ガルムレイド

登録日:2014/07/05 Sat 05:01:58
更新日:2022/06/07 Tue 22:20:41
所要時間:約 15 分で読めます





ガルムレイドはゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』のオリジナルメカ。
初出はスーパーロボット大戦MXで同作で『スーパーロボット系』を選択した際の主人公機。
後に第2次スーパーロボット大戦OGにも参戦。

本項目では後継機『ガルムレイド・ブレイズ』についても記載する。

メカニックデザインは青木健太氏。同氏はMXのリアル系主人公機サーベラスのデザインも担当。



◆概要◆

分類:人型機動兵器【TEアブソーバー】
形式番号:YTA-07RB【ツェントル・プロジェクト7号機】
全高:49.3 m
重量:101.4 t
動力・エンジン・エネルギー:TEエンジン兼電力バッテリー併用
MMI:ダイレクト・フィーリング・コントロール
開発者:ミタール・ザパト
所属:マグネイト・テン(MX)鋼龍戦隊(第2次OG)
主なパイロット ヒューゴ・メディオ【メイン】,アクア・ケントルム【サブ】


あらゆる空間に遍在するエネルギー『ターミナス・エナジー』で駆動するTEエンジンと自己修復機能を持つ新素材「ラズムナニウム」により、
修理も補給も必要ないメンテナンスフリーの機体を開発することを目的とした『ツェントル・プロジェクト』により開発された
TEアブゾーバー・試作7号機』。

TEエンジンとラズムナニウムは試作段階では双方ともに調整が非常に難しいというネックがあり、
充分なデータが取得できるまでは同じ機体に搭載できないという理由で、本機にはTEエンジンのみが搭載されている。
なお同系機がもう一機存在しているが運用されておらず、試験運用機に緊急事態が起こった際のスペアパーツとしての意味合いが強い。

機体名は北欧神話に登場する猛犬『ガルム』と、襲撃・急襲を意味する英語『レイド』の合成で、
同じく地獄の番犬を名の由来とする試作6号機・サーベラスと対になっている。

5、6号機が量産を目指したいわゆるリアルロボット型なのに対し、機体サイズは大型化、パワー重視の格闘戦を主眼に置いたスーパーロボット。
をメインカラーにロボットをふんだんに使った突起だらけのごついボディ&太い手足、
と良い意味で玩具っぽいデザインが燃える。

どこにでもあるエネルギーを取り込んで動くので補給は不要、必殺武器も使い放題がうたい文句ではあるものの、試作型TEエンジンは不安定で、
操縦を担当するメインパイロットとは別につきっきりでエンジンの面倒を見つつ、エネルギーを制御するオペレーターの同乗が不可欠。

なおかつ、そのオペレーターは露出多めのエロ水着素肌に密着するDFC(ダイレクト・フィーリング・コントロール)スーツで
機体と擬似的に繋がってコンタクトふぅを取らなくてはならない。

その都合上、オペレーターはアクア嬢のような若くてナイスバディで敏感な女性にしか勤まらない。これは絶対条件である。
こんなんで量産までこぎつけられるのか?

……それでも機体の動力を常時100%賄うまでには至らず、
サブ動力源として機体の関節各部に補助電池をセットしてようやく運用できるのが現状。

要するにコイツは水着のねーちゃんに四六時中ご機嫌とってもらわないと働かない困ったちゃん。なんだこの駄犬。

常時確認できるツインアイの上に、実はバイザーに隠されたもう1対の目があり、計4つの目を持つが、
これは名前の由来となったガルムが4つ目を持つという説から(インド神話におけるヤマ(閻魔大王)の飼犬『サーラメーヤ』も同様の特徴を持つ)。
4つの目を見開いた状態はバーニングブレイカー使用時に確認できる。
設定では顔の左右に設置された半球状の装甲も閉じて頭を覆い隠すことが可能(休眠状態のライディーンのような感じ)。

ちなみにガルムレイドが参戦したMXは版権作品でもフェイスオープン機能を持った主人公機が何機もいる他、
赤くて目が4つある超有名な機体も自軍入りする。

MXでは強奪されたメディウス・ロクスの追撃任務を負い、マグネイト・テンに参加。地球を狙うさまざまな敵勢力と戦いを繰り広げることに。
第2次OGでは逆に鋼龍戦隊に配属されたばかりに大統領殺害の賊軍として追われる立場となる。

