コマンドウルフ(ゾイド)

登録日:2010/02/19 Fri 20:08:51
更新日:2021/07/07 Wed 00:02:13
所要時間:約 6 分で読めます




コマンドウルフとは、トミー(現タカラトミー)より展開されたゾイドシリーズに登場する機体である。

各種バリエーションはこちらから。


【機体データ】

番号:RHI-3(旧)
  :RZ-009(新)
所属:ヘリック共和国
分類:オオカミ型
全長:14.7m
全高:7.9m
全幅:5.9m
重量:46.0t
最高速度:200km/h(旧)
    :210km/h(新)
乗員人数:最大2名

武装
(旧シリーズ)
2連装ビーム砲座
煙幕噴射口×2
電磁牙
(新シリーズ)
50mm対ゾイド2連装ビーム砲座
スモークディスチャージャー×2
エレクトロンバイトファング


【機体概要】

ヘリック共和国がシールドライガーと同時期に開発した高速ゾイドであり、シールドライガーがサーベルタイガーを意識した機体であるのと同様に、本機はヘルキャットをライバル視した機体となっている。

接近戦主体でありながら比較的大口径の砲塔も備え、距離を問わず戦うことができる汎用性を持つ。
さらに煙幕による撹乱や隠密性、高速機としては高い電子戦能力といった補助能力も高く、非常に万能なゾイドとなっている
操作性や生産性(野生ゾイドの個体数も含めて)も良いのか、第一次中央大陸戦争から活躍し続けている名機である。

終盤の暗黒大陸戦争では後継機に主力の座を譲ったが、それら後継機が激減した大異変後ではまた主力に返り咲き、第二次中央大陸戦争からニクス大陸への遠征まで活躍。
新型機がロールアウトした後でも、その拡張性の高さや配備数の豊富さなどから、最後まで第一線で活躍し続けた。


バトルストーリーで活躍した個体としては、トミー・パリス中尉の機体がある。
最初の一機はオリンポス山でセイバータイガーデスザウラーと交戦。
前者に対しては恐るべき強敵ではあったが、逆に奮い立つほどの闘争心を持っていた。
しかし、山頂にいたオーガノイドシステムで復活したデスザウラーに対しては、生命の本能で怯えた。これを察知したパリス中尉は「バケモノだ」と理解したという。

この機体はデスザウラーの暴走で撃破されたが、頭部だけがパイロットとともにかろうじて回収された。
また、このコマンドウルフが敵基地からハッキングした情報が、共和国軍にオーガノイドシステムの実働情報をもたらすこととなる。

パリスは大尉に昇進して、のちに青いコマンドウルフを受領するが、ライガーゼロ イクスに撃墜されてしまった。


【キット概要】

現実でも非常に人気が高く、ゾイドシリーズを代表する機体としてキットが多数リリースされた。

キットとしてはhiパワーゼンマイを搭載しており、歩行ギミックとの連動ギミックは四肢しか存在しない。
しかし、本機の特徴として首の角度を変えることで歩行速度を変えられるというのがあり、低速モードはしょんぼりしているみたいで可愛い。

また、口の開閉や首や尾、コクピットのコンソールが可動する等旧世代としては可動範囲が広い。
ハードポイントの位置が絶妙で、多くの武器やCPを違和感無く付けられるため、お手軽なカスタマイズにも向いている。

またコトブキヤから展開されている高年齢層向きのHMMシリーズでも早期からラインナップされている。

その人気からキットのバリエーションが非常に多く、HMMも含めると国内では

17種類

ものキットが存在する。
機体バリエーションは別項目にて。



【アニメ、漫画でのコマンドウルフ】

モルガやセイバータイガーと並んでアニメ皆勤賞である。
漫画でも印象的な活躍を残しており、人気の一因となっている。

◆漫画『機獣新世紀ZOIDS

主人公バン・フライハイトの父、ダン・フライハイトの相棒「ジーク」が登場。
野良ゾイドから村を守るために戦いダンは死亡、ジークも機能停止し、その後は主の墓の上に鎮座した状態だった。
なお、この野良ゾイドの詳細は不明だが、恐竜型らしいシルエットと光る目などから、ゴジュラスと思われる。

一見死んでいるようだったが実はまだ生きており、レイヴンのセイバータイガーが村を襲った際、村を守るためオーガノイド・ジークの合体により蘇生した。
主の息子であるバンと共に戦うが、相手が同じ高速戦闘ゾイドで、倍のウェイトを誇り、さらに操縦者の技量でも上回るセイバータイガーには大苦戦。
しかし、その強敵を倒すために、かつて自らとダンを死に追い込んだ「ラグナレクファング」を使用*1
ゾイドとしての生命力全てを注ぎ込んだ一撃で、シャドーが合体して性能が上がったセイバータイガーを撃破するが、今度は機体が爆発し完全に死んでしまう。

操縦者のバンも死ぬところだったが、その寸前にバンは父の魂*2の言葉を受けてジーク(オーガノイド)により脱出したため無事だった。


◆アニメ『ゾイド -ZOIDS-』での活躍

上記漫画版と同じく、バンの父ダンの駆るジークが回想にて登場。
三機のゴドスと一機のグスタフを僚機として、遺跡発掘チームに所属していた。
記憶を無くした少年(レイヴン)を拾い、またオーガノイドのカプセルを発見したダンたちだったが、そのカプセルを狙ったギュンター・プロイツェンの指揮する大部隊に襲撃される。
この際、ダンとジークは牙に激しい紅紫の光を走らせながら特攻し、道連れに爆発、村を守っている。
明言されていないが、これはおそらく漫画版の『ラグナレクファング』と同じもの*3
漫画版とは異なり、この時点でジークも爆散しているため、現代には残っていない。

