量産型ガンダムF91/ハリソン専用ガンダムF91

登録日:2014/09/01 (月) 20:54:15
更新日:2024/02/05 Mon 12:29:47
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ビーム・シールドは使うなっ!目立つだけだ!
  どのみちシールドではF91のヴェスバーは防げん!


機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズ、『ガンダムEXA』に登場するMS。


量産型ガンダムF91

型式番号:F91(F-91)
頭頂高:15.2m
本体重量:7.8t
全備重量:19.9t
ジェネレーター出力:4,250kW
スラスター総推力:88,400kg
装甲材質:ガンダリウム合金セラミック複合材

武装

60mmバルカン砲×2
メガ・マシンキャノン×2
ビーム・ライフル
ビーム・ランチャー
ビーム・サーベル×2
ヴェスバー×2
ビーム・シールド×2

パイロット:
地球連邦軍一般兵
ハリソン・マディン
ミッチェル・ドレック・ナー
レオス・アロイ

解説

地球連邦軍が宇宙世紀130年代に運用している量産機。
サナリィが開発した超高性能機「ガンダムF91」を基にして造った機体で、外見上の違いは胸に施されたV字型の連邦マークのみ。
(媒体によっては肩部の放熱フィンがオミットされているものも存在する)

試作型はMCA構造などといった新技術を積極的に採用することで機体の強度と内部の容積の減少を両立させ、他の追随を許さない程の高い機動力を得ていた。
だが、その代償として「ニュータイプと呼ばれたパイロットでないと性能を引き出せない」とまで言われる程の機体と化してしまい、一般パイロットが乗る場合はバイオコンピューターによって自動的にリミッターがかけられていた。

これ程の高性能がF91に与えられていたのは技術試験的な意味合いも強かったためであり、そのまま量産する訳にはいかなかったという理由の他、U.C.0093年のシャアの反乱以降、大きな戦いがなかった事による軍縮の煽りでMSも量より質を重視した少数精鋭運用を求められるようになったからである。
またここまで高い機動力が求められる状況など滅多になかった事や平和が長く続いた事によるパイロットの質の低下、
冷却システムの機能強化が成されたことにより多機能装甲やフルスペックのバイオコンピューターなどは省略され(ちなみにフェイスカバーの展開機能はそのまま)、それに伴い最大の特徴であった「最大稼働モード」の使用は想定されていない。
そのため前述の高い機動力は発揮されることはなく、最終装甲の材質も変えられたので副産物たる「M.E.P.E.」も発生しない(そもそも「そこまで本気出して戦う必要ないんじゃね?」と考えられていたのも理由の一つのようだ)。
それでもカタログスペックは試作型とほとんど変わっておらず、武装も試作型と全く同じ。
特に背中のヴェスバーはU.C.0133年時においても未だに最強クラスの武器であり、海賊軍のABCマントでも一発防ぐのがやっとというほど強力である。

と、ここまで書いた内容だけでも量産機としてかなりの高性能機であることがうかがえるのだが、一つだけとんでもない欠点があった。
そう、値段である。
採用を決めた連邦軍だが、やはり予算内に収めたいという意思があったため、
量産型F91が運用される部隊は同時代における標準的なジェムズガンジャベリンとの編成ではなく、安価な133式ボールと組ませる形となった。
いわゆるハイ・ローミックス編成である。
が、キンケドゥが量産型F91をバカスカ落としたせいか、追加生産のハリソン機以外姿を消し、1機だけなら組むのはボールじゃなくていいだろうと思われたのかハリソンの部下の機体はジェムズガンとジャベリンになった。


作中の活躍

少数が生産され、連邦宇宙軍の艦隊に配備されている。

マザー・バンガード拿捕のために出撃し、木星帝国の策略で海賊軍と一戦交えることに。
しかしF91を熟知したキンケドゥクロスボーン・ガンダムX1改にまるで歯が立たず、瞬く間に戦闘不能になってしまった。

マシンが良くても、パイロットが性能を引き出せなければ!


