阿笠博士

登録日:2014/04/06 (日) 22:42:04
更新日:2024/03/30 Sat 20:54:40
所要時間:約 8 分で読めます




名探偵コナン』の登場人物。


CV:緒方賢一(幼少期は田中一成)
演:田山涼成

作中ではもっぱら「あがさはかせ」呼びだが、名前自体の読み方は「あがさひろし」。

名前の由来は、言わずと知れたアガサ・クリスティ
そして誰もいなくなった」や「オリエント急行殺人事件」「アクロイド殺し」と言った名作の数々を生み出した「ミステリーの女王」である。
エルキュール・ポワロやミス・マープルの名前を聞いたことがある人も多いはず*1


人物

工藤家の隣家に住む『自称』天才科学者
東都大学工学部博士課程を卒業しており、作中でも個人で数々の発明品を作っている辺り、天才なのは事実と言って良いと思われる。実際にあるエピソードではある人物が彼の発明品を「MI6も顔負け」と賞賛しており、また別のエピソードでもある人物が仕掛けられていた彼の発明品を「この形状(フォルム)でこの性能(パフォーマンス)、なかなか興味深い」と称している。


もっとも、工藤新一目暮十三に「変な発明ばかりしている」と言っていたこと、また「作る物はガラクタばかり」と言われていることを考えると、作品開始時点ではろくな物を発明していなかった可能性も高いが、発明という仕事の性質上、新一は門外漢ゆえに不理解だったのかもしれない。

白髪と太った体型の持ち主だが、年齢は登場当初は52歳
本人も老けて見える自覚はある様子で、後に『まる見え埠頭の惨劇』の中で誕生日を迎える。
独身であり、女性や子供の影もない為、周囲からも当然のように独身だと思われている。
イチョウ色の初恋』では小学生だった頃の初恋の様子が描かれ、40年ぶりに初恋の相手・フサエ・キャンベル・木之下と再会しているが、やはり女っ気はない。

住所は米花市米花区米花町2丁目22番地。
愛車はフォルクスワーゲンのビートルで、作中で一度だけ買い換えている。しかし『博士の動画サイト』の頃には再び調子が悪くなっている。


発明品

彼自身のスタンスを見ると、スポンサーがいる様子もなく自分の作りたいものを適当に雑多に作り、更にコナンへの発明品を除いて少年探偵団の子どもたちが喜ぶような建設的なものより遊び心に比重を置いている様子。
あるエピソードの冒頭によれば変声機の応用である「ボイスレコチェンジャー」でそれなりに稼いだらしい。
実際、コナンへの発明品など目的がはっきりした物にはかなり有能で、とんでもない代物でもとてもあっさりと作って見せている。
しかもコナンの時系列は1年以内に収まっているという設定なので……この開発ペースは明らかに異常である。

学歴といい発明品といい、工学が専門だと思われるのだが何故か薬学にも通じている節がうかがえる。
作中ロクにツッコミがなされていないが、認可されていなさそうな薬を何故か所持していたり、どこかから超強力な麻酔を補充していたり(腕時計型麻酔銃)と謎は尽きない。
また、コナンの連載長期化に伴ってソフトウェア工学にも長けている描写も見受けられ、自分が作ったテレビゲームを少年探偵団にプレイしてもらっては感想を聞いたりしている。
劇場版『ベイカー街の亡霊』では最新鋭の次世代型体感ゲームの開発における重要なポジションを担当しており、完成記念の式典でも厚遇されていることから、業界では一目置かれている存在なのかもしれない。

その他、閉館した美術館を撤去する為に「トロピカルレインボー」という爆発すれば七色に光る爆弾を開発したこともあり、爆破直前には大勢の聴衆の前でスピーチを行っていた*2
更に『ゼロの執行人』にて自作したドローンを披露しており、操作が複雑なため三人がかりで制御しなければならないものの高度一万メートルまで飛行出来るらしく、現実の市販品のドローンを遥かに凌駕するスペックである。本当に今更な話だが、法律的に大丈夫なのだろうか?このドローンのハイスペックぶりは公安警察の重要任務にすら抜擢されるほど。

発明品の数々について更に知りたい場合は、当該項目を参照。

働いているような描写はないが、原作者の青山氏は「発明品を地味に売ってるらしいぞ。」と名探偵コナンSDB10+の読者の質問に答えていることから収入はある模様。
地下室付きの自宅に住み、愛車としてビートルも持ち、灰原を住まわせながら頻繁に子供たちを遊びに連れて行く裕福な生活を考えると、天才を自称するのも無理はないか。

人間関係

工藤一家と交友があり、江戸川コナンの正体を知る者の一人。というか作中で最初にコナン=新一だと知った人。
ちなみにコナン=新一と知ったきっかけは自身と新一しか知らない「お尻のホクロに毛が一本生えている」事をコナンに暴露されたから
コナンのことを「親戚の子」としてに預けたが、それ以降はコナンに発明品を作ったり、少年探偵団の引率者として事件に巻き込まれたりしている。

灰原哀が転がり込んできてからは、彼女と同居中。
彼女の命の恩人である為、入院しているコナンを口封じのため殺そうとするという演技をした際に彼女からは(コナンを殺してでも)守りたい人だとまで言われており、父親ないしは祖父同然の愛情を抱かれている様子の為、阿笠も彼女が黒の組織に誘拐されてしまった時には悲嘆のあまり号泣するほど深く愛している。
一方でその体型のために「メタボ親父」と言われたり、節制を厳命されたりしており、どこかで買い食いしたのがバレるとご飯抜きにされてしまう。
彼女の父親の宮野厚司とはかつて学会で会ったことがあると語っている。
また、最近では学生の沖矢昴が隣の工藤邸に越してきたのもあり、御近所づきあいをしている。

