警策看取

登録日:2014/08/13 Wed 02:15:16
更新日:2024/01/03 Wed 08:44:41
所要時間:約 8 分で読めます




※この項目には「とある科学の超電磁砲」のネタバレが含まれています※



「操作力…必要かしらぁ?」

「必要…ないわ」



『警策看取(こうざく みとり)』とは「とある科学の超電磁砲」の登場人物である。


大覇星祭編にて、木原幻生の配下として暗部組織『メンバー』に指示を出していた。

外見は腰まで届く紫色の長髪をツインテールにした、たれ目の少女。
その瞳は一度顔を合わせただけの白井黒子が写真越しでも感じるほど、深い闇を抱えている。

大覇星祭編ではピンク色のナース服で登場しており、そのためかはいむら氏のラフ画では「ナス子(仮)」と仮称されていた。
この衣装は本来のメンバーの指令役の変装だが、彼女自身も意外と気に入っている。

首元には襟型のチョーカーとドクロのネックレスを巻き、腰の位置にはタブレットや乗馬鞭を提げている。
とはいえ武器として主に使われたのはナイフで、大型の物から投擲用の物、刀身を発射するスペツナズナイフ等複数所持している。

作中では黒子と初春飾利によって霧ヶ丘付属中学三年の15歳、というプロフィールが発見されている。
とはいえ彼女は14ヵ月前にテロ未遂で逮捕されて中退となっており、上のデータはあくまで当時のもの、という可能性もある。

台詞の特徴としては、「アリャリャ」や「デモデモ」など、一言目がカタカナのことが多い。
そのため軽い性格をしているようにも見えるが、その内面では学園都市上層部に対して強い憎悪を抱いている。

この憎悪はかつての親友のための復讐心に由来し、そのためなら非道な行いでも躊躇わない苛烈さの一方で、
余計なリスクは避けようとする慎重さも併せ持つ。

戦闘においても相手の能力や思考を読み、数手先まで考えて立ち回るタイプ。


能力は大能力(レベル4)の『液化人影(リキッドシャドウ)』。
67話扉絵によれば、比重20以上の液体を自在に操る能力。
因みに水の比重がだいたい1、水銀で約13.6なので、彼女の使う液体金属は学園都市製の特殊なものだと思われる。
幻生の配下時代には、潰れた液体金属工場の遺棄された器材を流用していた模様。

『液化人影』は本体と同じ容積・体型でなければ精密な操作に支障をきたすという弱点があるため、戦闘では主に人型をとる。
その姿は本人由来の曲線を帯びた体型で、スライム娘萌えに近い艶めかしさが魅力。

更に目と口を模した空洞による意外と豊かな表情、
ツインテール風の頭部や本体と同じ襟型チョーカーとドクロネックレスというお洒落さん振りも慣れると可愛らしい。

目っぽいものがあるとはいえ人形には聴覚と触覚以外の五感はなく、
ドクロネックレスに仕込んだカメラで警策の持つタブレットに映像を送ることで視覚を補っている。
とはいえカメラはあくまで補佐で、人形自体にコウモリのような反響定位(エコーロケーション)で周辺を把握する能力がある。

その感度は数十m離れていても心拍音を捉えるほど高いが、それゆえ大音量をぶつけられると反響定位が効かなくなってしまうのが難点。
人形越しの会話も可能だが、発声器官を持っているかは不明。
反響定位の応用かもしれないし、カメラ同様にマイク&スピーカーも仕込んでいるのかもしれない。

戦闘力と遠隔操作性の高さがウリで、自身の似姿をとっていれば数百キロ離れていても自在に操れるほどの凄まじい効果範囲を持つ。
もちろん人型以外にできないという訳でもなく、スライムのような一塊にしてパイプの中を移動→人型にして戦闘、と融通がきく。
幼少時には瓶の中でイルカの形にして泳がせたりしていた。