いずれの作品でもメディウスをあと一歩まで追い詰めるも、
ラズムナニウムの自己進化によって第2形態へと変貌したメディウスの反撃を受け大破してしまう。


他のパイロットに下げ渡されるでも、強化され生まれ変わるでもなく、
ライバルに敗れたまま再起不能となってしまうという不幸な末路を取った主人公機であった。
色・武器・去就となんとなく指パッチンでぶっ壊された奴に似ている気がする。

ゲーム内ではスーパーロボット=燃費が悪いというシリーズのセオリーに反し、全体的に武器の消費ENが低く、
ENも弾薬も消費しない有射程P武器ファング・ナックルの存在もあってサーベラスよりも継戦能力に優れる。
その一方で見た目の印象ほど装甲はなく、防御・回避に役立つ能力もない。

突出させず、仲間との連携・援護で攻めていくまさに『猟犬』といった運用を求められる。
そのため、ライバルのメディウス・ロクスと1体1で戦う時は運動性を強化することで互角に渡り合えるサーベラスよりも慎重な戦術を求められる。



★武装・必殺技★

ブラッディ・レイ
額のランプから発射する一条の赤色光線。レイとあるがビーム属性はない。
ダブルアタック及び支援攻撃に対応するが、威力は低め。



ファング・ナックル
獣の顎を象った肩アーマーを拳と連結し、ロケットパンチの要領で撃ち出すガルムレイドを象徴する武装のひとつ。
ナックルは後述のファンググリルが持つ開閉機能を利用して敵機に喰らいつき、そのまま高速回転して噛み千切る。
無消費の有射程P武器なので使い勝手は抜群。MXの4コマアンソロジーでは『ガジパン』の愛称で呼ばれたことも。



サンダー・スピンエッジ
両膝に装備された巨大な回転ノコギリ。使用時は外側に大きく押し出され、刃から真空放電が起こる。
機体の全重量を乗せた真空跳び膝蹴りを叩き込みながら電撃斬撃を同時にお見舞いするデンジャラスな荒業。
使徒やら白ウナギやらのナマモノにはあまり使いたくない。
燃費がいいので多用していける武器。MXではマップ上の障害物を破壊可能な属性も持たされていた。

……普通回転ノコギリはエッジが食い込む方向に回るものだが、何故か戦闘アニメでは逆に回ってたりする。



バーニング・ブレイカー
TEエンジンの出力を限界まで高めて放つガルムレイドの必殺技。
ヒィーゴの「イグニション!!」の掛け声で、両肩アーマーと脚部の放熱口「ファング・グリル」が開放。
巨大な×の字状に火柱を噴き上げ、その身を炎に包み渾身の鉄拳を叩き込む。

何かというと乱舞や全武器使用コンボといった「呆れるほど冗長な演出だぜぇ…」に陥りがちな、
オリ主人公機の最強武器にしては貴重な一撃必殺ぶりや、
後継機に乗り換えるとなぜか見られなくなるヒューゴの躍動感あふれるカットイン(第2次OGでは改善された)から
熱い支持の多い技。射程2までカバーできる為、援護攻撃用としても優秀。







― Let's Ignition! ―






ガルムレイド・ブレイズ


分類:人型機動兵器【TEアブソーバー】
形式番号:YTA-09RB【ツェントル・プロジェクト9号機】
全高:52.2 m
重量:124.2 t
動力:TEエンジン兼電力バッテリー併用
MMI:ダイレクト・フィーリング・コントロール
開発者:ミタール・ザパト
所属 MX:マグネイト・テン
第2次OG:ガイアセイバーズ⇒鋼龍戦隊

主なパイロット:ヒューゴ・メディオ【フォームG】,アクア・ケントルム【フォームS】



◆概要◆

スーパーロボット大戦MX、後期主人公機。

ガルムレイドの取得データを元に設計・開発されたTEアブゾーバー試作9号機。
外観はよく似ているが、ガルムレイドとは別の機体である。ブレイズは英語で『炎』。
『地獄の業火』の連想から俗語では地獄という意味も。

