臙条巴

登録日:2010/01/16 (土) 03:53:03
更新日:2024/04/23 Tue 02:20:23
所要時間:約 3 分で読めます




えんじょう ともえ
CV:柿原徹也五十嵐裕美(幼少期)

空の境界 第五章「矛盾螺旋」の登場人物
母親を殺害した現場の小川マンションから逃げ、自暴自棄になって喧嘩していた時に両儀式に助けられる形で式に出会う。
話し合いの末、当面の隠れ家として式の部屋に寝泊まりすることとなる。

出会った時から式に強く惹かれていて、式を知るうちに好きになる(ちなみに式に想いを打ち明けるが、「巴がオレを好きになるはずがない」と想いを否定されている)。

昔は有名なスプリンターだった(部屋には大会で優勝した際の賞状も飾られていた)が、生活苦に陥っている家族の生計を支えるため高校を退学してフリーターをしている。
上記の理由により元から悪かった親子の仲も悪化し断絶状態になってしまった。




以下、ネタバレ

















その正体はコルネリウス・アルバが造り、荒耶宗蓮の死を繰り返す螺旋の一部であった臙条巴の記憶を移植された“人形”。
「臙条巴」本人は物語以前(約半年前)に母親に殺害されている。
人形自体は最後の一日(死んだ時)を永遠に繰り返す筈だったが、巴は自分を殺しに来た母を逆に殺害し逃亡するというイレギュラーな行動を起こす。
彼の存在は荒耶にとって完全なイレギュラーであったが、死を繰り返す螺旋から離れる際に式への関心を付け加えて、式を誘い込むための道具とされていた。

最期、荒耶に真実を告げられ自分の存在意義を否定されるが、式に抱いた感情や今自分に宿る意思は本物とし荒耶に挑む。
見事、式が視た死の線の収束する箇所をナイフで突くことに成功するも直死の魔眼の性質上、『死』が見えていないと効果を表さないため不発に終わり殺害される。
しかし、その時間が式に結界から脱出するための時間となっており、彼がいなければ式の頭は破壊されその体に荒耶の頭が移植されていた。

荒耶によれば、その起源は『無価値』であり、「何も成しえない」存在。
であるが故に「何をしようが毒にも害にもならない、ならば万に一つも抑止に悟られぬよう両義式を誘い出せれば上出来」……というのが荒耶の認識であった。
しかしそもそもをして「臙条巴が母を殺し返す」ということは他ならない「一切変化するはずがなかったループ」を構築した荒耶自身のミスである。
だが魔術師は己の小さな失態を認めることができずに、その論点を「無価値な臙条巴が行った些末事」とすり替えて善しとし、剰つさえ計画の一部に組み込んでしまった。
存在を「無価値」と断じられた少年は、故に怪僧自身が犯したミスを「無価値」と誤認させ、あらゆる前提条件を完全に破綻させることに成功していたのである。

「おまえはあいつという予定のズレを見て、それを利用する事で良しとした。
    けど、その時点でおまえはもう穴だらけになっていたんだ。
    あいつは、臙条巴は、この螺旋から抜け出した時点で、もう十分すぎるぐらい意味があったんだよ」

最後に自らの弱さを認め、勝てるはずのない魔術師に完勝したまま螺旋を抜け出ていった臙条巴。
抑止さえ含めた他の障害全てに勝利したが、臙条巴という一個人を侮ったが故に抑止力(じぶん)の矛盾に囚われ負けた荒耶宗蓮。
霊長というものを敵視し続けた怪物は、たった一人のちっぽけな少年の家族愛に敗れたのである。

ちなみに臙条巴はFate/stay nightの主人公である衛宮士郎の元となっている。
その為か、立ち絵が異常な程そっくり


マンション突入直前に黒桐幹也の名前を聞き、普段の式の言動と行動から察して式の部屋の鍵を譲っている。

「わりぃな、両儀。俺は、おまえのためにしんでやれねぇわ。俺はさ―――俺のために、この命を懸けなくちゃいけねえみてえだ」

巴は、両儀式という少女の記憶を思考から消去した。

「俺は偽物か、アラヤ」

「――すでに、語るまでもない」

巴はそうかもな、と素直に頷く。

「人形風情が悟ったつもりか。そんなものは魔境に過ぎぬ。明鏡を得ようと止水に至ろうと、所詮その身が作り物である事実は変わりはしない」

「ああ。―――それでも、この心は本物なんだよ」



第五章「矛盾螺旋」の主題歌Sprinterは彼のことを歌った曲でもある


関係者

  • 臙条孝之

父親。矛盾螺旋時点で40歳。国立大学卒。浅上商事営業部などで働いていたこともあったが退職。おそらく飲酒運転を起こした事により解雇されたと思われる。
かつては家族思いの父であり夫だったが、人の精神を蝕む小川マンションのせいなのか、矛盾螺旋の時点では酒に溺れるDV男になってしまっている。
彼が無免許運転で死亡事故を起こした事が臙条家が崩壊・一家心中するすべてのきっかけとなった。
彼の暴力と生活ぶりに耐えかねた楓によりフライパンで殴られた上包丁で首元を刺され死亡した。

ちなみに冒頭に出てくる警察の文書の備考欄によると

  • H5無免許運転による死亡事故を起こしている。
  • 以後、定職は特に無く、転居の回数も増えている。
  • それ以外の犯歴はないが、以前の住居では、近所の住人としばしばトラブルを起こしている。家賃滞納も何度かある。

とのこと。

  • 臙条楓

母親。41歳。
元々はお嬢様だったらしく、私立のエスカレーター式の女子大卒。
しかし夫が失業後困窮し、彼女自身スーパーでパートタイマーとして働いていた。
が、ついに夫の態度や暴力に耐えかね彼を殺害。その直後に巴も包丁で滅多刺しにし殺害。
夫と息子を殺した後、自分自身も包丁で頸動脈を切り自殺を遂げる。

ちなみに冒頭に出てくる警察の文書の備考欄によると

  • 現在はマーケットで午前と午後のパート勤務。
  • 近所や職場に友人もなく、物静かで内気な性格。
  • 両親は資産家。夫の孝之が起こした事故の賠償金も、楓の両親が支払った。

とのこと。


セリフ

「良いぜ!お前の為に死んでやるよ!!」

「お前に惚れてるからだよ!!」

「何だよ!何なんだよ!!これ!!」

「鍵がない家なんて、家じゃないんだ…」

「ああ… この螺旋が矛盾していたら良かったのに…」

「ここにあったんだ…」

「――風は止んだし、合図もなった。さあ-そろそろ本気で走りはじめなくちゃ――」




ああ… この追記・修正が矛盾していたら良かったのに…

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最終更新:2024年04月23日 02:20