パワーレンジャー・RPM

登録日:2014/04/01 (日) 22:08:03
更新日:2023/11/11 Sat 02:23:39
所要時間:約 7 分で読めます




コンピューターウイルスが生み出したロボット軍により、世界は制圧された

人類に残された安全地帯は、ドーム都市「コリンス」ただひとつ

私達に残された最後の希望、その名は…


POWER RANGERS RPM



日本のスーパー戦隊シリーズを海外向けにリメイクした「パワーレンジャーシリーズ」の第15作目。
炎神戦隊ゴーオンジャー』を原作としている。
RPMとは、「Racing Performance Machines」の略。


【概要】

パワーレンジャーシリーズの版権をサバン・エンターテインメントから買収し、シリーズを展開していたディズニーだったが、作品や玩具*1の評価が次第に落ち始め、売上も低迷の一途を辿っていた。
そして、『パワーレンジャー・ジャングルフューリー』の不振を受けたディズニーは「もはやこのシリーズは我々の戦略にはフィットしない」と結論づけ、シリーズの版権を競売に出品。
最終的にサバン・エンターテインメント改めサバン・ブランドが買い手となり、ディズニー体制パワーレンジャーはこうして終了する事となったのだが、東映との契約の関係から、ディズニーは当初最終作として考えていた『ジャングルフューリー』に加えてもう一作だけ制作する事となった。

最早成功しても実入りはなく、失敗しようが失うものは何もないこの状況で、ディズニーは従来では絶対に出来ない、売り上げを完全に無視したハイターゲット向けパワーレンジャーを作ろうと思い立ち、早い段階から企画を進めていたという。
そのため、本作はシリーズの中でも極めて異色な作品となっている

具体例を挙げると、

  • 世界観がシリアス
原作は終止コミカルな作風だったのに対し、本作は『敵によって世界が殆ど征服されている中で、生き残った人類はドクターKの呼び掛けにより、地球上で唯一の安全圏であるバリアで守られた要塞都市「コリンス」で抵抗を続けている』という真逆を通り越して世紀末まっしぐらな世界観となっている。
一応ギャグシーン自体はそれなりに盛り込まれているが、どちらかといえば会話による笑いが多く、例年のような体を大きく使ったコント的なギャグはあまりない。

「キャラクターの数は少なめにし、1人1人を掘り下げる」という方針に基づき、炎神ことゾードアタックビークルは人の手によって開発された人格を持たない単なるビークルとなっている。
しかし炎神は見た目も愛らしさがある為、シリアスな世界観とのギャップが凄い事になっている。
スタッフも東映から提示された炎神のデザインを見て「これをどうやって大人向けにすればいいんだ」と大いに悩んだという。
なお、パワーレンジャーシリーズにおいて、原典では自我を持っていたメカがただの巨大兵器に変更されるのがデフォルトとなっている作品は現状本作が最後である。

  • 戦闘シーンはほぼ新規撮影
パワーレンジャーシリースでは原作の戦闘シーンを流用するのが恒例行事だったが、本作では世界観が違いすぎる為、巨大戦以外の戦闘シーンは殆ど新規撮影のものが使用されている。

  • オリジナル装備が存在しない
向こうの国では等身大の戦闘が人気の為、レッド専用強化形態「バトライザー」や専用バイクなどをはじめとしたオリジナル装備が作られるのが恒例だが、本作では特にそういったガジェットは登場しない。
但し、玩具では劇中未登場の強化形態(これ自体はシリーズ恒例)もいくつか存在する他、古代炎神をモチーフとしたオリジナル戦士のフィギュアも発売された。
また、レッドが次回作の『パワーレンジャー・スーパーサムライ』にゲスト出演した際に原典と同様に強化形態になる機会はあった。

これらの特徴から、スタッフも予想した通り向こうの子供達からはあまり人気が出なかった一方で、大きいお友達からは高評価だったらしい。

版権移譲手続きに時間がかかった関係で次作『パワーレンジャー・サムライ』を続けて放送するのが難しかったため、本作の翌年は初代のHDリマスター版が放送される事となった。
そして1年間の空白を経て再開した『サムライ』は放送期間が2年間に変更された為、『ジオ』以来続いていた原作の作品より一年遅れの制作は本作が最後になった。




