聖拳編(デュエル・マスターズ)

登録日:2014/04/17 Thu 23:24:32
更新日:2023/07/04 Tue 16:04:00
所要時間:約 7 分で読めます



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闘志と野生が一つの体に宿る時、世界を変える力が生まれる。




聖拳編(エターナル・アームズ)とは、TCGデュエル・マスターズ」3番目のシリーズ。


エキスパンション

  • DM-10「聖拳編 第1弾」
  • DM-11「聖拳編 第2弾 無限軍団の飛翔(エターナル・ウェーブ)
  • DM-12「聖拳編 第3弾 魔封魂の融合(エターナル・ボルテックス)
  • DM-13「聖拳編 第4弾 龍炎鳳神誕(エターナル・フェニックス)

概要

「Eternal Arms」──デュエル・マスターズがシリーズを重ねても、ずっと残るようなカードを作りたい。それが開発陣の夢であった。
そのため、聖拳編かなりのカードパワーを持って様々なカードが製作される事になる。*1

《ハリケーン・クロウラー》《困惑の影トラブル・アルケミスト》《砕神兵ガッツンダー》《腐敗勇騎ドルマークス》《大勇者「鎖風車」》《緊急再誕》《黒神龍ザルバ》《腐敗電脳メルニア》《エマージェンシー・タイフーン》《炎舞闘士サピエント・アーク》《暗黒王デス・フェニックス》《剛撃戦攻ドルゲーザ》《無双恐皇ガラムタ》《薫風妖精コートニー》《憎悪と怒りの獄門》《調和と繁栄の罠》《焦土と開拓の天変》《天使と悪魔の墳墓

上記の今でもよく使われるカードは皆このシリーズの出身である。開発陣の目論見は成功したと言えるわけである。




















…それで終われれば良かったのだが。

評価


上記のぶっ壊れカードが登場したのもこのシリーズ
ボルバルザークと炎鎗と水剣の裁、母なる大地、転生プログラムはあまりに強すぎたために、帰って表舞台から姿を消す事態になってしまった。シリーズ名も、こうなってしまっては皮肉なものである…。
とはいえこの中でも黒神龍ブライゼナーガは登場から長い間主にファンデッキ界隈で使われていたカードであり、豪快な効果こそ持つもののそこまで壊れていたカードではなく、カードプールの増加と裁定変更により環境で暴れ始め14年8ヶ月もの時を経て殿堂入りに至った遅咲きのカードである。
実の所殿堂入りされる直近の環境では殆ど活躍できていなかったためやり過ぎでは?と言われる事も多い。
炎槍と水剣の裁も環境の高速化により重さが目立ちまた、ウィニーの質が上がった事により相対的に焼ける範囲が狭くなったため現在では殿堂解除されている。
ラッキー・ダーツ?1ターンキルを実現させるカードがいていいわけが(ry

また、1弾につき1枚ずつ殿堂、又はプレミアム殿堂入りを出しているという狂気のシリーズでもある。
とはいえ、優良カードも数多いため、そんなにマイナスばかりがあったわけではない。
しかし、今シリーズと次シリーズは、特に「ボルバルに相性がいい」カードが濫発され、結果ボルバルマスターズを引き起こしてしまったことは否定できない。

ゲームバランスの事ばかり話題になるが、デュエマ初期で人気絶好調だったのもこの頃。
ロックマンとの劇場公開も思い出に残ってる人も多いだろう。
旧プレイヤーの方々も良くも悪くもこの弾の思い出話をすることが多く、デュエマのコロコロでの立ち位置を決定づけたともいえるだろう。

ちなみに、デュエル・マスターズというゲームにおいて「カードによるコスト踏み倒し」という概念が追加されたのもこのシリーズである。
転生プログラムや母なる大地とか。どっちも先述の通りプレ殿しているが、そういう意味でもこの概念が残っているのは「ずっと残るようなカードを作りたい」という目論見が成功していると言える。

背景ストーリー

あらすじ

「伝説の進化ドラゴン」と光文明の戦いは、世界を一人で生き抜くのが困難なまでに荒廃させていた。
絶望の中で異文明同士の融合の技術が生み出され、レインボー獣が誕生する。
一方、とうの闘いでは新しい戦士を生み出す光文明がドラゴンをおしていく。死期を悟った一体のアース・ドラゴンは、とあるアーマード・ドラゴンと融合を果たす。

《無双竜機ボルバルザーク》の誕生である。

闘魂編でのドラゴンと対ドラゴン兵器、メカ・デル・ソル、サイバー・ムーンの衝突によってスピリット・クオーツが誕生した。
この大軍団は各地に混乱をもたらすことになる。

