道外流牙(牙狼-GARO-)

登録日: 2014/11/26 (水) 17:34:48
更新日:2024/03/01 Fri 01:24:37
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私はまだ知らなかった、この先の苦難を。
私はまだ知らなかった、彼の事を。

次回、『波 Gold wave』

そして私は知る。金色の希望を。








俺は魔戒騎士の道外流牙…貴様らホラーを狩るのが、俺の使命!


道外(どうがい)流牙(りゅうが)は、牙狼シリーズ第3弾・牙狼-GARO- 闇を照らす者(以下、『闇照』)および 第6弾・牙狼-GARO- -GOLDSTORM- 翔(以下、『GS翔』。両作を『道外流牙シリーズ』と総称)の主人公。
演じるのは栗山航氏。


【概要】

『道外流牙シリーズ』(所謂流牙狼シリーズ)世界にて、『魔戒騎士』の中で最高位の称号を持つ黄金騎士牙狼(ガロ)の称号と鎧を受け継いだ流離の魔戒騎士

『闇照』第1話『流 Ryuga』冒頭で金城ホテル内の結婚式場で花嫁に刃を向けるシーンを見た際、かつての牙狼を知る人もそうでない者もこれに面食らっただろう。
『闇照』では、ボルシティを統括する金城グループの裏に潜む『魔導ホラー』をすべて狩る使命を帯び、魔戒法師・符礼(ぶらい)らと共に戦った。

牙狼の鎧に金色を取り戻して以降が舞台の『GS翔』では莉杏(りあん)と共に流浪の旅で流れ着いたラインシティを舞台に、古の最強ホラー・デゴルと伝説の魔城・ラダンをめぐり新たな戦いを繰り広げる。

物心ついた時から魔戒法師だった母と共に暮らしていたようだが、父の素性は明らかにされてない。


【容姿】

『闇照』では少し金色がかったオールバックヘアーにベルトが多く施された黒革のコート(魔法衣)、その下には赤いTシャツ、とアウトロー風味の衣装で、純白のロングコートがシンボルマークだった牙狼の称号を持つ者らしからぬ風貌。
また、回によっては学校の清掃員に変装したり、タキシードスーツを着こなしたりする。
左手には黄金騎士の友たる『魔導輪・ザルバ』を身につけているが、『闇照』当初は認められておらず契約もしていなかった。

『GS翔』では黒髪、赤いTシャツの上にはレザージャケット姿となっており、さらに戦闘的かつ精悍なイメージが強くなった。
劇場版ではDリンゴが盗んできた横領品として保管していたソウルメタル製の手甲を左腕に装備、TVシリーズでもそれを継続している。


【戦闘力】

『闇照』の頃は若干未熟なものの、最強の魔戒騎士・牙狼の称号を受け継いだだけのことはあり基本的に他の騎士よりは強めだった。
戦闘スタイルは粗削りなものの恐れを知らぬ切り込み隊長型で、魔戒剣を振るう以外は基本的にストリートファイトを意識したもの。
第6話『響 Rock』ではホラーの頭突きに気圧されず頭突きし返して睨みあうというヤカラの喧嘩を思わせる場面も見せた。
白い魔戒剣の鞘と柄は赤鞘の魔戒剣と変わらぬ切れ味を持ち、ボルシティの秘密警察SG-1の銃弾をもはじき返すほどの防御力を誇る。

『GS翔』では長い旅路を経て心身共に磨き抜かれた魔戒騎士となり、ホラー態を持つホラーとも渡り合える強さになっており、赤鞘にもギミックが追加。鞘と鍔を打ち鳴らすことで手裏剣にも似た十字状の刃を展開、投擲し攻撃する芸当もやってのける。
人を救うために己の身を省みず、魔戒剣を投げつける戦法も取ることがあり、導師の位を持つ秋月ダイゴからはそれを嗜まれたこともある。

