VF-25 メサイア

登録日:2009/11/17(火) 16:22:20
更新日:2024/04/08 Mon 17:45:41
所要時間:約 8 分で読めます





マクロスF』に登場した機体
劇中におけるVF-27と並ぶ最新鋭機であり、兄弟機でもある。メーカーの委託試験で、S.M.Sが独占運用している。
因みに、ペットネームのメサイアとはユダヤ教における「救世主」の事。

設計・製造 新星インダストリー社
新星MF工廠/L.A.I.社
全長ファイター:18.72m
全幅ファイター:15.50m(主翼展開時)
全高ファイター:4.03m(主脚含まず)
バトロイド:14.53m(頭部レーザー機銃含め15.59m)
重量:8,450kg
エンジン(主機):新星/P&W/RRステージII熱核反応タービン FF-3001A×2
武装:ガンポッド、ピンポイントバリアナイフ、防弾シールド、レーザー機銃、機関砲(マウラーROV-25 25mmビーム機関砲/ラミントンES-25A 25mm実体弾機関砲/RG-30A 30mm速射レールガン)


YF-24“エボリューション”を元に開発され、L.A.I社によって発展改修。YF-25“プロフェシー”を経て完成された機体である。

本機は宇宙・大気圏の両空間において圧倒的な高機動を得るという移民船団ならではの要求を満たすために開発された。
そのため、エボリューションでは固定翼であるのに対し、メサイアでは可変翼を採用しており、大気圏内では最適に調整される。
同時に、様々な環境に対応するために様々なバリエーションのパック(後述)の換装方式を採用している。

そのため、機体本体の攻撃武装はガトリングガンポッドとシールド格納式のピンポイントバリアナイフ、頭部レーザー機銃(一部の機体には装備されていない)、両腿部の機関砲(実弾/ビームレールガンを選択して装備、片側ずつの混成も可能)のみと、VF-1並の武装の少なさである。これはYF-19やYF-21などのように全機能を本体に内蔵させようとした機体とは逆の方向性であり、戦略の転換がうかがえる。
また、設計段階から構想に入っていたため各種パックと機体の親和性は抜群であり、アクティブステルスなどの機能が失われることはない。


操縦システムはEX-ギアを初めて制式採用している。
これはVF-25の動きとパイロットの動きを連動させ、機体を肉体の延長のように動かすコクピットである。
また、耐G性が向上する他に、座席そのものがパワードスーツと脱出装置を兼ねており、背部に搭載されている小型の熱核エンジンで単独飛行も可能。
更に機体の遠隔操作も行える。
訓練学校で採用されていることから、パイロットの早期育成にも一役かっていると思われる。

また、本機の特徴として「Inertial Store Converter(以下ISC)」が挙げられる。
これはフォールドエネルギーによって慣性を別次元に跳ばし徐々に還元することで、パイロットにかかる瞬間的な負荷を大幅に軽減するものである。
AVF計画によって露呈した「高度に進化しすぎた機体に肉体がついていかない」という致命的な欠点を克服するために開発された。
ISCは任意に切り替えが可能であり、瞬間的に最大30Gまでなら耐えることができる。(容量を越えた場合、フォールドエネルギーの揺り戻しによって爆散する)
ただし、このシステムには希少なフォールドクォーツが必要であり、本機のコスト高騰の一因となっている。


【バリエーション】

制式採用機

〔VF-25F〕
ドッグファイト等の高機動戦重視モデル。
汎用性が高く、多様な作戦行動に運用できるオールマイティーな機体。
頭部はゴーグルタイプでレーザーは二門。
劇中はヘンリー・ギリアムが白に赤ラインの機体を使用。
後に早乙女アルトへと受け継がれる

〔VF-25S〕
指揮官向けに各種機能を向上させたタイプ。
アビオニクス(航空用電子機器)や通信機器類は機能が強化されており、耐久力も一般機より優れている。
頭部は指揮官用の並列3眼型、レーザーはS型伝統の4門。
劇中では、オズマ・リーがグレーに黄ラインの機体を使用。
他には、カラーリングが赤基調のクラン・クラン機が存在する。