一方、世界のレインボー化についていけない「遅れた者達」はレインボー軍団を恨むようになり、己の文明に誇りを持つ者達「無限軍団」を結成。
レインボー軍団を超える力、「ウェーブストライカー」の力でレインボー獣を蹂躙する。
いっぽう、やられてばかりでもいられないレインボー軍団は「デュアル進化」を生み出して、「無限軍団」をなんとか打ち滅ぼす。
しかしそこに慢心が生まれることに……。

その最中、突如「5体の王」が登場して…。

ストーリーの特徴

基本セット~闘魂編から完全に地続きなストーリーではあるが、今回は文明間戦争の要素は序盤を最後に完全に影を潜めている。
もっとも、文明間戦争の衰退は闘魂編時点で伏線が用意されていたので、特に違和感なく繋げられている。

物語の大筋とは「多色連中の大暴れ」「無限軍団と多色軍団の激突」「絶対的な存在の登場」などが描かれている。
多色軍団の躍進は「超獣世界版グローバリズムの拡大」無限軍団の躍進は「超獣世界版ナショナリズムの拡大」と解釈できなくもない。
この二つの勢力の激突は「グローバリズムVSナショナリズム」とも捉えられるし、勝ったグローバリズムが内輪揉めをするというのもなかなか面白い。

特に聖拳編の物語の最大の特徴としては「文明を完全無視・唐突な登場をしたラスボス」の登場だろう。
それに対する「唐突に表れてきた強大な味方」が登場するのも見所で、これらの図式は不死鳥編などでも再利用されることになる。
物語のラストも、だらだらと次シリーズへと持ち込まれていた闘魂編までとは違って戦いに決着が付いている。

次シリーズの転生編までは空白期が生じており、基本セットから広がった事件が直接関与している物語はこのシリーズで終焉していると言える。

勢力別の動き

レインボー軍団

混迷の中で祈るしかなかった彼らは異文明同士の融合を果たすことで大きな力を得、また異文明同士の融合による呪文も一唱えで大きな結果をもたらす。
しかしそんな中でレインボーになれないもの、そしてデュアル進化できないレインボーとできるものの格差が生じてくる。
この格差を破壊したのは皮肉にも5体の王であった。

5体の王の登場以降は、敵対していた文明同士の力を持つ「敵対色多色獣」なる存在を生み出す。

スピリット・クォーツ

ドラゴンVSメカ・デル・ソルVSサイバー・ムーンの激突で生じた大きな力が生命を鉱石に宿したことで生まれた存在。
突如として大多数の鉱石生命体が現れた格好になるため、既存の超獣世界の住民と勢力図に混乱をもたらした。

極神編のスピリット・クオーツとは設定上はよく似た別種族なのだが、ゲーム的には同じ扱い。
ちなみに、聖拳編以降消息が不明な種族だが、《瞬速のアタカマイトβ》の存在を深読みすれば生き残っている可能性はある。

無限軍団

レインボー化の並に取り残された者達。
彼らはウェーブストライカーの力でレインボー軍団を蹂躙するも、デュアル進化の前に敗れ去ることに。

設定上多色獣がいるはずがないのだが、なぜか多色のウェーブストライカー《電脳鬼面アンギラー》が存在する。
なおウェーブストライカーのギミックはサバイバー同様に高い。

水文明

闘魂編での計画に失敗し、ドラゴンへの対応に追われた前シリーズの黒幕サイバーロードを抱える文明。
ドラゴン対策の為に聖拳編序盤で月を起動し、サイバー・ムーンを復活。
メカ・デル・ソルを率いる光文明への支援を行い、ドラゴンとの対決に身を乗り出す。

しかし、ぶっちゃけ今回の背景ストーリーでは空気。
文明間戦争の空気は消え去ったし、多色軍団の躍進でドラゴン云々の話ではないし……。
月を起動したのは聖拳編の序盤というよりは、闘魂編と聖拳編の間の時期だろう。

光文明

闘魂編で対ドラゴン対策にメカ・デル・ソルを生み出し、聖拳編でも継続して敵対中。
水文明の支援も受け、次々と新戦力を生み出す事でドラゴン相手に優勢になっていった…が、ボルバルザークによって大打撃を与えられる。
以後の背景ストーリーは多色軍団や無限軍団へと視点が移り、フェードアウト。

五体の王

敵になることすらできない王。
内訳はフェニックス2体、セイント・ペガサス1体、スターノイド1体、ナーガ1体。
ストーリー中ではほぼ無敵の存在だが、いずれも敵である。レインボー軍団を軽々と退ける文字通りどうあがいても絶望。

だが、この支配は以外な形で幕引きを迎える…



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最終更新:2023年07月04日 16:04

*1 ちょうどテーマが多色でカードパワーを単色より持たせられるためという背景事情も手伝っていた