戸籍のないコナンと灰原を小学校に入れる手続きを行っていることから書類偽造を行った犯罪者ではないかと疑問視されることもあるが、連載当時の法律では、戸籍が無く本名でなくとも学校に通わせることはできたことには注意。
これは配偶者の暴力や両親からの虐待などにより警察の許可を得て素性を隠して逃亡を行っている場合など、あくまでもやむを得ない場合のみであり*3、そもそも無戸籍の子供はいわゆる闇の子問題などと言われるような社会問題と化しているもので基本的には虐待行為の一種になる*4
その為、「無戸籍でも学校通えるから問題ないよ」の様な発言は一般常識的に無視しがたい発言であり、コナンの事情も相まってややこしいので慎んだ方が良い。

ホームズの黙示録』では、コナンが新一でないと海外に行けないと知った際にパスポート偽造を頼まれると「犯罪になる」と止める等、順法倫理はしっかりしている描写がある。
それでも、縁もゆかりも不明な子供を2名も保護してることについては怪しい事この上なく、戸籍がないと分かれば調査すべき事柄なのだが、目暮や新一の両親やらが裏で手を回してくれているのだろうか?

上記にある通り、少年探偵団の行動を無茶も含めて温かく見守り、
時に宝探しなどを企画したり引率者を務めたり、更に灰原を引き取ったりと子どもに優しい好々爺である。

アニオリ回ではやたら、日本各地に住む「古い知り合い」が出てくる。
彼らも毎回事件に巻き込まれており、特別編では犯人と被害者が共に旧友という小五郎と同様の経験をしている。
最近は原作にて、バーテンダーの知り合いがいる事が判明。たまに愛車のビートルを貸している。
この人の事かは今のところ不明。

推理力

回数は少ないが、毛利小五郎鈴木園子同様探偵役をやらされたことがある。
そのきっかけは、『大怪獣ゴメラ殺人事件』でコナンが腕時計型麻酔銃を忘れたから。
眠らせる必要がないので、姿勢や態度は麻酔銃を使う場合より自然である。独断で余計なこと言ったりもするが。
ただし当人の推理力は今の所作中ではかなり低い方。自力で謎を解いた事はもちろん、コナンからヒントを貰って真相に辿り着いた事もほぼ無い。
また、コナン・灰原・探偵団だけで殺人事件に遭遇した場合は明らかに影武者要員に近い探偵役として途中から登場する事もある*5
ただ科学者なので、トリックに科学的な知識が使われていた場合は、コナンの推理の途中でトリックを理解し、コナンの代わりにトリックを説明する事もある。

「あの方」疑惑?

さて、阿笠を語る上で欠かせないのが黒の組織のトップであるあの方の話題である。
戯れとして敢えてコナンを放置して発明品を次々与えつつ、自分の手駒たる組織と彼の戦いを横から見て楽しんでいるのではないかと疑われていた。
そんなこんなで一時は最有力候補として、公式の予想企画でも堂々の1位。
……だったのだが、作者本人が否定したため、どうやら違うようだ。
まぁ今でも「阿笠博士」で検索すると「黒幕」「犯人」といった言葉がサジェストで出てきたりはする。
というかあれだけの超技術の粋を集めた発明品の数々を作ったり、強力な麻酔薬や火薬などを入手する伝手があったり、
コナンに対してあからさまに疑いの目を向けられている中で書類偽造をいともたやすく成し得ている(はず)のにあの方では無い(特に権力が無い)のなら、
逆にあの方よりも怪しい存在と言っても良い気がする。


追記・修正お願いします。ただし、黒の組織のボスは阿笠博士ではありません!by作者

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 名探偵コナン
  • 阿笠博士
  • 発明家
  • 天才
  • 保護者
  • 黒幕疑惑←作者が否定
  • みんなの心の黒幕
  • 完全犯罪道具作成
  • まだ50代
  • 緒方賢一
  • 博士
  • 科学者
  • 田山涼成
  • ワシじゃよ
  • ハゲ
  • 眼鏡
  • インテリ
  • ゲームクリエイター
  • 田中一成
  • 愛すべきじいさん
  • 名探偵コナン登場人物項目
  • チート
  • ドラえもん
  • マッドサイエンティスト疑惑
  • 独身貴族
  • メタボ
  • 実はハイスペック
  • コナン=新一を知る人物
  • 子供好き

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月30日 20:54

*1 ちなみに親戚には、栗介(くりすけ)という伯父と定子(ていこ)という伯母がいる(どちらも故人)。合わせてクリスティになる。

*2 この時は諸々の事情で美術館の中にまだ人が取り残されていたので、コナンが覆面パトカーのパトランプを蹴って博士の頭にぶつけて気絶させることで、彼に起爆スイッチを押されるのをギリギリで防いだ

*3 コナンは調べられたら困る身なのでそんな説明はできていないし、上記ケースでも実際は片親に住所を知らせない形などで戸籍届け出するように呼び掛けている。それが子供のためである。

*4 戸籍がなければ住民票や社会保険などにも困る。当然就職も難しい。社会通念上でも犯罪に合った時に身元が分からないってことになるし、人身売買や偽親の類が分かりにくくなるなどの問題がある。更に実際は子を隠したい→義務教育すら受けていないなんて人も珍しくない。余談だが無戸籍で困っていたら近場の戸籍窓口に相談してみること。

*5 アニオリでは、コナン・灰原・探偵団の組み合わせでの殺人事件の遭遇率は低く、遭遇する場合はほとんどのエピソードで阿笠も登場している。