流牙はモノに触れることで、それから流れる『声』を聴き取ることができる。『闇照』を例に挙げると…
  • 第1話ではボルシティの像に触れ、街自身が発する『声』を聞く。また、花嫁の手にしたブーケから流れた花弁からホラーの陰我を探知している
  • 第6話ではインディーズバンドのボーカル・シンが『Bright Hope』を歌う際、ギターを弾くピック(ホラーの鱗)からホラーの邪気だけでなく、母のためにメジャーデビューにかける彼の想いを聞く
  • 第9話『乱 Sonshi』では魔導ホラーの本性を見てリベラに食い殺されたフリージャーナリスト・風見泰人の拳銃からその断末魔を聞き取る
  • 第13話『狩 Hunting』では魔導ホラーの『保存食』の保管庫で幸せを手にせず無念の死を遂げた者たちの声を読み取る
  • 第19話『光 Hope』では第18話『闘 War』の尊士との決闘で弾き飛ばされた牙狼剣の『声』を耳だけで感じ取り、奪回に成功。正式に牙狼の後継者として認められる

…と、物語に大きく関わっている。

楠神流の戦法など、それなりの知識を心得てはいるが魔界語に関しては苦手。
何でザルバに聞かないの?と思った人もいるだろうが、『闇照』第2話で符礼法師に返却した後は終盤まで会話する機会すらなかったので仕方がない。

開始当初の流牙は我々が知っている牙狼のように強い戦闘力を持ってなく、華々しい戦功を挙げている訳ではない。
また、名前もありかつ怪人態を持つホラーに苦戦することも多かったが、
幼い日に母とかわした『牙狼の鎧に金色を取り戻し、誰もが認める黄金騎士になる』という約束が決して諦めない彼を突き動かす原動力になっており、
『闇照』第11話『虜 Desire』にてクラブ『Paradise』に潜むケガレシア陰我ホラーに過去の古傷を抉られても「俺は自分の傷も、孤独も、自分で乗り越えてみせる!」と振り払い、
『闇照』第18話ラストで尊士に両の眼を潰され、第19話で投獄されても檻の中で失った視力の代わりに聴力と触覚で修業を行い、
投げた石が起こす反響音と銃器の音を頼りに脱獄、その後牙狼剣の奪回に成功し、檻の中での訓練が実り尊士に勝利したことでもその不屈の精神が感じられるだろう。


【性格】

一見とっつきづらそうな印象を受けるが、本質的には明るく人懐っこい笑顔の印象的な好青年。*1
そこ、っぽいって言わない。

『闇照』第1話冒頭のインパクトで忘れがちだが、この後ボルシティのSG-1からの逃走の際見せたやんちゃぶりや、
トラックに乗って「じゃあねーっ!!」と元気よく手を振る仕草、
そして回想シーンでヒッチハイク相手のパンチ佐藤と一緒に初代OPを陽気に歌う場面で

流牙「いいねえ!何の歌?」
パンチ佐藤「え?知らねぇの?昔流行ったらしいよ!?」

とノリノリで歌う場面の後、助手席に運賃代わりの一輪の花を置く場面を見ることで印象がガラリと変わるだろう。

また、『闇照』第9話でリベラの策略で指名手配にされるまでは
  • 大道芸人と一緒にジャグリングをする
  • チェスをする老夫婦に興味津々
  • ボルシティのハンバーガーを食べて美味しそうに目を輝かせる*2

…とボルシティの人々と気さくに交流する場面から本来は好青年だというのが感じられる。

これは幼い頃、母の温もりに抱かれて育ち、10年も社会から遠ざけられて修行し続けたことの反動か、
流離いの旅を続けながらも人と人のぬくもりや繋がりを求めていることの裏返しなのかもしれない。
『闇照』では逃走中にうっかり傷付けてしまったSG-1隊員を気遣い謝ったり、『GS翔』ではホラーから救った少女ユキから姉のリサを探してほしいという依頼を迷いもなく引き受けるなど、シリーズを通して優しさを感じさせる描写も多い。
ライブハウスに飛び入り参加して歌を歌ったり、とあるクラブで情報を聞き出すためにダーツ勝負で勝利するなど、やや型破りなこともする。

しかし、その生活を奪い去る存在・ホラーを前にすると表情を一転。
ホラーを狩る者、人を守りし者として怒りの刃を振るうのはどの魔戒騎士も共通している。
かつては尊士により魔導ホラーにされた燕邦に対しては内心切ることに苦悩していたこともあり*3魔戒騎士としてはまだ甘さが抜け切れなかったが、悩みつつも最後には燕邦を救うためにきっちりと斬っている。

