ジオモス

登録日:2011/07/16 Sat 21:58:55
更新日:2023/05/24 Wed 19:07:00
所要時間:約 5 分で読めます





ジオモスとは、『ウルトラマンダイナ』第35話及び第36話「滅びの微笑(前・後編)」に登場する怪獣。
33話ぶりに登場した4体目のスフィア合成獣である。

概要

冥王星に「ミス・スマイル」という人の顔に似た遺跡を作り人類をおびき寄せ、調査に来た元GUTS隊員のシンジョウ・テツオが乗る宇宙船「ロムルス三世号」に取り付いた。

その後「ロムルス三世号」にエンジントラブルを引き起こし、救助に来たスーパーGUTSの『クラーコフNF-3000』に宇宙船ごと侵入。

ロムルス三世号が収納されていた第三格納庫を占拠、
積んであったマキシマエンジンすら吸収して船体を浸食するも、第三格納庫ごと切り離されて地球に落下した。



●宇宙合成獣 ジオモス

身長:56メートル
体重:6万8千トン

神戸・六甲山に落下したスフィアが岩石を吸収し生まれた怪獣。
ジャガイモに巨大な手足と尻尾を付けたような外見で、背中が大きく膨らんでいる。
巨大な腕と強力な破壊電磁波が武器で、取り込んだネオマキシマエネルギーで構成された強力な亜空間バリアを持つ。

その力はまさしく圧倒的で、登場したウルトラマンダイナすら防戦一方。
ダイナの持つ最大のチート技『ミラクルタイプ』の「レボリウムウェーブ」を喰らってブラックホールに吸い込まれかけるも、
亜空間バリアで衝撃波を防ぐ事でブラックホールから脱出。

フラッシュタイプの「ソルジェント光線」すら破壊電磁波で押し返し、グロッキー状態のダイナをタックルで地平線の彼方まで跳ね飛ばして倒した。
ダイナ「バイバイキ~~~~~ン!」


その後、大阪の通天閣付近に出現して破壊の限りを尽くすもガッツイーグルの電磁ネットを受け、再び地中へ逃走。
しかしこの際、元GUTSのホリイ・マサミによりモンスターキャッチャーを打ち込まれ動きがバレバレに……

大阪の南港に出現するも、待ち伏せしていたガッツウイング1号とガッツイーグルから照射された『反マキシマエネルギービーム』により亜空間バリアが崩壊。
TPCの陸戦部隊の集中放火とウイング・イーグルの同時攻撃を喰らい大爆発。粉々に吹き飛んだ。








ナカジマ「妙です!破壊した怪獣の質量が少なすぎます!」

ヒビキ「それは……一体どういうことだ!」

ナカジマ「おそらく……今倒したのは、奴の抜け殻?」

ヒビキ「じゃあ……本体は!?」



●超宇宙合成獣 ネオジオモス

身長:68メートル
体重:7万9千トン

ジオモスが地中で外殻から脱皮し進化した姿。
メタボ気味の前傾姿勢のブサイク怪獣からスラッとした直立二足歩行のイケメン怪獣になった。
しかしパワーや破壊電磁波、知能は比較にならないほどにパワーアップし、亜空間バリアも何倍のパワーを持つ。
また、額から放つ赤色光弾や長い尻尾で締め上げた敵を感電させる技を習得した。ボディーそのものもソルジェント光線で粉々にならない程度には頑丈。

抜け殻を利用してスーパーGUTSをおびき寄せ、自身は本命である大阪ビジネスパークに出現。
ホリイ達が作っていた惑星間通信システム「コスモネット計画」を破壊しようとした。

ダイナやスーパーGUTSが登場するも更にパワーアップした亜空間バリアで圧倒。
だがムナカタ・セイイチリーダーのガッツウイングEX-Jも駆け付けて遂にバリアは崩壊。
更にソルジェント光線を受けて胸部のバリア発生器官を、ウルトラ踵落としで額の光弾発射器官を破壊される。

