蛇(バード)

登録日:2014/06/21 Sat 16:20:13
更新日:2024/04/05 Fri 22:01:14
所要時間:約 4 分で読めます




結局この世に不可能なことなどないのさ

あるとすれば臆病者の心に 負け犬の腐った胸の中に
オレは負けない 誰にも屈しない たとえこの指を悪魔にささげようとも


青山広美の麻雀漫画『バード 砂漠の勝負師』の登場人物。
主人公の天才マジシャンバードと対決する敵役にして裏の麻雀界に君臨する無敵の雀士。
彼の不敗神話を支える究極のイカサマ「全自動卓一人天和」を打ち破ることが物語の中心となる。


【人物】

悪魔の指を持つと謳われる暴力団天狗家連合お抱えの代打ち。大勝負以外では表に姿を見せず「人間の心臓を喰った」「役満振った男の生皮を剥いだ」などおぞましい噂で語られている。

外見は田舎の農夫然とした太った初老の男性で、普段は東京の下町に暮らし周囲の住人からは「源ちゃん」と親しまれている様子。
趣味の家庭菜園で大根やトマトを作り、手製の沢庵を天狗家会長に贈ろうとしている。

「いい肥料が健康な野菜を育てるんだ!」

……ただし肥料はミンチにした人間の死体
噂以上の残忍な狂人で勝負が終わると気分次第で敗者を殺傷する。
かつてヒロイン・沙良を破った際には一晩中全身の関節を外しては嵌め直す拷問を加えたうえ左肩に蛇を象った傷跡を刻み込んだ。

「全自動卓一人天和」に絶対の自信を持っており普段は余裕ある態度を崩さないがバードに追い詰められ自分だけのものであるはずの天和を食らった際には取り乱し凶暴性をあらわにする姿も見せた。


【全自動卓一人天和】

「蛇」がその人生を費やして生み出した技術。
山積みを機械の力で行う全自動麻雀卓の登場は阿佐田哲也『麻雀放浪記』に描かれた「積み込み」「ドラ爆」「2の2の天和」といったイカサマ技を絶滅に追いやったが、
その自動卓で配牌で和了形の完成している役満・天和(偶然での出現率は約33万分の1)を作る。
天和・字一色などの複合役満も可能であるため「32000オールで全員トビ」といった状況が生まれる。

まさに決まれば勝ちの必殺技であり、「蛇」の麻雀の全てはこの技の発動に繋げるための極めてシステマティックな作業である。
そのため他の麻雀漫画で語られるような「牌効率」「ツキ」「勝負の流れ」「揺れない心」などといった要素は一切関係なく、蛇一人だけ全く別のゲームをしているといっても過言ではない。

使用される全自動卓は連載当時(2000年頃)の最新機種であるアモスの「モンスター」。

細かい条件はあるが簡単に説明すると全自動卓天和の流れは

  • 自動卓で最後に山が積まれる席(天和席)に座る
  • 和了形を含む17枚の牌を局の終了時に抜いておく
  • 次々局に自分の席の前に出てくる牌山(本来17枚の上下二段で34枚ずつだが抜きのため一段しかない)の上に抜いておいた17枚を一瞬で並べる
  • 取り終えた配牌14枚と仕込まれた上山のうち14枚をツバメ返しで交換する
  • 天和完成

このプロセスで最大の難関は17枚もの麻雀牌を両掌に隠して(吊り、マジック用語ではパーム)牌山に並べることで、バードをして「不可能」「マジシャンの技術とは次元が違う」とまで言わしめた。

かつて全自動卓天和の理論に辿り着きながら人間業では不可能なこの難関に行き詰まった蛇がとった行動は

自分の指をすべて切断し磁石を埋め込んで再接合することで手に牌を吸い付ける

というもの。
この人体改造によって指の神経が炎症を起こし牌に触れるたび激痛が走るという代償を支払っている。
「蛇」はかつて麻雀に向かない短く太い指に苦悩する二流の雀士であり、一介の凡人が狂気と妄執によって限界を超えたという矜持こそが自分を支える真の武器であると語っている。

