ケイローン(Fate)

登録日:2014/05/08 (木) 03:22:33
更新日:2023/12/19 Tue 05:38:31
所要時間:約 8 分で読めます





サーヴァント、アーチャー。ケイローン、参上しました。
我が知識が少しは役立てばいいのですが……ともあれよろしくお願いします。あなたのため、力を尽くしましょう。


Fate/Apocrypha』に登場する黒の陣営のサーヴァントの一人。
クラスはアーチャー

●目次

◆プロフィール

身長:179cm
体重:81kg
属性:秩序・善
血液型:不明
誕生日:不明
出典:ギリシャ神話
地域:ギリシャ
特技:わかりやすくてたちまち力がつく授業
好きなもの:人を教える
嫌いなもの:酔った者同士の争い
イメージカラー:草色
天敵:ヒュドラ
CV:武内駿輔

◆概要

穏やかで礼節をもって他者と接する物腰柔らかな青年。


真名はギリシャ神話に登場するケンタウロス族の賢者ケイローン

ケンタウロスの為に本来は下半身はの筈なのだが、一目で真名が把握されてしまうという理由からパラメータの減少と引き換えに人の姿で現界した。
結果的には、生前を知る相手がいたために全くの無駄な配慮になってしまったが。
減少したとされるものの、それでも黒陣営の主力たるジークフリートヴラド三世に引けをとらないステータスを誇り、極めて優れた英知からランサーからは「大賢者」という敬称で呼ばれる。


数多の英雄達の教師役であり、彼らを導いた大賢者。粗暴な者が多くを占めるケンタウロス族において唯一の例外的に穏やかな気性の持ち主。
ギリシャ最大最強の大英雄ヘラクレス、トロイア戦争最強の英雄アキレウス、英雄達を引き連れて探検に出かけたイアソン、死者蘇生すら可能にし後に医神として神に昇格したアスクレピオス等々、名高き英雄達の師にあたる偉大な存在。


◆生前

生前は父クロノスと母ピリュラーとの間で産み落とされるも、半人半馬の彼を見た母は嘆き彼を育てなかった。
アポロンアルテミスなどの神々から教えを受けた彼は山々の中を穏やかに過ごしながら知人達から
子を預けられ、妻と共に育てあげていった。
だがある日、弟子の一人であるヘラクレスが酔っ払って放ったヒュドラの毒矢がケイローンに当たってしまい、猛毒を受けてしまう。
不死身である為にケイローンは死ななかったが、死ぬ度に蘇生してはまた毒で死ぬの繰り返しに苦しみ、プロメテウスに不死を預ける事で安らかに死んでいったという。

本来は神霊にあたる彼が召喚出来るのは神性を失い存在が劣化した為、聖杯に掛ける願いは「不死」の返還。
不死を失った自身はケイローンにしてケイローンにあらず、また両親との繋がりを求めての願いでもあるという。
ただし、この願いが我欲に基づくものであることは自分でも理解しており自嘲している。


◆性格

非常に穏やかで他者への気配りが聞く人格者。
数多の英雄を育て上げた人物なだけに面倒見も良く、また他者を導く教師としての行いに喜びを感じている。
それは死後も変わらず、迷う者を導く事が教師である自身の務めとしている。
また誠実であるが故に裏切り行為に対しては怒りを見せている。
敵であるアキレウスを叱咤する公明正大な面もある半面、必要とあれば不意打ちを使うことも厭わない。

◆能力

死後は射手座の原型となった彼は『世界で最も有名な弓兵』とされ、その知名度に恥じない精密な射撃はこれまで登場した歴代アーチャーの中でも随一とファンから噂される。
作中では超遠距離からアタランテが先に放った矢を先読みして打ち落とすという途方もない神技を成功させた。*1
尚、環境は夜間で更にはアタランテの矢は黒塗りして見づらくした特別製にも関わらずである。
最大射程距離は不明だがCランクの「千里眼」スキルのエミヤでも4kmの射程を誇るとされるので、それ以上の可能性は十分考えられる。
その上、後述のスキルや本人の優れた力量によって弓兵で有りながら接近戦すらもこなせる。
また戦闘以外に作戦立案能力、医学や動植物などにも豊富な知識を持つ知識人でもある。

ただし、何でも人並み以上にこなせる代わりに一芸に秀でてはおらず、一芸に秀でた相手にそこで勝つことは難しい。
例えば医療に関しては弟子のアスクレピオスの方が上手である。
無論弓矢の力量は凄まじいものだが、神話の大英雄であるアーラシュを相手にすれば勝てないという。

◆パラメーター

筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
B B A+ C B A

◆クラス別スキル

対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

単独行動:A
マスター不在でも行動できる。
ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合は、
マスターのバックアップが必要。