それでもなお、長い尻尾を使ってダイナを縛り上げて反撃するも『ストロングタイプ』のパワーで尻尾を引き千切られ更にエルボーを食らってダウン。

最後は上空に運ばれ「ガルネイトボンバー シューティングバージョン」とウイング一号・EX-J・イーグルの同時攻撃を受けて大爆発した。


派生作品での登場

本エピソードの脚本を担当した長谷川圭一の『小説 ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア~超時空のアドベンチャー~』においては、
同じく長谷川氏が担当したエピソードに出てくるガルラサイコメザード、カオスジラーク、ノスフェルと共に怪獣バイヤー・チャリジャに捕獲された。
そして他の怪獣たち共々、『ダイナ』の世界から、本来ウルトラマンも怪獣もいない『ガイア劇場版』の世界に召喚される。

カイザーギラレス13世を倒し一息ついたウルトラマンガイアをいきなり5体がかりでボコボコに痛めつける。
しかし、『ガイア劇場版』及び本小説主人公の勉、そして仲間たちが赤い球に課せられた制約の盲点を突いたことにより、
ネオフロンティアスペースの2007年と2017年からGUTSアートデッセイ号とスーパーGUTSのクラーコフが出現。
アスカの乗ったガッツイーグルα号を撃墜するも、変身したウルトラマンダイナが、
さらにカオスジラークにいつものように撃墜されたダイゴの変身したウルトラマンティガが加勢したことで、形勢は逆転。
ガイアと格闘戦になるが、コウダとムナカタの連係プレーによって角を破壊され、バリアを解除されたスキを突かれてフォトンエッジを叩きこまれ爆死する。
その後、5体の怪獣はカイザーギラレスに吸収され、デーモンギラレス14世となる。


●Sプラズマ融合獣 スフィアジオモス


何をやってるんだ!早くあの怪獣を何とかしろ!!
この施設が失われたらどれだけ人類の科学が遅れると思ってるんだ!?

その独り善がりの科学が招いた結果がコレだろ!!

身長:70m
体重:7万トン
登場話:第21話「繁栄の代償」

ウルトラマンデッカー』に登場した令和のジオモス
スフィアの亡骸を利用して莫大なエネルギーを生み出す「Sプラズマ増殖炉」の研究棟から再活性化したスフィアの無数の触手が伸び、辺りの機械や建物を吸収して甦生したスフィア融合獣。
全体的にフォルムはネオジオモス寄りだが、ネオジオモスよりも比較的四肢は逞しい。
施設の設備や瓦礫を素体として生まれたためか有機的な部分はあまり感じられず、見えにくいがよく見ると体の各所には配管もあちこちに見える。

武器は
  • 全身に生えた無数の鋭利な棘から放つ青い電撃
  • 額から放つオレンジ色の光弾
  • バリアの展開
とネオジオモスを彷彿とさせる攻防共にバランスの取れた性能を持つ。
だがスフィアジオモス最大の特徴は周囲の物質やエネルギーを見境なく己のエネルギー源として吸収する能力。
劇中では送電線を流れる電気や火災の炎、瓦礫、土砂などをエネルギー源として吸収。これに加えて増殖炉の膨大なエネルギーを利用して時空変動を起こし、出現させたワームホールを通じて未来の宇宙からスフィアザウルスを呼び寄せることが可能となる。
おまけにスフィアザウルスが倒されても、その死骸を分解・吸収して自身のエネルギーに変換することで再度ワームホールを開いて延々とスフィアザウルスを呼び寄せることができてしまう。
唯一の救いは一度に複数体のスフィアザウルスをワームホールから呼び寄せることはできないことか。

劇中では甦生するとスフィアザウルスを呼び寄せて自身はスフィアザウルスの護衛に徹する形で猛威を振るい、
人類の総力戦を嘲笑うようにスフィアザウルスの再召喚を見せつけてGUTS-SELECTに絶望を与え、地球を未曽有の大混乱に陥れる……