【登場人物】

◆パワーレンジャー・RPM

例年と異なり、特殊能力は変身者ではなくスーツの方に備わっている。
スーツは形状記憶合金製ナノファイバーで作られ、人体の生体電気によって駆動するバイオスーツとされており、元々ドクターKがアルファベットスープで開発していた軍事用エクソスケルトンを発展させたもの。派手な色も特殊能力に最適化して設計した結果生まれた副産物とのこと。

○ディロン / レンジャーオペレーターシリーズブラック(ゴーオンブラック)
本作の実質的な主人公。ジギーと共にバリアーが張られる直前にコリンスにやって来た青年。
特殊能力はバリア展開。
大半の記憶を失っている為に詳しい身の上は不明だが、生身でグラインダを粉砕するなど極めて高い戦闘能力を持つ。
性格はクールで一匹狼。他の仲間達とも距離を置いているが、ジギーのみには友好的に接する。
その正体は「敵に捕まりサイボーグ手術を受けた改造人間」という、出る番組を間違えたとしか思えない設定の持ち主。
その為、一時は敵のスパイではないかと誤解された事もある。
唯一自分に生き別れの妹がいる事を覚えており、形見のオルゴール付き懐中時計を持ちながら彼女を探している。
敵幹部・テナヤ7とは因縁を持ち、幾度となくぶつかるが……。
原典の軍平が霞む程他のキャラよりも劇中の扱いが優遇されており、作品の顔と言える。詳細はこちら


○ジギー・グローヴァー / レンジャーオペレーターシリーズグリーン(ゴーオングリーン)
本作の実質的な準主人公。
特殊能力はテレポート。
元々はスコーピオン・カルテルの一員であったが、諸事情で組織を追われていた所を
ディロンと出会い、彼と共にコリンスに戻ってきた。
性格はお調子者な上にややチンピラ気味だが気が弱く、格闘能力もメンバー中最低。ついでにギャグシーンも彼が絡む時だけはコントチックになる
他のレンジャーからも頼りにされていなかったが、ディロンがレンジャーブラックになる条件として彼をチームに入れることを要求したため、レンジャーの助手になった。
そしてグリーン用のモーファーがテナヤに奪われそうになった際、ドクター・Kの「何があってもモーファーを守れ」という命令に従って自分で変身してユーザー登録したため仲間になり、戦いを重ねる内に成長していく。
楽観的な気質故に、ディロンがサイボーグである事が判明した際も、他の人間が警戒を見せたのに対し、彼だけは一貫して接し方を変えなかった。
その態度が、自らの体を嫌悪するディロンには救いであり、あまり社交的ではない彼から唯一信頼を置かれていた。
ドクターKからは中々名前で呼んで貰えない等、不遇な扱いを受けていたが最終的に彼女と結ばれた。
特別、もしくは何らかの分野で有能な人間がレンジャーになる事が多いパワレンシリーズにおいて、の様な立ち位置にいるという、ある意味異端の存在。
だが、成長の様子やドクターKとの関係の進展が丁寧に描かれており、ディロンと同じく優遇されているキャラである。


○スコット・トルーマン / レンジャーオペレーターシリーズレッド(ゴーオンレッド)
パワーレンジャーのリーダー。
特殊能力はエネルギーフィールドを纏っての突進攻撃。
防衛軍の指揮官であるメイソン・トルーマンの息子だが、父との関係はギクシャクしている。
元々は戦闘機のパイロットで、兄のマーカスと共に出撃した所を敵に撃墜された揚句、兄は戦死してしまい、
自身は辛うじて脱出したところをサマーに助け出され、バリアが稼動する直前にコリンスに帰還して、パワーレンジャーとなった。

縦軸のストーリーはほぼディロンが回しているが、メンバーの中では最も精神的に成熟しており、主人公と言うよりは頼れるリーダーとしてチームをフォローする形での活躍が多い。
特に何かと1人で重荷を背負いがちなディロンのことは気にかけており、戦闘でも息の合った連携を見せることもおおかった。
父との確執を乗り越えようとする部分など、内面もしっかり掘り下げられており、物語内で作品の顔であるレッドレンジャーとしての立場は保っている。