7歳の頃、魔戒法師・符礼によって魔戒獣の一種たる羅号と共に10年間無人島で修業させられ、牙狼の鎧と契約を交わす直前に「たとえ親しいものであっても斬らなければならない時には斬る」という覚悟を身につけるための最後の試練として羅号を切るよう命令される。
この時羅号に術を掛けて自分を襲わせ、10年間苦楽を共にした友といえる存在を自身の手で殺させられたことが原因で符礼に激しい憎しみを抱いていた。羅号の死後、牙の一部分は流牙の衣服のアクセサリー*4となっている。
その苦すぎる記憶は
  • 『闇照』第3話『迷 Dungion』では見ず知らずの自身にボルシティの情報を教えた猛竜を囮に使った哀空吏に激怒
  • 『闇照』第9話では風見の遺品を突き出された尊士に怒り、戦いを挑むが敗北
  • そして『闇照』第10話『誓 Promise』ではボルシティハイスクールに通う呉島光実にそっくりな坪井浩樹の前で「私の学園に落ちこぼれは必要ないのよ!!」とホラーを見たクラスメートの北島遥とその一家を食い殺したと嘲笑するハリケンブルー教師・遠山に対し「ふ・ざ・け・る…なァァァァァッ!!」と怒りの刃を叩き付ける
…という形で、他者を道具のように扱う者や人を踏みにじるホラーに対し怒りを爆発させるクセとなり、『GS翔』第6話『額』のように莉杏に諭されたこともある。
そして羅号のトラウマは第17話『鏡』にてアミリの策略で魔鏡の空間に閉じ込められた際、流牙自身の心の闇が巨大な怪物*5として実体化し襲い掛かることになる。


切り裂いてやるよ…!!


◎【黄金騎士牙狼】◎

流牙が魔戒剣の切っ先で頭上に円を描くことで召喚される、ホラーを倒す必殺の『牙狼の鎧』。
装着可能時間はお馴染み99.9秒で、魔戒剣が牙狼剣になるのも鋼牙のものと同様。
かつては全身に金色を身に纏っていたが、かつて起きた大きな戦いで人々を守るために輝きを解き放ったことが原因で劣化、
流牙が纏うものは際は頭部と一部の胸部装甲を除きかつて暗黒騎士と呼ばれた者が纏った鎧のごとく黒ずんでいる。
腰部も牙狼の紋章の▲マークではなく弥生時代の銅鏡に似た模様となっている。
魔導火および瞳の色彩は

烈火炎装も使用可能だが、使用したのは三人同時かつ回数は第13話ラストと第23話『輝 Gold』の2回(その内実戦での使用は第23話における尊士との決戦時のみ)と少なかった。

今作における魔戒騎士の鎧は、古代の法師に封印された『殺戮の闘将』の異名を持つホラー・ゼドムの骸から抽出した種を
選ばれた法師に植え付け、プラントを経て実として成長させることでソウルメタルに変化し、それを加工したものという設定になっている。
所謂鋼牙狼シリーズと『道外流牙シリーズ』は公式で別の世界と語られているため、鋼牙狼シリーズでの設定とは異なる。


誰……?誰なんだ……?母さん……!?


牙狼・翔(闇照)

魔導ホラーを斬った瞬間、発せられる金色の光を浴びて一瞬だけ変化する姿。
変化する際、眩い光を受けたかのように流牙を苦悶させたが、その戦闘力は不明。
また、苦悶する流牙の脳裏に幼い日の記憶が浮かび上がるが、
これは幼い姿に変えられた波奏が『古の歌』で金色を育て、それをプラントを生み出す際に植え付けていたころによるもの。
それは魔導ホラーをも強化させる諸刃の剣でもあったが、波奏は必ず流牙が全ての魔導ホラーを斬り牙狼に黄金を取り戻してくれると信じて、
滔星に操られながらも無意識で行っていたのだった。


母さん……黄金の鎧です。叶えたよ……母さんと俺の夢!


