キカイダー REBOOT

登録日:2014/05/28 Wed 19:50:26
更新日:2024/04/07 Sun 15:32:54
所要時間:約 3 分で読めます





善か

悪か

この機械(ココロ)が壊れても君を守る


【概要】

2014年5月24日から公開開始された、1972年から1973年にかけて放映された特撮テレビドラマ『人造人間キカイダー』のリメイク映画。
旧来のヒーロー作品を現代風にアレンジするという手法としては、『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』以来である。
TV版キカイダーとの繋がりはなく、あくまで現代社会をベースに一から世界観を構築しなおした新たなキカイダーの物語が描かれる。

企画段階で白倉(東映側P)と井上(角川側P)のダブル伸一郎がキカイダーへの理解度を巡って本気のケンカになり、脚本を書いた人である下山健人氏と一緒に何度もTV版を見て「キカイダーの本質は良心回路」という結論に到達してから製作が開始された模様。
そのせいか発表から公開までに結構な年月が経過している。

公開から一年前の2013年4月に公開された『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』の最後に旧キカイダーのシルエットでキカイダーの予告が公開される。

なお、公開前には宣伝も兼ねて『仮面ライダー鎧武』にもゲスト出演した。

上記のケンカの一件の影響で手を貸してもらおうという流れになったのか、千葉工業大学未来ロボット技術研究センターが監修、ロケ地提供、研究員のモブ出演などで協力しており、おかげで妙なところでガチっぽかったりする。

続編を思わせるエンディングが存在していたが、結局製作はされなかった。

ジオラマ&小説企画『HERO SAGA』においては2017年から2018年にかけて連載された「KIKAIDER REBIRTH」編では
『仮面ライダー鎧武』との共演エピソードを下地にした後日談とも言うべき内容が展開されていた。
ただし、内容的には『鎧武』共演回の後日談ではあるものの、キカイダー側の設定はどちらかと言えば石ノ森章太郎の漫画版の設定に沿っており
『キカイダー REBOOT』とは繋がっていない。


【テーマソング】

ゴーゴーキカイダーREBOOT2014
歌:ザ・コレクターズ

そう、キカイダーといえばこの曲である。
最近の特撮リメイクによくあるメタル調のカバーではなく、あえて原曲の曲調を忠実に再現したものとなっている。



【物語】

ロボット工学が発達した未来の日本。
生身の人間では困難な危険地域での作業、介護等の諸問題をロボットに行わせようと企画された国家事業「ARKプロジェクト」が進行していた。
プロジェクトが最終局面をむかえようとしていた時、リーダーの一人である光明寺信彦博士が事故で命を落とす。
突然の事故死に違和感を隠しきれない博士の娘・光明寺ミツコだったが、仕事一筋だった父親との確執もあり、その話題を遠ざけるようになった。

弟である光明寺マサルとのギクシャクしながらも、海外留学を控えながらもそれなりの日常を過ごしていたある日、2人は自宅で謎の武装集団に襲われる。
彼らに拉致されようとしたその時、赤いジャケットを纏い、ギターを背負った謎の青年が武装集団を瞬く間に叩きのめした。
それでも姉弟の拉致を諦めずに、銃撃まで仕掛けてきた武装集団に対して、突如青年の体が別の何かに変わっていった。

青年の名はジロー。
その正体は光明寺博士が開発したアンドロイドの試作品にして、良心回路を搭載した戦士キカイダーであった。

ARKプロジェクトの研究データが収められた光明寺ファイルを持つという光明寺姉弟を守るため、ジローの孤独な戦いが始まった。




【登場人物】

[ジローと光明寺関係者]

