信長協奏曲

登録日:2013/12/22 Sun 4:15:
更新日:2024/03/16 Sat 11:00:56
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信長協奏曲とは?

信長協奏曲とは石井あゆみによる漫画。月刊ゲッサンで連載中。現在単行本は21巻発売中。
あまり知られていないが第57回小学館漫画賞少年向け部門を受賞し、2012年全国書店員が選んだお勧めコミックでは7位だった。
有名な漫画家「荒川弘」「あだち充」「高橋留美子」が絶賛している作品。
2014年にフジテレビ開局55周年企画でアニメ化ドラマ化映画化が決定。なお、同時に発表されるのは史上初である。

織田信長を題材にする作品は多く、タイムスリップというありがちな展開である。
しかし主人公のサブローは勉強もできない高校生で歴史もろくにわかっていない少年。更に等身大の高校生が「織田信長」に成り代わって戦国時代を生き抜いていくという流れである。
戦国時代を舞台にした話だが戦闘シーンは描かれず、キャラが起つシーンが満載。

物語

高校生サブローは、下校途中にタイムスリップに遭い戦国時代へ落ちてしまう。そこで出会ったのは自分と瓜二つの姿を持つ織田信長。サブローは、彼に身代わりになるよう頼まれてしまい・・・

登場人物


《主要人物》

本作の主人公。物語当初は高校生。
飄々とした性格で良くも悪くもマイペース。不本意ながら本物の織田信長の身代わりとなり、「織田信長」として生きていくことになる。
勉強が苦手で明智光秀を「相田さん」と間違えて覚えており、しかも織田信長が天下を取ったと本気で思っている節があるが、
その一方で時折、家康こそが天下を取る事を知っているような言動をする*1
マイペース故に普段は深く物事を考えていない節があるが、その言動が重要な場面では独特の発想、抜群の行動力、そしてカリスマを発揮し、徐々に武将としての風格を備えていく。

史実においては「本能寺の変」で織田信長を討つことになるはずの男。
本作においてはサブローに「織田信長」の身代わりとなることを頼んだ本物の織田信長
聡明だが病弱で、乱世で生きていくことが出来ないと考えた彼は、たまたま出会った自らにそっくりな男・サブローに身代わりを頼んで織田家を飛び出した後、
各地を放浪して最終的には明智家の養子となり、「明智光秀」という名前で再び「信長」となったサブローの前に現れた。
品のある穏やかな性格の持ち主。サブローの為だけに生きると決めている病候補。
ドラマ版では徐々に「織田信長」として成り上がっていくサブローに「自分こそが本物」という忸怩たる思いを抱いていき、
秀吉と組んでサブローを追い落とそうとしているかのようにも見えたが…?

  • 帰蝶
信長の正妻。可憐な美少女で蝶をあしらった着物を着ている。
本物の信長には構ってもらえず不仲であったが、サブローには心底惚れており実家に惚気た手紙を送っている。
サブローを深く愛するあまり、彼が行方をくらますと衰弱してしまう。サブローとの「でぇと」が楽しみ。

信長の妹。当初は幼かったが成長し美女となる。
サブローの影響でのびのびと育っており奔放的な性格。兄を過剰なまでに慕っており、禁断の想いを寄せている描写がある。兄との「でぇと」を望んでいる。

《サブキャラクター》

  • 池田恒興
信長の乳兄弟で織田家家臣。信長(サブロー)を怪しみ、信行側につき命を狙っていた。
しかし彼の天下統一の野望を知ってからは補佐に回るようになり、忠義を示す。常識人で苦労が耐えない。

  • 柴田勝家
信長の弟である織田信行付きの家老。
天下統一を目指すサブローと兄の失脚を目論む信行の差を目の当たりにし、サブロー側についた。常識人で苦労が耐えない。
昔、竹千代(徳川家康)を暗殺しようとしたことがある。軍団長の一人。

  • 前田利家
織田家家臣。槍の名手。子供っぽくやんちゃで、よく成政と喧嘩をする。
元服してもサブローに「犬千代」と呼ばれているが、立場ができるにつれ、落ち着きが出てきた。
しかし、サブローに失礼な態度をとる相手を前にすると唸る。

  • 佐々成政
織田家家臣。真面目で責任感が強く、額に傷がある。
利家とは出会った頃から喧嘩をしているが、立場ができるにつれて減ってきた。
しかしサブローに失礼な態度をとる相手を前にすると恒興と利家の三人で殺したくなるのを必死に我慢している。

  • 羽柴秀吉
織田家家臣。その正体は今川家の元忍。
任務のためならば人を殺してその名を奪うことなども平然と行う冷酷非情な人物。
他者から奪った「木下藤吉郎」の名で織田家に潜り込み、信行に謀反を唆すなど織田家転覆のために暗躍していたが、
サブローの実力を見誤ったのが遠因となって主の今川義元は桶狭間の戦いにて織田方に討たれた上、今川家自体も滅んでしまった。
それ以降は、信長(サブロー)を討って主の雪辱を晴らすべく、織田家家臣となり出世していく。
表では主の為に忠義を尽くす穏やかな人物を装っているが、竹中半兵衛や明智光秀などには疑われている上、
サブローの言動に振り回され、忠臣として働くことを余儀なくされる。
ドラマ版では本物の信長が行った無意味な焼き討ちによって滅ぼされた村の生き残りという設定に変更され、
忠臣の皮を被りつつ、虎視眈々と信長(サブロー)に復讐する機会をうかがっている。