これ以降はジュピトリス9に攻撃を仕掛けようとしているらしい姿が小さく描かれているのみである。
『スカルハート』以降はハリソン機(後述)しか登場しない。


◇EXA
レオスが搭乗。
離れたところからエレゴレラトビアの戦いを見ていた。



ハリソン専用ガンダムF91

連邦の青い閃光』ことハリソン・マディン大尉が搭乗するF91。量産型の全身をほぼ青一色に染め上げ、一部形状を変えている。

本機はエース用に生産された機体の1機*1で、一般機とは異なり最大稼働に対応可能となっている。
バイオコンピューターに改良を加えてヒートシンクの構造改善などの更なる効率化を図った結果、放熱フィンとフェイスカバーの展開だけで最大稼働モードを発動できるようになった(M.E.P.E.は発生しない)。

なお、ハリソン機は2機存在しており、木星戦役の終盤以降の機体は別のF91を専用機に改装した2機目である。
U.C.0136年時にもアップデートしつつ運用され続けていて、この頃になると塗装の一部が白に変更されていた。

作中の活躍

◇U.C.0133
ラー・カイラム級を攻撃しようとしたキンケドゥを狙撃し、彼との一騎打ちを繰り広げる。だがビーム・シールド2枚とビーム・ザンバーでヴェスバーを無効化するという奇策の前に敗れた(後にこの戦いは月刊MSの「名勝負10選」に選ばれたらしい)。

木星戦役の終盤にはジュピトリス9に奇襲をかけるキンケドゥとトビアを援護し、形勢逆転のきっかけを作っている。


◇U.C.0136
郵便船ジャックやE衛星事件で出撃。その後、無許可で地球に降下してきたトビア達と木星軍の戦いに介入している。

ハリソンが「神の雷」計画のことを知ってからは「調子が悪いような気がする」という理由で置いていき、ミノル教官が乗ってトビアやギリと共に影のカリストと交戦。破損しつつも撃破に貢献した。


◇EXA
レオス機を発見して所属部隊を問い質すが、直後にレオスがダイブオフしたため、その記憶を失った。



ガンダムF91(木星決戦仕様)

地球での戦闘で破損したハリソン機を「鋼鉄の7人」作戦用に修理、改修した機体。
見た目は以前と特に変わりないが、オミットされた機能のいくつかが再度実装されている。このため、総合的な性能はかつてのシーブック機にかなり近い。
ちなみに、再実装された機能がどのようなものなのかは語られていないが、作中の描写からM.E.P.E.がその一つである言われることが多い。(後にGジェネに参戦した際、戦闘アニメーションでM.E.P.E.を発動させる演出が存在している)

作中の活躍

当初はミノルが乗るはずだったが、作戦に参加する決意を固めたドレックに譲られる。
ちなみに胸には消された連邦マークの代わりにミノルのパーソナルマークの「M」が描かれていたが、ドレックは「自分のファーストネームはミッチェルだから」と特に気にしなかった。

作戦ではアタッカーの一人であるミノルの遠距離援護を担当し、木星軍のMSを撃破していた。
その後、ミノルを襲うリーベルダス・デクストラ・ディキトゥスと交戦。
最大稼働モードを発動させて翻弄し、MA形態時の弱点である背中にヴェスバーを叩き込んで撃破した……かに思われたが、その直後にビーム砲の反撃をくらって撃破された。





ガンプラ・フィギュア

ハリソン機がそれぞれMGとHGUC、GFF、ROBOT魂で発売。

MGはシーブック機の色替えで、Ver.1.0と2.0の二種類がある。前者は一般販売されたが、後者はプレミアムバンダイ限定。
Ver.1.0は形の違う部分が新規パーツが付いてくる。カラーリングはU.C.0136以降のもの。
Ver.2.0は木星戦役時のカラーリングである。

HGUCは木星戦役時の機体として立体化されている。

GFFはF90 1号機とのコンパチという中々無茶な仕様。
ちなみに木星戦役時とそれ以降で色が違うのは、この商品におけるカラーリングを長谷川先生が逆輸入したため。

ROBOT魂は魂ウェブ商店限定の受注商品のため入手困難。





ゲーム

スパロボ
量産型とハリソン機が第2次αに登場。
試作型より一回り弱体化していてM.E.P.E攻撃は無いが、分身は健在。
オールドタイプでも性能を十二分に引き出す事が出来るので、バニング等の能力は高いが専用機が無いパイロットを乗せるのにオススメ。
特にハマーン拒絶ルートだとドーベン・ウルフが手に入らなくなるため、なおさらこの機体の存在感が増す。
なお、当時ハリソン機の詳細は明らかになっていなかったので、ハリソン機も「量産型ガンダムF91」という名義になっている。
また、一般機は塗装がオリジナル機と微妙に違う。
敵としても登場するが、マシンが良くてもパイロットが性能を引き出せない(連邦兵の性格が「普通」なので分身出来ない)のであんまり強くない。
アムロ達が頑張って量産型νガンダム共々配備を整えた鳴物入りの新型量産機という設定だったのだが、
第3次αでは量産型F91は姿を消し、代わりにストライクダガーが新型量産機として幅を利かせていた。
参戦作品の都合というメタ的な理由なので仕方ないが、ストライクダガーが平凡すぎる性能なので納得がいかない気がしないでもない。
やはりマシンが良くても連邦兵が性能を引き出せないのがいけなかったのか…
ただし、同作では『トップをねらえ!』の再現で木星が消滅した事により核融合炉の動力源であるヘリウム3が採掘できなくなった事を考えると、
戦後を見据えて核融合炉の採用を取りやめてバッテリーで動くストライクダガーに切り替えたのではないかという説も。