次回作『パワーレンジャーサムライ』にはジェイデンと共闘し、ジェイデンから受け取ったシャークディスクを自分の武器に装着してパワーアップする。次元(環境)が違う事から、変身を解除しなかった。
サムライシンボルによって作られた赤いスポーツカーを運転した他、ジイのバイクを使った。
声もオリジナルキャストと違い、RPMにおいてレッドレンジャーとして戦ったスコット・トルーマンであったかは不明だが、サムライレンジャーにはスコットと名乗っている。


○フリン・マッキャリステア / レンジャーオペレーターシリーズブルー(ゴーオンブルー)
レンジャー内のメカニックマンであり、自身でオリジナルの武器を開発する程のスキルを持っている。
特殊能力として10秒だけ時間を止められる。
スコットランド出身で、正装としてスカートを着用することもある。
子供の頃から漫画のスーパーヒーローに憧れていたが、強すぎる正義感が空回りして損ばかりしており、大人になってからも幾つもの仕事をクビになっていた。
父親からも「スーパーヒーローの夢なんか捨てろ」と冷淡に接されていたが、バリアーが稼動する直前、コリンスの外に取り残された女の子を助ける為にスクールバスで救出に向かい、他の多数の市民と共に見事救出に成功。その後にパワーレンジャーになった。
これ以降は父親との関係も改善された。
人類が滅亡寸前になったことが結果的に社会への適応に繋がったという、他のレンジャーとは別ベクトルで重い背景の持ち主。


○サマー・ランズダウン / レンジャーオペレーターシリーズイエロー(ゴーオンイエロー)
活発で男勝りな、初期メンバーの紅一点。
特殊能力としてエネルギーを両手に集め発射できる。
富豪の娘だったが、ヴェンジックスの侵攻によって地位も財産も失い、コリンスに逃亡する際についてきてくれた執事もグラインダに殺害されてしまった。
しかし、一度全てを失い、たった1人手を差し伸べてくれた執事と死別した経験からそれまでの自分の愚かさに気付き改心。
コリンスに到着した直後、バリアーが稼動する直前にバイクで飛び出し、撃墜されたスコットを救出した後、パワーレンジャーとなった。
ディロンに助けられた為、彼に信頼を持っており、彼のレンジャー入りに貢献した。


○ジェム / レンジャーオペレーターシリーズゴールド(ゴーオンゴールド)
○ジェマ / レンジャーオペレーターシリーズシルバー(ゴーオンシルバー)
ドクターKと共にアルファベットスープに参加し、試作型パワーレンジャーであるゴールドとシルバーの被験者を務めていた研究者。
2人とも原作の須藤兄弟とは真逆の明るく朗らかな性格だが、同時にドクターKにとっては数少ない対等の親友だった。
ヴェンジックスの侵攻からドクターKを守る為に変身して出撃するが、彼ら自身は捕虜にされ、兵器工場で強制労働に従事させられていた。
その後経緯不明ながら脱走し、2人だけでヴェンジックスと戦っていた。
後にドクターKと再会し、チームに合流して共に戦う。

シリアスな世界観の本作では数少ないコメディリリーフ的存在であり、長年の経験に裏打ちされた高い戦闘能力と確かな戦略眼の持ち主でもあるが、2人だけで戦うことに慣れ切っていたため合流直後は命令を無視して独断専行する悪癖が目立ち、スコットの頭痛の種になっていた。

ジェムは『パワーレンジャー・ハイパーフォース』、ジェマは『パワーレンジャー・ニンジャスティール』でそれぞれゲスト出演している。


◆協力者

○ドクターK
パワーレンジャーの強化スーツや装備を開発した天才科学者の女性。
人付き合いが苦手で、途中まで「K」と書かれたモニター越しにパワーレンジャーと連絡を取っていた為、詳細な人物像が不明だった。
因みに、ゾードのデザインは彼女の趣味であり、レンジャー達からは内心不満を持たれている。
優秀な科学者だがプライドも高く、特にレンジャーのスーツを「全身タイツ」呼ばわりされるとブチ切れる。
元々、「アルファベットスープ」という政府の秘密機関に所属しており、そこから脱走する為にヴェンジックスを製作するが、
結果として世界を壊滅寸前に陥らせる要因を作ってしまった。
全てが終わった後にジギーと結ばれ、役者同士も一時期結婚していた。