なお、ダンのウルフは「数個師団を全滅させた」という言葉が広まっているが、
該当シーンで確認できるのはアイアンコング四体とモルガ六機(それにレッドホーン四機が出たり消えたり)のみ。
他は共和国の兵が「何個師団連れてきやがった」と発言しているが、とっさの毒突きであり、兵力を正確に分析した数ではない。
また十数年後のプロイツェンが「三個師団を送り込んだ」といっているが、断片的な回想の上、「その三個師団が全滅した」とはいっていない。三個師団は調査兵力すべてであり、プロイツェンが直卒してダンに襲い掛かったのはその一部と考えられる。
もちろん、コング四機とモルガ六機をウルフ一機で全滅させたというのは他に類を見ない事績だが、ダンのウルフが一撃で三個師団を消し去ったわけではない


作中ではレギュラーキャラのアーバインの駆る黒いコマンドウルフが活躍。肩のパーツが赤いのも特徴。
当初は通常の砲塔を装備していたが、途中から大型単装砲「ロングレンジライフル」を装備し、長くバンのシールドライガーとともに活躍した。
アーバインの相棒として強い信頼関係にあったが、忠告を無視してジェノブレイカーに一人で挑み再起不能となる。
本来ならそのまま死を待つだけだったが、その魂はライトニングサイクスに受け継がれた。

また、量産ゾイドらしくモブ機体としても数多く登場、バリエーション機体も登場した。
相当な数が出回っているようで、共和国正規軍のみならず、流出した機体が盗賊団などにも使用されていた。


◆『新世紀/0』での活躍

主人公チームのチームブリッツに所属するバラッド・ハンターの愛機として登場。
初期はロングレンジライフルを搭載していたが、途中からアタックユニットに切り替えている。
主にサポート役として活躍したが、シャドーフォックスを無理に追跡して崖から滑落、その直後バックドラフト団のミサイルで大破した。

他にもコマンドウルフだけで編成された「ウルフズ」*4というチームも登場するが、戦闘前にバックドラフトに全滅させられた。


◆『ゾイドフューザーズ』の活躍

主人公チーム、マッハストームのリーダーであるマスクマンの愛機。現在の装備はアタックユニットだが、リーダー就任前は火気を装備せず前衛で格闘戦主体だった。
そのためかストライクレーザークローを装備している。

物語中盤でレオストライカーとのユニゾン機能を獲得、コマンドストライカーとなりパワーアップを果たす。また、この際に機体色は白になった。
以降はベテランキャラらしくかませや司令塔として戦い抜いた。

前2作は放送中にリリースされた新型高速ゾイドが後継機となり退場したが、本作では最後まで登場することとなった。


◆『ゾイドジェネシス』での活躍

主人公の仲間の狼ポジションはソードウルフに譲ったため、本作ではデザートカラーのLC装備が後方支援主体の脇役として登場。

名有りのパイロットはほとんど登場しなかったが、前半ではやられ役として、終盤でリーオの弾を入手してから走れる砲撃役として活躍した。



【ゲームでの活躍】

新シリーズ以降のゲーム作品には高確率で登場。
対戦アクション系ではライガーといった大型高速ゾイドが花形になりやすいためやや影が薄い。

RPGだと中盤あたりまでの繋ぎ役が多めである。

もっとも輝いた作品の一つにPSソフトの「ZOIDS2 〜ヘリック共和国VSガイロス帝国〜」がある。
味方にスモークディスチャージャーを使用し、煙幕状態となることで大幅に有利になるこの作品において、初期装備にスモークディスチャージャーが有り、早くから入手出来部隊に組み込みやすいコマンドウルフはかなりの活躍が見込める。



【関係の強い機体】

●共和国系
シールドライガー
同時期に開発された高速ゾイドであり、セット運用が基本であった。

◆キングライガー
暗黒大陸戦争時の主力高速ゾイド。
シールドライガーに代わるライオン型だが、シールドライガーよりも小型・軽量化された点、スモークディスチャージャーを装備する点など、
シールドライガーとコマンドウルフ両方の特性を受け継いでいる。

シャドーフォックス
閃光師団(レイフォース)におけるライガーゼロのサポートゾイド。隠密性や電子戦能力、高い拡張性等、従来のコマンドウルフの役割をそのまま受け継いだ。
ただし生産台数が少ないのか、閃光師団にも強化型のコマンドウルフが大量に配備されている。

ケーニッヒウルフ
直系の後継機だが大型ゾイド化したことや当時の配備状況諸々の事情でやや不遇。

●帝国系
ヘルキャット
新旧通してのライバルだが、性能差が大きい。

ライジャーライトニングサイクス
どちらもコマンドウルフ越えを目指して開発がスタートし、圧倒的な性能を得た。
しかしライジャーは配備が敗戦間際、サイクスはコスト高でポジションが変わったりとライバルとしては微妙。
必要十分な性能と、程よい運用時期、そして優れた生産性とコスト・整備性といった、「量産機に何が必要か」というところでの差が出たということだろうか。



追記、修正は国内版17種を全て持っている方にお願いします。

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最終更新:2021年07月07日 00:02

*1 この際、拒絶するバンに申告するように使用コマンドを提示している。

*2 フィーネは「ジークの記憶が流れ込んだもの」と分析している。

*3 バトルストーリーでは、デスザウラーのゾイドコアを暴走させることですさまじい爆発を引き起こす場面がある。設定がリンクしているかは不明だが、ラグナレクファングは同じ原理の可能性もある。

*4 複数形ならウルヴズのはずだが