エンペラー・キリコ

登録日:2011/11/17 Thu 01:44:08
更新日:2024/01/05 Fri 19:08:50
所要時間:約 18 分で読めます



※推奨BGM:炎のさだめ


突然ですが、ここで問題。
只今相手のターン。相手は7マナあります。

場には何もいません。

…これからどうなるでしょう?




エンペラー・キリコ。

それはかつて神歌の力を見込まれ、オリジンの神に仕えていた巫女である。
*1


エンペラー・キリコ》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DM-32「神化編(エボリューション・サーガ) 第1弾」で収録された、種族にオリジンを有する水文明の大型進化クリーチャーである。

新たなシリーズの第1弾には殿堂入りもしくはプレミアム殿堂になるほどのとんでもないカードが収録される傾向にあるが、このカードもその1枚であった。


解説


エンペラー・キリコ SR 水文明 (8)
進化クリーチャー:サイバーロード/オリジン 13000
進化-自分の「サイバー」と種族にあるクリーチャーまたはオリジン1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分の他のクリーチャーをすべて、好きな順番で自分の山札の一番下に置く。その後、山札の上から、進化ではないクリーチャーが3体出るまでカードを表向きにする。その3体をバトルゾーンに出し、山札をシャッフルする。
T・ブレイカー

貧弱な水文明にしてはパワーが5ケタでT・ブレイカー持ちとかなり優秀。(水文明単色でこの条件を満たすのは僅か11体のみ)
また、進化条件が非常に緩い。サイバーが付く種族は水文明に幾つか存在するし、オリジンからも進化できるので種が幅広い。
(これはオリジンが持つアークの力によってできることであり、この弾のオリジン進化クリーチャーは大体キリコと同じく条件が緩い)


しかし、キリコの真の力は3体のクリーチャーをタダで踏み倒すことにある。
この効果の代償としてあらかじめ場にいる自分のクリーチャーを全て山札に返さないといけないが、場にキリコ以外にクリーチャーがいなくても効果は使えるし、山札に戻ったクリーチャーをまた出せるチャンスができたとも考えると得ばかり。

とはいえ、出て来たクリーチャーが序盤のマナブースト役の青銅の鎧(ブロンズ・アーム・トライブ)だったり、S・トリガーの《アクア・サーファー》だったりしたら流石に損。
折角出すのならば、マナが重くアドバンテージが取れるクリーチャーを出した方がいいに決まっている。

よって、キリコの性能をフルに使う場合には重量クリーチャーのみを投入し、マナブーストやドローは《フェアリー・ライフ》《エナジー・ライト》等の呪文に頼る構築になる。


相性の良いカード


数枚ほど紹介するが、ここで紹介されなかったカードでも、デッキによっては当たり前の様に投入されることを知ってもらいたい。

魔女っ子アマちゃん。
キリコ最大の相棒。効果は項目内にて。
デッキから《母なる紋章》《母なる星域》を引っ張ってくる重要なポジション。自身も貴重な進化元にしておっぱい。

で、上記の「母なると言えば?」なのがコイツ。
4マナブーストでマナゾーンに進化クリーチャーを送り込み、ついでに自身がそいつに進化する。
アーマード・ドラゴンのためヴァルキリアスやバジュラズテラになったり、多色のためキング・アルカディアスになったりする。
4マナ起きたマナが生まれるため、下のカードで回収した紋章を唱えたり。

出した時、手札とマナを1枚交換する。
コストは2マナだが効果により実質1マナで出せ、進化元にもなるため腐らない。
ちなみに7マナある時にアマテラスを後に出すと…?

  • 神秘の宝箱
山札から自然を含まないカードをマナに置ける呪文。
再録回数が少なく集めにくいのが難点。
後に同じ効果を持った《緑銅の鎧》が出たのでそちらでも可。ただし、こっちはキリコの能力に引っ掛かるので注意。

自分のクリーチャーを全てスピードアタッカーにし、相手のクリーチャーが場に出る時全てタップイン、さらに自身は擬似マッドネス効果付きと痒い所に手が届く竜。
コイツのせいでキリコで出て来たターンにゲームエンドになることも…

帰ってきたボルバル
出した時にマナを全てアンタップというチート効果を持ち、疑似的なエキストラターンを得られる。
しかし続けてプレイする手札がないと出した意味がない…
だがその点もキリコが何とかする。次の彼のせいで…