後年、『パワーレンジャー・ビーストモーファーズ』でわずかだがゲスト出演している。


○メイソン・トルーマン
階級は大佐。スコットの父親にして防衛軍の指揮官。
親子関係は不仲。


◆敵

原作の蛮機族ガイアークは三大臣が協調してトップを勤めていたのに対し、本作では更に上のボスが登場する。

○ヴェンジックス
本作オリジナルのボスである、自我を持ったコンピューターウイルス。
地球の通信、電力、軍事システムの37%を1年で掌握して各国の連絡手段を断ち、ロボット軍団を差し向けて次々に制圧。本編開始時点でコリンスを除く地球上全ての領域を自分の支配下に置いている。
人類唯一の安全圏であるコリンスの周囲にもレーザータレット付きバリケードを建造し、封鎖を行いつつコリンスに逃げ込もうとする人間を狩っている。
つまり、戦隊シリーズでも珍しい物語開始時点で世界征服を完了しているラスボスであり、
レンジャーの戦いは、「平和を守る」為ではなく、コイツ等を倒して「平和を取り戻す」レジスタンス的なものである。
赤い発光が特徴。
ディロンをサイボーグ化した元凶でもある。
本体はコンピューターウイルスだが、自分が行動する為に機械のボディ(害地副大臣ヒラメキメデス)を開発。
更にそれが倒された後も新たなボディ(総裏大臣ヨゴシマクリタイン)を使い行動し、レンジャー達を苦しめた。


○ジェネラル・シフター
原典は害地大臣ヨゴシュタイン
ロボットの中では珍しく自我を持つ幹部。
テナヤとの仲はかなり険悪で、常に互いに腹を探りあっている。


○ジェネラル・クランチ
原典は害気大臣キタネイダス
自我を持っているロボットの幹部だが、やや間抜けな面が目立つ。


○テナヤ7
原典のケガレシアに当たる人物で、本作完全オリジナルの女性幹部。
手の部分を外して遠隔操作して、相手の不意を突いたり、諜報活動を行う事を得意とする。
素の戦闘力も高く、特にディロンとは幾度となく激闘を繰り広げた。
終盤で再度ヴェンジックスによって改造され、テナヤ15にパワーアップする。

※ネタバレ 実はディロンの妹が改造された姿。


○キロバイト
原典は掃除大臣キレイズキー。
長い間行方知れずになっていた幹部。
傲慢な性格だが、それに見合うだけの実力も持つ。


○アタックボット
本作における蛮機獣。今週の怪人枠。
原作と違い、殆どの個体が自我を持たない完全な殺戮マシーンとして使役されている。
グラインダと共にコリンスに送り込まれ、内部からの破壊工作で攻略を目論む。


○グラインダ
原典は蛮機兵ウガッツ。戦闘員枠。
ドローン(蛮ドーマ)の他、バイクも乗りこなす。
原作ではどこか愛嬌もある連中だったが、こちらでは終始無機質な戦闘マシンとして描かれており、かなり不気味。
何気にパワーレンジャーシリーズでは極めて珍しい一般市民を殺害するシーンまである。



【用語】

○要塞都市「コリンス」
主に舞台となる都市。ドクターKが開発したバリアに覆われ、地球で唯一ヴェンジックスが迂闊に手出しが出来ない場所である。
コリンスの外はヴェンジックスの侵攻で環境が激変しているが、コリンス内部はある程度の自然が保たれており、侵攻前とほぼ変わらない生活レベルが確保されている。
褐色の世界になってしまった外と異なり、事件前と変わらない青空をドームにホログラムで写す等、居住者のメンタルケアも完備。
時系列的に後年となる『メガフォース』では、復興が進んだのか、近未来都市風になっている。


〇スコーピオン・カルテル
ヴェンジックス侵攻前から活動していたマフィア集団。ボスはフレズノ・ボブ。
防衛隊も人手不足で手が回らないのか、取り締まりを逃れ続けており、コリンスでも薬の密売をシノギに幅を利かせている。


〇プロジェクト・ゴーオンジャー
ドクター・Kが、コリンス外部での活動拠点として用意した車両。原作におけるギンジロー号。
通信機器など簡易的な基地設備を備える。
編集者による意訳とかではなく本当に「GO-ONGER」という名前で、「Ground Outdoor Operational Network General-Purpose Explorational Rover」の略。