牙狼(流牙)

『闇照』第23話で最後の魔導ホラーたる尊士を斬り倒し、金色をすべて取り戻した牙狼の鎧。
これまでCGだったものが今まで見慣れたスーツになり現れる姿は視聴者を驚かせた。
瞳の色もから朝焼けの光を帯びたような橙色に変わっている。
魔戒剣の鞘と柄も白からに変わっており、流牙はこの時代で本来の力を取り戻した牙狼の継承者と認められたことになるが、それは同時に母との永遠の離別を意味するものでもあった。

劇場版『GS翔』では電脳九龍城を牛耳るムラドがその姿に驚愕したように、黄金騎士の伝説の実現はホラーにとっても衝撃的なようだ。


牙狼・翔(GS翔)

劇場版『GS翔』で強化された牙狼の鎧。
邪気のたまった牙狼の鎧をラインシティの魔戒法師リュメが浄化し、流牙が纏った時により戦闘的かつ鋭角的な姿に変化、TVシリーズでもこの形状で戦うことになる。
必殺の牙狼剣の形状もやや幅広い形に変化しており、流牙のための牙狼という趣が強くなっている。
烈火炎装も健在で、莉杏との連携によりその戦法・威力は変化する。
『GS翔』第10話『雷』では、電波を操るホラー・ゼラーザの放電を受けながらもそれに耐え、『闇照』後期OP『一触即発~Trigger of Crisis~』のインストと共に牙狼剣に収束させ巨大な金色の狼にも似た強力な衝撃波を放ち撃破した。


俺は知り、受け入れた。弱さを含めて、俺自身であると。
そして……人の心には光もある。希望という強い心だ!
心の闇はその光で、自分を思ってくれる誰かの光で……打ち消すことができる!!


牙狼・闇

『GS翔』第18話『闇』に登場。*6
闇の怪物に打ちのめされた流牙が莉杏の声により脱出し、己の闇を受け止めた時に一時的に変化した姿。
かつて流牙自身が纏っていた漆黒の牙狼にも似ているが、橙色の瞳と牙狼の紋章があるのが最大の特徴。
背中からは『GS翔』後期OP『EMERGE~漆黒の翼~』の歌詞にもある漆黒を纏った翼を生成し、飛翔することも可能。
ラダンの間から空中に場を移し、悪魔にも似た羽と尾を生やしたジンガと激闘を繰り広げ撃破、後に飛翔する際には自らの意志で変化するようになった。
バンダイから発売された魔戒可動『黄金騎士 ガロ 流牙Ver』に付属されているマント、およびsansei社のパチスロ『金色になれ』に登場した真月・牙狼が元と思われる。
『金色になれ』でも見られた月光を背に漆黒の翼を生やす、『GS翔』第18話の空戦シーンは必見。

なお、流牙は現在ホラーを100体送還していない状態なのか、魔導馬・轟天の召喚には至っていないが、『GS翔』第20話『王』では牙狼・闇の状態のまま魔戒法師ガルドの術で生み出された炎の馬を見事に乗りこなしアミリの張った闇の結界を突破した。


その絆

流牙に関連する人物と、彼との関係。

◎闇を照らす者◎

  • 符礼
流牙の師であるが、7歳の頃羅号と共に10年間無人島で修業させ、
最後には羅号を斬るように仕向けられたことから彼に激しい憎悪を抱いていた。
その憎悪は第2話で猛竜の前でなぜ符礼を嫌悪するかと問われたら「うるさい、臭い、鬱陶しい!!」と吐き捨てたほど。
第20話『母 Mother』にて波奏を守れなかった後悔を胸にしながらも二人の夢を叶えるべく流牙を助けていたという真実を知った際に和解、
第22話『礼 Master』ラストで符礼も流牙に「絶望の中から俺を救ってくれた」と感謝し、彼らにすべてを託しゼドムの封じられている地へと向かった。

  • ザルバ
ご存知、歴代牙狼と共に戦い抜いてきた歴戦の魔導輪。
流牙を認めておらず、正式な契約を交わさず口を交わす事もほとんどなかった。
しかし『闇照』第18話で視力を失いながらも決して諦めず牙狼剣を取り戻した流牙を遂に認め、正式に「協力する代償として一ヶ月に一日命をもらう」というお馴染みの契約を交わす。
『GS翔』でリュメに鎧を浄化して以降、彼女の術により頭部にカバーが被され、リュメのいる地へと向かう通路を開く役割を持つ。