〔VF-25G〕
長距離支援攻撃型の機体。
専用のスナイパーライフル『SSL-9Bドラグノフ・アンチ・マテリアル・スナイパーライフル』と精密射撃時に機体を固定するアンカーで構成される「ロングレンジパック」を装備。
頭部はモニターカメラがライフルのスコープと連動している単眼式高精度タイプで、レーザーは一門。
劇中では、ミハエル・ブラン(後にクラン・クラン)がブルーの機体を使用。

〔RVF-25〕
索敵・電子戦に特化した機体。
「イージスパック」と呼ばれる背面のレドームと下面のスタビライザー型アンテナの他フォールド通信誘導システムを応用した無人戦闘機ゴーストの遠隔操作が可能。
頭部は、高性能センサーを装備、レーザーは装備されていない。
劇中では、ルカ・アンジェローニがライトグリーンの機体を使用。
ちなみにルカが従える3機のゴースト(シモン、ヨハネ、ペテロ)には『ユダ・システム』と呼ばれるマクロスプラスに登場するゴーストX9の人工知能の改良型が封印されている。
小説版ではこの『ユダ・システム』は、シャロン・アップルを手掛けたマージ・グルドアが作ったシステムを、L.A.Iが極秘裏に回収した設定。
基礎理論が理解できずにブラックボックス化しているため、普段は厳重なリミッターがかけられている。
リミッターを解放すると、X9の様に完全自動化し凄まじい機動と反応速度を発揮する。
そして小説版ラストではなんとゴースト達が…

〔VF-25A〕
一般兵用の量産機
頭部はG型と同形状だが、性能は引き下げられていると思われる。
メインカラーはサンドブラウン。

試作機
〔YF-24〕
エボリューション(進化)の名前を持つ試作機。新星インダストリーとゼネラルギャラクシー、奇しくもスーパノヴァ計画で競合した二社の協力により誕生した。
すでに多大な成果を上げているVF-19VF-22の設計思想を組み込みつつも、それらの問題点であった生存性、操作性の問題を解決すべく計画は始動。
ISC(慣性緩和システム)EXギア、リニア・アクチュエーターといった新世代技術を盛り込んだYF-24の雛形が3機製造。この段階ではまだ名前はなかった。
しかしこれらの新技術の最初期の実験結果は燦々たるもので、一時計画は凍結にまで追い込まれる。
それでも新星インダストリーはISC技術を軸に開発を続け、ついにYF-24の完成形を提出。これが本機エボリューションである。
その性能はたった3機の試作機で合計24機のVF-19とVF-22、6機の無人機を撃破し、さらに宇宙規模艦隊の旗艦のブリッジに模擬弾を叩きつけるという、とてつもない結果を残した。
数々の画期的新技術を実用化し、文句のない結果を残したこの機体は当然のごとく更に発展していき、
VF-25をはじめとして現在判明している全ての後続ナンバーの礎となり、VF-1以来の系統樹の祖となってる。

〔YF-25〕
ペットネームはプロフェシー(預言者)。主にオレンジのストライプで塗装されている。
バジュラの存在を察知していた統合軍およびSMSはその予感と対策を込めてこう名付けたという。
YF-24エボリューションはその名前の通り革命であり、以降の機体発展に大きく寄与した。
そして多くの系列機を生み出すに至るが、YF-25もまたこの系統図に組み込まれており、
エボリューションの設計データを基軸としてLAI主導のもと制作された。
性能的にはほぼここで完成しており、正式採用機であるVF-25シリーズとは大きな差は存在しない。
実質的な性能実証試作機であるため、試験期間を過ぎると訓練用の機体、先行実戦配備機として転用され、試作機にしては世間的な認知度の高い機体でもある。
ネームドパイロット機として有名なのはリオン榊の乗機で、こちらは青いストライプが眩しい機体。
もう一つは一度チェルシースカーレットの機体として、頭部センサーを増設したカスタム機。
こちらは対バジュラを想定したランスを装備し、さらにパラディンパックを装備していたことから非公認ながらパラディンプロフェシーと呼ばれている。

