ゼイドラム

登録日:2014/07/18 Fri 22:35:34
更新日:2024/03/31 Sun 00:02:59
所要時間:約 10 分で読めます






戦いに…情けは無用っ!!


枢密院の威光は、僕には通用しないよ


ゼイドラムはゲームスーパーロボット大戦シリーズ』のオリジナルメカ。
初出は『スーパーロボット大戦F』及び『スーパーロボット大戦F完結編』。後に『第2次スーパーロボット大戦OG』にも参戦。

メカニックデザインは藤井大誠氏。氏は旧シリーズ期からパッケージ等のSDイラストも担当している。


◆データ◆

分類:指揮官用試作人型機動兵器
全高: 36.5m(旧シリーズ)22.4m(OGシリーズ)
重量: 88.8t(旧シリーズ)67.3t(OGシリーズ)
所属:ゲスト
主なパイロット:グロフィス・ラクレイン
        ゴモウドッカ・ゴライクンル
BGM:VIOLENT BATTLE(ウィンキー版)/ジェノサイドマシーンⅡ(第二次OG)

◆データ◆

ゲスト三将軍の一人、グロフィス・ラクレイン(ロフ)の専用機
機体カラーは藤色で要所にセンサーと思しきグリーンのクリアパーツを備える。
巨大な2門の砲塔を背負い、福引抽選器のような厚く角張った肩、赤い瞳が横に並んだ計4つのカメラアイが特徴の武骨で重厚な機体。

全身を砲と刃物でハリネズミのように覆う尖ったシルエットの多いゾヴォークのメカの中では比較的シンプルな造形をしており、
その姿や戦闘スタイルはどことなくインスペクター四天王・シカログの駆った『ドルーキン』がオーバーラップする。

ゲストの決戦兵器『バラン=シュナイル』の先行試作機。
機動力、防御力は申し分ないが、やや火力不足。

やや…火力…不足…?


………






…どうやらこの機体紹介文をでっちあげたスタッフの正体はハーマル・アルゴー君だったらしい。
…実際は火力が低いというよりも装備している火器のバリエーションに乏しい、という表現が適切。
射程が比較的(あくまで比較的)短く、他の三将軍機のような
大量広域先制攻撃兵器=MAP兵器を持たないというのも関係しているかもしれない。
本機の火器は種類こそ少ないがどれもシンプルかつ強力であり無駄がない。
実際の攻撃力は『当たれば落とされる』レベルである。

これに限らずゲスト勢のロボット大図鑑における評価はどれもデタラメである。
実際のスペックも別の意味でデタラメだが。


『第2次OG』では機体開発の背景が変更&やや掘り下げられ、ゾヴォークの戦争屋『ゴライクンル』が独自に開発した試作型機動兵器という設定になっている。
厚い装甲と頑強なフレームを兼備し、耐久性が高い。格闘戦は本来不向きだが、搭乗者であるロフの戦闘スタイルに合わせ、バーニア・スラスターの増設と、近接戦闘用のクロー「バニッシュゲイザー」を装備している*1
ゴツイ機体を推進器の追加で無理やり豪速機動させて殴り合いに持ち込む、というあたり地球ではメガブースター装備の上Gインパクトステークを持たせたコイツかあるいは単純にコイツに近いか。
乗り手静かなる熱血漢&恋人が水谷VOICEつながりで、もしまともに交戦していればロフと良いライバル関係になれたかもしれない*2


◆ゲーム内での扱い◆


ゲーム内でもゲストの層の厚さも相まってかなりの強敵として立ちふさがるが、
最終的に三将軍とは和解する流れになるゆえ、味方になる機会も必ず用意されている。

Fでは『アデレード奪回(後)』のボスとして登場。
ここでは顔見せ回ゆえ、一度攻撃して次のエネミーフェイズに撤退するために
相手にしたくなければ簡単に対処できるが、撃墜を狙うとなうとやり込みの対象になるほどの強敵。