戦闘ではその自由度を活かし、伸ばした腕を鞭や針、刃のように使う。
特に腕をしならせた斬撃は、金属やコンクリでもスパスパ切り裂く攻撃力を見せる。
また攻撃への耐性も高く、黒子に打ち込まれた鉄矢はすり抜け、御坂美琴の電撃でも行動に支障なし。
遠隔操作ゆえに食蜂操祈の『心理掌握』も効かない。
広大な能力の効果範囲も相まって、戦闘、偵察において非常に優秀な能力と言える。

基本的に戦闘は人形任せで、不必要に顔は出さない。
しかしそれは戦えないというわけではなく、前述のナイフを武器にして戦う。本体の戦闘能力は液化人影には劣るもののそこまで弱くはない。
黒子を追い詰めるところまでは行くもちょっとした視認ミスで負けてしまったが本体戦闘力はまさに暗殺者レベル。
また、能力の使用感覚に似ている小型ドローンの操縦なども得意とする。

彼女は幼少時『才人工房(クローンドリー)』という研究機関で能力開発を受けており、
自身の待遇を良くするために愛想の良い優等生のように振る舞っていた。

そのため研究者からドリーという少女の友達になってほしいと頼まれてしまう。

当初は常に自分にじゃれついてくるドリーに辟易としていたものの、
自分を「みーちゃん」と呼び純粋な好意を向けてくるドリーと共に過ごすうち、彼女といる時だけは愛想笑いでない本当の笑顔で居られることに気づく。

しかし、ある日ドリーの体に走る幾つもの傷痕と、埋め込まれた機械を目にしてしまい研究所に疑念を抱く。
そのため『液化人影』でドリーのデータを持ち出し、彼女がクローンで、後の量産体のためのモルモットとして扱われていると知ってしまう。

「クローンだって私たちと同じです! 命があります 実験を止めてください!!」

大切な友達のため、研究者には取り入るという今までのスタンスを捨てて懸命の抗議を行うも……。

「「クローンだって私たちと同じ」か… その通りだ クローンも君たち能力者も 学園都市では等しく実験材料にすぎん」

ドリーへの実験が統括理事会主導であることを明かされ、学園都市のブラックっぷりを目の当たりにしてしまう。

激昂した警策だったが警備員によって取り押さえられ、能力自体は優秀だったため、
『外装代脳』が完成して洗脳すれば役に立つという理由でボロボロのまま生かされることになる。
ドリーの方は、警策が自分を気味悪がって来てくれなくなったと思い、心に深い傷を負ってしまった。

数ヶ月後、おそらく食蜂による才人工房乗っ取りのため研究施設がもぬけの空となり、
見張りがいなくなったため外に出られた警策は「窓の無いビル」を見上げ復讐を誓った。

「…せいぜい高みから見下ろしているがいい」
「実験動物にだって お前たちに突き立てる牙があることを教えてやる」

その後、霧ヶ丘付属中学に所属。在学中に周到な計画を練り、統括理事を狙ったテロを起こすも失敗。少年院に収容される。
しかし大覇星祭2ヶ月前、御坂美琴の絶対能力進化実験を目論む木原幻生によってその憎悪を見込まれ出獄。
学園都市を跡形もなく消し飛ばす力を求めて彼の手駒となる。

この時データ上では少年院内で心不全により死亡したことになっている。
ちなみに、警策以外にも少年院から消える高位能力者は何人かおり、明言はされていないが幻生のマルチスキルの手駒にされていた可能性が高い模様。

以降秘密裏に『妹達』を確保しようとするが、食蜂操祈も同様に裏で『妹達』の保護に回っていたため計画は難航。
大覇星祭中、指揮下の『メンバー』の馬場が御坂妹にナノマシンを打ち込み行動不能に持ち込むも、
こちらも食蜂に先回りされ、更に美琴によって馬場もリタイア。

