風見豊

登録日:2014/08/08 Fri 13:53:49
更新日:2024/02/22 Thu 19:55:43
所要時間:約 6 分で読めます




風見豊とは、『逆転検事2』の第三話に登場する人物である。
読み方は「かざみゆたか」であり「ふうみゆたか」ではない。

年齢は54歳。18年前は36。
一人称は「ワシ」で人の名前には「~~どの」をつけて呼ぶ。


天海一誠主催のお菓子コンテストの参加者のひとりである。

世界一を狙うパティシエであり、主に飴菓子作りを得意分野にしている。
常に懐には飴ポンプがあり、これで飴に空気をいれ、思い通りの形を作ることができる。
……が、まだ18年前はデザインセンスが未熟だったため、本人は龍を作ったつもりでも傍から見ればタツノオトシゴになっているようなことも。

その代わりお菓子の味には誰にも負けない。
御剣信弁護士もデザインセンスが無いことに異議なしと言うほど。

ちなみにその場にいた狩魔豪検事に特製で、狩魔検事にそっくりの飴を作ったという
…が、当の狩魔本人からすると、「思い出すのも腹立たしい」出来栄え。


しかしデザインセンスに問題があることは風見本人も自覚があり、西鳳民国にて修行を重ね、
当時からは想像もつかないほどきめ細かな飴つくりに成功している。

勿論菓子職人であるためお菓子の知識は豊富。

また(18年前当時)小学生の息子がおり、風見曰く「自分のお菓子が大好きなかわいい子供だ」と称している。


第三話では、現代の話になった最初から毒ガスを吸い、意識不明に陥るシーンで登場する。
そのため現代パートは中間まで風見が抜きで話が進む。不憫。

18年前に比べると髪は白くなり、肌は焼け、後ろ髪が伸び、腕に無数の傷跡が増えるなど容貌が変化している。
腕の傷は「未熟だった自分を忘れぬため」残しているという設定がある。


これより先、ネタバレには注意しておくことだな。






























第三話の事件の真犯人。



今回の事件は18年前にお菓子のコンテストの最中発生した殺人事件の捜査。
そして18年前の殺人事件の犯人がこいつと言うこと。

事の発端は決勝戦の前日のこと。
そもそも風見は、今回の事件の被害者である氷堂と手を組み優勝を狙っていた
(前記のように風見にはデザインが弱く、氷堂は味が素人、要するにお互いの弱点を補い合っての協力関係)。
風見自身が味覚障害に陥ってしまったため、風見は何としても優勝賞品の薬本が必要になった。

しかし、その決勝戦の前日になって氷堂が風見を裏切ることになる。
そのため風見はこっそりと薬本の内容を写真に収める手段に出た  が…


もしやとは思っていたが…
お前、味覚障害だったのか


氷堂に事情がばれてしまい、その上口止め料まで要求してきた。
殴りかかろうとしたところ氷堂に突き飛ばされ頭を岩塩ランプにぶつけ血を流し、更に暴言を吐かれたことで遂に殺害に及んだよいうイキサツ。

「ワシの障害になる者を生かしておく理由などない」等の発言からも分かる通りきわめて自己中心的。
世界一の菓子職人に上り詰めたのは本人の努力の賜物であり、菓子道を究めんとする志は本物だのだが、「そんな気持ちなんか理解したくもない」と御剣からも一蹴されている。
天海のことは菓子職人として尊敬しており、罪を着せるつもりはなかったと述べているが、代わりに「菓子を侮辱した」という理由で薬剤師のデレシー・スコーンに罪を着せる工作を行っており、その点にも彼の自己中心さががうかがえる。

ちなみに息子はコンテストにも来ていたのだが、この本当の理由は味覚障害になった風見の代わりの味見係である。
決勝戦の時は氷堂の手によって息子の行方が分からなくなっているが、本人は「息子のことなどどうでもいい」と言い放っている。
現代の風見は18年前に比べて容貌が大きく変化しているが、寡黙だった18年前に比べて高笑いを多用するなど表情も露悪的で攻撃的なものが増えており、罪を犯して逃げ続けたため歪んでしまった性根が現れているかのようである。


話が進めば進むほど彼の非道さが露わになり、早く逮捕だ!と誰もが思っただろう。だが、そうはいかなかった。

風見「貴様らにはワシを裁くことはできん!」

ワシが氷堂を殺害したのは、今から18年も前のことなのだ。
この国の殺人罪は、15年で時効になるのだろう?
つまり、ワシを逮捕するのは不可能だと言うことだ!
時効が過ぎているからこそ、罪を認めてやったのだ!



