ゲドラフ/ブルッケング

登録日:2014/10/31 (金) 13:35:00
更新日:2024/04/03 Wed 13:55:19
所要時間:約 7 分で読めます





ゲドラフ/ブルッケングとは、ザンスカール帝国が開発・運用した汎用量産型MSである。
厳密には系列機ではなく、開発の系統樹としては別枝に属するんだけど、単独じゃ項目作れないからね……

ゲドラフ

型式番号:ZM-S24G
所属:ベスパ
生産形態:量産機
全高:13.8m
本体重量:6.9t
全備重量:17.4t
出力:5440kW
スラスター総推力:60,910kg
装甲材質:チタン合金ネオセラミック複合材
武装:ビームライフル(マルチランチャー)
   ビームサーベル×2
   ビームシールド×2
搭乗者:ルペ・シノ
    カテジナ・ルース
    アジス・バギ
    フォント・ボー(一時的)

概要

地球クリーン作戦の中核戦力として、タイヤ型支援兵器「アインラッド」と同時期に、その使用を前提として開発された。
アインラッド内部で直立姿勢を取れるように設計されているため、全高はこの時代でも小柄。
両腕にビームシールドを懸架しており、大半がビームローター装備のベスパ機としては珍しいが、これはアインラッドの装甲死角である側面をカバーするため。
アインラッド使用時には驚異的な強さを発揮するが、単体ではサイズ相応の汎用機でしかなく、奪われたり破壊されると途端に弱体化するのが悩みどころ。
実は開発開始はブルッケングの方が先(そのため型式番号もブルッケング→ゲドラフの順)だが、携行型アインラッドの開発が難航したのか、実用化と実戦投入はこちらが先。

武装

○ビームライフル
携行ビーム火器としては珍しく、ブルパップ型に近い形状。また、やけに丸みをおびた、悪く言えば水鉄砲めいたデザイン。アインラッドに乗った状態での取り回しを考慮したため、砲身が短い。
銃身下部左右にマルチランチャーを1基づつ備えており、見た目の割に高い対応能力を持つ。

○ビームサーベル
特筆すべき点のない白兵戦用装備。そもそもアインラッドで体当りしてることが多かった……というかサーベル使ってたっけ?

○ビームシールド
本機にとってはある意味生命線とも言える装備。アインラッドの側面装甲を兼ねるだけに、高出力型の可能性が高い。またいかなる原理か不明だが、劇中で一度シールド基部からメガ粒子砲のような高出力ビームを放ったことがある。カテジナ曰く「こう使うもの」だそうな。

アインラッド

タイヤ型サブフライトシステム(SFS)。MSと連動することで火力・防御力・機動性の全てを強力にサポートする。
見た目はアレだが、慣れてしまえば全SFSの中でもトップクラスに高性能。特に正面と後方の防御力が異常なほど高く、一般的なビームライフルでは全く歯が立たない。一方で側面には乗り降りを考慮して装甲などは備わっていないが、乗り込んだMSのビームシールドを展開することで内部のMS本体をほぼ完全に覆うことが可能である。
固定装備は上部の9連装ミサイルランチャーと上部側面のビームキャノン2門。
タイヤとMS登場用のステップはミサイルランチャーの接続部を起点に半分に割ることもでき、その状態で正面からビームライフルを撃ったり、機体ごと振り回して質量兵器めいた攻撃をすることも可能。また、単純に突撃するだけでもMSを破壊できる。

SFSに共通する欠点として、奪われると敵にも恩恵を与えてしまうというのは健在(高性能な上に火力もあるだけに奪取された際の損害が大きい)であり、実際にウッソに奪われた挙句ベスパの誰よりもうまく扱われ、大損害を受けたことも。
開発当初から懸念されていた問題ではあったが、有用性を重視し分離型を先行投入する事となった。

また、作中では先んじて実用化されたビームローターに取って代わるような状況となったが両者は互換的な存在ではない。
こちらは単純な戦闘性能向上の装備であるのに対し、あちらはMSの長期航行に推進剤を不要とする*1
どちらも画期的ながらその方向性は全く異なり、後者が消えたのは戦況による需要の変化が大きい。

