで指令誘導式の長距離対空ミサイルの飽和攻撃を行う」と言う対策は取れた。
「人質が居るので下手に手を出せない」と言う状況だった故に長距離対空ミサイルの飽和攻撃は見送られたのだが、「人質より多数の人間が死ぬことが確実」なら実行されていた可能性も皆無ではない。


【派生作品】

桑田次郎の漫画版『ウルトラセブン』では円盤内に複数体登場し、群を成してセブンを襲うも結局全員返り討ちにされている。
セブン曰く「宇宙の怪物ども」。

『ウルトラ怪獣入門』に掲載された「ウルトラ怪獣利用作戦」では巨大化能力を発揮しており、決壊寸前のダムから水を掻き出し人命救助を行っている。

PS専用RPGスーパーヒーロー作戦』でも正体を暴かれたことで巨大化して闘う描写がある。
ロストヒーローズ』ではガヴァドンの次に弱い雑魚として登場する。

ウルトラマンSTORY 0』では暗黒星団のザラブ軍に所属。
ダダと共に宇宙大戦艦アイアンロックスに乗り込み、動力源であるゴルドニウムを採掘すべく奴隷を攫っていた。
原作を考えるとこの2人が人攫い役というのはなかなか悪趣味な人選といえる。
最後はゾフィーの変身ブレスレットから発したを浴びて一瞬で蒸発するという、原作より更にあっけない死を遂げた。



【余談】

ダンは活躍を認められてウルトラ警備隊の隊員になったが、これについてダン役の森次晃嗣氏は
「ダンは長官推薦でいきなり正隊員になってしまう。本当だったら、他の大勢の地球防衛軍の隊員からやっかみをうけたのではないだろうか」と語っている。
元々、プロット段階ではダンはポインターの運転手という準隊員から始まる想定だったが、
森次氏が運転免許を持っていなかったために正隊員にするという設定になったらしい。

放送当時の児童誌に掲載された設定によると、クール星は保護色マシンを使って外からは見えないように隠されているとされ、
また星には原色の木が生えており、それがクール星人の住居であり食料になっているとのこと。
「クール星に拉致され巨塔の建造に従事される地球人を救うべく、ウルトラホークが出撃する」というイラストが雑誌に掲載された事もあった。

デザインは成田亨。ダニに着想を得たデザインとのこと。

昆虫そっくりな見た目から「お前に言われたくない」と散々ツッコまれている「人類なんて、我々から見れば昆虫のようなものだ」発言だが、クール星の昆虫が人類そっくりの姿をしている可能性もある。

円谷作品で初めて、操演を前提に製作された宇宙人(怪獣)。
操演用の人形は、後にセブンで双璧を成すヒョロガリ宇宙人「チブル星人」に改造された。
ただし、クール星人は実質セブンと戦っていないに等しいため、初めて戦った操演キャラという意味では第5話のビラ星人が初となる。

前述したあまりにも早い決着に『水曜日のダウンタウン』の「レオパルドンよりも一瞬で殺されたものなどいない説」で古今東西あらゆるバトルものでの瞬殺ランキングで7位にランクインした。
なおクール星人の瞬殺ぶりにVTRを見ていたダウンタウンの松本は「美容師でも倒せそう」とコメントした。




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最終更新:2024年01月28日 13:55