蛇崩猛竜(牙狼-GARO-)

登録日:2014/11/28 Fri 00:23:18
更新日:2024/04/01 Mon 22:33:03
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いっやぁ~、惜しかったなぁ!最後にマイナス30点だ!



蛇崩猛竜(じゃくずれ たける)とは、深夜特撮番組牙狼-GARO- 闇を照らす者の登場人物。
演じるは池田純矢氏。『海賊戦隊ゴーカイジャー』のすごいギンギンな奴でおなじみの人である。


【概要】6

黒のロングコート(魔法衣)の下にワインレッドのシャツを着こなした、ホストに似た風貌の魔戒騎士
炎刃(えんじん)騎士・漸(ゼン)の称号を持つ。
シャツと身に纏う鎧とほぼ同じカラーの赤いバイクを乗りこなす、ボルシティの情報に精通している、果ては女を抱く、と比較的都市生活に慣れている模様。
服装も一定ではなく、バイクに乗る際は魔法衣を裏返してライダースーツに変化させる、
第7話『住 Dining』で洲崎類とその家族に会った際はは灰色のパーカーに白いシャツ、第12話『報 Trap』ではボルシティのテレビ局に潜入する際はAD衣装と、
ホラーを狩る時以外には比較的着るものにこだわらない方と思われる。

振るう魔戒剣は柳葉刀に似た円状の鍔をした片刃刀で、ホラーを「斬る」「突き刺す」というよりは「叩き割る」イメージ。


【戦闘力】6

一応、称号持ちの魔戒騎士で他の騎士よりは強めのはずだが、
  • 第3話『迷 Dungion』では全裸の女の正体であるホラーに押され、捕食されそうになる「くそったれがぁぁぁ!!」
  • 第6話『響 Rock』ではインディーズバンドのボーカル・シンがレコーディングする「Bright Hope」をBGMに欽ちゃんジャンプで蹴り上げる雑魚ホラーにフルボッコ
  • 第9話『報 Sonshi』では魔導ホラーの尊士を相手に三人がかりで挑むが一蹴される
と、序盤の描写を見る限りあまりいいところがなかった。

とはいえ、第18話『闘 War』で右手を切り落として以降は左腕のみでSG-1と戦い(魔戒騎士の掟に従い殺傷はしていない)、
第22話『礼 Master』で符礼特注のソウルメタル製義手を入手しそれを使いこなす事から実力は相当なものとみられる。
猛竜が弱いのではない、魔導ホラー(特に元・魔戒騎士の尊士)が強いのだ。

現在ホラーを100体送還してないため魔導馬の召還はできないが、バイクや自動車の運転ならできる。
第23話『輝 Gold』ではコンテナで尊士と格闘する哀空吏の代わりに軽自動車を馬代わりに運転させ、
魔戒剣を構えた流牙をルーフに乗せて「流牙!もう一発ぶちかませ!!」と突撃させコンテナ内の尊士に太刀を浴びさせた。


【性格】6

金髪で女たらしでお調子者、と魔戒騎士らしからぬ性格で、

  • 第2話『波 Goldwave』および第7話冒頭では女をベッドで抱くシーンで登場
  • 第3話冒頭で全裸の女の噂話をするボルシティハイスクールの学生らに「その話、詳しく聞かせろ!」と半ば脅す感じで聞きこむ
  • 真夜中、その女(正体はホラーの一部)を見て「よろしいんじゃないでしょうかぁ~?」と口笛吹きながらホイホイついていって窮地に陥る

…と守りし者としてはあまり褒められたキャラではない。

とはいえ、よそ者の流牙をボルシティの秘密警察・SG-1から救ったり、ボルシティの全容を伝えたり、
彼が左中指に施した魔導輪ザルバにも興味を持ったり、とかなりフレンドリーな面がある。

物語序盤ではチャラチャラしたイメージが強かったが、一方で純情で惚れっぽい面があり、
漸の鎧お披露目回である第7話でボルシティに移住しようとする少女・洲崎類に一目惚れ。
彼女とその家族を魔導ホラーから守ろうと奔走するが、尊士の介入により最終的に犠牲になったと思い激しく慟哭する。
類が辛うじて生きていたのに対しては

よかった……生きてる……!

