さかさバトル(ポケモン)

登録日:2014/06/06 (金) 22:02:07
更新日:2023/11/04 Sat 23:29:20
所要時間:約 8 分で読めます




さかさバトルとは、ポケットモンスター X・Yで登場した新しい対戦ルールである。


■もくじ


■概要


簡単に言えば名前の通りタイプ相性が逆転するルールで、抜群が半減に、半減・無効が抜群となる
そのため、このルールでは基本的に無効化される攻撃はなくなり、技の一貫性が上がるのである(特性で無効化される事はあるが)。
ただし、水タイプへの「フリーズドライ」は例外的に反転されない。「タイプ相性」ではなく「わざの特殊効果」だからか
もっとも、他の氷技も水へ抜群が取れるようになるので、事実上の劣化技となるが。

相性反転は変化技にも適用され、例えば「ステルスロック」は飛行などに半減され、地面などに抜群となる。
また無効化されないため、地面タイプを「でんじは」でまひ状態にすることも可能。
ただし、タイプそのものが状態異常を無効化する場合は通常ルール通り
つまり、炎タイプに「おにび」を使っても火傷にならないし、
毒タイプ鋼タイプに「どくどく」を使っても特性がふしょくでない限りにならない。

■本編でのさかさバトル


終の洞窟の隣にある民家(ORASではキンセツシティのバトルサービス さかさ)で1日1回挑戦できる。
相手のポケモンはランダムで3匹選ばれる。殿堂入り前はLv.55、殿堂入り後はLv.65(ORASでは殿堂入り前はLv.20、殿堂入り後はLv.55)。
目の前でレポートを書いてリセットすれば対戦相手を選ぶことが可能。
ただし、見ての通りかなりの高レベルな上に、バトル系施設と同じように強力な道具を持ち、努力値も振られているため、
一歩間違えばあっさり全滅しかねないものとなっている。
レベル100のポケモンでもプレイングミスから返り討ちにあったという報告もあり、まさに初見殺しである。
特にヌケニンを相手にした場合、特性の特殊さも相まって考えこんでしまった方もいるだろう。

ここでは成績次第でアイテムを貰えるようになっており、効果抜群をとると+1ポイント、半減・無効化されると-1ポイントされ、
最終成績に応じて各種アイテムがもらえる。報酬は4~6で半減実、7~9で進化の石、10ポイント以上で不思議な飴。
賞品の個数は、自分のポケモンが瀕死にならなかった場合は3個、1匹でも倒された場合は1個になる。
つまり、倒さないほうが高評価を得やすいという仕組みなのだ。徹底したさかさっぷりである。
しかし、実際に攻撃回数を稼ぎつつ弱点を突くと言うのは難しいもの。
高レベルで挑めばオボンばかり手に入り、かといって、低レベルで挑むとやられるというジレンマ。
じゃあどうすればいいのだろうか?……ヒントは、「相手を倒さない攻撃技」。



答えは「みねうち」である。



「相手のHPを必ず1残す」という仕様から、ゴースト鋼タイプ相手にこの技を連打しているだけで簡単にポイントが稼げるのだ。
ちなみになつき度満タンでの「やつあたり」も、威力1になるので攻撃回数稼ぎに有効。

このように、「頭の体操」を絵に描いたようなルールであり、「スカイバトルを売り込むくらいなら、こっちをプッシュしてほしかった」など、かなり好評。
当然ランダムバトルでもこのルールでプレイしたいと言う声は多かった。

ORASではスーパーひみつきちでさかさバトルのルールに設定した秘密基地でさかさバトルができる。しかもこちらは、レベルブレイカーがあるため、Lv.100の相手とさかさバトルといった非常にリスキーな戦いもできる。



そして……
スペシャルバトル・シーズン4とシーズン10、SMのスペシャルバトル・シーズン5のルールがさかさバトルに決定したのである。
これが決まった瞬間、「不遇だったあの子を活躍させられる!」と喜んだ方も多いだろう。