第2話『波 Gold Wave』冒頭でボルシティに来て間もない流牙をバイクで颯爽と救出、彼に街の情報やSG-1、そして街を支配する金城グループの存在を伝える。
その後、符礼に対する流牙の不満をしっかり聞いた後気に入ったと称し、ザルバにも興味を抱いたり、金色の光を受けて苦しむ流牙を気遣ったり、第18話では流牙の身代わりに右手で魔導ホラーの種を受けたり(すぐさま切り落とし、第22話で義手を得るまで左手だけで戦うことに)、と守りし者の仲間として流牙を誰よりも気にかけていた。

魔戒騎士の名門・楠神家の出身からくるプライドによるものか、最初は黄金を失った牙狼の鎧を纏う流牙とお調子者の猛竜を快く思っておらず、二人を『出来損ない』と見下すほど関係は最悪だった。
しかし、第13話『狩 Hunting』で楠神流の弓術が通じない魔導ホラーを前に苦悩する際、流牙が「矢を何本に束ねてぶっ刺せばいい」と言ったことで吹っ切れたのか、
泥まみれになりながらも魔導ホラーを文字通り矢を何本も束ねて突き刺し、彼に撃破のチャンスを作らせたことで和解。
第19話にて流牙を「諦めを知らない馬鹿」と評しながらも、自身もその類の人間であると認めた。

  • 莉杏
魔戒法師らしからぬ都市型ギャルで、当初は「男は金」という守銭奴な面が目立っていた。
第11話にて、「莉杏は嫌な女なんかじゃないよ」と言われたから流牙のひたむきさに感化され、彼の理解者となる。
第15話『謎 Hint』では流牙が旅をし続けながら街が見える丘でドリームキャッチャーを意識した簡素な墓を作ってきた事を知り『安穏の儀』という弔いの儀式を披露。
最終回『照 Future』では、ゼドムとの戦いを終えた後、あらゆる者の運命を狂わせた金城滔星に、「こんな奴に黄金騎士の剣じゃ勿体ないわ」と流牙に代わって魔戒銃でその陰我もろとも引導を渡した。
後に「波奏さんのように黄金騎士を支える法師になる」ため流牙のパートナーとなり、彼の旅路の連れ添い人になる。
『GS翔』では憑依されたジンガに秘めた想いを利用される、流牙に『魔戒法師の里・閑岱(かんたい)を復活させること』という夢を語ったりと、その関係は強くなると共に襲い来る試練もまた多くなっていった。

  • 燕邦(えんほう)
SG-1の女隊長。第1話冒頭で金城ホテルで発生した花嫁殺害事件を操作する際流牙と遭遇。
第4話『夢 Dream』にて調査隊に絡まれた莉杏を救ったことから奇妙な縁が始まり、金城滔星の経営するステーキ屋でホラーの存在に気づき彼の理解を深めるが、
第5話『夢 Nightmare』で魔導ホラーにされ、部下兼愛人の吉富を食い殺し、流牙を敵とみなし度々衝突を繰り広げる。
やがて、第21話『義 Justice』にて流牙の刃で葬られる。その後流牙が残された彼女のペンダントから人としての残留思念を聞き取った後、彼女を魔導ホラーとしてではなく人として弔わせるために莉杏は法術で彼女に化け、リベラに怒りの銃弾を浴びせたのだった。