そう、スデに時効が過ぎてしまったからこそ風見は罪を認め、それでいて余裕綽々の態度だったのだ。
しかし彼が三年間海外で修業をしていたこと、裁判が判決までに一年かかったことにより今回の時効は15年ではなく19年となる。

つまり、まだ時効は成立していなかったということであり、遂にお縄となった。
真犯人特有のブレイクモーションは、飴ポンプで風見自身をかたどった像をつくり、それを切断するもの。
これまでの修行もなくなった、文字通り「空っぽ」という皮肉な演出に仕上がっている。
スタッフによると、追いつめられて観念したのか、「自分の手で自分の菓子道を終わらせる」という意味もあるという。


ちなみに前記のように氷堂も氷堂でクズであり、元々金にがめつい人間であることが分かっている。
風見との言い合いの際の言動や彼も風見に暴行を加えていたことから、そもそも彼が裏切らなければ事件は起きなかったことから人によっては風見以上のクズ・元凶(ある意味風見も被害者)だとの意見も多い。
風見の言うように、殺されても自業自得と言えてしまう。

つまりこの事件はクズ二人の喧嘩である。
この辺は本編2の王都楼と藤見野の関係を彷彿とさせる。


余談


不正をしたのは菓子職人にとって致命的である味覚障害を治したいがためであり、また殺人に至るまでの経緯は氷堂の行動があまりにも度を過ぎていたため、その点では情状酌量の余地がないとは言えないが。
18年間他人に罪を着せて逃げ続けたことや真実を暴かれた後の彼の言動は醜悪で、信楽さん自身も「オジサン…久々に怒っているよ」と述べるほど。
だが、このどうしようもなさすぎる悪行により、キャラも立ち筋も通るキャラクターとなったため人気は決して低くない。

スタッフによると「信頼していた相手に裏切られて人を信じられなくなってしまった」らしい。息子のことを氷堂に与して裏切ったと思い込んで見捨てるというのも極端にも感じるが。
だが後の息子の回想や、風見の「ワシのお菓子を食べるのが好きな息子だった」という発言にウソがなければ、少なくとも息子の視点では当時は尊敬できる父親であり、よく慕っていたようだ。
(氷堂のほうは息子を脅して誘拐をさせるという行為に出ており、事件以前から父親として問題があったのではとうかがえる)


今回の事件は「IS-7号事件」と呼ばれ、これは御剣信弁護士が狩魔検事の経歴に傷をつけた事件のことである。
要するにこの事件があったことで「DL6号事件」が発生したともいえる。

もっと極端な言い方をすれば、直接的な責任はDL6号事件の犯人である狩魔検事にあるのは尤もだが、
元はと言えばこの風見のせいで、御剣信も綾里千尋も死亡し、灰根高太郎の人生もめちゃめちゃになり、
綾里家の地位もどん底に落ちて、ゴドーの人生も歪み、怜侍も弁護士ではなく検事としての道に進んだことになる。


この人物のせいで逆転シリーズ全体に大きすぎる影響が出てしまったと言える。
ただ、 彼がいなければ成歩堂龍一が弁護士になることはなかった とも云えるわけで・・・
もっとも、風見本人が言うように(本人が言うなという感があるが)、殺害されても仕方ないと思われるような氷堂の所業、氷堂の死体と気付かずにそれを隠して捜査を混乱させてしまった緒屋敷司、さらにその死体消滅を隠蔽して狩魔を陥れた一柳万才など、
様々な要素が絡み合ってDL6号事件のきっかけとなったのであり、風見一人だけが元凶であるという言い方は適切ではないだろう。


そして彼らの 息子たちの人生をも大きく歪ませることとなってしまった。

なお、前述した「この国の殺人は15年で時効になるため、逮捕できない」と言っていたが、これは現在の所1989年以前に限られてしまう。
2005年に「最高刑が死刑」のものは時効が25年に延長され、本作発売時には至っては「最高刑が死刑」の中で「人を死亡させる事で既遂になる」のであれば、既に時効が廃止されていた。
そもそも、時効は迎えても「起訴できない」だけであり、逮捕はできる。

殺人罪の時効がキーワードとなった初代逆転裁判の発売年は2001年であり、その当時はまだ時効が15年であった。
逆転検事2の作中では初代から2年程度しか経過していないため、逆転世界ではまだ廃止されていないのであろう。

時効に対する説明は「逆転裁判」で「その件が無かった事になる」という説明で済まされていた事を考えると、時効後であれば自首してきても警察は相手にしないのかもしれない。


追記修正は西鳳にて三年間修業をしてからお願いします。

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最終更新:2024年02月22日 19:55