恐怖のリセットカード。キャーエヌサーン!!
出した時、お互いの手札と墓地を山札に戻してシャッフル。その後お互いに5枚ドローと損がほとんど見当たらないスペックを持ち、かつ自身が進化元。
つーか殴れるファイバー・ポッド
エクスと同時に出ると、まんま時のらせんになる…と言えばMtGプレイヤーならわかるだろう。

この他にも、キリコを使ったコンボはいくつもあり、《超竜バジュラズテラ》でお互いのマナを吹き飛ばして殴るタイプや、《ヴォルグ・サンダー》を出して1ターンで相手の山札を最高24枚以上墓地に落とすタイプ等も存在する。


弱点


まずは速攻。ほとんどのキリコは高コストのクリーチャーを積むので、速度に間に合わないことが多い。最近速攻にバリエーションが増えたのも向かい風。

次に先に《聖霊王アルファディオス》を出されること。この場合、ほとんどの手段でアルファを除去できないのでキリコを始め、デッキ内のクリーチャーにロックがかかってしまう。
聖鎧亜キング・アルカディアス》もメタとして存在したが、こちらはあろう事かキリコが取り込んでしまったためメタとは言い難かった。

最大の弱点と言うより欠点はソリティアつまり、一人回しになりがちになること。
イメージしてみてほしい。

キリコを何回もマナから出し入れして、効果の処理で何分も相手のターンが続く…ひょっとしたら、既に山札を一巡しているかもしれない光景を。

小学生向けのデュエマとは思えない光景を目にした人も少なくはないであろう。いや、まぁMOMAよりはマシなんだろうけど…*2

殿堂入りした今ではあまり目にしないが、以前はキリコやアマテラスを4枚積みできる環境故に、上記した光景が当たり前だったのである。
グダグダ空回しされた挙げ句に最終的に自分は負けるので、キリコ=クソゲーと扱う人も中には存在するくらいキリコは凶悪なカードなのだ。

神化編初期に登場したキリコはその強さ故に即座に環境を荒らし、一部ではキリコ・マスターズと呼ばれるまでに大会ではキリコが上位を独占した。

その後の全国大会はガンメタされて1回戦で根絶させられたが。


殿堂の歴史


登場から1年後にはとうとう殿堂入りになり、微妙にかみ合わない超次元システム導入と【不滅オロチ】という類似種の存在によってやや弱体化したが、更に1年経って大型クリーチャーの追加により再びトップメタに返り咲いている。
そしてむかえた11年の全国大会。レギュラークラスは各地域代表十人中七人がキリコ、準優勝キリコ、優勝キリコと、見事にキリコ・マスターズとなった。

オープンクラスは八人中一人しかいなくて、しかも初戦敗退だったけどな!

なんだかんだ言ってもガンメタされると厳しいようだ。 
しかしそれでもキリコに勝つためには自分もキリコを使うか、キリコを徹底的にメタったデッキか速攻を使うしかなかった。
故にキリコがゲーム性を狭めていたのは間違いない。

以上のことから、キリコはプレミアム殿堂候補に名を挙げてるが、生かすも殺すも最終的にはタカラトミー次第である。


そしてついに、2012年3月15日からプレミアム殿堂、神化編環境だけでなくE1環境までもむせる炎で燃やし尽くした歌姫は遂に温泉旅館へ収監となった。

尚、現代デュエマに於いては進化元の相対的な衰退、環境の超高速化、キリコそのものの踏み倒し手段の乏しさゆえに、「出せば勝てるがそもそも出せない」と言われており、プレミアム殿堂解除が有力視されている。
出せれば拍手喝采、相手は感動のあまり投了もやむなし。

2021年10月23日、プレミアム殿堂がまだ解除されていないのに「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」にて再録決定。より規制緩和が有力視されるようになった。

そして来る12月。殿堂発表にてキリコのプレミアム殿堂解除・殿堂入りが発表された。ついに帰ってきた。
2022年元日をもって1枚まで投入できるようになったのだ。

環境へ帰還を果たしたキリコは相棒として元々存在していた【チェイングラスパー】というデッキを取り込み、新たに【キリコチェイングラスパー】を獲得。
この【キリコチェイングラスパー】は既に完成されていたデッキタイプを元にしているのでキリコへの依存度が低く、盾落ちなどによりキリコが使用不可能になっていてもゲームエンドへ持ち込むことが可能。
王来MAX期においてもこのデッキが大型大会で上位入賞を果たしており、プレミアム殿堂にまで昇り詰めたその実力は未だ健在であることが伺える。