…と涙ながらに喜んだ。

後に第13話『狩 Hunting』にて、特定の移住者が魔導ホラーの製造プラントで魂を抜かれ、『保存食』にされる様を見る。
その中には類の祖母と母、そして弟も含まれており、必死に手を伸ばすが既に残像でしかないそれには届かず……やがて、張り裂けるような声で慟哭した。
激情に身を任せ、魔戒剣を振り上げタンクを壊そうとする猛竜を必死に静止する流牙。やがて、悲劇を終わらせるため通報機を鳴らした哀空吏の姿を見て我に返る。
そして、人と人とのつながりを踏みにじるホラーの非道に怒る流牙に魔導ホラーを任せて猛竜自身は部下の陰我ホラーを迎え撃ち、
『保存食』の入った木箱を必死に守る莉杏、そしてのプライドを砕かれても守りし者として戦う哀空吏と共に製造プラントを壊滅させるのだった。

第7話の翌話『報 Scoop』で符礼の術で記憶を消された類がボルシティで花屋のお手伝いさんとして生活するようになって以降、
猛竜は彼女と一層触れ合うようになる。第11話『虜 Desire』で共に月を眺めようと約束した時には

俺が……類ちゃんの大切な人になりたい……

としどろもどろに告白。女を抱きまくってる割には結構純情なようである。

話数を重ねるたびに両者の関係は密接なものになっていく。
今までの牙狼シリーズを知る者には、この描写を見るたび色々と両者に死亡フラグがかからないかと気が気でならなかった。

と、情にも厚いが情にも流されやすい猛竜は流牙よりも涙脆く、それと共に精神面の脆さを感じざるを得ない。
哀空吏も流牙ともども魔戒騎士として甘すぎると評価する際、猛竜はこの言葉で反論する。

情があるから!人間なんだよ…!

猛竜はただ単に女たらしなだけではなく、知り合った女とは一夜だけでも情を持って接したいと思い尽くすタイプのようだ。
……とはいえ、第3話の失態は褒められたものではないが。


行くぜ…楽にしてやんよ!

【炎刃騎士・漸】6


猛竜が魔戒剣を地面に叩き付け、そのまま円を描くとそこから赤銅色の閃光が放たれて漸の鎧が召喚される。
『炎刃騎士』の名の通り紅蓮の鎧であり、曲線的なシルエットに竜の鱗と燃え盛る炎が入り混じった意匠、
そして胸部の透明な宝玉とその下で轡を咥えた髑髏のオブジェが施されているのが目を引く。
兜も斜め上に鋭い牙を剥いた、狼というよりを思わせるものとなっている。名は体を表すと言ったところか。
魔戒剣も竜の顎を思わせる真紅の鍔に金色の柄に変化、刀身も剣先も鋭角的に変化する。
魔戒騎士が鎧を纏う際、それぞれの得物に名称が施されるのだがその武器名は明らかにされていない。

烈火炎装も使用可能で、その色は炎の色にも似た燃えるような
使用したのは第13話ラスト、第23話『輝 Gold』のみ。
2話とも三人同時で使用しており、単体で使用したケースは今のところない。

第22話でリベラとの決戦の際に変幻自在のソウルメタル製の義手を入手、盾状に変化させ使いこなす。
また、第24話『照 Future』では前一直線のみ砲撃するゼドムの砲台の盾となり、特攻し撃破した。
この時、類との密接な関係を描いていたせいか『まさか死亡フラグ発動!?』と思った視聴者も多いだろう。


【その絆】6


猛竜に関連する人物と、彼との関係。

  • 洲崎類
第7話で偶然ぶつかった際、一目惚れ。
母・幸子、祖母・良恵、弟・元気と共にボルシティに移住しようとするが、猛竜は魔導ホラーの餌食にされるのを阻止しようと奔走。
しかし、「家族みんなで幸せになりたい」と願う彼女には届かず、結果的に彼女を除き家族が犠牲になってしまう。
記憶を消されてからは孤独な彼女の支えになろうと奔走し、互いがかけがえのない存在になっていく。
第22話の告白シーンから、「猛竜、絶対死ぬなよ!!」と思った視聴者は少なくないだろう。
なお、彼女がにぎったおにぎりは絶品であり、猛竜本人も「すんげえ美味い!もう最高!」と評するほどだが、彼の台詞で忘れかけていた記憶が思い出しかけた事があった。

