No.107 銀河眼の時空竜

登録日:2013/12/26 Thu 10:45:22
更新日:2024/04/11 Thu 06:52:57
所要時間:約 8 分で読めます





宇宙を貫く雄叫びよ。遥かなる時をさかのぼり、銀河の(みなもと)よりよみがえれ!
顕現せよ!そして我を勝利へと導け!

No.107!銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)!!



No.(ナンバーズ)107 銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)とは「遊☆戯☆王ゼアルⅡ」に登場するカードである。


【概要】

バリアン世界からの刺客、ミザエルの使用するオーバーハンドレッドナンバーズ。
本来のナンバーズアストラルの記憶のピースであるはずだが、このカードはアストラルでさえその存在を知らなかった。

本編登場以前からⅡ1期のOP映像にはシルエット状態で登場しており、107番目のナンバーズの存在は知られていた。
ナンバーズらしくエクシーズ召喚した時変形する演出があるが、 黒い四角錐の形から機械っぽい風貌のドラゴンに展開する。
前述の鋭利な姿とダークな色彩から、視聴者の間でも非常に人気が高いナンバーズの1体である。
進化形態は主に足のせいで賛否両論だが。キングギドラ

「銀河眼」の名も冠しており、初登場時から銀河眼の光子竜と何らかの関係・因縁を感じさせた。
また九十九遊馬の予知のような夢にも登場しており、その後決闘庵にて真紅眼の黒竜の木像を見た遊馬がこのモンスターを連想していたことから、立場は違えどその鋭利なフォルム等、銀河眼の光子竜だけでなく『真紅眼の黒竜』を意識しているのかもしれない。


アニメにおけるテキスト

ランク8/光属性/ドラゴン族/ATK 3000/DEF 2500
レベル8モンスター×2
このカードは「No.」と名のついたモンスター以外のモンスターとの戦闘では破壊されない。
1ターンに1度、バトルフェイズ終了後にこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する事ができる。
このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの効果を無効にし、
その攻撃力・守備力を元々の数値に戻す。さらにエンドフェイズ時まで、このカードの攻撃力は、
このターンのバトルフェイズ中にお互いのプレイヤーが効果を発動したカードの枚数×1000ポイントアップする。
この効果を自分のターンで使用した場合、このカードはもう1度だけ続けて攻撃する事ができる。


初登場時は野生の状態でバリアン世界にいたところをミザエルの白紙のカードに吸収された。まさかの放し飼いである。
なおミザエルも「相変わらず手間をかけさせる」と言っていた。



ちなみに初登場時、装備魔法カードで強化されたという共通点もある他、アニメの真紅眼関連カードには、このカードの効果名「タキオン・トランスミグレイション」によく似た「レッドアイズ・トランスマイグレーション」が存在する。

自身のナンバーの刻印は、頭部の右側にある。


効果名は「タキオン・トランスミグレイション」、攻撃名は「殲滅のタキオン・スパイラル」
「トランスミグレイション(transmigration)」は「転生、輪廻」を意味する。
なお、最初の対戦でホープを攻撃した際、両腕を赤熱化させて炎のリングを放つという謎の攻撃手段を見せている。


効果を発動すると効果を無効にされたモンスターは、ホープの場合は変形前の状態に戻り、銀河眼の光子竜は輝きを失った。
また、自身も変形前のニュートラル体に戻り、その後再展開して攻撃力が上昇する。

この際の口上は「時空をさかのぼり、再び顕現せよ!銀河眼の時空竜!」

アストラル、メラグはこの効果を「過去に戻って自分に有利な未来を選択することができる」効果と表現していた。*1

ちなみに名前の「タキオン(tachyon)」とは、超光速で運動すると言われる粒子で、
通常の物質とは逆に「絶対に光よりも遅くなれない」特徴を持つとされる。

そのため光速であるフォトンが未来へ向かうのに対して、こちらは光速を越えているために過去へ向かうと言われている。

ドイツの物理学者アルノルト・ゾンマーフェルトによって初めて存在が提唱され、
1967年に『速い』の意味を持つギリシャ語が由来となって、アメリカの物理学者ジェラルド・ファインバーグより命名された。

SF作品やニセ科学の分野でも、超光速移動(ワープ)や時間遡行など様々な題材で登場するが、
現在はタキオンの存在が提唱されているだけで留まっており、タキオンは未だ世界の誰にも発見・観測されていない。
科学者の中にはタキオンはその性質上絶対に観測できず、観測された時点でそれはタキオンではないという意見もある。
このことから

未来へ向かう効果を持つフォトンの龍「銀河眼の光子竜」
過去へ向かう効果を持つタキオンの竜「銀河眼の時空竜」

と明確な対比がなされている。
さすがにタキオンの持つもう一つの性質「エネルギーが減れば減るほど速度が上がる」は反映されていないが、オーバーレイユニットを取り除く効果辺りがそれに近いだろうか?