ロフの性格は『超強気』なので他の敵を撃墜して本機の前にたどり着くころにはもう恐ろしいことになっている。
  1. なるべくザコを落とさず接近し、『脱力』をめいっぱい使い気力を下げる
  2. ハイブリッドアーマーを装備させたボスボロット等の『自爆』でダメージを稼ぐ
  3. 限界まで強化したシャインスパークハイパーオーラ斬りといった大技を1ターンの間に集中して叩き込む
等の綿密な戦略が無ければ勝つのは難しい。
倒せば『ミノフスキークラフト』が手に入る。当時としてはメチャ貴重な代物。

F完結編では終盤のルート選択で、DCルートでは交戦することなく仲間になることも。
ただしポセイダルルートでは交戦を余儀なくされるので死闘再び。当然2回行動もしてくるぞ…


第2次OGでは最初は敵として交戦した後、ゲストとの決戦回・『激震の白い大地』にて他の将軍と共にスポット参戦。
ゲームバランスを踏まえて、Fよりも落ち着いた能力になった。
あくまでスポット参戦ゆえユニット・パイロット共に思うような強化ができないのが残念。
ロフは『不屈』『ひらめき』も持たないが元から重装甲な上にガードと高レベルの底力を持つので『鉄壁』をかけるだけで憂いなし。むしろHP回復(小)のせいで底力の効果が長持ちしないのが地味にひっかかる。
また、元が砲撃機のせいかバニッシュ・ゲイザー以外にP兵器が無く、他の三将軍機にある連続攻撃に対応した武器がない(ロフも連続攻撃のスキルは所持せず)など使い勝手の悪さを感じないでもないが、元よりスポット参戦のユニットに経験値を稼がせる必要もないので±0といったところか。
この戦いの裏を描いた外伝・『ダークプリズン』でも登場し、何故ゼゼーナンに暗殺されたはずのロフが生きていたのかの詳細が描かれる。
いわば守られる立場だがうんざりするほど硬いので足手まといになる心配はない。

OGMDでは戦闘アニメ使い回しの都合でロフ機の仕様を気に入ったゴモウドッカが搭乗。
武装は全く同じだがロフ版とは異なりHP+EN回復、フルブロックが追加されているのが変更点。


◆武装◆

第2次OGでは旧シリーズで再現しきれなかった細かい演出が可能になった反動で、武器の名称・内容・解釈に微妙な差異が生じている。文章にするとややこしい。

また、剣型の武器は一切装備していないが、Fではデータ上は「サーベル装備」になっている為、切り払いには対応している(しかもロフは滅茶苦茶切り払いのレベルが高い)。
ゲストの技術力はァァァァ!銀河一ィィィィィィィイイイ!


  • 連装ミサイル
肩に内蔵されたランチャーから発射するミサイル
ハッチのすぐ上に緑色のクリアパーツがあるが、そこで照準をつけているのだろうか?

  • ドライバーキャノン/大口径ビーム砲
エネルギー収束して火球のごとき弾丸を発射するゲストの標準兵装。マスドライバーの一種か。
第2次OGでは背中の砲がこの武装に該当し、背中から肩へと迫り出して発射する。
接近戦では不向きであり、支援用の武装である。

ちなみに旧シリーズでは大口径ビーム砲という名称であり、発射するのも実弾ではなく赤いビームだった。
しかし2連でなく、片側の砲塔から1本しかビームが放たれない。

  • 2連装ビーム砲
バニッシュゲイザーを使わない方の腕(敵グラだと右腕。ロフは左利きなのだろうか?)に固定装備されている2連装のビーム砲。
連射や大出力砲撃の使い分けができ、第2次OGでは最初は牽制に2連射、続けて極太ビームの連続攻撃になっている。
旧作ではこちらがドライバーキャノンに相当する武器だった。

系統は同じ武装でもゲストの強襲用機動兵器・『カレイツェド』の物は使い捨て型で1度の出撃で1発か2発しか撃てなかったが、
本機のビーム砲は機体直結型で破壊力が増している上に燃費も良いご機嫌な仕様。

  • バニッシュゲイザー
これがかわせるか!次はこいつだ!
とどめだ!
バニッシュ!ゲイザァァァッ!!