派生カード



ひとつはこうしよう。
今や温泉旅館の彫刻と成った美しき歌姫。なんとか再度あの歌声を耳にすることは叶わぬものか。

真実の神羅(トゥルーシンラ) プレミアム・キリコ・ムーン P 水文明 (8)
進化クリーチャー:サイバーロード/アンノウン/ルナティック・エンペラー 13000
究極進化-自分の進化クリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分の他のクリーチャーをすべて数え、好きな順序で山札の一番下に置く。その後、その数の進化ではないクリーチャーが出るまで、自分の山札の上からカードをすべてのプレイヤーに見せる。そのクリーチャーをすべてバトルゾーンに出す。その後、山札をシャッフルする。
T・ブレイカー

プレミアム殿堂から約10ヶ月後、意外すぎる形でキリコは帰ってきた。
前情報がほぼ公開されないと言う前代未聞のパック、ブラック・ボックス・パックに再調整版として収録されたのだ。
(上記の文章は当時謎のツイッターでヒントとして投稿されたもの)

しかし一度温泉旅行に行ってしまった代償か、効果は大幅に劣化している。

まず、究極進化が条件になっていること。
プレミアムキリコでも出せるのは非進化クリーチャーのみ。つまり、究極進化には必要だがキリコの効果では邪魔となる状態に陥る。
当然進化クリーチャーを入れる分デッキが圧迫されてしまい、本来出したい大型クリーチャーとのバランスがとりにくくなる。
この点に関しては、後に登場したNEOクリーチャー*3によってある程度は改善された。

次に、効果で出せるクリーチャーの数が3体確定ではなく、場に依存すること。
要はキリコ以外にもクリーチャーを先に展開させておく必要があると言う事である。
この時に、小型クリーチャーを並べておけばキリコの効果で出せる枚数は増えるが、デッキ内にある小型クリーチャーを場に出てくる可能性が高くなる。
ただし、あくまでも対象になるのは場にいたクリーチャーなのでサイキック・クリーチャーで水増しさせておくのは可能である。

この二つの劣化要素と低コストの除去増加&環境の超高速化のせいで、キリコはかつての栄光を取り戻すことができずに、ハズレアの烙印を押されてしまったのであった。

甲型龍帝式 キリコ3(キュービック)*4SR 水文明 (8)
進化クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 13000
進化-自分の水のドラゴン1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札をすべて、好きな順序で山札の一番下に置く。その後、自分の山札の上から、呪文が3枚出るまで、カードをすべてのプレイヤーに見せる。こうして見せたそれ以外のカードをすべて山札に加えてシャッフルし、その後、その3枚の呪文をコストを支払わずに唱える。
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)

DMX-17「龍の祭典!ドラゴン魂フェス!!」に収録。
温泉効果でドラゴンになった。何ともむせる名前である。
もちろんこれも充分に強力な能力であり、本家とは逆のベクトルで専用デッキを作ればいい。つまり、序盤の展開は《青銅の鎧》《緑銅の鎧》などのクリーチャーで、シールド・トリガーは《アクア・サーファー》《終末の時計 ザ・クロック》などのクリーチャーが中心となり、踏み倒したい呪文を各種超次元呪文にすれば1ターンで《唯我独尊ガイアール・オレドラゴン》を完成させることも可能なのである。

その後、下記のアマテラスキリコのサポートとして登場した《蒼狼の王妃 イザナミテラス》や呪文ではないが呪文S・トリガーの感覚で使えるタマシードが登場したことで、《オールデリート》後の勝ち筋をドキンダムの代わりに《龍罠 エスカルデン/マグスカルゴ・トラップ》で踏み倒すスピードアタッカーに任せた形の【キリコキュービックデリート】がオリジナル環境に進出。
1度も再録されていないスーパーレアであることも重なって一気に高騰している。

こうした事情もあって「デュエキングMAX 2022」でついに再録。
しかし、なぜかキュービックのルビを振られた部分が上付き文字の3からただの3に変更されるという事態が発生し、「キリコさん」と呼ばれる羽目に。
TCGの上付き文字の3は呪われているのだろうか……?