  • 符礼
猛竜らの上司的存在。
厳格に若き騎士らに流牙と共に魔導ホラーを討伐するよう命じるが、その際切り落としたリベラの舌から魔導ホラーを探知する魔導具を生成、
右腕を切り落とした猛竜のためにソウルメタル製の義手を生成するなど、常に彼らのために尽力を尽くした。

第1話『流 Ryuga』ラストで彼と邂逅。
項目冒頭の台詞でやや詰めが甘いのを評価しながらも、「確かに派手だけど、俺は嫌いじゃないぜ!」と気に入る。
以降は波長が合ったのか、彼にアジトの屋上でボルシティの情報を伝えたり、魔導ホラーを倒した際に放たれる金色の光を受け苦悶する彼を気遣ったり、
第18話では魔導ホラーの種を植え付けられかけた流牙の盾となったりと、同じ仲間として彼を気にかけていた。

第1話以前から符礼の下でボルシティに任務に就いていたらしいが、
第3話『迷 Dungion』で囮にしホラーを倒そうとしたり、類を過保護なまでに守ろうとする彼の姿を流牙共々甘いと冷ややかに評価する、と仲は良くなかった。
当初、猛竜は「インテリ様」と小馬鹿にしていたが、哀空吏本人からも流牙共々「出来損ない」と見下されている。
第13話で吹っ切れてからは丸くなり、第19話『光 Hope』では流牙と莉杏を捕えられて落ち込む彼を気遣うようになった。

  • 莉杏
共に戦う仲間。
これといって彼女と猛竜の関係は目立たず、なれなれしく絡んだ猛竜の手をやんわりと退ける程度。
他には第24話で魔導水を流牙、哀空吏、猛竜に浴びせゼドムの砲弾の威力を和らげさせる、決死の特攻で砲弾を破壊し悶え苦しむ彼に魔導水を与え苦痛を和らげたことか。


【決戦】6

符礼の決死の抵抗もむなしく復活した魔導ホラーの始祖的存在・ゼドム。
流牙の母・波奏との別離や符礼の犠牲にも涙する間もなく、ボルシティの遺跡からホラーが舞い上がり、人界を闇に包ませる。
決死の覚悟でゼドムに挑む若き守りし者だが、ゼドムは一時の間戯れてやろうと言わんばかりにキューブ状の物体で攻撃。
やがてそれを無数にかき集めて砲台を錬成、野鼠を炙り出さんと攻撃する。
「奴の砲撃は単純だ。一点に砲撃を集中すればなんてことはない」
威力は圧倒的だが攻撃はただ一直線に撃ち続ける単純なもの……哀空吏の分析を聞いた一同は、逆転の好機を見出そうとする。

「一点に……っしゃああっ!!ゼドムぅっ、こっちだぁぁぁぁぁっ!!!

いち早くそれを見出したのは、会心の笑みを見せた猛竜だった。
ゼドムの前に躍り出た彼は、挑発するかのごとき無数の砲撃にも怯まず、地表に円を描いて漸の鎧を召還し、右腕を盾に変えて走り出す。

炎刃騎士の力、見せてやんよぉ!!!

真後ろで追いかける流牙たちの盾になった真紅の騎士は、度重なる砲撃に漸の鎧を解除されるもののひるまず全速力で炎の中を駆け抜ける。


符礼法師……持たせてくれぇぇぇっ!!

うおおおおおおおおおおっっっ!!!

くそったれえええええええっっっ!!!


