武上純希

登録日:2014/09/07 Sun 10:02:04
更新日:2024/02/05 Mon 17:16:04
所要時間:約 7 分で読めます





武上純希(たけがみ じゅんき)は日本の脚本家。本名は「山崎昌三」。変名に「谷本敬次」。
主にアニメ・特撮番組の仕事を中心に、一般向けドラマやホラー番組、更に小説など幅広く手掛けている。


【経歴】

1955年2月26日生まれ、鹿児島県出身。
ラ・サール高等学校、日活芸術学院技術科卒業。

当初は葦プロダクションで社員として編集や文芸を担当していたが、1981年に『戦国魔神ゴーショーグン』で脚本家デビュー。
当時は本名や変名の谷本敬次名義で活動していた。

1982年には同じく葦プロの影山楙倫や、いのまたむつみらと共にカナメプロダクションの設立へと参加。
1983年には「武上純希」のペンネームを公式に用いるようになる。この頃に首藤剛志や藤川桂介に師事。(ちなみに、首藤剛志氏は、武上氏のデビュー作「戦国魔神ゴーショーグン」のシリーズ構成だった)
1984年にはカナメプロを退社して、以降フリーランスで活動。


【人物・作風】

前述の通り幅広く活躍しているが、評論家の切通理作に「ミスター子ども番組」と評されているように、
戦隊シリーズ、平成ウルトラシリーズ、ゲゲゲの鬼太郎、アンパンマン、ポケモンシリーズ、トランスフォーマー、ONE PIECE、遊戯王シリーズ、NARUTO等、
知名度の高いアニメ・特撮作品を長年に渡って多数手掛けており、そちら仕事で知られる。


作風は言ってしまえば、ステレオタイプで勢い任せ。

テーマを纏めたりロジカルな理由付けが苦手なようで、
メインライターを務めた作品でも、言いたいことがよくわからなかったり、
キャラの言動とストーリーが噛み合わないちぐはぐな展開になってしまうこともしばしば。
(特にシナリオ上にはあっても尺や現場の都合でカット・変更されがちな実写作品だと殊更に指摘されがちである)

また原作付き作品や途中参加の場合にも、キャラクターやテーマを自分が描きやすいようなニュアンスで纏めてしまい、
原典との乖離を指摘される事も。

その為、この道の大家でこそあるが、シリアスで丁寧な作風を好む者や安易なご都合主義を嫌う者、原作ファンからは煙たがられていることも。

しかしながらそのオーソドックスな王道展開にファンは決して少なくない。
頭身低目な作風が目立つが、不意に毒を含んだ又はショッキングな展開を挟んだり、
古典的ながらSF色の強いエピソードも執筆しており、それらが好きだという人も。


メガレンジャーの最終章ガオレンジャーのメンバー戦死回など、
メインライター・シリーズ構成を務めた作品でも重要回をサブライターに託して自身は全体の構成に徹したり、
原作物であれば改変しなければいけないエピソードアニメオリジナルストーリーの導入を担当することが多い。


メインライターを担当した戦隊シリーズにおいて玩具の販促能力の高さには定評があり、
一部で「玩具を売るなら武上」と言われているとか何とか。

ガオレンジャー』では玩具売上が前作比190%というメガヒットを記録したのに加えて、
明快なストーリーがヒットし視聴率は日曜朝では異例の二桁を記録。
ゴーオンジャー』では1話から変身アイテム、個人武器、合体武器、合体前メカ、合体メカの描写を盛り込んだ。
玩具のセールスは2000年以降の戦隊で最大と言われる。


平成ウルトラシリーズには『有言実行三姉妹シュシュトリアン』でウルトラマン共演回を手掛けた際、
同番組のファンで当時営業部長だった円谷一夫と知り合ったことで参加。
小学生当時本放送で見た『ウルトラセブン』には思い入れが強いようで、平成のOVシリーズにメイン参加した他、
セブン・テイストを強く出していいと言われた『ウルトラマンガイア』は気持ち良く仕事が出来たという。
奥さんは理科の教員とのことで量子力学などについてレクチャーを受け、敢えて曲解してストーリーに盛り込んでいる。


遊戯王の原作者高橋和希はアニメシリーズの継続を許可した理由にアニメスタッフと親密だったことを上げており、
武上がシリーズ構成だった『ウルトラマンネオス』をモチーフにしたキャラクターのデザインを提供している。
和希は元々ウルトラマンなどの影響で怪獣デザイナーになりたかったと述べており、特撮好き同士気が合ったのかもしれない。


実はポケモンショックの回の脚本家でもある。
アニポケのシリーズ構成で、武上の師でもある首藤剛志氏によると、武上はこの事について事件からしばらく後にある人から「運が悪かった」と励まされたらしい。
しかし、武上は「励ましにならない」「事件に触れられること自体が苦痛なのか分からないのか」と、普段見せないような険しい表情を見せたとの逸話がある。
今現在はネットなどではネタにもされているポケモンショックだが、予想以上に武上の心には消えない傷を負わせたようだ。
首藤も弟子である武上に配慮してか、自分のコラムでのポケモンショックの話では、普段出していた武上の名前を珍しく伏せてこの逸話について触れている。


駆け出しの頃に東映作品で脚本を担当した際、監督やプロデューサーに鍛えられた経験から、
「東映さんには本当に御恩が有るので、自分が出来る限りのご奉公はしていきたい」と述べている。
また、東映のプロデューサーの日笠淳の作品に参加する事が多い。

脚本家では、神戸一彦、猪爪慎一、高橋ナツコ、吉田伸らと一緒の仕事が多い。


―[主な参加作品]―

◆実写作品


◆アニメ作品



「俺はwiki籠りだ!追記・修正するべき記事を放っておくことなんかできない!」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 脚本家
  • アニメ
  • 特撮
  • 武上純希
  • 葦プロダクション
  • カナメプロダクション
  • 東映
  • 小説家
  • 鹿児島県
  • 百獣戦隊ガオレンジャー
  • ステレオタイプ
  • ウルトラマンネオス
  • ウルトラセブン・EVOLUTION
  • ウルトラマンR/B
  • ウルトラシリーズ
  • スーパー戦隊シリーズ
  • 炎神戦隊ゴーオンジャー
  • 魔弾戦記リュウケンドー
  • ONE PIECE
  • ぴちぴちピッチ
  • 電磁戦隊メガレンジャー
  • 勢い重視
  • 遊戯王
  • ベテラン

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月05日 17:16