呪帝電融 カーペラー・キリテム P 水/自然文明 (8)
クリーチャー:ディスペクター/サイバーロード/ミステリー・トーテム 12000
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
マッハファイター(このクリーチャーは、出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3つブレイクする)
このクリーチャーがバトルに勝った時、コスト7以下のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出してもよい。

「ハイドのディスペクターN・EXT」で登場した《呪紋の化身》との悪夢のような組み合わせのディスペクター。
バトルに勝利した時の踏み倒しと出たターンに相手クリーチャーに攻撃できるマッハファイターを持つ、手堅い性能のクリーチャー。

とはいえ既にマッハファイターと踏み倒しを併せ持つ《ドンジャングルS7》が存在するため、ディスペクターという種族やコスト参照であることで差別化したいところ。

神歌(しんか)歌姫(うたひめ)アマテラス・キリコ SR 水文明 (8)
進化クリーチャー:サイバーロード/オリジン 13000
進化:サイバーまたはオリジン1体の上に置く。
T・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、自分の他のクリーチャーをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、自分の山札の上から10枚を表向きにし、その中からコストが10以上のクリーチャーをすべて出す。残りをシャッフルして山札の下に置く。

「レジェンドスーパーデッキ 神歌繚嵐」で登場した新たなるリメイク。
踏み倒しが「デッキトップ10枚からコスト10以上を全て踏み倒し」という本家以上にド派手な能力に。ただしアタックトリガーとなったため、ソリティアに使うことはほぼ不可能。

踏み倒しメタが大幅に増加したことでそもそも効果を発揮しにくいという点は殿堂入りに帰還した本家と同様であり、軽量カードとのデッキ配分も決して簡単ではない。
マナ加速呪文かつ10マナクリーチャーであるツインパクトの《八頭竜 ACE-Yamata/神秘の宝剣》や、アマテラスキリコ自身を踏み倒す《蒼狼の王妃 イザナミテラス》といったサポートも同時に収録されているため、うまく組み合わせたいところ。

キリコ皇鬼の封 VR 火文明 (3)
タマシード:デモニオ/鬼レクスターズ
"シンカライズ":このタマシードがクリーチャーであるかのように、この上に進化クリーチャーを置いてもよい。
このタマシードが出た時、カードを1枚引く。
自分のターン中にカードを引いた時、自分の山札の上から1枚目を見る。このターンの終わりまで、それを表向きにしてもよい。
自分のターン中、自分の山札の一番上にある、表向きの進化クリーチャーを召喚してもよい。

鬼レクスターズとしてタマシードに封じられたキリコ。
イラストには鬼化して爪や牙を生やした禍々しい姿の《キリコ皇鬼》が描かれている。

自分のターンにカードをドローした際に山札の上から1枚目のカードを表向きにし、それが進化クリーチャーなら山札から召喚が出来る。自身にもcipによるドロー効果が備わっているので、出たターンに使う事が出来る。
ただし、あくまで可能なのは召喚であってオリジナルのような踏み倒しでない点には注意。
進化クリーチャーでなくても次に来るカードを表向きにして確認できるのは心強く、ガチンコ・ジャッジなど山札の上を参照した能力と相性が良い。
予言のイザナイ コットン》を利用した、山札のカードを表向きにして言い当てる事で100%使用可能にするコンボが注目されている。


デュエル・マスターズ プレイス


エンペラー・キリコ SR 水文明 (9)
進化クリーチャー:サイバーロード/オリジン 13000
進化-サイバーまたはオリジン
バトルゾーンに出た時、自分の他のクリーチャーをすべて自分の山札の一番下に置く。その後、山札の上から、進化でないクリーチャー3枚をバトルゾーンに出す。その後、山札をシャッフルする。(自分の《エンペラー・キリコ》のこの効果は、各ターン中1回のみ発動する)
T・ブレイカー

デュエプレでも「太陽の神歌 -NEXT EVOLUTION-」で登場。
本家からはコストが1上がり、同名カード指定の発動回数制限が付いた。
一方でフィニッシャーとして強力な《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》が無制限で《薔薇の使者》、《神歌の星域》といったサポートカードも同時に実装されているため、ソリティアこそできないが一撃でゲームを決める切札としての運用は十分に可能。
後に《サイバー・N・ワールド》《ボルバルザーク・エクス》《永遠のリュウセイ・カイザー》などの紙の方でも相性の良かったカードの増加によりDP殿堂となった。

メインストーリーでは守護者の新規切り札の中で唯一の擬人化キャラとして登場。
他の擬人化キャラと違って本体はあくまでカードであり、少女型のアンドロイドを義体にする事で活動している。
デザインは電子の歌姫繋がりか初音ミクのオマージュになっており、CVも同じ