死なばもろともと言わんばかりに猛竜は飛び上がり……ゼドムの砲台を見事に破壊した。
流牙と哀空吏がゼドムと対峙し挑むものの、牙射の矢を跳ね除け牙狼の鎧を封じられてしまう。
鎧を取り戻さんとゼドムの闇に飛び込む彼を見届けるしかできない莉杏、哀空吏、猛竜。
だが、闇の中で残された符礼の魔導筆が莉杏に手渡された時、その遺志がゼドムの急所を指示し、哀空吏の矢が射抜く。

猛竜の魔戒剣が牙狼の鎧の封印を叩き割り、それを纏う流牙に続けと哀空吏と猛竜も鎧を纏いゼドムと対峙。
「俺はこの輝きで、未来を照らす!!」……決して諦めない流牙の心が、牙狼の鎧から放つ光が、漸と牙射の鎧をも金色に染め上げる。

哀空吏の誇り流牙の闘志、そして猛竜の怒り……闇を照らす者たちの刃がひとつとなり、ゼドムを打ち砕く……!

戦いの末、ボルシティに平和が戻ったが、莉杏の術により流牙たち以外にホラーを知る者はいなくなった。
流牙らと別れ西の管轄に向かう前に、猛竜は類のいる花屋に寄る。
案の定、類が猛竜と過ごした日々すらも彼女の記憶には残っていなかった。


類……俺も、真面目に生きるよ……!


そして、向日葵の花を手にした猛竜は涙ながらに服を整え、守りし者の道を行く。
甘くてほろ苦い、恋の記憶と共に……。



【余談】6


『闇照』本編でも「歴代魔戒騎士の中で一番ガッシガシと動く」と称される流牙役の栗山氏に次いで、体を張ったアクションの多かった池田氏。

そんな7か月にわたる撮影機関で、彼の本編クランクアップは第24話、ゼドムの砲撃をあびて火だるまになる場面である。
その場面で、横山監督が「息するな。息吸うと肺が焼けてお前死ぬぞ!」と池田氏に言いながら、生きだしちゃいけない状況で「吐きだせ。『うわーっ!!』って言え!」と言われてしまい、無我夢中で『うわーっ!!』と叫んだとのこと。
着火してからクランクするまでの間はかなり熱かったらしく、横山監督の「よーい、ハイ!」の「ハイ!」を待たずして大急ぎで駆けだした後、撮影後に消火班のおかげでなんとか火は消され、スタッフのクランクアップの号令と共に拍手喝采。
シリーズのオールアップ後、泣きそうな池田氏に「良かったよ」と横山監督は手を差し伸べる。
手がジュルジュルの状態な池田氏は握手を遠慮するものの、豪快に「そんなの関係ねえだろ!」とガッツリと握手し熱い抱擁を交わし、感謝の言葉をかけたとのこと。
その様を見ていた流牙役の栗山氏らも後にファミ劇限定のキャスト座談会「魔戒Bar」で撮影時の思い出を振り返りながら、この様を「かっこいい!!」と惚れ込み、莉杏役の南里さんも思わず泣きそうになったそうな。
ミッドナイト・ハイパーアクションにかけるスタッフの本気が伝わる逸話ともいえる。

『闇照』の撮影を終えて、「君たちで行きます。お前らの代表作にしてやる、この作品を!」と言う雨宮総監督の言葉に感激した池田氏は、「正直いろんな大変なこともあったし、正直ここまでやらせるのが『牙狼』って思った時もあったし…あらゆる限界点を超えさせた作品だった」とこの作品を評価している。

そんな池田氏のお気に入りの場面は、24話ラストカットの「VOL CITY編 完」
アフレコ時にこの場面が出た時、「『終わりましたよ』ってことなのか、次につながる『完』ですよってことなのかわかんないけど、ただただそれを見た時に『次につながる可能性はあるんだ』って思った時に、やっぱり改めて『うぉー!もう一回この役者でやるぞ!!』と初めて思った」ため、ここで「面白い!やりたい!ここで終わらせたくない!」と、共演者ともう一度やりたいと感じたとのこと。

諸事情で『闇照』続編である『GOLDSTORM- 翔』では哀空吏役の青木氏ともども栗山氏と南里さんと共演を果たせなかったのが、ただただ残念でならない。

wiki篭りの追記・修正、見せてやんよぉ!!!


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最終更新:2024年04月01日 22:33