性能と引き換えに軽量・携行化されたブルッケングのアインラッドには射撃兵装がなく、機動力と強固さに任せた体当たりをメインとする。
2つのアインラッドを並列接続し、収納式カッターをタイヤに増設したツインラッドという派生機種も存在する。

物語終盤になるとザンスカール量産機の多くがこのアインラッドを使用するようになり、巨大なタイヤが陸海空を問わず戦場を駆け回るという、字面だけでは非常にカオスなことになっていった。
科学の発展と長く地球を離れ他人々の変化を来たした精神性や美的感覚を考えさせる風景であった。

ゲドラフや後述のブルッケング以外では、近衛仕様のリグ・シャッコー、ゾリディアなど。ツインラッドの方はバイク大好きイクさんことドゥカー・イクが率いる艦隊のドムットリアなどが使用している。

なお、異様な強度や「軸のない二層構造の輪の外側だけを回転させる」という特異な挙動について詳細が語られたことはなく、未だ謎に包まれたザンスカール驚異のメカニズムとなっている。

劇中での活躍

ザンスカール本国空襲後のリガ・ミリティア追跡任務に当っていたルペ・シノ隊の主戦力として登場し、幾度となくウッソ達と交戦した。特に初登場時にはウッソのコアファイターを捕えるという大金星を上げる。カテジナさんがアインラッドで生身の警備員を蹴散らしたりもしたが。
主な戦果としては、月面での交戦時にカテ公の機体がミューラ・ミゲルの拉致に成功。その後は地球クリーン作戦以降のベスパの主戦力として、色々な戦線に顔を見せている。

敵勢力主力機の性として、モブキャラには無双するがメインキャラにボコられるのは変わらず。
なぜか真正面からビームライフルで撃墜されたり、高速ですれ違うその瞬間に、唯一むき出しのシールド基部をサーベルで突き刺されてアインラッドから蹴り落とされるというほとんど大道芸と言っても過言ではない方法で倒されたりもしている。

また、シュラク隊のコニーさんやマーベットなどには「タイヤが空を飛ぶな!」と実にごもっともなツッコミを頂いた。

ゴーストにおいても登場し、エンジェル・コールをめぐる戦闘に参加した。
キンケドゥX-0で戦った時は推進剤が切れかけピンチになるも、フォントがアインラッドを強奪しX-0がそれに乗ることで機動力を補った。
その後蛇の足に戻る際にもちゃっかり使用し、最終決戦ではバタラの追加装備として活用された。


ゲームでの活躍

ラスボス機を差し置いて参戦。コストは2000。
格闘CSで突撃モードへ移行できる。この時の機動性はかなり高く、オーバーヒート状態でも一定時間使えるので逃げの一手としては優秀だった。
更にサブ射撃のビームガンは、振り向き撃ちをすると自動落下できる性質を持っていたので、着地ずらしや振り向き硬直をカットする貴重な武装。
火砲が多いが機動性の低さと体躯の大きさが難点で、ここをどうカバーするかで後衛機体としての役割を担えるかが変わっていた。

  • 機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST
NEXT以来の復活参戦となる。コストは2000。
射撃CSで突撃モードへ移行する仕様はそのままに、格闘CSでアインラッドを横にしてその上に乗っかる浮遊モードが追加された。この浮遊モードではメイン射撃が三連射可能になったり、下方への爆風付きビーム照射など重武装が目立つが機動性は損なわれる。
覚醒技は敵機を捕まえてアインラッドで轢き続けるというもの。一応全機体満遍なく轢くため、ナイチンゲールのような大型機体であってもグルグルとタイヤの下で回り続ける。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ONではサブ射撃の弾数が倍になるという嬉しい修正があった。
ユーザーの検証によりゲドラフの覚醒技中に味方が掴み技で敵機を攫うとその後のダメージが入らなくなるという奇妙なバグが家庭用で発覚。
現行のアーケード版でも再現は可能なのかは不明。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2では、一部ステージでステージ外に脱出できるバグが判明したため、一時期使用できない処置を取られていた。
その後バグが直されたうえで使用も再開されたのだが、何故かその時新規参戦機体にしかつかない『NEW』の文字がつけられた。
なお、このバグ自体は過去作からあるものであり、ジオングなどで再現はされていた。

