時をかける少女

登録日:2011/08/05(金) 22:03:25
更新日:2023/05/29 Mon 01:06:51
所要時間:約 3 分で読めます




●あらすじ
中学三年生の芳山和子はある土曜日、放課後の実験室で、ラベンダーの香りを嗅いで、失神。
気が付くと、昨日と同じ状況を繰り返している様な感覚に襲われる。
幼なじみの深町に相談すると「それはタイムリープという現象だ」と言われ‥


●概要
「時をかける少女」は筒井康隆原作のSFジュブナイル*1
何と雑誌連載は1965年、初版刊行は72年。
シュールかつ難解な作風の筒井作品には珍しく正統派で実直なストーリー(というか70年代以降は「SF」作品の執筆自体が減っている)。
後に「正直、書くのが苦痛だった」と漏らしている。…なので、83年映画版時にはタイアップネタとしてエグイメタ要素あり短編『シナリオ・時をかける少女』も書いていたり。
下記の通りメディアミックスの機会が非常に多く、筒井は「よく稼ぐ孝行娘」と形容している。




■72年にNHKで初めてドラマ化されて以来、幾度となく、実写映画、アニメ映画、TVドラマ化されてきた金字塔的作品である。

■映画ファン的には83年に大林宣彦監督、原田知世主演で公開された、いわゆる尾道三部作の一編が特に有名。
公開当時、原田の硬質で清楚なイメージやノスタルジックな演出が、ゆうきまさみや出渕裕、河森正治、とり・みき、かがみあきら等、
そうそうたる顔ぶれのクリエーターから絶大な支持を受けた。松任谷由実作の主題歌も大ヒット。

しかし当時の原田知世の無表情と一本調子の歌唱力が相まって、エンディング映像は相当な破壊力。
「とーきーをー」


■現在のアニヲタ的には細田守監督の2006年のアニメ版が有名。
原作ヒロインの芳山和子の姪にあたる(が、対照的に快活な)新ヒロイン・紺野真琴の魅力溢れる、新しい0年代の「時かけ」を産み出した。
真琴の性格といい、疾走感のある演出といい、これまでの「時かけ」とは一線を画するが、
男女三人の友情が少しずつ変化していく様子を丹念に描く等、大林版へのリスペクトも多々感じられる。
主題歌は、奥華子の「ガーネット」。
この曲がまた、名曲である。是非聞いて欲しい。

また2010年にも、アニメ版で真琴の声を演じた仲里依紗が、和子の娘・あかりを演じる、新作実写映画が公開された。
ちなみに前述の、「とーきーをー」はいきものがかりがカバーしている。

様々な形で何度もリメイクされている本作だが、
共通するのは、タイムリープ能力を得た女学生と、未来から来た少年、そして幼なじみを交えた、淡い三角関係を軸にした、瑞々しい青春劇という点だろうか?


■過去の「時かけ」映像作とヒロイン達

  • 1972年・NHK少年ドラマシリーズ「タイムトラベラー」・島田淳子(芳山和子)

  • 1983年・角川映画・原田知世(芳山和子)

  • 1985年・フジテレビ月曜ドラマランド・南野陽子(芳山和子)

  • 1994年・フジテレビ僕たちのドラマシリーズ・内田有紀(芳山和子)
安室奈美恵が妹役。原作者筒井もゲスト出演している。

  • 1997年・角川映画・中本杏奈(芳山和子)
中村俊介が深町役。

  • 2002年・TBSモーニング娘。新春loveストーリー・安倍なつみ(芳山和子)

  • 2006年・角川映画(アニメ)・仲里依紗(紺野真琴)

  • 2010年・角川映画・仲里依紗(芳山あかり)
母親になった和子役は安田成美

  • 2016年・日本テレビ土曜9時枠7月期ドラマ・黒島結菜(芳山美羽)
話数は少ない。 


「過去も未来も星座も通り抜け、追記・修正お願いします」

「芳山くん、およしよ」

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最終更新:2023年05月29日 01:06

*1 筒井が2008年にライトノベルとして『ビアンカ・オーバースタディ』を発表した際、最初のラノベは「時かけ」だと発言している。