背景ストーリー


神歌創世記

DMBD-18で明かされた《神歌の歌姫アマテラス・キリコ》としての活動記録。

超獣世界がまだ五つの文明に分かれていない遙か昔、蒼狼の一族は当時の支配者であった五大龍神に反旗を翻そうと企んでいた。
そのため、一族の王女である《神歌の歌姫アマテラス・キリコ》は神歌の力で不滅の銀河に接続できなくなった代わりに、不安定だが暴力的な力を秘めた暴嵐のドラゴン《暴嵐竜 Susano-O-Dragon》と《八頭竜 ACE-Yamata》を未知の世界より召喚した。

未知の存在である暴竜の力添えもあり、不意を突かれた五龍神は一族の手で別々の土地に封じられてしまう。
更には五龍神がそれぞれ封印された地をベースに五つの文明へと五分し、異次元に閉じ込められた犠牲者達を出しながらも世界は大きく変容。
分割を免れたわずかな土地を残す中で、キリコたち蒼狼の一族は自らを「超獣の始祖」と名乗り始めた。

次に、五龍神に代わって超獣たちの信仰を集める偶像を用意すべく、キリコは「神歌」で再び未知の世界より新たな存在を呼び出す。
それらは黒き月を象徴する神蒼狼の一族の存在を神話として語り継ぐための物語を生み出す神「オリジン」を生み出し続ける神支配が行き詰った時に世界をリセットして再構築する神、封じられし古の支配者たちが復活した時に降臨し戦う神、という五龍神の数に対応した5柱の神であった。

しかし彼らの支配体制は突如として終わりを告げる。
遙か未来よりこの時代にタイムスリップしてきた《時空工兵タイムチェンジャー》が見たのは、蒼狼の一族とその神が月と大地に引き裂かれて封じられている光景だった。
因果応報、五大龍神を封じた彼らもまた何者かに封印され、歴史の表舞台から姿を消した。

神化編(プレイス版)

殆ど触れられなかった紙の神化編と比べてかなり掘り下げられており、DMBD-18を踏まえた設定や描写が多い。

神歌の力を見込まれてオリジンの神に仕えていた巫女であり、超獣世界に封じられし神帝の復活を目論む。
オリジンを統括する首領と呼ぶべき存在で、古の軍勢はキリコの意思の下で地上を蹂躙した。
また、キリコがもたらした進化の秘宝「アーク」の力によってオリジンは強化され、超獣世界サイドの軍事を瞬く間に劣勢へと追いやった。

更には自身が奏でる神歌によって異世界へと繋がる門を開き、向こう側から「碧眼の伝説龍」なるクリーチャーを召喚して使役した。
神羅達から究極進化の力を奪い去って碧眼の伝説龍と共に蹴散らし、衛星オリジナル・ハートを超獣世界に激突させて神帝を復活させようとする。

しかし最期は《神羅ライジング・NEX》の猛攻にあえなく倒れた。
オリジナル・ハートもNEXと《白騎士の聖霊王 HEAVEN》《死神明王 XENOM》の協力によって激突を免れ、太古の野望はここに散るのだった。

エピソード2(プレイス版)

超獣世界に新たなる侵略者・アンノウンが出現し、オリジンの力も侵攻に利用されようとしていた。
キリコの亡骸にもトライストーンによる浸食が迫るが、そんな窮地を救ったのはかつて敵対した惑星生命体ラムーンだった。
ラムーンによる進化の力で助けられたキリコは、新たな姿《真実の神羅 プレミアム・キリコ・ムーン》へと変化したのだ。


余談


  • イラストレーターのHeart(ユウキ)氏が《爆裂B-BOY》と共に初めてデュエマで描いたクリーチャーであり、モチーフは歌姫(さらに言うとベースはオペラ歌手)なんだとか。
    そのためか、キリコが再プッシュされたレジェンドスーパーデッキとデュエプレの両方で、《神歌と繚嵐の扉》や《神歌の星域》という歌姫要素を押し出すサポートカードが登場している。



キリコも巨大な不発弾。追記・修正、御用心。

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最終更新:2024年01月05日 19:08

*1 画像出典:旧Twitter イラストレーターはあと(HEART)氏 @heatinazuma 2021年12月13日掲載 https://x.com/heatinazuma/status/1470338245892648962 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids

*2 あちらは「お互いにデッキ・手札・墓地を混ぜて7ドロー」だの「お互いに手札全て捨ててドロー」だのといったカードが存在し、「負けるのわかってるのにこっちにも手間を掛けさせる」という面倒臭さがあった。

*3 非進化クリーチャーとしても進化クリーチャーとしても場に出せるクリーチャー

*4 「3」は「三乗」を表す上付き文字