はずだったが、なんと時空を超えて現れた「未来で戦うもうひとりのウルトラマン」ことウルトラマンダイナの参戦によって新たなスフィアザウルスはワームホールから顕現する寸前で木端微塵となる。
スフィアザウルスを呼び寄せるはずの能力が皮肉にも未来のウルトラマンを呼ぶというスフィア側にとって最悪の結果を招くことになってしまった。
更に増殖炉のエネルギーには星や星座を繋ぐエネルギーが含まれており、ダイナの参戦もこれが理由で起きたことだった。
この予想もしなかった事態に愕然としていたバズド星人アガムステラフェイザーを召喚し、スフィアザウルス召喚の邪魔をされた恨みを晴らすべく息の根を止めんと試みた。
変身不能に陥っていたカナタは勇気を振り絞り、デッカーに変身。ダイナと共にスフィアジオモス&テラフェイザーのタッグ戦に挑む。
バリアはダイナのフラッシュサイクラーに砕け散り、TRメガバスターもウルトラフォークの直撃で発射不能に陥った。
激高するアガムスだが、突如テラフェイザーから異常が発生しやむなく戦線離脱。
一方、スフィアザウルス召喚を台無しにされたスフィアジオモスは電撃で攻撃するもののデッカーのデッカーシールドカリバーにことごとく防がれ、ダイナのゼロ距離ソルジェント光線で胸部を破壊されてしまい、スフィアザウルスを呼び寄せることは不可能となってしまう。
そして、ティガ(マルチタイプ)&ダイナ(フラッシュタイプ)のディメンションカードを介したデッカーの必殺攻撃「ウルトラデュアルソード・レジェンドフラッシュマルチスクラム」を受けてスフィアジオモスは木っ端微塵に砕け散るのであった。ダイナは『未来は誰にもわからない』とメッセージを残し、未来世界へと帰還した。

このスフィアジオモスは時空変動を利用してダイナを呼ぶという大失態をやらかしてしまった上、その結果、ダイナとデッカーの前に為す術もなく敗北してしまったため、スフィアは大きな痛手を負うことになってしまったが、この後に起きた事件ではアガムスは地球の怪獣をコントロールしGUTS-SELECTと戦わせ、しかも宇宙から最後の災厄を呼び寄せることになるなど、ある意味目的は十分に果たせたといえる。

なお、ダイナのスフィアは初めからやエンジンといった無機物を取り込んでスフィア合成獣を生み出していたが、
デッカーのスフィアはこれまで他の怪獣その死骸機能停止したロボットに取り付くのみであった。
今回はデッカーで初めて無機物を取り込んで一から肉体を作り出している。


余談

  • このジオモス編は『ウルトラマン』第26・27話「怪獣殿下(前後篇)」を意識しており、以下の要素がオマージュとなっている。
    また、ジオモスもそのエピソードの登場怪獣「ゴモラ」のオマージュであり、またネオジオモスの角はゴモラと反対に伸びているという特徴がある。
    • 六甲山に落ちて来る怪獣
    • 一度敗北するウルトラマン
    • 怪獣が地底に潜り、再度地上に出現した際に防衛チームが発信機を撃ち込む
    • 敗北後ウルトラマン変身アイテムを一時的に紛失、子供がそれを届けに来る(しかもその際、やけに物分りの良い大人に出会う)
    • 最終決戦の舞台が大阪


  • この回は阪神大震災の復興応援企画でもあり、「怪獣殿下」では出番のなかった神戸でもロケが行われた。
    『ダイナ』の劇中設定は2017年であるため、神戸が震災から20年あまりですっかり復興した旨のセリフがある。
    また、震災の被災者に配慮して建物が破壊されるシーンは描かれていない。
    「怪獣殿下」はじめ大阪に怪獣が出るたびに粉々にされる大阪城も、目の前までネオジオモスが迫りながら無事という珍しい結果となっている。

  • ジオモスの着ぐるみは新規造形だが、ネオジオモスの方はというと実はアリモノの改造
    『ダイナ』第10話に登場した高速怪獣デキサドルの頭部と、同じく第27話に登場したスーパー必殺怪獣デマゴーグの体をニコイチにしたものである。

  • スフィアジオモスは当初『ウルトラマンZ』のデストルドスを改造する方向性も検討されていたが、最終的には「二足歩行の恐竜体形」かつ「今後着ぐるみの使用回数が少なくなるであろう」という点から『ウルトラマンタイガ』のセグメゲルが改造される形になった。
    ……とはいえ、細身の体形にするために余分な箇所をそぎ落としていった結果、ほぼ芯しか使われなかったために実質新造レベルだが。

追記・修正は変身アイテムを拾ったらお願いします。

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最終更新:2023年05月24日 19:07