  • 波奏(はかな)
流牙の実母たる魔戒法師であり、符礼とは幼馴染の関係だった。
金色の輝きを失った牙狼の鎧を修復するため、ゼドム復活の儀式を行うが金城滔星に襲撃されて操られ、その種を生み出す苗代にされてしまう。
後にボルシティの遺跡内で符礼に救われ、尊士の戦いに敗れ視力を失った流牙と再会。滔星とゼドムと戦う決心と共に彼に光を与え、代償として自らが光を失った。
長年ゼドムの種をその身に受けたことでホラーに変化しつつあり、ゼドムの復活と同時にホラーになってしまうという運命を背負ってしまう。
「黄金の牙狼に会わせて」と約束し、最終的にその願いは叶ったが、既にゼドムの復活は避けられない状況にありその時は同時に人としての最期を意味するものだった。
流牙に自身を斬るよう懇願しながら、「何があっても生き抜いて。願いは一つ…この目にあなたの未来を…たくさんの笑顔を映して」と最期の約束を交わし、人として死んでいった。
第24話、ゼドムとの戦いを終えた後、ボルシティの中心たる女神像にドリームキャッチャー状の簡素な墓が建てられている。
ちなみに、幼い日の流牙と波奏の記憶に鋼牙狼シリーズのヒロイン・御月カオルの絵本がちゃっかり登場しているのにもチェック。


-GOLDSTORM-

  • リュメ
流牙と莉杏が立ち寄った、ラインシティを統括・守護する魔戒法師。
かなりの高齢だという事を忘れさせるほどの強力な法力の使い手で、彼女にしか騎士の鎧にたまった邪気を浄化することができない。
劇場版では流牙の記憶を介しその辛さを労わる、テレビシリーズではジンガのアジト内のトラップにかかり陰我ホラー・ゲルダイナに苦戦する流牙らを救うため自ら出陣する、と常に全力で協力していた。

  • D・リンゴ、ユキヒメ
口は悪いが面倒見のいいケバブ屋のマスターに『お姉チャンバラ』シリーズに出てきそうなテンガロンハットにトップビキニ&カットジーンズと露出度の高いおかみさん。実はとある魔戒法師の借金を張り倒して魔戒の文献を入手しており、それゆえか無数の魔導具も流牙らに提供している。
劇場版ではラインシティの広場で流牙と莉杏と知り合い、特製ケバブの味を褒められている。TVシリーズでは第2話『炎』にて再会した時は、ケバブ屋をやめて骨董品屋を営んでいたため、「どうしてケバブやめちまったんだよ~?」と流牙をかなり落胆させていた。

劇場版『GS翔』にのみ登場する、古の魔戒法師たる双竜(そうたつ)の手で作られた人型魔導具。
落雷を受けた衝撃で復活、古のホラー・デゴルを利用し双竜の夢だった『ホラーのいない世界』を創り出すために人類消滅を目論むが逆にデゴル復活の依代にされる。
やがて、牙狼・翔を纏った流牙の想いと呼び声に応え、必殺の武器たる号殺剣を彼に託しデゴルと共に消滅した。
彼の右腕に施された歯車にも似た紋章は流牙が預かっており、TVシリーズ第2話にてDリンゴの下に返却された。

道師の位を持つラインシティの魔戒騎士で、未来の魔戒騎士の教官でもある。
TVシリーズ第5話『斧』で陰我のたまるオブジェと化した廃ビル内で流牙と莉杏と邂逅、魔戒騎士の命たる剣を手放す彼の戦い方を批判する。
莉杏の術で廃ビルを魔界に送還した後、「本当の敵はすぐそばにいる。心の中の……隙だと流牙に警告しその場を去った。
しかし、第9話『羽』で兄弟子の檜葉セイジをジンガに殺されたことで復讐の念に駆られるが、セイジとその教え子のような悲劇を繰り返さないために流牙らと同行、ジンガとアミリのいるアジトへと向かう。

  • ガルド
ラダンを封じた二人の魔戒法師を輩出した『火群(ほむら)の里』出身の魔戒法師。
幼い頃、闇に堕ちた魔戒騎士に故郷を滅ぼされたことから流牙らを信用しておらず、ジンガ&アミリとの交戦で赤と青の宝剣がひとつになる機会を狙い、奪い取ることに成功する。
しかし、第12話『絆』にて宝剣を狙うジンガの罠に嵌まり囚われた自身と妹のハルナを救ってくれたことと、己の使命と向き合い戦う流牙と莉杏の心に触れたことで、共にラダンの封印を決意する。

  • ハルナ
魔戒法師ガルドの妹。
ブリキの人形を模したブローチ型の魔導具を介して兄をサポートしていたが、陰我ホラー・ヘデラに命を狙われる。
間一髪のところで流牙と莉杏に救われるが、「死ぬ覚悟はできている」と気丈に振る舞う。
そんな彼女に流牙は「死ぬ覚悟より生きる覚悟だ。生きていれば、傷だらけでも大切な人に会うことができる」と諭し、ガルドが救われて以後は共にラダン封印のため彼らに協力する。