活躍

VS九十九遊馬(→天城カイト)で登場。
半月竜ラディウスと星間竜パーセクをオーバーレイ・ユニットにエクシーズ召喚され、
遊馬のNo.39 希望皇ホープに攻撃、ホープの効果によって攻撃を無効にされたが、
このカードの効果でホープの効果を無効にし、攻撃力を1000ポイント上げて再びホープへ攻撃し、戦闘破壊した。
遊馬のライフはまだ残っていたがこのカードの攻撃の威力に吹き飛ばされ、ZEXAL化していない状態でスフィアフィールド内にいたために遊馬は戦闘不能になってしまう。

しかし、そこに天城カイトが現れ、デュエルを引き継ぐ。
このカードとカイトの銀河眼の光子竜の因縁から、ミザエルも交代を了承し、デュエルは続行された。

その後、超銀河眼の光子龍によって効果を無効にされて攻撃を受け、戦闘破壊されたが、ミザエルは死者蘇生でこのカードを復活。
RUM-バリアンズ・フォースの効果でこのカードをランクアップさせCNo.107 超銀河眼の時空龍をエクシーズ召喚しようとしたのだが……。

その後もミザエルのデュエルではドン・サウザンド戦以外は必ず登場している。
実はドン・サウザンドの呪いのカードであるオーバーハンドレッドナンバーズの中ではかなり特異な存在。

オーバーハンドレッドナンバーズの中で唯一のランク8であることもそうだが、
このモンスターには他と違い現実に別の伝説が存在し、遺跡の碑文が残されたりもしている。

他にも冒頭で言ったようにミザエルによって捕獲されるシーンや、前世のミザエルに埋め込まれた107のカードが白紙*2であるなど、
「No.107」と「タキオン・ドラゴン」はもとは別の存在であるかのような描写もある。


最終的に明かされたタキオン・ドラゴンの正体は、世界を創造したドラゴンの2体の分身の片割れ*3
つまり宿っているカードはドン・サウザンド謹製の呪いのカードだが、モンスターとしては無関係である。

アニメ版のナンバーズは「ナンバーズのカードがデュエリストと結びついて開眼したもの」(記憶のナンバーズの多くはこれ)と
「元々あった伝説やモンスターがカードと融合してナンバーズ化したもの」の二種類があり、
タキオン・ドラゴンは後者に当たる(さらに言えばプライムも同様である)。

カイトとのデュエル後にこのカードとNo.62 銀河眼の光子竜皇No.46 神影龍ドラッグルーオンの3枚のドラゴンナンバーズが合体し、
ヌメロン・コードへの鍵であるNo.100 ヌメロン・ドラゴンへと変化した。



OCG版


OCGにおけるテキスト

エクシーズ・効果モンスター
ランク8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
レベル8モンスター×2
(1):自分バトルフェイズ開始時に、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
このカード以外のフィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化され、その攻撃力・守備力は元々の数値になる。
この効果を発動したターンのバトルフェイズ中に相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に、
このカードの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで1000アップし、このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。


効果発動のタイミングが、全てのモンスターの攻撃終了時から、バトルフェイズ開始時に変更された。
そのため、後出しはできなくなった。

その他、攻撃力アップは相手のカードによってのみ、攻撃力上昇が切れるタイミングが変更されているなどの違いがある。
また、例によってNo.共通の戦闘破壊耐性は削除された。残念ながら、「銀河眼の光子竜」とは相打ちとなる。