  • ジロー
演:入江甚儀
主人公である光明寺博士が造った人造人間キカイダーの仮の姿。
赤いジャケットと背負ったギターがトレードマーク。
人間社会用の人間態だが、これは体が変形しているのではなく、表面ボディを覆ったバイオナノファイバーカウルの機能の一つであるナノ結晶ディスプレイに投影された、所謂立体映像である。なので触るとその部分が本来の姿に見えたり金属音がしたりする。
その為、雨に濡れても服は湿らない。
一見、長身の逞しい青年だが、良心回路が不完全な為、『心』は未熟。
ゆえに時々常識知らずの子供っぽい仕草を取ったり、自分の予想とは違う相手の意外な反応に戸惑ったりすることも。
ジローとしての姿の時は、いわばリミッターがかけられている状態なので本来の力は発揮できないが、この状態でも常人を遥かに凌駕した身体能力と格闘術を使う事が可能。
自分が『不完全な』機械である事に悩んでおり、光明寺姉弟を守る任務を果たす事で『完全な』機械になる事を望んでいるが……。
好きな漫才はドリフ、好きな音楽はYMO、ということになっているがこれは制作者の光明寺信彦の趣味をコピーしたようなものなので見かけ年齢よりやや古い趣味になっている。
本編開始前に記憶を失った状態で沢芽市に迷い込み、葛葉紘汰と出会うが…。

4年後には氷のクリオネ怪人に、更にその翌年(氷怪人退場からわずか2週間後)にはキカイの名を持つ未来の仮面ライダーに転身した。

  • 光明寺ミツコ
演:佐津川愛美
本作のヒロイン。
光明寺博士の娘の女子大生。
父の事故死に不信感を抱くが、いい思い出のない博士との確執や、コミュニケーションのとれない弟、海外留学を控えた現状も重なって見ないふりをしている。
父の死後は光明寺家を一人で切り盛りしている。
当初はジローから光明寺博士の面影を感じ取り、彼が機械という事もありつっけんどんな態度を取るが、未熟ながら心を持つ彼を次第に守りたいと思うようになる。
愛読書は文豪ストレイドッグス


  • 光明寺マサル
演:池田優斗
光明寺博士の息子。
ミツコが海外留学に向かう為、寮生活を控えている。
父親があまりコミュニケーションを取らないまま、亡くなった為、自分の殻に閉じこもり気味(この点はミツコと似ている)。
しかしジローとの出会いと突如自分を包んだ非日常の刺激もあってか、徐々に年相応の明るいやんちゃな少年に変わっていく。
その体内に光明寺ファイルが隠されている。


  • 光明寺信彦
演:長嶋一茂
全ての始まりたる、ARKプロジェクトの主任研究者である男性。
プロジェクトに注力するあまり、光明寺姉弟にあまり構ってやれなかった様子。
非常に温和でユーモア溢れる人物で、ジローにギターの技術とYMOの曲とドリフを仕込んだのも彼。
一方でどんな権力に対しても自分の理想を曲げない、強かな心の持ち主でもある。
物語序章で事故に巻き込まれ死亡したらしいが……。


  • 服部半平
演:原田龍二
光明寺博士の死の真相を探ろうと頻繁にミツコに接触するケータイ小説家。「フリージャーナリスト!」
ミツコを『ミっちゃん』と愛称で呼ぶが、本人には嫌がられている。
意外とイケメンでミツコの友達には結構好評だった。
3枚目な人物だが、ARKプロジェクトの闇を探り当てたりと能力は確かな物。だが本来憧れているジャーナリストとしての実績は不十分でそちらでは食べられないので、若者向けの恋愛小説で糊口をしのいでいる。
光明寺姉弟を匿ったり、ジローに世話を焼いたりと正義感も強いインチキジャーナリストである。「だからフリージャーナリストだって!!」


  • 本田宗五郎
演:本田博太郎
半平と知り合いの、アキバの雑居ビルでジャンク紛いのメカを売る店を経営している老人。
一見、タダの変人だが、半平が持ち込んだグレイサイキングの残骸から細かなデータを回収したり、最新鋭のアンドロイドであるジローの修復を容易く行ったりとメカニックの腕前は超一流である謎の人物。
昔、人間に擬態する異星人と戦っていた組織のリーダーに似ているが気のせい。


  • 前野究治郎
演:伴大介
光明寺博士の恩師である心理学者。
ジローの良心回路の発案者でもある。
マリとの死闘に敗れ、中破したジローを介抱。その際に彼のアイデンティティに関わるある言葉を贈る。
名前の読み方は「まえの きゅうじろう」。元ネタは言うまでもない。




[ARKプロジェクト関係者]


