ミヤコショウビン

登録日:2014/08/07 Thu 11:09:00
更新日:2022/02/05 Sat 22:26:44
所要時間:約 5 分で読めます




ミヤコショウビンとはかつて日本「絶滅した」と言われる幻の鳥
非常に謎が多く存在レベルでその謎は多い


【分類】

門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 鳥綱 Aves
目 : ブッポウソウ目 Coraciiformes
科 : カワセミ科 Alcedinidae
亜科 : ショウビン亜科 Halcyoninae
属 : ヤマショウビン属 Halcyon
種 : ミヤコショウビン H. miyakoensis

(ミヤコショウビン - Wikipediaのページより引用)


【概要】

ショウビンと呼ばれるカワセミの仲間で小型の20センチほどの鳥。

食性は不明だがカワセミの仲間と言う事で魚や昆虫などが主食であった可能性が高い。
沖縄の宮古島固有種だった可能性もアリ、絶滅にはマングローブの減少や住人の増加などによる天敵の増加が原因とも言われる。

現存する標本が残っており1体山階鳥類研究所に所蔵されている。
たった一体しかない標本のせいか「幻の鳥」とも呼ばれている。
なお、嘴は角質の鞘が外れて骨だけになっているため、色は不明。 


【その存在】

さて、ここで少し話を変えよう。
例えば些細なことでもいい、我々が何か小さな発見でもしてそれを発表するとしよう。
そうなると「お前の言う話の根拠・ソースは何や」と言うツッコミが入るだろう。

最近ではSTAP細胞におけるソースの捏造等の問題が上がって話題になった論文の捏造・間違いと言う話。
このミヤコショウビンもSTAP細胞の論文レベルのソース不足から、発見者の勘違いじゃね?と大昔から突っ込まれてるのだ。
具体的にはグアム島の生息種、「アカハラショウビン」と同一種と言う疑惑がある。
ちなみに標本でのそれらの比較した際における差異は、足の色がオレンジと緑で微妙に違うのみとの事。

その疑惑にもきちんとした根拠もあるのでそれらについて書いておく。

  • 根拠1:発見者の行動
この鳥の発見者・及び標本製作者は「田代安定」と言う植物学者兼民俗学者とされている。

この人は研究のために確かに宮古島に上陸してはいるのだがその後グアム島にも訪れている。
もう一度言うが、この人グアム島に訪れている

植物学の研究、或いは現地の民俗学の研究や土産として小型の鳥の標本を購入する事は割と容易に想像がつく。
そうじゃなくても(当時の海外移動手段は船しかなかった)移動の際に船舶内に小鳥が迷い込んでくる可能性もある。
それを標本として持ち帰ったとしても本当におかしくはない。

そもそもこのミヤコショウビンの標本、採取から30年後も経って伝聞で発表されたもの。
ミヤコショウビンの標本には『二月五日・田代安定氏採集 八重山産?』と書かれており採取年が書かれておらず、
そもそも宮古島について書いてない

…知れば知るほど、本当になんなんだアンタとか言いたくなるソース不足である。

なお、フォローしておくとこういう100年以上前では今以上に意図せず勘違いや間違いで新種・別種と発表することは珍しくなかった。
例えば「絶滅した」とされたタスマンアオツラカツオドリやロードハウアオツラカツオドリは研究の結果、
普通の「アオツラカツオドリ」と言う鳥とDNAが完全に一致と言う研究成果が2009年発表された。

  • 根拠2:これただの迷鳥じゃね疑惑
鳥類を含む多くの長距離移動を行う動物や昆虫は、気流・海流に流されて変な土地に紛れ込んでしまう事がある。
とくに空を長距離移動する小型~中型の鳥類において割と珍しくない現象と言っていい。

これを俗に「迷鳥」と言い、よく孤島・離島と言った場所に流れ着くことがある。
余談だが、珍しい鳥が間近で見れるとあって結構なバードウォッチャーなどが集まってくる事もある。

で、そのショウビンの話に戻るのだが、近縁種のアカショウビン等一部カワセミ科の鳥類が「渡り」の性質もある事から、
素で迷い込んで来ただけ説がいわれて久しい。

と言うか前述の通り船にくっついてきただけと言う可能性が否定できない以上、
意図せず人為的に一匹アカハラショウビン持ち込んじゃったと言う可能性が一番高かったり。
…そうだった場合はアルゼンチンアリ宜しく帰化しなかった事が救いか。


【最後に】

ややここまで性悪説で書いてきたが、本当に実在した可能性もまた否定できない。
標本自体が残っていることも有り、少なくとも沖縄にこういった鳥がいたと言う事も事実として否定できないのだ。
絶滅動物特有のロマンと言う事で未だに実在を確信している人も多い事もまた事実であり、DNA鑑定等の結果もまだ出てはいない。
更なる研究を待たねばならないと言えるだろう。

ちなみに存在があやふやだったり、絶滅・未確認と思い込んで放置されていた「幻の鳥」の再発見にはいくつか例もあるので余談として書いておく。

  • 標本のスケッチとしてのみ確認されていたが市場で食用とされていたのをカメラにとらえられた「フィリピンヒメミフウズラ」
  • 同様に標本のスケッチのみで確認されていたが小笠原諸島で同一種と確認された「ブライアンズ・シアウォーター(ミズナギドリ)」
  • ミヤコショウビンと同じく標本が1体しかなかったが2006年に再発見された「オオハシヨシキリ」
  • 北大東島の固有種と思われ同島の確認情報が途絶えた事で絶滅と思われたが奄美大島で再発見された「ダイトウウグイス」

もしかしたらミヤコショウビンも貴方の住む近くに住んでる可能性もある。
そうだった場合の事も考えて、追記・修正をお願いします

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最終更新:2022年02月05日 22:26