作中でも「全自動卓天和」でバードを圧倒するがバードの生み出した「新・全自動卓天和」によって追い詰められる。
なおも「全自動卓天和」で勝負を賭けるもツバメ返しで山を崩すというあり得ないはずのミスで失敗、沙良の九蓮宝燈に振り込んで敗北する。

最期は不敗神話の崩壊を認めずバードを殺害しようと大立ち回りを演じるも叶わず、再戦と復讐を誓って逃亡しようとしたところ落雷の直撃を受けて死亡。体の一部すら残らず消滅した。



【リメイク版】


恐縮です

『ギャンブルフィッシュ』でコンビを組んだ原作青山・作画山根和俊によるリメイク版『バード』にも登場。
山積みに加えて配牌まで自動化された最新の麻雀卓で新たな「全自動卓天和」を披露する。
こちらでは中年サラリーマン風のハゲメガネになっており、流血描写の代わりに恥辱をエネルギーに変えるためSMクラブに通う、失態を犯した相棒の不破(男)をレイプ制裁するなど性的な描写が多い。
その他にも片手で顎を簡単に砕く、頭蓋骨が砕ける勢いを持って牌を顔面にぶつける等やたらハイパワー。

リメイク版の連載は2011年で、作中使用される全自動卓はアモスの「ウルティマ」。
技術の発達により全自動卓の性能も以下のように変わっている。

  • 「モンスター」は卓内部の次局の山が順番に積まれるのに対し、「ウルティマ」は卓内部の次局の山は同時に積まれる。
  • 「モンスター」は山のみが積まれ、手牌は手動で取るのに対し、「ウルティマ」は手牌までも自動で積まれる。

それに伴い全自動卓天和にもアクションが増えている。
  • 自分の指を切断して中に埋め込んだ磁石は電磁石に変更、電源はリチウム電池、スイッチは掌に埋めている。
  • 抜いた牌は自分の腹の下に隠す。
  • 牌不足によるエラーを回避する為に引っかけ穴に眼鏡に仕掛けたレーザーをセンサー受口部に発射し光学センサーを騙す。
  • 後は腹に隠した牌を掌にセットしエレベーターが上昇するタイミングでセットし光速のツバメ返しで交換し天和役を手牌に置く。

バードに破れた後、その場にいた全員皆殺ししようとしたが、電磁石の電気に関知し原作同様雷に打たれて消滅する。


しかしオリジナル展開の第二部・雀界天使編にて大火傷を負いながらも生存していたことが判明。全身が火傷の跡であたかも蛇の表面のように人間離れした姿になっている。
第二部ラストでバードに敗れ刑務所に収監された不破の前に現れ復活を宣言する……


第三部・闇市編でバードを拉致し、バードと共に雷を打たれて昭和20年にタイムスリップした。
タイムスリップの影響なのか全身の火傷の跡は消えていた。
経緯は不明だが「黄龍会」の代打ちとして暗躍し、バードと再び対戦する事になる………
と思いきや、大御所として登場した蛇の親父の方がタイムスリップした蛇であり、火傷の消えた蛇は息子というオチだった。
親子でバードに挑むも敗れ、最終的にはまたもや一緒に雷に打たれバードは現代へ帰還。その横にはタイムスリップ前に雷に打たれた姿で死んだ蛇の姿があった。
夢オチかと思いきやバードが過去で出会った人間が年老いた姿でバードを訪ねてきたりした為、過去の出来事は起こった上で蛇は死んだものと思われる。
まぁもし続編をやるようなら蛇もまた復活するだろうけど。



私の完璧な項目を下手な追記で汚した罪は重い
約束通りお仕置きですね(ズルッ

な…なんでや!?ワイがどんなミスをッ!?追記修正の何がアカンのやッ!? やめろッ!!
やめんかッ!!イカれ変態ハゲメガネッ!!!
この腐れ外道がッ…

恐 縮 で す

ズンッ

ぐおあぁッ!!!!

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最終更新:2024年04月05日 22:01