レベル8モンスター2体を要求するため重いモンスターに見えるが、レベル8にはそれなりに展開力のあるカードも多く、見た目ほど出しにくくはない。
手段は色々あるが、超銀河眼の時空龍サポートでレベル8を並べやすい『ギャラクシー(フォトン)』とは相性がいい。
このカードの効果も「フォトン・スラッシャー」や「銀河零式」と相性がいい。
このカード自身もギャラクシーおよびギャラクシーアイズなのである程度のサポートも受けられる。

アニメではギャラクシー(フォトン)の使用者であるカイトとミザエルが対立しているため、イメージには若干の問題があるが、そこが気にならなければ一緒に使うといい。
ちなみにアニメでは魔法・罠カードに関してはカイトとミザエルはほぼ同一のカードを使用してくるとカイトが予想している。
フォトンサポートとタキオンサポートで若干の違いはあるが。


効果は自身以外のモンスターの効果を無効にし、元々の攻撃力・守備力にするもの。
相手の耐性持ちのモンスターの効果を消したり、攻撃力の上がったモンスターの攻撃力を元に戻したりできる。
前述の「銀河零式」など、デメリットで攻撃力が下がったり、何らかのデメリット効果を持つモンスターに対してこのカードの効果を使用することもできる。
同じ黒い竜である「Sin」と合わせて総攻撃するのもいいだろう。
幸いSinにはレベル8モンスターは入れやすいため相性は悪くない。

ちなみに現在の裁定では元々の攻撃力(守備力)になった場合、永続魔法等による攻撃力の変化は、元々の攻撃力(守備力)で上書きされて実質適用されなくなる。



攻撃力上昇と2回攻撃の効果も持っているが、完全に相手依存なので使いにくい。

アニメとは異なり、このカードの効果を使用したうえで相手が何らかのカード効果を使ってくれなければ、2回攻撃さえできない。
そのため相手に何らかのカードを使わせなければならないが、もし使ってくるとすれば、攻撃を防いだりこのカードを除去しようとしてくる場合が多い。
それをかいくぐって2回攻撃を決めることができれば1ショットキルも夢ではないが、一種のロマンと考えたほうがいいだろう。

相手のカード効果が強制効果であれば前述の無効化効果と合わせて絶好の標的となる。
強力な強制効果を持つA・O・J カタストル青き眼の乙女などは理想的なカモ。
またアーティファクト相手だと高攻撃力を維持したまま二回攻撃という芸当もある程度は可能。

魔法・罠に対する耐性などはまったくないため、除去の危険性は付きまとうが、モンスター効果を無効にできるのはうれしい。
自分も巻き込まれるため、場合によっては効果が邪魔になることもある点には当然注意。
ちなみによく勘違いされがちだが、効果無効の期間は永続である。こちらの場合だとフィールドにいる限り無効になったままなので、ネオ・タキオンとごっちゃにしないように。

同じ素材二体でランク8には使いやすい
などもいるため、必要に応じて使い分けてもいいだろう。


サポートカード

時空混沌渦(タキオン・カオス・ホール)
通常罠
(1):自分フィールドの「ギャラクシー」Xモンスターが、相手モンスターの攻撃または相手の効果によって破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
相手フィールドの表側表示のカードを全て破壊し除外する。
(2):このカードが墓地に存在する場合、自分ドローフェイズに通常のドローを行う代わりに、墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「ギャラクシー」Xモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

アニメと8期の『PRIMAL ORIGIN』で登場したタキオンの名を冠するサポートカード…とは言ったが、実際はギャラクシーテーマのサポートカードも兼ねる。
発動条件が厳しめな分効果は強力。
また、ホールと名のついた通常罠なので蟲惑魔とシナジーがあったりする。


タキオン・トランスミグレイション
カウンター罠
自分フィールドに「ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン」モンスターが存在する場合、このカードの発動は手札からもできる。
(1):自分フィールドに「ギャラクシーアイズ」モンスターが存在する場合、チェーン2以降に発動できる。
このカードの発動時に積まれていたチェーン上の全ての、相手のモンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にし、この効果で発動を無効にしたフィールドのモンスター及び魔法・罠カードを全て持ち主のデッキに戻す。

同じく8期の『PRIMAL ORIGIN』に登場。
直接除去も出来ず、効果無効はモンスターのみ、単純な打点もプライムに劣る、とかなり立場が危ぶまれていたタキオンに与えられたまさかの必殺技カード
場にタキオンがいれば、なんと手札から発動できる万能カウンター罠。
さながら万能宣告者。もっとも、効果的には進化系のタイム・タイラントに近いか。

