エス・ノト

登録日:2014/07/10(木) 20:30:28
更新日:2024/02/18 Sun 21:20:50
所要時間:約 5 分で読めます






“生キタイ理由”ヲ答エラレナイ者モ “死ニタクナイ理由”ナラ答エラレルノト同ジ事
“感情ヲ持ッテヰル生物ダケ”デハ無い
全テノ生命ハ「死」ヲ 即チ「恐怖」ヲ 本能的ニ避ケル様ニデキテヰる

命アルモノハ全テ 恐怖カラ逃レル為ニ生き 恐怖カラ逃レル為ニ自ラヲ鍛エ
恐怖カラ逃レル為に成長スルノダカら


恐怖ガ通ジナイ訳ナド無イノだ

ヲ前ニ

命ガ有ル限リは




“ F ” エス・ノト        
Äs Nödt

[職業]滅却師
[所属]見えざる帝国「星十字騎士団」

 [誕生日]12月29日(やぎ座)
 [身長]179cm
 [聖文字]“ F ”
 [能 力]The Fear ― 恐怖(ザ・フィアー)
  ― 恐怖の幻影による精神崩壊
 [完聖体]神の怯え(タタルフォラス)
 [CV]松岡禎丞


漫画「BLEACH」の登場人物。

目次

 概要



口元をマスクで隠している痩せた長髪の男性。見るからに近寄りがたい危ないオーラを放っている。
一部読者からの愛称は「能登さん」
マスクの下の素顔は、唇が削ぎ落とされて歯が剥き出しになっているという非常に不気味なもの。

 人物



過去の経験もあって恐怖を絶対視しており、「"真の恐怖"には理由が無い」「命あるものは全て恐怖から逃れる為に成長する」という信条を掲げている。

ユーハバッハへの忠誠心と恐怖心は高く、「僕の恐怖は陛下の怒りを買って、(陛下の力で救われた)身体の全てを奪われる事だけだ(要約)」と豪語する程。
そしてそれ故に情報(ダーテン)をしっかり把握する真面目さも持ち合わせており、それの把握が不十分な味方に苦言を呈する場面も見られた。

 台詞の表記について



不気味さを表現する為か、片仮名や旧仮名遣いの「ヰ(い)」を交えた独特のセリフ表記がなされている。師匠、読み辛いです。
アニメ版でも松岡氏の怪演が光り(本人曰く「喉をおさえながら演じた」)、その不気味さが再現されたのみならず、TV放送時の字幕表記も原作準拠が徹底されている。
なお、ユーハバッハと出会う以前(病床に伏せていた時)には普通のセリフ表記だった。

◎台詞例
  • 「真の恐怖トハ理由モ無ク際限モ無ク只々体ヲ這イ上ル夥シイ羽虫ノ様ナモノ……吾々ハ本能カラハ逃レラレナヰ」

  • 「実に悪趣味デ楽シソウダ」

  • 「アは アはっ ハはっ アは 動ケナヰね?仕方が無い 其レが "恐怖" 恐怖トは 然ウヰウモノダよ」

  • 「僕ノ恐怖ハ陛下二叱ラレル事ダけ!!!陛下二叱ラレテ僕ノ此の身体ノ全テヲ奪ワレル事ダケだ!!!」


  • 「呼吸というのは苦しいものだ こんな苦しいことをしなければ生きられないなんて生きるってのはなんて不便なんだろう」


 戦闘能力



◇─ 血装(ブルート)


星十字騎士団』全員が持つ基本的な戦闘術のひとつで、自らの血管に霊子を流し込む事で攻防双方の能力を飛躍的に上昇させる、早い話が身体能力強化術。
攻撃用血装「動血装(ブルート・アルテリエ)」と防御用血装「静血装(ブルート・ヴェーネ)」を戦局に応じて切り替え、攻撃に転じれば隊長格の卍解をも上回る力を発揮し、防御に転じれば鋭き刃をも防ぐ皮膚へと硬質化する事が出来る。

彼も当然ながら会得しており、静血装によって零番隊の元で力を付ける前の阿散井恋次の始解の攻撃は防げていたものの、
同じく修行前の朽木白哉の始解による攻撃で静血装を破られてしまっている。