◆保有スキル

千里眼:B+
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
心眼(真)との兼ね合いによっては限定的な未来視も可能とする。

心眼(真):A
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。

神性:C
大地の神と妖精との間に生まれた存在であるが、死ぬ直前にその身を人間へと貶めているため、大幅にランクダウンしている。

神授の智慧:A+
ギリシャ神話の神々から与えられた賢者としての様々な智慧。
英雄独自のものを除く、ほぼ全てのスキルにB~Aランクの習熟度を発揮できる。
また、マスターの同意があれば他サーヴァントにスキルを授けることも可能。ただ、そもそも教えを請おうとする殊勝な英霊がなかなか存在しないため、活用の場はないらしい。本編中で唯一該当するのはジークくらいだが、普段のジークはホムンクルスであってサーヴァントではないため、スキルを付与できない。そんな感じで使う機会に恵まれなかったケイローン先生はちょっとだけ寂しそうだったそうな。
その手の制約がまるでないFGOでは使う気満々らしい。
どこぞの赤いセイバー顔負けの万能スキル。ハサン涙目とか言ってはいけない。



宝具

天蠍一射(アンタレス・スナイプ)
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:5~99 最大捕捉:1人


攻めどきですね、良い判断です。

是こそは、星の蠍を穿つ一撃なり。我が矢は既に放たれた!

禍津の蠍よ、粛清は既に訪れた。星と共に散るが良い!

天蠍一射(アンタレス・スナイプ)』!!


射手座となったケイローンが常に天の蠍(さそり座の心臓に当たる一等星、アンタレス)を狙っているエピソードの具現化。星から放たれる流星の一撃。
星座がすでに攻撃態勢に入って矢を番えて狙っているので、真名解放も弓を構える準備も一切不要。ケイローンが死亡した際にも自動発動する。
また、後世にて成立した伝承由来の宝具であるため、彼の弟子であったアキレウスすらも知り得ない初見殺し宝具となっている。
高位の対軍宝具程の威力は無く、例えばアヴィケブロンの『王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)』の破壊は困難であると判断している。
それでも、英霊としてのケイローンが持つ攻撃手段のうちでは最高の威力と射撃精度を誇る。
つまり、一射で大型旅客機が粉々になる以上の威力の矢が、予告や予備動作一切抜きで、逃れ得ない命中率で飛んでくる。
マスターのフィオレは「一撃必殺に相応しい宝具」と評したが、一夜に一度しか使えないという制限がある。

なお、2部5章のギリシャ神話鯖がしばしば機械的な武器を用いるため、実はこの宝具はある種の衛星兵器なのでは?という考察も流れている。

Fate/Apocrypha

聖杯大戦では先端が青黒い色に変わっている古びた矢*2触媒に黒のアーチャーとして顕現。
深い叡智と思慮深さからマスターを始め彼を信頼する者は多くランサーが王なら彼は軍師、参謀として黒陣営の中核を担っている。
自らのマスターとの仲は陣営内でもかなり良好。
マスターのフィオレとは主従というよりも教師と教え子のような関係を築いている。
また本人の穏やかな性格からジークをアヴィケブロンが探している事を知っているもののアストルフォと共に匿っている。

城砦を襲撃したサーヴァントの中に弟子であるアキレウスがいる事に驚くも、彼を倒せる神性スキルは黒陣営内では自分しかいない為に自身の手で討ち果たす事を決意。
フランケンシュタインとの連携でアタランテを撤退に追い込み、続いてアキレウスの動きを先読みで悉く矢を命中され彼もまた撤退にさせる事に成功する。

後日、好き勝手に殺人を繰り返すジャック・ザ・リッパーモードレット共々仕留める為に狙撃による奇襲を行うも直感によってぎりぎり回避され、モードレッドと交戦。
接近を許した弓兵という極めて不利状況ながらも、保有スキル「神授の智慧」から引き出した最古の総合格闘技パンクラチオンによって素手で彼女を迎撃。
深手を負ったものの痛み分けに持ち込み、そのまま耐え凌いで窮地を脱した。

黒と赤の全面戦争では再びアキレウスと交戦。
恩師と戦う事に戸惑うアキレウスを師として厳しく叱咤し、戦い方を仕込んだ師ならではの戦い方で彼を追い詰める。
だがアキレウスが彼独自の戦い方に切り替えた際には互角にまで押し返され、対等の戦いへと発展していく。
しかし、吸血鬼と化したヴラドの暴走を止める為に勝負は打ち切り、決着は付けられなかった。
吸血鬼との闘いでは危機に陥ったアキレウスを救出。
その後の黒陣営を裏切って敵に回ったアヴィケブロンに怒り、狙撃によって彼を仕留めた。
戦況が完全に黒陣営不利に傾いていく中でも、黒陣営の大黒柱としてジャック・ザ・リッパーへの対処などを指揮している。