続編の機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでは、R覚醒のSA効果が射撃CS中に継続し続けるという長所を得る。元々側面には射撃ガード判定が、前面に格闘判定が常時付いているので相手にごり押せなくはない。



ブルッケング

型式番号:ZM-S21G/S
所属:ベスパ
生産形態:量産機
全高:14.1m
本体重量:13.9t
全備重量:25.1t
出力:5570kW
スラスター総推力:54,080kg
装甲材質:ハイチタン合金ネオセラミック複合材
武装:ビームライフル
   ビームサーベル×2
   アインラッド(携行型)
搭乗者:ルペ・シノ

概要

タイヤ付きだがゲドラフとは別系統で、ゾロアットを母体にセンサー系の強化と格闘能力を向上させている。ゾリディアとは密かに兄弟機の間柄。
背面に折り畳んだアインラッドを装備しており、必要に応じて展開・搭乗する。飛行の際に腰部周囲で横回転させているのがやけにシュール。
本機のアインラッドはバックパックのアームで物理的に結合しているため奪われる心配がなく、そもそも制御系の関係で本機以外には扱えない。
宇宙用の機体はアインラッド基部にバーニアを増設しており、若干だが機動性が高くなっている。
指揮官機は頭部にブレードアンテナを増設する。

武装

○ビームライフル
ショートバレルタイプの取り回しに優れたモデル。数値上の威力は不明だが、少なくとも実用的なレベルではあろう。
さり気なくフォアグリップも付いている。

○ビームサーベル
ごく普通の代物。量産機である本機に専用のデバイスを割り当てる必要性も薄いし。

○携行型アインラッド
運用的な意味で本機の生命線。ちなみに、本機のビームシールドはアインラッド側に搭載されており、搭乗しないと防御できなかったりする。
それ、欠陥ではないにしろ結構デカい欠点だよね?

○多連装ミサイルポッド
肩部ハードポイントに装着するオプション兵装。文献では6連装だが、イラストを見ると9連装だったりする。
で、結局正しいのはどっち?

劇中での活躍



もう逃さないよ坊や、あたしの夢はあたしのものにするんだわ

僕がルペさんの夢!?

そうさ……一生懸命になる坊やは浄化されたもの!夢なんだよ、あたしの…!

迷惑です!!


地球クリーン作戦終了間際にラステオ艦隊へ配備された機体がルペ・シノの最後の乗機となった。
連邦/リガ・ミリティア連合軍を強襲、旗艦「ジャンヌ・ダルク」へ肉薄するなど奮戦するが、エンジェル・ハイロゥ近郊での戦闘でV2に挑み敗北。ウッソを己の子供にすると言い、母として在ることを望み*2嫌がるウッソ本人の気持ちをガン無視して性的虐待レベルの接触やら強要やらを繰り返したルペは、最終的にそのウッソにビームサーベルをコックピットに突き刺されて死亡した。


僕っ……僕はあなたの夢にもなれませんよ!僕は誰の道具でもないんです!!


コックピットを損傷した本機は機器の誤作動なのか、それとも別の要因なのか、スラスターでその場から飛び去り、旗艦であるラステオに到達。損傷部分から盛大に炎を迸らせながら、司令でもあるアルベオ・ピピニーデンが搭乗したビルケナウに組み付き、ラステオとビルケナウ諸共に爆散した。
それ以降も量産機が最終決戦に至るまで登場し続けた。




追記・修正はアインラッドで地ならししてからお願いします。

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最終更新:2024年04月03日 13:55

*1 例えばゲリラ掃討に母艦を要せずMS部隊のみで大陸間レベルの距離を飛行しそのまま作戦行動に移る等の弾力的運用が可能となる

*2 「ザンスカール帝国にはルペの語るところの「つまらない男」しかいないため、そんな男との間に子どもを作ることを拒絶していた」、「何らかの要因でルペが子供を作れない身体だった」など諸説ある