でもその前に、どのタイプやポケモンが強いか見ていこう。

■さかさバトルでの強弱


強いタイプ

ノーマルタイプ
抜群3、半減・無効なしという、恐るべき一貫性を持つ。しかも弱点は低威力のゴーストのみ。
もともとノーマルタイプは一致の攻撃範囲で不遇な分、能力や技レパートリーなど基本スペックに優れたポケモンが多かった。
その枷が取れてしまったのだから、大躍進するのも当然であろう。
メガガルーラは言うまでもなくぶっちぎりのトップメタ。さかさではこいつをメタらないことには始まらない
主な対策は後述のゲンガーやゴツメ持ちの物理受け。ただし前者は「ねこだまし」、後者は「れいとうビーム」などの役割破壊に注意。
ラッキーポリゴン2等の奇石組も忘れてはならない。
特にラッキーは、物理ゴースト技が「シャドーボール」以上に低威力だったり、1ターン隙のできる「ゴーストダイブ」くらいしかないのが辛い。
そのため、積んでから等倍火力で押し切ったり、「どくどく」や一撃技などで対策することが多い。
他にもねこだまし+とっておきの一貫性が強烈なエテボースムクホークやポリゴンZなどのスカーフ組あたりも恐ろしい。
おかげで「さかさバトルはノーマルゲー」と揶揄されており、次回作ではノーマル禁止にした方がいいのでは?という意見もあるほど。
まあ、通常ルールはさかさを前提としていないので仕方ないと言えば仕方ないのだが。
第7世代ではメガガルーラが弱体化したものの、依然さかさバトル最強の強さを誇る。

ゴーストタイプ
ノーマルタイプに弱点を突ける唯一のタイプという、これ以上ないほど重要な役目を持つタイプ。
特にゲンガーはメガガルを上から殴れ、なおかつ火力もある。
ただし「シャドーボール」の場合こだわりメガネか、C特化メガシンカでもないとH4振りを確1にできない。
ゲンガーでさえこれなのだから、ムウマージユキメノコでは到底足りない……
どうしても確実に倒したい場合、ゲッコウガあたりに「どくびし」を撒いてもらい「たたりめ」という手も。
しかしノーマル弱点が痛く、特に「ねこだまし」が怖いので「まもる」はほぼ必須。
ゴルーグメガジュペッタは貴重な物理アタッカーだが、前述のゴースト物理の性能や素早さを考えると……
よって現在ほぼゲンガーのワンマン状態。
第7世代ではミミッキュも追加されたが、メガガルーラに素早さで負けているため一概に有用とは言い切れない。

こおりタイプ
通常戦では耐性ワーストだったこのタイプは、半減4、弱点同タイプのみ、さらに「ぜったいれいど」無効と優秀に。
中でもクレベースは絶大な物理耐久からメガガル対策として活躍中。ラッキーと合わせて受けループも。
しかも現在使用率ランキングの10位にランクインしているのだ。
見覚えのある奴らばかりが並んでいる中、これは偉業と言っても過言ではないだろう。
他には、圧倒的特殊耐久に加え攻撃範囲も氷・電気格闘で文句なしのレジアイス
特性ちょすいにより弱点が氷のみで、「ぜったいれいど」持ちのラプラス
「はねやすめ」込みで全てのタイプを等倍以下に抑えつつ再生回復し、一撃必殺コンボを持つフリーザーなどが有力。

くさタイプ
多い弱点や半減タイプで賛否両論だったこのタイプは、ここでは抜群7、半減3弱点3、耐性5と素晴らしい性能。
特に一貫性が素晴らしく、パーティを構築しようとすると草技がやたら通ってる……なんてことが多い。
攻撃範囲の狭さに泣かされていたリーフィアドレディアを活躍させたいのなら今のうちに。
キノガッサは攻撃範囲と持ち前のハメ性能に加え、「キノコのほうし」を無効化する草タイプに弱点を突ける。
ラティオスカイリュー、ゲンガー、ファイアローといった強敵にことごとく刺さる上に、
スカーフかタスキか読み間違えたら全滅一直線だろう。
シーズン10では夢特性ジャローダが解禁。草の一貫性が強力になっていることもあり、あまのじゃくリフストが通常ルール以上の脅威に。
さらに相方のオニゴーリ共々耐性が大幅強化されていることもあり、「ジャロゴーリ」がますます猛威を振るった。
そのため、ミルタンクなどのそうしょくノーマルを使う人もいた。
この強さの為、「メガガルさえいなけりゃトップメタだった」とまで言われるほど。
ブリガロンも特性と物理耐久のおかげで、ガッサを含めた使用率上位ポケモンの多くに強い。

