SCP-076

登録日:2014/10/13 (月) 23:05:40
更新日:2024/03/25 Mon 11:57:27
所要時間:約 3 分で読めます




差出人: █████ █. █████博士
宛先: 記録情報保全管理局 マリア・ジョーンズ管理官
件名: SCP資料SCP-076の改定案について

私はSCP-076取扱手順の改定案に反対します。この改定案には安全上の欠陥があり、貴方も上が問題や過去の過ちを隠そうとしているだけなのはご存知でしょう。
Ω7が発生した。あれが存在した。貴方の失態で上が死んだら、もう隠せなくなります。

お願いします、上が隠す彼の存在、彼がしたこと。我々がしたこと。我々の過ちは皆が知るべきことです。



どれだけ怒りを重ねても、安らかな死は遠いまま。



SCP-076 とは、海外の怪奇創作サイト「SCP Foundation」にて創作されたSCPオブジェクトの一つである。
オブジェクトクラスは、収容困難を意味するKeter
項目目は『Able(アベル)』。

概要

SCP-076は破壊不能の黒い変成岩でできた立方体であるSCP-076-1と、その中にいる人型のSCP-076-2で構成される。
SCP-076-2はSCP-076-1に入っている間は死んでいるが、時折蘇生しSCP-076-1から出て来ようとする。
外に出てしまった場合、他の生命を一切無視して近くの人間を探す。
人間と接触すると活性化。後述する超人的な身体能力を駆使し、殺害されるまで出会った人間を片っ端から殺害する。

殺害し無力化した場合でも、塵となって消えSCP-076-1の中に戻るだけで、しばらく経つと再び復活する。

SCP-076-2の身体能力
  • 4分間の攻撃を耐え、鉄鋼で補強された安全ドアを引き裂く。
  • 64mの範囲内を3秒で排除。
  • 複数の12.7x99mm NATO弾で脳に酷い損傷を受けても、数分間殺戮を続行。
  • 鉄製の棒で、銃弾を叩き落とす。
  • 無酸素状態でも1時間以上生存。
  • 何もない空間からブレード状の武器を出現させる。

これまでに何度も収容違反(脱走)を繰り返し、そのたびに複数の方法で殺害されているが...


これまでの殺害方法

  • 複数の大口径の拳銃の継続した発砲。
  • 収容エリアを現場スタッフを巻き込んで24時間水没させ窒息。
  • 13.6tのSCP-076-1を載せたエレベーターで圧殺。
  • TH3焼夷手榴弾を直接胸腔に入れ焼死。
  • 逃げ遅れた職員を巻き込んで収容エリアを爆破、しかしSCP-076-1自体は無傷。(これまでで最悪のケース)

解説

数少ない人型のSCPの中でも単純に攻撃性、耐久性が高いSCP。
単純戦闘能力でこれ以上強い"だけ"のSCPを作ってはいけないという意味を持っているSCP-682に対し、こちらは人型SCPでこれ以上単純戦闘能力が強い"だけ"のSCPを作ってはいけないというボーダーラインとなっている。
そのため、これらのSCP以上に厨二でチートな存在を創作した場合、大抵はメアリー・スーあるいはX-MENもどき扱いされ、マイナス投票により削除されることが多い。
ただし、これはあくまで単純な戦闘能力が強いだけの場合であり納得できるだけの理由付けなどがされていれば削除されない場合もある。
実際に現実改変能力者、神や悪魔の類のような存在など能力が世界を滅ぼすようなSCPは普通に創作されている。

元ネタはおそらく旧約聖書の『カインとアベル』に登場するアベル。もう片方のカインもSCP-073として存在している。
SCP-073曰く『(財団に教えられる前から)SCP-076については全て知っている』、『SCP-076と自分は会わないほうがいい』と語っている。
実際、下記の計画時にSCP-076に対してSCP-073に関係する文章を見せた際には首に取り付けてあった安全装置よりも早く数人を殺害するレベルの攻撃性を見せたという。

『カインとアベル』においては、唯一神ヤハウェへの供物での1件での恨みからカインがアベルを殺害。
ヤハウェにそのことを隠したことが『人類が初めて犯した殺人と嘘』とされているが、彼らにもそのような因縁があるのだろうか…。

人間を軽視しその殺害を至福とするなど、理解しがたい精神構造を持つものの、知性はある。
自分が認めた相手に対しては普段軽視してる人間であっても例外として敬意を払う。
それは、彼を無力化することに幾度となく成功していた凄腕のエージェントがおり、とある収容違反の際に彼が居ないことに気がづくとそれを尋ね、殉職していることを伝えられると自発的に収監されるという1件で発覚した。
後にインタビューでそのことを尋ねると、「彼は臆病なお前達とは違い本物の好敵手だった、対戦を楽しみとしていた。(意訳)」と語った。

これを利用して彼を制御し、機動部隊として組み込む計画も立てられた。
SCP-076による人的被害を抑え、強力な機動部隊も手にすることができて一石二鳥というワケである。
結果は……
殺戮が至福であり、全てである彼にとっては機動部隊の仕事でさえも彼を精神的に惹きつけるのには不十分であった。
次第に他の隊員にあたり始め、隊員はそれを危惧しプロジェクトの停止を要求したが上の連中はそれを拒否。
最終的に、首に取り付けてあった安全装置を故障させ、暴走し殺戮を実行。
その鎮圧のために核弾頭で収容エリアを爆破することなった。
以後、彼の心理プロファイルは絶対に対話不可能という旨に改定され、この件に関する情報はすべて隠蔽。財団の黒歴史として扱われている。




その他、多数の実験記録が残っており、不死身のクソトカゲことSCP-682との戦闘記録のほか、
  • ブライト博士に○×ゲームを挑まれ、引き分けというものを認めるのに三週間もごね続ける。
    (これに関しては後にブライト博士が財団で二度としてはいけないことリストに追加された。)
    • ちなみにブライト博士はこれ以外でも「してはいけないことリスト」から確認できるだけで複数回アベルを連れ出した実験をやっている。最強決定戦とか。
  • SCP-447(緑のスライム)を添加したさわやかな飲み物を飲まされる。
    (後に緑のスライムの効果などを説明されると興味をなくした。)
  • SCP-458(触れた人間の好みなピザを生成するピザボックス)を彼に与えたら肉満載の特大ピザが出てきた。
    (具体的には、特大かつ厚い生地にミートボール、ペパロニ、ベーコン、カナディアンベーコン、ソーセージ、ハンバーグが乗ったピザ)
    偏食家なんだろうか?(聖書のアベルが神への供物に肉類を選んだ事が元ネタでは、との説も)
  • SCP-014-JP-Jしおづけぶたちゃん日本支部に収容されている堕天使の転生者)に兄弟揃って「F██eのパクリじゃないんですかこれ?」とか言われる。

など、凶悪さに似合わないシュールなものも多数。


追記・修正はSCP-076-2を無力化してからお願いします。


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最終更新:2024年03月25日 11:57