【換装パック】

〔スーパーパック(スーパーパーツ)〕
いわゆるFASTパック。増漕とスピードのアップを主眼に置いたパック。
そのため、化学燃料ブースターと本体脚部に増加タンクが装備され、武装にはミサイルポッドが増設されている。
機体が惑星大気圏突入時はパージされるが、パージされた各パーツはひとかたまりになって惑星軌道上で待機しており大気圏離脱後は再び装備することができる。
また、VF-25では簡易アーマードの役割を果たし防御力の増加も図られている。
早乙女アルトが好んで使用しているのがこれ。

〔アーマードパック〕
攻撃、防御両面において大幅な増加を図ったパック。
多数のミサイルポッドを装着し大幅な火力を有する。また、ピンポイントバリアも使用できその防御力は高い。戦闘機、というよりは爆撃機に近い状態になる。
重量の増加を補うために、大型化学燃料ブースターも装着される。
ただし、コスト面から見ると非常に高価であり、更に操縦に高度な技術が求められる為、隊長格かエースにしか支給されない。
VF-25はこれを装着したまま変形できる事が特徴であり、本機がVF史上初の機体である。

〔フォールドブースター〕
超時空を移動する「フォールドシステム」をコンパクトにしたシステム
以前は、片道20光年の使いすてだったが今では複数回使用可能。
フォールド断層に影響されない「スーパーフォールドブースターパック」の試作品も完成している。

〔フォールドアンプパック〕
フォールドスピーカーとも呼ばれる。
正確にはパックではなく、フォールドアンプを翼下に取り付けただけ。そのため名称の変化もない。
翼の下に片方に二つずつ、計四つのフォールドアンプが装備されていて、劇中ではG型が一回のみ使用。他はスーパーパックと同一。

〔トルネードパック〕
劇場版マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜』にて登場。
主に機動力の増強に主眼をおいた兵装で、翼を覆い、固定デルタ翼を形成する増加装甲が特徴。
大気圏、宇宙どちらでも対応できるように大型ブースターが増設されている。
さらにそれそのものが旋回することによって高い機動力を得る。(この旋回補助スラスターの思想は河森監督の中でヒットだったらしく、マクロスΔでもゴーストを補助スラスターとして採用している)
ただしスーパーパックと違い簡易アーマードは無く、防御力は考慮されていなかった。
火力面ではミサイルランチャーとレーザー砲が2門追加されており、後者は旋回砲頭で360度攻撃可能。
映画二作目の『サヨナラノツバサ』では総力戦ということもありF型のみならずG型やA型などにも搭載された。
ちなみにアーマード以上にかなり高価な装備。
元来はYF-29へのデータフィードバックを目的として開発されたデーター収集用パックである。
実戦面ではYF-29の機動性と火力をVF-25で擬似的に再現すべく導入された。

〔パラディンパック〕
マクロスRにて登場。装着機はプロフェシーだが、取付構造に差異はなく、他の機体でも問題なく装備できる。
機動性の底上げはスーパーパックに準じるが、増加ミサイルは一切装備しておらず、その部分には大容量コンデンサを多数配置している。
このためエネルギー転換装甲の効率は大幅に上がっており、重バトロイドクラスの防御力を持つ事ができる。
セットで運用されるのがインジェクションランスという刺突兵装。ピンポイントバリアをまとう矛先で装甲を貫通し、致命傷を与えることを目的とした武器である。
バジュラとの近接戦を制すための装備であるが、残念ながら奇想兵器の枠を出ることはなかった。
しかしバルキリーという戦乙女をモチーフとした兵器の武器としてはこれほどふさわしい武器もそうはないであろう。


ゲームでの活躍


Zシリーズでは機体サイズがMとなっているため、バルキリー系列にしては避けにくい&打たれ強い印象を持つかも。
第3次Z以降は最終機体をVF-29に譲るため繋ぎの立ち位置となる。一応アルト機からの改造引き継ぎは可能。


