パラケラテリウム

登録日:2014/08/15(金) 00:25:45
更新日:2024/04/09 Tue 14:45:23
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パラケラテリウムとは、3400万年前~2300万年前頃にユーラシア大陸内陸部に生息していた陸生哺乳類最大レベルの動物である。

もう一つの雄は、ステップマンモスの仲間の松花江マンモスか、近年では、日本にもいたとされる Palaeoloxodon namadicus (ナウマンゾウの仲間)である。もちろん、ステップマンモスやデイノテリウム等の巨獣も他にもいた。

パラケラテリウムの親戚にも、例えばウルティノテリウムの系統やAralotherium(パラケラテリウムに匹敵するかもしれない)、ズンガリオテリウムと、他の巨大種達も確認されている。


陸生と書いたのは、海の哺乳類まで含めるとクジラ類のほうが大きいが故。
海の連中は桁が違うのだ。


概要

肩高5.5m、頭頂高8m、推定体重は20tという、掛け値なしのバカでかさ。
ゾウの仲間か?と思われたかもしれないがさにあらず。彼らは奇蹄目サイ上科ヒラコドン科に属するサイの仲間である。
角こそないが、牡の頭骨には分厚くなった何がしかの跡があり、縄張り争いやメスをめぐる争いで飾りを見せ合って争ったり軽く小突きあうような戦いをしたと思われる。

サイの仲間であるが生態としてはキリンのように木の葉を食べていたと推察される。
今生き残っているサイとはずいぶん違うように感じるだろうが、北米の絶滅したラクダの仲間にもキリン型の生物がいるなど
高木も生い茂る草原に適応した結果、大型化して首を伸ばしていく生物は少なくない。
首を伸ばすのは高木の餌としての独占といった理由もあるが、大型化しながら低いところにある水を飲むには首を伸ばすのが一番エネルギー効率が高いのだ。
ゾウのように鼻を伸ばすという方法論もある少数派である。

20t近い重さを誇ったとされ、鈍そうに見えるが体の構造からして走ってもそこそこスピードはあったようである。
平原に適応しただけはある。ぶっとい脚をドシンドシン叩き付けるため反動も半端なものではなさそうだが。

哺乳類が陸で維持できる大きさとしてはほぼ極限点に位置する動物だったようで、恒温動物では昼間動くと熱がこもってしまうサイズであろうという推測から夜行性だったともされ、
更にその巨体を維持するために20時間近く食事に当てていたとも言われる。色んな意味で大丈夫か?と思われるかもしれないが
彼らの生きていた頃のユーラシア大陸は非常に温暖かつ穏やかな気候で、餌に困ることはなかったのだ。
当時は地中海とインド洋は分断されておらず、代わりにテチス海と呼ばれる広々とした海が広がっており、インドがまだ亜大陸として独立していてヒマラヤ山脈がないなど
今とはずいぶんと気候が違ったと思われる。
そのため、彼らが必死に食べても枯渇しないような量の餌があったと思われる。

草原では異常なまでの巨体故に怪我をしたり孤立してしまった幼獣以外は外敵に対してほぼ無敵であったパラケラテリウムであったが、漸新世後期に環境が激変していく出来事が起こる。
インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突し、インド半島となったのである。この結果激しい造山運動が起こり、世界の屋根ことヒマラヤ山脈が形成されていった。
他にもユーラシア大陸とアフリカ大陸が徐々に接近しテチス海が小さくなり海流も大きく変わっていった。
この結果、ユーラシア大陸の気候・地形は大幅に変わった。気候の激変は特定環境下に依存した彼らにとっては非常に応えるものであったし、致命的な事態と言って差し支えない出来事であった。
彼らが適応した木も生い茂る草原はおそらく急速になくなり、木々のないステップや荒涼たる砂漠、山岳などに姿を変えていったであろう。
そんな中で20時間近く喰わないと生きていけないような生物がどんな末路を辿ったか…ゆっくりとは言え、生息地を失いつつ飢えて死にゆく彼らの姿はまさに惨劇であっただろう。


名前について

「え?史上最大の陸生哺乳類ってインドリコテリウムじゃねぇの?」「いやバルキテリウムだろJK」と思われた方もいるかもしれないが、間違いではない。
実はこれらの名前、パラケラテリウムの別の場所で見つかった化石にそれぞれ名前がついたもの。
今の学説ではこの3つが全て同じ種であるとされており、最初に名付けられたパラケラテリウムが学名として生き残ったという次第である。
トリケラトプスとトロサウルスみたいなものといえば通りがいいか。

フィクションでのパラケラテリウム

史上最大の陸生哺乳類ではあるが、知名度が低いこともありそんなにモチーフに取られない。
カセキホリダーシリーズや、遊戯王OCGで「俊足なカバ バリキテリウム」として登場しているくらいである。
…くどいようだが彼らはサイである。

本作に登場するエラスモテリウムオルフェノクは、名前の通り同じサイでも大分後の時代に出現した、サイらしいサイの姿をしたエラスモテリウムをモチーフにしている。
激情態の体の大きさは同じサイの仲間というところから、パラケラテリウムの特徴を引っ張ってきた可能性がある。

恐竜オープンワールド型サバイバルゲームのARKではテイム&騎乗可能な生物の一つとして登場。
初期MAPのアイランドではマップ中央部の川沿いに広く生息しており、竜脚類並にデカいため遠くからでも簡単に見つけられる。
草食だが生体系地位が高いため肉食に襲われることも早々なく、のんびりと暮らしている姿が見られるだろう。
また竜脚類と同じく近づくとズシンズシンという足音と画面揺れが発生するためインパクトは大きい。拠点近くにいるとクソ邪魔だが。
テイム後はプラットフォームサドルというサドル上に建築が可能な特殊サドルを装備可能で、簡易的な移動拠点として使える貴重な生物。
同じ陸上プラットフォームサドルのブロントサウルスに比べると移動面と戦闘力で勝り積載と建築可能数で劣る。拠点建設はブロントに負け気味だがブロントの足回りは本当に悪いため、パラケラテリウムを好むサバイバーは多い。
PvPでは本体が頑強、プラットフォーム建築で壁を作って搭乗者を守れる、草食専用回復アイテムを使用可能、サイズと足回りが運用に耐えうる等の点から弾抜き(対タレット用のタンク)役として高い評価を受けている。
他にも公式の大抵のMAPにブロントを差し置いていたりと恐竜ゲーなのに優遇されている生物かもしれない。


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最終更新:2024年04月09日 14:45