このカードが手札にあれば、上記の連中よりタキオンを優先して出す価値は十分にある。
しかも、伏せて使う分にはフォトンでもサイファーでもいいため、【ギャラクシー】なら非常に強烈なメタカードとして投入できる。


タキオン・ギャラクシースパイラル
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
自分フィールドに「ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン」モンスターが存在する場合、このカードの発動は手札からもできる。
(1):自分フィールドのドラゴン族の「ギャラクシー」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで、戦闘では破壊されず、自身以外のカードの効果を受けない。

10期になって登場した必殺技第二弾。
攻撃技だったタキオン・スパイラルが防御技になった。
実質的な完全耐性を付与するものだが、こちらもどちらかというとネオ・タキオンとの相性が良好。
また、コイツもギャラクシーアイズなので自分ターン限定だが「破滅のフォトン・ストリーム」をぶっ放せるのも利点。


【余談】

その独特なデザインから人気が高く、2018年に行われたアイコン配布企画でも1位を取り配布されるなど根強い人気を持っている。
ちなみに2018年1月18日に行われた「どちらの『ギャラクシーアイズ』が好きか」というアンケートでは、「44%」対「56%」でタキオン・ドラゴンがフォトン・ドラゴンに勝利している。
メカメカしい姿がファンの心をつかんだのだろうか?

2016年に中国版で中国繁体字版表記であるためアジア版の様に公式大会では使用できないが他言語版では存在しないシークレットレアが登場し、実質コレクター需要しかなかったにもかかわらず中国語版でも高く取引されていた。
…がその収録弾を最後に中国語版が事実上終了。
また中国・台湾でもパック自体の流通数も多くなかったようでこのシークレットも中国でもめったに市場に出回らず価格が高騰しており、他言語版とはいえレギュラーパックのカードであるにもかかわらず日本では20万円で売りにだされている。

また、普通の日本版にしてもこのカードはまともな再録がないにもかかわらず、複数の専用サポートを抱えていたり、他のギャラクシーアイズエクシーズの下敷きとして優秀な為需要が供給に対してかなり高く、相場はレギュラーパックのウルトラレアの中ではかなり高額となっている。
ZEXAL本編においてオーバーハンドレッドナンバーズはアニメ放送当時にOCGにはごく一部のカードにしか存在しない赤字のウルトラレアカードだったが、現実では OCG20周年記念の一環として2019年2月9日から2019年2月22日まで実施されたキャンペーンで配布された『20thシークレットレア SPECIAL PACK』にて赤字である20thシークレットレア仕様のこのカードが収録されており、高い値段で取引されている。
その後も2020年に受注生産された『ナンバーズコンプリートファイル』にて、赤字のウルトラレアのこのカードが収録されており、こちらは受注生産ということもあってか流通枚数が多く20thシークレットレアと比べて安く手に入る為、ミザエル気分を味わいたいならこちらを購入するといいだろう。

そして時は流れて2023年、なんとこのモンスターのフィギュアがメガハウスの「ART WORKS MONSTERS」シリーズで発売され(発送は2024年)、全国のミザエルたちが狂喜乱舞した。
全高38.5cm、全幅38.0cmの大型フィギュアで、価格は42,350円と決して安くない値段ではあるが、立体化の際リデザインされたタキオンドラゴンの姿は躍動感溢れたカッコイイものに仕上がっているため、是非ともタキオンドラゴンのファンは購入して飾りたいところ。オーバーレイユニットやニュートラル体も付属している。
ミザエルの中の人である大河元気氏もレビュー動画にて「自分達の知っているタキオンドラゴンより強そう」「かっこいい」と嘗め回すように眺めながら大絶賛しており細かい評論を送っている。*4


『バカな! この項目は過去に戻って、そこで自分に有利な追記・修正を選択する事ができるとでもいうのか!?』


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最終更新:2024年04月11日 06:52

*1 あまりにも処理が複雑なためか、これ以降も効果が使われるたびに逐一外野による説明が入っている。

*2 他の七皇のオーバーハンドレッド・ナンバーズは渡された時点でイラストがあった

*3 もう片方がフォトン・ドラゴン

*4 https://www.youtube.com/watch?v=11lldRNg0iI