V』では標準仕様の量産型にキンケドゥが搭乗する(X3が破壊され、トビアにX1を譲った後なので)。
分身が削除され、移動力も低下し、性能的にもヴェスバーがカウンター属性であること以外は特に見るべき点はなく、凡庸になってしまった。
後にキンケドゥはスカルハートに乗り換えるが、量産型F91の改造がこの機体に反映されるようになっている(トビアが乗っていたスカルハートの改造はフルクロスに引き継がれる)。あと、こっそりビーム・ライフルとビーム・サーベル、ヴェスバーの攻撃力が底上げされる。
ちなみに、Vの(新正暦)世界は原作の宇宙世紀とはかなり異なった歴史を歩んでおり「91年ぶりに新造されたガンダムなのでF91」というネーミングになっている。

T』でも登場し、今回は「失われたX3の代替機としてウモンが用意した」という設定でトビアが乗る。
そのため改造がフルクロスにも反映され、尚且つ量産型F91も手元に残る。
あと途中でもう1機入手でき、こちらは最初から3段階改造されている。
この機体はアナハイムが小型MSの研究用として確保していたらしく、解析が完了したのを自軍の戦力強化のために回してきたという。
これを基にアナハイム製小型MSの開発が始まっているのだとか。
ちなみに今回のグラフィックは『X』に登場するF91の物を流用して作られている。


Gジェネ
据え置きシリーズではハリソン機が登場。F91にハリソンを乗せると変化する。
性能が上がってビームランチャーがヴェスバーに変更されるが、超強気以上になっても武装はそのままなので実質的に戦闘力が下がってしまう。
量産型がいないFの原作シナリオでオリジナルF91がわんさか登場するのは圧巻としか言いようがない。
なお、このF91軍団を原作よろしくキンケドゥだけで殲滅させようとする(というか、ウモン達はバタラなので前に出たら沈む)と、恐ろしく難易度が上がる
というか、F91はマップ兵器持ちなので直線上に立ってしまうと容赦なくヴェスバーが飛んでくる。つまり射程1のビームザンバーはトドメ以外では使えない(ビームサーベルの反撃が痛いので元々あまり使いたくない手でもある)。
さらにF91がたむろしているわけなので、どのF91の直線上にならない位置に移動して、スクリュー・ウェッブかザンバスターで攻撃することになる。
はっきり言って素直にマップ兵器のないハリソン機を狙うのが吉である。ハリソンェ…
また、『OVERWORLD』にてハリソン機が量産型名義でオリジナルから開発可能になっている。
武装はともかくスペックはオリジナルと同等なので、(増加試作型の設定に目をつぶれば)量産機縛りだと最強クラスの機体として君臨する事になる。
また、『F』以前では1つの機体につき武装が最大4つまでで、本家F91のヴェスバーがマップ兵器なのに対し、ハリソン機は通常のビーム兵器扱い。
本家F91はパイロットが超強気だと4連射ビームライフルで十分過ぎる火力を発揮するが、強気以下の状態ならハリソン機の方が強いこともある。

携帯機シリーズでは量産型が登場。
スパロボとほとんど同じような仕様だが、NT系パイロットを乗せないと分身しない。
そもそも上位互換の試作型が複数入手できてしまうため、量産機縛り以外で使われることはあまりないと思われる。武装も単体攻撃ばかりだし。


GUNDAM WAR
二回カード化され、20弾版ハリソンは戦闘フェイズの特定のタイミングで手札から本来の半分の国力(3ターン)+ノーコスト+速攻持ちのユニットが降ってくるという壊れ性能。
アタッカー兼ブロッカーとして登場からシリーズ終了まで青単デッキ必須のカードだった。


○Extreme vs.
家庭用版及び続編のFULL BOOSTにて、CPU専用機として登場。
性能はF91の劣化版であり、火力(特にヴェスバー)は安く耐久も低い。





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最終更新:2024年02月05日 12:29

*1 一部資料では「F91の増加試作機を改装したうちの1機」とも説明されている