ただ静血装が破られて終わったのは原作の内容。
アニメ4話ではここからエス・ノトが静血装を再調整して強度をさらに上げており、白哉の追撃を悉く防ぎきっている。
それどころか生物で最も脆い弱点である眼球すら硬化*1し千本桜を防いでおりノイトラ戦で「目ん玉が斬れない奴にはまだ遭ったことがない」と言った剣八が喜びそうである)、これには恋次はおろか白哉ですら平静を装えず驚愕した。
原作では始解で静血装が破れた後に即卍解なので「まだ卍解を使う必要はないのでは?」と議論の余地があったが、この描写の追加により始解の火力では勝ち目どころかダメージを与えることも出来ない、文字通りどうにもならないことが追加され、隊長格は卍解するしか選択肢がないということが強調された。*2


◇─ 恐怖(ザ・フィアー)


聖文字“F”の能力。
命中すると相手に「絶大な恐怖のイメージ」を味わせる光の棘状の神聖滅矢(ハイリッヒプファイル)を放つ。
幻術系能力の一種で、恐怖のイメージは人によって様々。

棘が命中すると黒い液体が飛び出していることから、能力発動の基点は液体部分にある模様。
この矢に当たれば並の護廷隊士は一瞬で発狂して精神崩壊を起こし、隊長であり屈強な精神力を持つ白哉ですら恐怖により行動力が著しく低下。
本人の巧みな話術による心理誘導も相まって、ルキアを喪う事を鮮明にイメージさせることに成功し、発狂させて更に動きや判断力を鈍らせ、最終的に奪った千本桜景厳で一時は完全な戦闘不能に陥らせた。

数少ない欠点としては、「無生物もしくは死んだも同然の肉体を持つ相手には効き目が無い事」が挙げられる。
ルキアは袖白雪の真の力で肉体を氷点下以下にする事で、細胞活動を完全停止させることにより突破した。

なお、恐怖が一欠片でもあれば通用するが*3、逆を言えば恐怖が全くない相手には通用しないと思われる。


◇─ 完聖体「神の怯え(タタルフォラス)


君ガ今迄避ケテキタ恐怖ニ 心ヲ灼キ殺サレルガ良イ!!

茨の様な光輪と翼が発生し、下半身の皮膚がロングスカートかロングコート状に変化する。霊子の色は紫色。
また白目を剥いていて尚且つ目の下には血涙の様な模様が現れており、非常に不気味な姿をしている。

能力は「周囲を無数の眼の付いた肉の幕で囲い、自身の眼を見た者に視神経を通して『恐怖』の能力を捻り込む」こと。
幕の中で周囲に無数の眼を展開させる為、どちらを向いても有効となり一度見てしまえば目を瞑っても意味はないどころか、過去の記憶を元に更に精神ダメージが増す。
完聖体前と違って視神経を通すだけで良いので、それまで能力を無効化出来ていたルキアもこの能力からは逃れられなかった。これは彼女の細胞が活動を停止していても、神経は機能していたためである。(神経まで停止させれば防げたかもしれないが、そうなると身動きが取れなくなるため本末転倒である)

後にパワーアップした白哉に卍解でなく始解で能力を破られた事や、ノトが卍解を奪ったお陰で千本桜との絆をより深める事が出来たという白哉の発言に激昂して、身体のあちこちが腐敗し始め更にそこから肉塊を生み出して巨大化。
肋骨が皮膚から突き出し、目玉も眼窩から垂れ落ちた更なる形態を披露した。この時、本体は顎にぶら下がっている。
但し、ルキアに直ぐにやられてしまった為、この状態でどの様な技を使うのかは不明である。




 活躍



 過去


生きることと生かされることに

違いは無い

死ぬことと殺されることに

違いが無いように

(BLEACH63 HEAR,FEAR,HERE より)


ユーハバッハと出会う前の彼は人工呼吸器*4を繋いでいなければ生きていけない程の重病を患っており、*5
ユーハバッハの力によって生き永らえていた事が判明。

この時に味わった苦しみと経験が死(天国に行けず地獄へ堕ちる事)に対して強い恐怖を抱く原因となっており、命を救ってもらったユーハバッハの怒りに触れて力を奪われる事により粛清される事を恐れていた。
恐怖を操る能力者だが、同時に人一倍死の恐怖に苛まれていた訳である。

ちなみに死にかけの寝たきりではあったが、聖文字を得ると共に潜在能力を引き出されてからは、様々な面で水を得た魚どころか正真正銘の化け物クラスになっており、
素手*6で白哉の腹をぶち抜いたり、白哉が恐怖に駆られて振るった剣を造作もなく躱す(アニメでは動きが強調されている)といった凄まじい身体能力も披露している。


 第一次侵攻

見えざる帝国が尸魂界に侵攻した際には恋次、白哉と交戦。白哉の卍解を奪い圧倒する。
因みに恋次は凄く情けない表情で情けない事を言っていた*7ので、上記のイベントやドロップキックが無くとも彼を圧倒していたと思われる。

その後、ナナナバズビーと共に山本元柳斎重國の後ろから奇襲を仕掛けるものの丸焼きにされ死亡した・・と思われていたが、
バズビーが総隊長の炎を自身の炎で相殺した事により生還していた。


 第二次侵攻


朽木白哉はドこ?