【仇敵】

流牙の倒すべき因縁の敵。

  • 尊士
表向きは金城グループ総裁・金城憲水に仕える魔導ホラーだが、真の主は金城滔星(かねしろ とうせい)。
『闇照』第9話で魔戒騎士が纏う鎧にも似た魔導ホラー態を披露、流牙らが三人がかりでも倒しきれないほど圧倒的な強さを見せつけた。
実は魔戒騎士であり、符礼とは顔なじみだった。
流牙は尊士に敗れたことで己の未熟さ、魔戒騎士が勝つことの意味を心身共に叩き込まれたことで、その強さもあって敬意を抱いていた。
『闇照』第24話での決戦で「ホラーでない、騎士のあんたと戦いたかった!」と本心を伝えつつ、激戦の末に勝利を収めた。
その敬意は、『GS翔』第5話『罪』にて、魔戒剣を手放した流牙が左右の手を交差し、右の拳を後ろに引いて左掌を前に出す彼のファイティングスタイルを取る姿から明らかである。

  • リベラ
金城グループの放送局の花形ニュースキャスター。
その正体は金城滔星に従う魔導ホラーの一体で、『闇照』第8話『乱 Scoop』の回想で風見の恋人を食い殺しただけでなく、『闇照』第9話で風見が写真に収めた流牙と陰我ホラーの戦いを意図的に編集し流牙を指名手配に仕立て上げた。
同話で風見も食い殺したことも加え、『闇照』第12話『報 Trap』で「正義とは守るものじゃない、作るものよ」と持論を莉杏に言うものの彼女と流牙のペテンにかけられ舌を斬られたことで、尊士と共に流牙たちの因縁の敵となった。
後にその舌は魔導ホラーを探知する鈴へと変化するが、皮肉にもそれが『闇照』第22話で流牙らのアジトを探知される事になる。
最終的にはアジト内部で流牙ら三人と乱戦、「お前たちがいなければ…この街は秩序が保たれた平和で美しい街であったのに!」と憎悪をむき出しにするが「何のための平和だ!何のための秩序だ!!」と怒りに燃える流牙の刃で切り裂かれた。

  • 金城滔星
ボルシティでステーキハウスを営む金城憲水の四男だが、母方は兄と異なる。
その正体はゼドムの骸からプラントを入手し、魔導ホラーを生み出した張本人。いわば、『闇照』の黒幕。
母方は魔戒法師であり、彼の魔戒騎士に関する豊富な知識もその賜物だが、彼女自身は夜な夜な男と遊ぶあばずれで滔星自身も軽蔑するほどだった。
ある日、彼女の「滔星、誰よりも強い男になるんだよ。誰よりも力を持った男に」という言葉がすべてを狂わせる。
実の母をホラーにしたことで、他者を自身の操り人形たる魔導ホラーにする快楽に目覚め、ゼドムのプラントを得て尊士をホラーにし狂気と欲望の赴くままボルシティの影の支配者となる。
思い通りに事が運ばなくなると子供っぽく激昂し地団太を踏む癖があり、最終的に強すぎる陰我をホラー素体に見出され憑依されたが、流牙の魔戒剣よりも早く莉杏の銃弾で命乞いと共に呆気なく葬り去られた。

  • ジンガアミリ
『GS翔』TVシリーズを通した敵で、第7話『術』で流牙と莉杏と対峙。
傲岸にして不遜、狡猾にして残忍なジンガと、彼に付き添いホラーを強化させる胡蝶を放つ無口で妖艶なアミリ。
ジンガとアミリはかつて特定の管轄を持たない流離の魔戒騎士と魔戒法師だったが、とある村に立ち寄った際、一人息子のユウトをホラーの生贄にされたことで絶望、
ガルドとハルナを除く村人を皆殺しにし、夫婦共に「ホラー喰いのホラー」に堕ちた。
やがて、自身らが喰らい更なる力を得るためにかつての滔星のごとく人為的に陰我ホラーを増殖し続け、伝説の魔城・ラダンを蘇らせた。
ジンガの目的は『人間の命と死を支配する存在になる事』であり、当初は息子の復讐も考えていたがホラーに堕ちて以降はどうでもよくなり、
陰我と狂気の赴くまますべての破滅を求めていった。