食蜂が情報操作していたこともあり、『妹達』を保護しているのは美琴だと勘違いした警策は御坂美鈴と初春飾利を人質に美琴と接触。
交渉決裂した際には「舐められたまま終わるのもなんなんで」と美鈴を手に掛けようとするものの、黒子が援護に来たため即座に撤退した。

その後、自身が統括理事会からの指示を『メンバー』に伝える仲介役というのが偽りで、
木原幻生の指示で動いていたのがバレたため彼らとは決別する。

木原幻生が外装代脳を乗っ取り、ミサカネットワークにウィルスを打ち込んだ後は、
心理掌握で絶対能力者への進化を始めた美琴の深層心理に語りかけ窓のないビルへ攻撃させた。

「アレアレ あのビル この街の中心にして指令塔」
「あれがある限りアイツラは何度でも繰り返すよ」
「また誰かが泣くことになるよ また誰かが傷つくよ」
「だからさ 壊しちゃお? アレ」

しかしそれを看破した食蜂が黒子に依頼したことで本体を狙われ、監視カメラをチェックする初春と佐天涙子の活躍もあって追い込まれていく。
学園都市のデータによって能力が割れていたこともあり、カメラは壊され反響定位は大音量をぶつけられて封じられるなど対策されてしまう。

『液化人影』の反響定位を妨害する携帯装置に苦戦するも黒子の能力使用のラグと行動を先読みして黒子を撃破。
...と思っていたが、それは警策が使用していた他数万台ある大会用中継カメラを初春が特定してハッキング、合成によるもので、警策は映像に騙されていた。

投擲したナイフを空間移動で避けると踏み、跳躍先を二本目のナイフで捉えるという作戦だったが、、黒子が一本目を手の平で受け止める、という荒業から生じた隙を突かれドリーを想いながら気絶していった。

再び意識を取り戻したとき、学園都市が未だ健在であることから計画失敗を理解し、このまま下水道で朽ち果てようかとも考えていたが……。

「あなたが「みーちゃん」ねぇ?」

警策が居なくなった後、ドリーの二人目の友達となった食蜂操祈が現れる。
幻生の記憶を覗いた彼女により、ドリーには記憶と経験を受け継いだ妹がおり、今もとある研究施設で眠っていることを知らされる。
ドリー本人ではないとはいえ勿論放っておけるはずもなく、二人の『みーちゃん』は立ち上がるのだった。

この顛末は単行本10巻書き下ろしで描かれ、ドリー妹と涙の「再会」を果たした。
この時はあちこちケガをしていたがツインテールを解いて霧ヶ丘付属の学校制服らしき服を着ており、以前の攻撃性はナリを潜めたきれいなみーちゃんだった。

ドリーとの再会を経て食蜂操祈とも和解。その後は食蜂と行動を共にする事もあるようで、
必要とあらば潜入捜査も行うとか。また、似たような立場であるカイツとも連絡を取っている。

なお、ドリーに自分と誤認させる形で友達になった食蜂に対しては、
ドリーを最期一人にしてしまったことを心残りにしていたため、むしろ感謝している模様。


「ナニナニ 今の茶番?」

その後、 天賦夢路編にて久々に液化人影の姿とは言え再登場。
食蜂とは良い関係を築けているらしく、お互いに名前で呼び合っている。素直じゃない食蜂をからかったり、本音を言わない食蜂の本心を察したり、食蜂の意思を汲み取って尊重したりと、二人の友人関係が窺える。

後に少年院警備突破トライアルにドリーとともに参加した(希望したのはドリー)が、その時はピンクナースや霧ヶ丘付属中の制服ではなく、盛大に前の空いたブレザー姿であった。
少年院上がりとしての経験があるため、イベントの裏に何となく感づいている。

なんだか この子と追記・修正している時だけ 愛想笑いじゃなくて本当に笑っていられる
そんな気がする

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最終更新:2024年01月03日 08:44