君たちに合わせて、テンションを上げていこうか
くらえっ!!
さあ、仕上げだ!!
……叫ぶのは疲れるなあ

ゼイドラム最強の武器。左掌の収束機にエネルギーを充填させ、敵に叩きつけるシンプルな技。
要気力120だが性格が超強気なので気が付くとあっという間に使用可能になる。っていうか威力を考えると必要気力低すぎィ!!
シャイニングフィンガーとはこういうものか!←違います

旧シリーズでは背景が砂嵐を吹き流したかのような殺伐とした効果線に変わり、収束したエネルギーで拳が白熱化。
そのまま白い尾を引いてまっしぐらに突っ込み渾身の一撃をブチ当てるというシンプルな武装だった。
ダメージ計算式の違いから、これで『鉄壁』のかかったマジンカイザーをも一撃で落とすというのは有名であり、当時のスパロボの極悪なゲームバランスを象徴するかのごとき猛威を奮っていた。
味方も射程1必殺技が多いので反撃に備えて『ひらめき』は必須。

第2次OGではビーム砲とミサイルを牽制に発射した後、黒煙をカムフラージュにショルダータックルで敵機の体勢を崩し、
掌部に収束した青白いエネルギー塊をアッパー気味の掌底として叩き込み、
時間差で膨張するエネルギーに敵機が内側から貫かれ爆裂するというコンビネーション系の演出になっている。


余談


★F及びF完結編は『第4次スーパーロボット大戦』のリメイク作品であり、
本機のパイロットであるロフも初登場は第4次だがその頃はまだ三将軍専用機は無かった。
…出されたらたまったもんじゃないが。


★専用BGMはF・F完結編では第3次のインスペクターも含めゾヴォーク陣営共通の強制BGM『VIOLENT BATTLE』。
アレンジ+音源の問題でハードによって大きく曲調が変化することで有名。メドレーにした動画もあるので探して聴いてみるのも面白い。
セガサターン版は第3次の正当進化ともいうべき疾走感と緊迫感に満ちた雰囲気で、これは後のOG版にも受け継がれる。
一方プレイステーション版はスローテンポでミステリアスな曲調で、音質もダウンしているのでファンからはコレジャナイ扱いされがち。
しかし物語の裏で策謀を巡らせ暗躍していたゲストの胡散臭い雰囲気にはマッチしているかもしれない(ロフとは合わないが)。
第2次OGでは第4次のステージBGMだった『ジェノサイドマシーン』がゲストのボス格に宛がわれ、
その中でも本機=ロフのみ専用アレンジ曲として『ジェノサイドマシーンⅡ』が用意されているという謎の優遇。
原曲よりもエレキギターの利いた良アレンジである。


★新旧通してゲーム内のユニットサイズはLだが、実際には旧シリーズでダンクーガ程度はあった巨体が
第2次OGでは大き目のパーソナルトルーパー程度のサイズまで縮んでいる。ライグ=ゲイオスよりも小さいのだが、
どちらもデザインのせいでそうとは思えぬ巨大感が。ゲストメカのプレッシャーは異常である。


キックが必殺技の似たような名のMSがいるが、こいつのフェイタリティは拳。
なお、第2次OGの戦闘台詞を聴く限り本機の機体名のイントネーションはメイド・LOVE』と同じ。



追記・修正はアデレードでゼイドラムからミノフスキークラフトをぶんどってからお願いします。

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最終更新:2024年03月31日 00:02

*1 つまり本来のゼイドラムの指先は尖っていない

*2 第2次OGで部隊ごと和解してしまったのでもうその目は無いが