依然としてDFCスーツによるコンタクトや補助バッテリーの併用は必要なものの、
データの蓄積により改良された新型TEエンジンを搭載しており、出力・安定性ともにガルムレイドよりも大幅に向上している。

本体部分もガルムレイドのアッパーバージョンとして運用可能だが、
最大の特徴は無人機動兵器『マシン・アニマリート』の随伴・合体機構。

このマシン・アニマリートを合体させる部位によって、
格闘戦形態『フォームG』と射撃戦形態『フォームS』の2つの形態を使い分けられる(ゲーム内では『変形』コマンドによって再現)。

オペレーターのアクアの負担が減ったことで、フォームGの操縦はヒューゴ、フォームSの操縦はアクアがそれぞれ担当することが可能となった。

ゲーム内では距離に合わせて変形することであらゆる状況に対応できる強力な機体。
ただし、EN消費式のバリアも相まって燃費自体はガルムレイドのころから大幅に悪化している点に注意が必要。

第2次OGではサーベラス・イグナイトと共にまさかの敵機として戦慄の登場を果たす
(制御はツェントル・プロジェクトの成果のひとつ、人工知能AI0が行う)。
手始めにゲストのゲイオス=グルードを血祭りに上げ、その後、鋼龍戦隊とも交戦。
最後はサーベラス・イグナイト共々に鹵獲された事で、ヒューゴとアクアの搭乗機として運用される事になる。
乗り換え前のガルムレイド/サーベラス同様、パイロットの都合で
どちらか片方しか選んで出撃させられないのでちょっともったいない。



マシン・アニマリート

ガルムレイド・ブレイズを支援する2機の自律型機動兵器。
変形し強化パーツとなりブレイズと合体することでその機能を飛躍的に上昇させるほか、
分離時はコンビネーションによる攻撃でブレイズを援護する。


ヒオウ

鷹を模したマシン・アニマリート(正確には鳥の意匠の戦闘機)。
メインカラーは赤と金。散弾状の速射ビーム弾幕による空中からの援護射撃を得意とするほか、
赤いTEエネルギー力場に身を包んで突進するなどのラフな接近戦までこなす。
フォームG時は胸部アーマーと翼(フライトシステム)として、フォームS時は4基の砲門として役立てられる。
名前を漢字で書くとおそらく『飛鷹』。


ロウガ

を模したマシン・アニマリート。
メインカラーは青と白。小型ながら俊敏かつ頑強な機体で、噛みつき攻撃を主体とした格闘戦を得意とする。
背面に4連で並んだカッター状のパーツが特徴で、組み換えによって巨大ドリル『ロウガ・クラッシャー』や風車状のシールドに変形する。
フォームG時の肩アーマーとドリル、フォームS時の盾、下駄として役立てられる。
名前を漢字で書くとおそらく『狼牙』。


フォームG

ガルムレイド・ブレイズの格闘戦形態。背後に広げられた金色の翼と右腕に装着した『ロウガ・クラッシャー』が特徴。
第2次OGでは空の適応が高い反面、陸の適応が下がるので常に飛ばして運用した方が良い。
Gは何の略か明かされていないが、格闘戦仕様=GRAPPLERか?


フォームS

ガルムレイド・ブレイズの射撃戦形態。左腕につけたシールドと背面から上向きに伸びた二本の砲塔が特徴。
Gとは逆に地上適応が高まる代わりに空中適応が下がる。
Sは射撃戦仕様=SHOOTERか?