最終決戦の舞台ではアキレウスと三度目の交戦。
宝具である『疾風怒濤の不死戦車(トロイアス・トラゴーイディア)』で大空を縦横無尽に駆け抜けるアキレウスの動きを先読みして戦車を引く三頭の馬の中の一頭を仕留める。
これによって自らの動きを読まれていると悟ったアキレウスは、戦車から降りて闘う事を決意。
かつてケイローンから贈られた長槍『宙駆ける星の穂先(ディアトレコーン・アステール・ロンケーイ)』の真の力を発動させ、平等空間内で一対一の武器すら使わない決闘を行う。
この師弟の戦いはアキレウスの渾身の一撃がケイローンの霊核を穿ち弟子の勝利に終わるも、空間が解けた後ケイローンは最後の力を振り絞り『天蠍一射(アンタレス・スナイプ)』によってアキレウスの弱点である踵を穿ち、アキレウスの不死の肉体を無効化。黒陣営での役目を全うした後、アキレウスに最後の言伝を残して消滅した。

Fate/Grand Order

期間限定イベント『Apocrypha/Inheritance of Glory』(実質Apoの後日談)において恒常召喚の方に実装。
☆4アーチャーであり、再臨していくと本来のケンタウロスの体躯になる。

イベントストーリーではApoサーヴァントを倒すと味方になっていくが、ケイローンとアキレウスの師弟のみ最初から味方側で活動してくれる。

各サーヴァントの特性を見抜き、らしい戦い方を伝授するなど、Apoでは片鱗のみであった教師らしい様子を存分に見せる。
生前の指導の様子も多少描かれたが、8歳のアキレウスを狭い洞窟の中で追い回すスパルタぶりが判明。
もっとも、誰も彼もにそんなスパルタではなかったので、突貫最速で勇者になろうとしたアキレウス向けの指導と思われるが。


カルデアでも相変わらず先生であり、門下生たち相手に先生として時にスパルタに、時に優しく振舞う。
もちろん主人公も門下生の一人であり、バレンタインのお返し礼装では初段免状までいただける。
知識が多く癖のない人格者ということもあってか門下生以外からも相談事がかなり多い。

本編ストーリーでは2部5章前半「神代巨神海洋 アトランティス」にて異聞帯側として登場。
死後の逸話が宝具であるため使えないと思いきや、汎人類史のケイローンを倒し、その宝具を奪っている。
躊躇なくマスター狙いを敢行するなど味方としての頼もしさは敵に回った時の恐ろしさとセットであり、オデュッセウス共々幾度となくカルデアを的確な指揮で追い詰めた。
ただ、その知恵から「この世界が袋小路に入ってしまっている」ことも薄々感づいている。

◆評価

能力の高さと広範さ。そして人格者であることは上記した通り。
お調子者過ぎたり人間嫌いだったりやたらプライドが高かったりと言うような扱いにくい要素が一つもない。
アキレウスとの戦いを喜んでいた面はあったが、戦えるのがケイローンのみであるため、アキレウスの相手をすることは戦略的には何一つ間違っていない。
敗北が決定した後もサーヴァントとしての自身の本分に立ち返って最大限のことを行うなど、落ち度らしい落ち度は全くないままその実力を見せつけている。
そのため、「最優のサーヴァント」を挙げろと言われたら真っ先に名前が挙がる。

また、中の人や多くの英雄を育てた経験から、ファンからつけられたあだ名は「ケイローンP」。
更にはアニメで外を調査する際にスーツ姿をお披露目し、ますますケイローンPの通称が浸透した(公式が狙っているという説も)。


追記・修正はケイローン先生に弟子入りしてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • Fate
  • Apocrypha
  • TYPE-MOON
  • 大賢者
  • ギリシャ神話
  • アーチャー
  • 武内駿輔
  • サーヴァント
  • 弓兵
  • 黒のアーチャー
  • ケイローンP
  • 射手座
  • 世界で最も有名な弓兵
  • ケイローン
  • 教師
  • 先生
  • 完璧超人
  • ケンタウロス
  • 神霊
  • 黒の陣営
  • 温和
  • 賢者
  • 拳闘士

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年12月19日 05:38

*1 が、ケイローンに言わせれば「アタランテもコツを掴めばできる」らしく、実際後にアタランテも成功させている。

*2 恐らくケイローンの死因となったヒュドラの毒矢