  • マクロスアルティメットフロンティア
アルト機、オズマ機、ミハエル機、ルカ機が登場。更にスーパーパック、アーマードパック等の追加装備も使用可能。
作中最新機だけあって全体的に使いやすく、ガンポッドの誘導性能が高め。ただミサイルが結構バラける弾道を取るので弾数で補う形となる。
主人公のアルト機は専用パック「アーマード最終決戦仕様」が使用可能。
雑魚散らしのマルチミサイル、大型敵用の反応弾、エース用のスナイパーライフル&ビームキャノン、と武装のバランスが良い上に素のSPAも強力な高性能機体に仕上がっている。


登場機体は上記作+非専用機のA型とS型、更に試作型YF-25と主人公が最初に持ち込むその専用機*1の全8機。今作は劇場版仕様であるトルネードパックも使用可能。
比較的序盤にアルトが仲間になってくれるのだが、主人公がVF-0かいいとこVF-1と言う時期にVF-25Fを持ってきてくれるので非常に心強い。
特にずっと連れ回しておけば溜まりに溜まったTPでランク2解放後もすぐにチューンできるので、最終章の僚機としても頼もしい存在になるだろう。
自分で乗れるようになるのは後半に入る第7章から。更に追加パックは第7-2章からと結構遅い。
中でもトルネードパックが特に使い勝手がよく、高初速で撃ち出されるマルチミサイルの命中率が他機・他パックの同種兵装と比較しても目に見えて高い。*2
ファイターでフィールド上の雑魚の近くを通る際通り魔的にばら撒けば数機落としてくれるし、洞窟・遺跡といった閉所でも的確な山なり弾道で余程の密着状態でも無ければちゃんと当たってくれる。
基本性能が横並びになるランク3解放後も選択肢に挙がる良機体。

加えて特筆すべきはRVF-25ルカ機。ファンネルもどきだった前作と異なり自律行動するゴーストを一定時間召喚する武装になった。
特にSPA「ゴースト乱舞」では40秒もの召喚時間があり、その間超攻撃的な僚機が3機増えるようなもの。
僚機もRVF-25またはRVF-171にして同時発動した日には6機のゴーストが凄まじい勢いでミサイルとレーザーをばら撒き、
自機はガードしながら逃げ回っているだけでみるみる周囲の敵が減っていく。
スーパーパックしか装備できないのと、チューンが反映されないのがネック。


メサイアというペットネームはマクロスF本編の放映中に一般公募し採用された。
そのため劇中ではVF-25はもっぱらバルキリーと呼ばれ(もっとも、コレは伝統でもある)、ようやく劇場版でメサイアと呼ばれた。
因みにオプションパックなしのバトロイドモードは、歴代VFシリーズの中でも屈指の細身体型(一応SV-51辺りが近いが)。
放映終了から1年も経たないうちに、様々な玩具が展開された。
超合金やプラモデルが有名。超合金はガウォークでのハの字鳥脚がイマイチ決まらないが、最近リニューアルver.が発売された。
デュランダルの改良点がフィードバックされ、あらゆる点で改良されている。

1/72プラモデル版はバンダイ史上屈指の出来だとか。
しかし(ほぼ)完全変形再現のためか、バトロイドの可動範囲はイマイチ。特に股関節。
スーパーパックとアーマードパックはFとSの同梱版、トルネードパックはFとの同梱版が発売。
スーパーパックのみ単品も発売されている。





「追記・修正いきます」
「グッドラック、アニヲタWiki」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • VF-25
  • マクロス
  • マクロスF
  • メサイア
  • バルキリー
  • VF
  • 可変戦闘機
  • 救世主
  • 主人公機
  • 可変機
  • メカ
  • ロボット
  • F-14
  • 棒人間
  • Su-27

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月08日 17:45

*1 ただしYF-25リオン機はプロローグミッション後に大破・解体され後半まで使えなくなる

*2 チューンが進むとパラメータ上の命中(=誘導能力)はほぼ差がなくなるのだが、実際の命中率は弾道・発射位置・誘導時間の影響で機体毎の差が出る