ドラゴンタイプ
耐性面は弱点4、耐性3と決して強いとは言えないが、攻撃範囲は半減が同タイプのみというノーマルに匹敵する一貫性。
無効タイプの無いブレイジングソウルビートは要警戒。
ドラゴン相手でも、「なみのり」や「だいもんじ」で対策可能。
ガブリアスは特性さめはだでメガガル対策しつつ抜かせる。さらにゴツメを持たせるなり、積んだり拘って上から叩くなり。
ラティオスは往年のメガネ「りゅうせいぐん」が復権。元々分があったガブリアスには「10まんボルト」で4倍弱点を突ける。
6世代で大きなネックとなっている「かげうち」「ふいうち」が半減になったのも地味に大きい。


その他強いポケモン

通常ルールでは「もっとも影の薄いメガシンカ」と言われる事もあったが、さかさ下では別。
エスパー技が一貫性を取りやすくなる上に、「エナジーボール」、「シャドーボール」でさらに攻撃範囲が広くなる。
メガガルのおやこあいをトレースできれば、C補正192振りでH4振りを一発で倒せるように。

さかさになっても高耐久は健在。ゴツメによる物理受けも月光乱舞も健在。
ただし「グロウパンチ」が抜群になるのに注意。

現在の通常ルールではかつて一世を風靡したのが過去の栄光である地位に転落しているがさかさバトルでは逆に強ポケとなっている。
高耐久、高火力は健在でさかさ環境への刺さりが良く30位圏内にランクインしている。
ただし、格闘がノーマルに半減される点には注意。

化身ならガブリアス、ラティオス共々上から一致抜群を打てる。
電気の一貫性が増したことにより、「ボルトチェンジ」が捗るだろう。
この状態でも電気を等倍にできるが、霊獣なら無効化できるように。
第7世代ではいたずらごころが弱体化したものの、依然その強さは健在。

カモだった草・虫・格闘が天敵になってしまうものの、先制「ブレイブバード」や「はねやすめ」は相変わらずの脅威。
それまで半分削られていた「ステルスロック」に強くなるのもうれしい。
第7世代では大きく弱体化し、先制「はねやすめ」が使えなくなってしまった。

さかさバトルでも先制技封じとサイコフィールドによるバ火力は健在。
ただし、格闘が4倍なのには要注意。


こうして見れば、普段レートで見かけるポケモンだけでなくラティやブシンという懐かしい顔ぶれや、
多くの氷タイプやメガフーディンのように、通常ルールでは地味でもここではかなり輝くポケモンも多いのだ。
「ノーマルゲー」と敬遠している方も、一度試しにやってみてはいかがだろうか?

しかし、第8世代では残念ながらさかさバトルは実装されなかった(ランクバトルでも実装されず)。








その一方で……とんでもない不遇と化したタイプもある。

はがねタイプ
悲惨とにかく悲惨である
豊富な耐性が仇となり、なんと弱点11と、エラいことになっている。
ギルガルドハッサムナットレイといった強豪もここではカタなし(ただ、カミツルギという数少ない例外もいたが)。
中でも4倍弱点数5と最多ヒードランには、もはやかける言葉が見つからないレベルである……
しかし、味方のサポートで素早さをカバーしたり、抜群の多さを逆手に取り、弱点保険を持たせて活躍させる猛者もいたりする。
実際、鋼技の攻撃範囲は抜群4、半減3と悪くはない。

いわタイプ
氷同様「攻撃面では優秀でも耐性が不遇」とよく言われるタイプであり、さかさでは優秀な耐性が得られると思われていた。
実際、半減は5つと悪くなく、特にこの環境で強い草を半減できるのは大きいと言えるだろう。
……しかしそれ以上に弱点がノーマルタイプにファイアロー、ゲンガーと揃いも揃ってメジャーなのがあまりにも痛すぎた(ファイアローは第7世代でめっきり姿を見なくなったが)。
おかげで氷とは対照的に、使用率は全く伸びなかった。
特に素の耐性が最悪レベルだったため、ここでの活躍が期待されていたアマルルガが不憫すぎる。


追記修正は、鋼統一パでレート2000に到達してからお願いします。

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最終更新:2023年11月04日 23:29