  • ギルバート・神崎
演:鶴見辰吾
ARKプロジェクトサブリーダーを務めていた男性。
アメリカ帰りの技術者で腕は確かなのだが、光明寺博士とはロボットに「心」が必要か否かで日々、衝突を繰り返していた。
博士の事故死後はチーフに昇格。マリからはプロフェッサー・ギルと呼ばれるように。
博士を超える事に異様な執着心を見せるが、それは自分を認めない周囲に対する攻撃性から出た幼稚な物であり、椿谷からも「能力はあるが、思想はない」と酷評されている(この点は椿谷にも原因がある)。
終盤、光明寺博士を超えんと狂気の行動に出る……。
天ノ川学園理事長との関係は不明。


  • マリ
演:高橋メアリージュン
神崎が製作した、ジローと同型の女性アンドロイド(ガイノイド)。
ただしジローとは違い、神崎の意向で良心回路は搭載されていない。
普段は椿谷の秘書のような立ち位置におり、キャリアウーマン風な美女だが、戦場では黒いスーツを身に纏ったアサシンのような外見となる。
良心回路が無いゆえに戦闘での判断力はジローを遥かに凌駕し、俊敏な身のこなしから繰り出す蹴りの威力はかなりのもの。
また右腕を高出力のビームガンに変形させる事も可能で、通常火器では傷一つ付かないキカイダーにすら大ダメージを与える威力を誇る。
良心回路こそないが、何度も立ち上がるジローに何かしらの苛立ちを見せたりと、彼女なりの感情を持っているかのような描写がある。
ジローのようにバトルモードのような姿があるかは不明。
元ネタは原典のマリ=ビジンダー。


  • 椿谷
演:中村育二
日本の国防大臣。
ARKプロジェクトの責任者でもある。
心に揺らぎがある人間ではなく、与えられた命令を完璧にこなすアンドロイドの作成に注力する。
神崎をプロジェクトのリーダーに昇格させたが、光明寺博士のアンドロイドの方が優れていると評価しており、あくまで光明寺博士を超えることしか眼中にない神崎に対する態度は心なしか冷たい。目的のためなら手段を選ばない冷酷さの一方で神崎を割と真っ当な理由で「思想が無い」と低く評価するなど、単なる悪徳政治家とも言いきれない独自のポリシーも持つ。
しかし田部総理に釘を刺されたことへの不満をマリに愚痴った際、国民を等しく衆愚扱いする鼻持ちならない本性を見せた挙句、国家防衛を口実に目的(ARKプロジェクトの理念)すら自分の思想に合わせて改竄した節も見せるなど一貫して印象の悪い描かれ方をしているため、結局は国家と国民の害になる悪徳政治家でしかないことも伺える。
何故か神崎の対抗心を煽るかのような発言が目立つが……?
一応黒幕的な立場なのだが、ハカイダーの活躍が強烈過ぎて全然大物に見えない。


  • 田部慎之介
演:石橋蓮司
本作世界の日本国総理大臣。
ARKプロジェクトを立ち上げた本人だが自分は不適任だと思ったのか、現在は椿谷に丸投げしている状態である。
一見、中間管理職な雰囲気だが、椿谷が影で様々な策謀を行っている事を見抜いているなど、油断ならない人物。
ただ、ARKプロジェクトが国民感情に反していることは理解しており、椿谷に釘を刺す時もあくまで国民の利益になることが第一と説いているので、彼よりはまともな人物である模様。
腕の悪いカメラマンや孫娘と世界を旅する老人に似ているが、関係はない。


  • ハカイダー
演:?
ARKプロジェクトで開発された戦闘用アンドロイド。
戦闘特化型なので元から尋常外の戦闘力を誇り、ある人物の脳を搭載することで起動。
おまけに自我(搭載された脳)が完全に正気を保って破壊衝動と狂気を制御している。
そのせいか『仮面ライダー鎧武』での戦極ハカイダーがチンピラに見えるほどの、トンデモない強さを発揮する大悪党と化した。
ハカイダーショットは機能性重視のとても特徴的なデザインとなっており、更にアタッチメント装着でより火力の高い弾丸の発射も可能。




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最終更新:2024年04月07日 15:32