貴様に答える義理は無い

君を殺セば 此処ヘ来ルカな?

そうかも知れぬな!

その次の侵攻では死神側によってメダリオン対策がされた為に白哉の卍解がエス・ノトの手元から離れる。
その時の反応から白哉の卍解『千本桜景厳』をかなり気に入ったらしく手元から離れた後は淋しがっていた。
千本桜を失った淋しさに暮れながらもその道中でルキアと対峙、戦闘に入る。
最初は始解の真の力を発揮したルキアに能力を無力化され押されていたものの、滅却師完聖体を発動。
彼女を肉の幕に閉じ込め発狂死寸前まで追い詰めるが、増援の白哉の助力によってルキアは九死に一生を得た。
余談だが、白哉は増援に来た後、ノトと会話している最中にも(前回とは状況も言葉の意味も違うが)「済まぬ」と言っていたりする。

「良ク来た。待チカネタよ。ドウダい?僕ノ抉ッタ臓物ノ調子は?」
「胃袋ナンテ全部穿リ出シテヤッタンだ。食ベラレナクテ随分飢ジカッタダロう?」

と前回侵攻時に白哉を完全敗北させた事を掘り返して煽り、彼も幕の内側に閉じ込めようとするが、千本桜で阻止される。
エス・ノトは卍解で阻止したのかと饒舌に喋るも、白哉から「今のは始解だ」と返され、卍解ではない事に驚愕。
卍解を奪われた事で、千本桜の真髄を知り、絆を深める事が出来たと白哉から感謝されブチギレる。

「殺サナい…殺サナい…殺サナい…殺サナい…殺サナい…
殺サナい…殺サナい…」
「オ前ハ絶対に殺サナイ!!」

「気ヲ失ウ事モ気が触レル事モデキヌマま苦痛ト恐怖ノ海ニ沈メテ死ネレバ幸セダト思イナガラ永久ニ生キ永ラエサセテヤる!!!!」

前述したガシャドクロを彷彿とさせる巨大な姿に変貌。
白哉の言葉でルキアは奮起し、零番隊の元で習得した卍解『白霞罰』を発動したことにより身体の芯まで凍らされた後、皮肉にも自身が死への恐怖に怯えながら死んでいった。
彼の尸魂界における殺戮の数々を考慮すれば、おそらく地獄行きは免れないだろう。
ユーハバッハに出会う事無くあのまま死ねていれば、彼には安らかな死後が待っていたのかもしれない・・・

ただし地獄行きはあくまで生前に罪を犯した魂なので、霊体である滅却師がどうなるかは不明。
ユーハバッハに力を与えられた者は死後に魂を吸収されるが、そのユーハバッハも倒されたため、吸収された魂の行く先も不明。
案外、尸魂界に分解されて新たな魂として現世に転生しているかもしれない。あるいは獄頣鳴鳴篇で明らかになった事実を踏まえると、彼の行い云々に関係無く地獄に辿り着いているのかもしれない。




怖いよ 僕は死ぬのかな 僕は地獄へ行クノかな 許シテ陛下 怒らなイで 怖いよ 苦シイノは怖いよ 痛いのは怖イよ
怖い 怖い 怖い 怖イ 怖イ 怖イ 怖イよ 怖...






追記・修正は恐怖に打ち勝ってからお願いします。

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最終更新:2024年02月18日 21:20

*1 血装は自身の血に作用する能力なので、血液が流れるあらゆる部位、それこそ眼球にも効果が付随出来るのである

*2 なお他の隊長格の戦闘も悉く始解の状態ではダメージを与えられなかった

*3 そしてどんな強者でもまず恐怖はある

*4 奇しくも普段被っているマスクと似た形状の物

*5 この時は聖別直後ということもあり、さらに弱っていた。弱っていたので誤解しやすいが、あくまで彼は最初の聖別対象になった一部の純血であり混血統ではない。

*6 一応動血装は使っていたと思われる

*7 といってもあんな絶望的な状況では誰でもああ言いたくなる程の地獄なので仕方ない部分もある