○ハイブリッド
ヴェンジックス軍に捕らえた人間が改造された、サイボーグの事を指す。
劇中では、ディロンがこれに該当する。


○アルファベットスープ
政府の秘密機関。レンジャーのテクノロジーは、元々この組織で研究されていた。
ドクターKも物語開始以前はこの組織に所属していたが、自分が「色素性乾皮症の様に太陽の光を浴びると死ぬ体質」と教えられており、外に出る事も無く、ひたすらパワーレンジャーの装備の研究に打ちこんでいた。
ところがひょんな事から、それが嘘だと露呈。機関の構成員は本性を現し、彼女を脅迫する形で今後もレンジャーの研究を続ける様、強要する方針に切り替えた。
現状を打破するべくドクターKは、唯一の味方だったジェム・ジェマ兄妹と共に、アルファベットスープのセキュリティを無効化して脱出する計画を密かに進め始めた。
その為にドクターが制作したのが、プログラム「ヴェンジックス・ウイルス」であったのだ!
無論、製作者であるドクターKも危険性は理解しており、アルファベットスープのネットワークの外にウイルスが漏れない様にファイアウォールを用意するつもりだった。
ところが実行日、ウイルスを解き放った直後にドクター達は警備員に捕らえられてしまった。
ドクターは必死にウイルスの危険を主張して、ファイアウォールを発動しようとするが、
警備員は「それらしい事を言って脱出しようとしているのだろう」然とした態度で取り合わずに妨害。
結果、彼女達は脱出も出来ずウイルスはネットワークを通じて組織外に流出するという最悪の事態に発展。
各地のコンピュータを浸食する内に邪悪な自我に目覚めたヴェンジックス・ウイルスは、自分にとって脅威であるアルファベットスープを潰すべく、各地の工場を乗っ取って作り上げた機械兵器を差し向ける。
ドクターKは人類の最後の砦であるコリンスにレンジャーの装備を持ち出しそうとしたが、職員たちは「ヴェンジックスがここから流出したことを知られるわけにはいかない」と、あろうことか人類存続より保身を優先してドクターKに銃を向けた。
幸いドクターKはジェムとジェマに救出され、彼らからの尽力で脱出に成功。その後構成員はヴェンジックスに皆殺しにされ、組織は壊滅した。
こうしてドクターKは、本来の予定とはかけ離れた、世界の危機という重すぎる代償と引き換えに、自由を手にしたのだった…

…と、前置きが長くなってしまったが、詰まる所世界滅亡の切っ掛けを作った元凶の組織である。
同じプログラム的ラスボスである、特命戦隊ゴーバスターズのメサイアと異なり、ヴェンジックスが凶悪な浸食性・危険性を持っていたのは、
元を言えばアルファベットスープの強固なセキュリティを破るべく、そう在るように作られたからであるが、
そもそも、機関がドクターを家畜同然の扱いをしなければ、彼女もこんな物騒な存在を作らなかったであろう。
天才を脅して兵器開発させている所だけを見ても相当胡散臭い組織であるが、関係者が全員死亡している為、その目的や背後関係が不明瞭なばかりか、
ドクターKへの贖罪すら残さないという、様々な意味で後味の悪い組織であった。



【本作の世界観について】

劇中では、『パワーレンジャー・ジャングルフューリー』でレンジャー達の拠点となったジャングル・カルマ・ピザの別店舗や、
『オペレーション・オーバードライブ』のレンジャーの装備と思わしき小道具が登場する等、過去作品との時系列の繋がりを匂わせていた……
が、後続の『パワーレンジャー・サムライ』において、RPMの世界は従来のパワレンの世界とは異なるパラレルワールドである設定となった。
ヴェンジックス軍の残党であるコッグが『パワーレンジャー・サムライ』で従来のパワレン世界に侵攻したことを切っ掛けに、
本流シリーズの世界でもRPM世界の存在やレンジャーオペレーターシリーズの存在が知られたらしい事が、『パワーレンジャー・メガフォース』の劇中で仄めかされている。




追記修正 Get In Gear !!

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ネタバレ注意









最終回でヴェンジックスが倒された後、役目を終えた変身道具一式は保管庫に運ばれた。
しかし、そのうちの1つがヴェンジックスの端末がそうであった様に、発光体から赤い光を発していた。
まるでヴェンジックスが健在とでも言うかのように……


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最終更新:2023年11月11日 02:23

*1 それまでは日本からの流用玩具を主力商品としていたが、オペレーション・オーバードライブからは完全なバンダイアメリカの独自開発となった