余談

牙狼シリーズでも幾度となく試練とその成長が強調された流牙狼シリーズだが、
流牙を演じる栗山航氏も「歴代牙狼の中で最も動ける魔戒騎士」と現場から好評価を得ている。
栗山氏もまた、肉体改造に励んでおり独自の筋トレで肉体を磨き上げていった。


この努力が実ってGS翔で成長した流牙の雄姿が堪能できたと言っても過言でもない。
また、この筋トレ趣味が高じたのか、2015年11月23日にファミ劇とニコニコ生放送合同で放送された「金狼感謝祭2015」では
牙狼-GARO- 魔戒ノ花』第18話に初登場、『劇場版 媚空-ビクウ-』で主役を務めた媚空役の秋元才加女史の肉体構築トークを聞いて「俺、負けてらんねー!」と感嘆。
どこからともなくステージにおかれたベンチで初対面、恋愛映画で流れるような「EMERGE~漆黒の翼~」のアレンジBGMをバックに夢の筋肉トークを繰り広げた。そこ、莉杏涙目とか言わない。

『闇照』第19話は栗山氏を含めた主役格のキャスト4名もお気に入りの回として挙げており、猛竜役の池田純矢氏もオンエア時に観て「終盤に来て(鎧の)召喚しないシーンがあそこまで熱いのってすごいよね」と評価している。
一方で栗山氏もこの話をベストに入れてはいるが地味に『闇照』第1話も好きで、画面に自身の姿が映り、名がクレジットされるだけで感動したとのこと。莉杏役の南里美希氏もまた、『闇照』第1話で流牙がガラスを突き破って花嫁を斬り倒す演出に感動、「あんな映像見たことないからさ、日本のドラマで」と評価している。
なお、『闇照』第19話で流牙が失明しながらも牙狼剣を探しボルシティを駆け抜ける場面だが、ビルからビルへ、建物から建物へとジャンプする場面を横山監督が撮影している。
どういうものかというと、横山監督がワイヤーで吊られながら、全身を使ってカメラを回し流牙を追いかけるというもの。
この場面が横山監督が『闇照』で唯一カメラを回したものであり、徹底したライブアクションへのこだわりが感じられる。

『GS翔』において、栗山氏は『流牙をいちから作り上げた感覚がデカい』と称している。
『闇照』の流牙はどちらかといえば『子供っぽい』*9イメージが強かったが、それを取っ払ったわけではなく、『黄金騎士になった流牙はどんな感じで進むんだろう』と模索しながら熱演。役の思い入れが強い。


流牙「俺たちの追記・修正は始まったばかり……これからだ!」

莉杏「……うん!」

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最終更新:2024年03月01日 01:24

*1 『闇照』の総監督を務めた横山誠氏曰く「鋼牙が不愛想だったので今回は笑顔が似合う主人公にしよう」というコンセプトでこの路線になった。

*2 基本的に美味いものなら何でも食べる方なのか、第1話冒頭でも投げつけられた北京ダックにもかぶりついた事も。『GS翔』ではDリンゴのケバブの味を気に入っていた。

*3 その結果被害が拡大、金城憲水のみならず、幼い子も含めたその血縁の者まで喰われてしまい再び指名手配にされてしまう。

*4 『闇照』では首からぶら下げたペンダントとして、『GS翔』ではジャケットの左胸部に施されている。

*5 CGモデリングは劇場第2作『蒼哭ノ魔竜』に登場した赤ノ犬の流用。

*6 雨宮監督のTwitterによると「『闇』は『オン』と読む」とのこと。

*7 季刊『宇宙船』vol.152 付録『宇宙船 YEARBOOK 2016』より抜粋

*8 いわゆる動力源。この光がないとラダンが完全に力を発揮できない。

*9 ファミリー劇場限定の座談会『魔戒指南Bar』にて、ガルド役の中島広稀氏がこう評している。