★武装・必殺技★
両形態で全属性軽減バリア・『TEスフィア』を展開可能。Sフォームはシールド防御機能を持つ。

【どちらの形態でも使用可能】

ブラッディレイ
額から発射する赤色光線。性能は大体ガルムレイドと同じ。


ファング・ナックル
肩アーマーでなく腕部に設置されたパーツを拳に展開し射出する。
切り離した前腕部そのものが巨大な犬の顔といった意匠を持ち、敵機にくらいつく。
どちらのフォームでも使えるが、パーツの干渉の問題でフォームGは左腕、フォームSは右腕を飛ばす。
また、パーツ未装着時の素体を見る限り、従来通りファンググリルを備えた肩アーマー自体はブレイズにも存在している。




【フォームG専用】


ライトニング・スピンエッジ
ガルムレイド時とほぼ同じ武装。
パーツに干渉するわけでもないのに何故かフォームSでは使えない。



ターミナス・ブラスター
胸のオーブ状の部位からターミナスエネルギーを極太ビームとして放出する。
メディウスのターミナス・ブレイザーと原理は同じだが、こちらは水色。
第2次OGではダブルアタック可能な全体攻撃武器としては非常に威力が高いが、最大射程4で移動後に撃てないためやや使い勝手が悪い。



ロウガ・クラッシャー
右腕に装着するロウガの頭部と背面カッターから成る巨大なドリルクロー(外観はドリルというより銛に近い)。ファングナックル同様射出も可能。
敵機に突き刺し、射出し、再ドッキングしてダメ押しに貫く。
第2次OGでは射出したクラッシャーにドロップキックをかまして、もろともに敵機のどてっぱらを突き抜けるという演出にパワーアップした。


エグゼキューション・レイド
ヒューゴの「イグニション!!」の掛け声で機体を炎に包み突進。
ロウガ・クラッシャーで敵を貫き「イクスプロージョン!」で炸裂させる。
最後は抱え上げた敵をターミナス・ブラスターで上空まで吹き飛ばし打ち上げ花火の如く爆発四散させる。

第2次OGではMXとは逆にロウガ・クラッシャーで打ち上げた敵を追撃して蹴り落とし、
地面に押さえつけてゼロ距離からのターミナス・ブラスターで地下深く追いやり、焼き尽くす。
ブラスターの威力が地球を貫通して大気圏外から観測可能なレベルの火柱を立てるという
壮絶なレベルに達しており、決戦の地が南極であることから南極と北極を同時に壊滅させる魔技と化した。
シメに指パッチンなんかしない。



【フォームS専用】
待望のカットイン・解禁。満喫せよ。


TEスフィア・ブレイザー
肩部・胸部左右の四つの砲口(ヒオウのもの)からエネルギーを球状に収束して放ち、さらに両砲口からエネルギー砲を連射する。
第2次OGでは射程3~10の全体攻撃武器であり、このフォームの主力武器となる。



マシン・アニマリートレイド
アクアの「イグニション!」でTEBリミッターを解除して「ロウガ」と「ヒオウ」をパージ。
両機が突撃して「ロウガ」が噛み付き、「ヒオウ」が機関砲と嘴による刺突を加える。
第2次OGではバリア貫通あり。パーツを取ったブレイズ本体や、アニマリートの分離・変形機構を確認できる希少な戦闘アニメ。



トリニティ・デッドエンド
マシン・アニマリートレイドの流れから、本体からも最大出力のエネルギーを撃ち放ち直撃させる。第2次OGでは何故かバリア貫通属性なし。
でかすぎるエネルギー球を相手に打ち下ろすさまは完全に元気玉。
第二次OGでは技名の言い方が微妙に変わってる。




☆余談

◎寺田Pの語る本機のコンセプトは(旧)『ガイキング』『メカンダーロボ』のような、凶悪な武装を積んだコワモテ系ロボとのこと。
なお、参考までにいうとガイキングは胴体の大口で敵を噛み砕き、鼻の穴から小型核ミサイルを雨あられと速射、
メカンダーは棘付の円盾を使って敵メカの頭を挟み潰し、機体の原子炉から直接核の炎を解放するのが必殺武器。
……ヒューゴさん同様、ガルムレイドは謙虚な後輩ロボなのかもしれない……


◎デザイナーの青木氏曰く、
ガルムレイド・ブレイズの二つのフォームはそれぞれパーツが別形態を取った時に干渉しない位置にくるようデザインされており、
仮にロウガ・ヒオウが2機ずつ用意できた場合、5機合体させて両フォームの特性を併せ持った最強形態(青木氏曰くグレート合体)に
できるとのこと。素晴らしい浪漫である。






追記・修正はDFCスーツ着用の上で行ってください。

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最終更新:2022年06月07日 22:20