  • 羽柴秀長
秀吉の弟で側近。小柄な兄とは違い長身。本名は「小竹」らしいが秀吉には覚えられていない。兄の下で働くことを希望し織田家家臣となる。
兄に殺されることを本望としており、挑発的で皮肉な口調でよく秀吉に怒られている。しかしサポート上手。

  • 竹中重治
織田家家臣。元は斎藤家に仕えていたが見限り、サブローの要望で仕官した。
斎藤家では一時的に稲葉山城を乗っ取るなど頭脳明晰で、秀吉の動向を怪しむなど洞察力も高い。侍女が見惚れる程の美青年。
サブローからは「半兵衛ちゃん」と呼ばれている。

  • 竹中重矩
織田家家臣。重治の弟。兄とは顔は似ていないが眉毛はそっくり。
姉川の戦いで浅井家の家老遠藤直経を討ったことで信長を救う軍功を挙げた。

  • 森可成
織田家家臣。森ブラザーズの父親。目が特徴的で大柄な体格の持ち主。
サブローに相撲で勝ったことがある。信任されており宇佐山城の守備を任されている。

  • おゆき
帰蝶の侍女。正体は上杉謙信に仕える九の一。
サブローの歴史の教科書を盗むも自らのミスで燃やしてしまう。
優秀な忍びであるが欠点は情に流されやすいことで、謙信に惚れていたがサブローに惹かれていく。

  • 徳川家康
幼名は竹千代。子供の頃にサブローと遊んだことがあり、そのときにエロ本を貰った。それが原因で大の女好きとなる。
人が良さそうなおっとりとした外見をしているが、怒るときは笑顔で怒る。
織田家と同盟を結んだ後は徳川家康と名乗り、歴史に名を残す人物と教えられる。お市に惹かれており、会う度にときめいている。

  • 本多忠勝
徳川家家臣。金ヶ崎撤退戦において徳川家が危機に陥ったときに逃亡した信長を嫌っている。また、その件で前田利家、佐々成政と衝突しかける。
目つきが悪く、サブローには気に入られている。

  • 斎藤道三
帰蝶の父親で『織田信長』にとっては義父にあたる。正体はサブローと同じくタイムスリップした未来人で、本名は長井新一。
現代での職業は警察官であり、制服もちゃんと保存しているが、悪人面故に全く似合っていない。
帰蝶を溺愛しており、誑かした信長に敵意を見せていたが、顔合わせの際に互いの正体に気付いて意気投合。
その後は自らサブローの後ろ盾となり、自分の形見を預けるほど信用するが、反旗を翻した息子に敗れ戦死した。

ドラマ版でもお互いの正体に気付き、意気投合するまでは同じだが、サブローが本物の信長ではないと知ったことをきっかけに、
帰蝶の将来を案じ、サブローに帰蝶を武田信玄*2の妾とするか一戦交えるかの二択を迫るが、
突如として息子の斎藤義龍に謀反を起こされ、家臣の殆どが義龍側に付いたことで絶体絶命の窮地に陥る。
絶望的な戦況の中、サブローが自ら軍を率いて救援に来ていることを知った道三は、その情に涙しつつ、
自分を助けるために彼を危険に晒すことを良しとせず、彼と帰蝶への遺言状をしたためて家臣に託した後、
サブローと彼が率いる救援が到着する前に自害して戦いを終わらせ、間接的にサブローを助けようとした。

なお、ドラマ版ではサブローが落とした日本史の教科書を道三の部下が拾ったということになっており、
それを読んだ道三は、サブローの(当時の感覚からして)破天荒な言動が史実の信長と一致していることから彼こそ史実の信長であると確信し、
遺言状と共に教科書もサブローに届けさせるが、本能寺の変以降の部分は予め破り捨てたため、サブローは史実における織田信長の死因を知らないままになった。

  • 足利義輝
室町幕府第13代将軍。剣術の達人で、堂々としているが内心は家臣達に命を狙われる身である己の立場を憂いている。
正直者なサブローに感動し、器を認めて太刀を渡した後、彼との再会を楽しみにしていたが松永久秀により暗殺された。

  • 足利義昭
室町幕府第15代将軍。将軍の地位に就かせてくれたサブローに感謝していたが、自分が傀儡だと気付き、各地の大名に信長を討伐せよという内容の書を送るようになる。
度量が狭く小心者で、サブローに厭味を言っているが常にかわされている。後に出兵して織田家討伐を目論むも失敗し、京を追い出されたことで室町幕府は滅んだ。

  • 細川藤孝
織田家家臣。元は義昭を僧侶から還俗させ、将軍に就かせた人物だが後に義昭が将軍の器でないことに気付いて後悔し、徐々に見る目は冷めていった。
素性までは知らないが明智光秀と織田信長が同じ顔だと知る数少ない人物の一人。義昭の動向を光秀に密告して以降は信長に仕えるようになる。

  • 浅井長政
北近江の大名でお市の夫。男前で誠実な青年で、お市のブラコンを寛容に見るなど器の広い人物。しかし将軍の密書や父親の勧めで織田家を裏切る。
お市の兄への想いを知ってからは徐々に闘志を燃やしていく。しかし武田信玄が亡くなったことで織田家と徳川家の総攻撃に遭い、自刃した。

  • 松永久秀
大和の大名。足利義輝を暗殺した武将。その正体はサブローたちと同じく未来からタイムスリップした現代人で、元々は893。
悪名高く、たとえ自分が降伏した相手にも横暴な態度は崩さない。同盟を結んでは幾度も裏切った経緯から織田家家臣達には嫌われている。
弱肉強食の戦国時代を気に入っており、この松永の言動はサブローにも影響を及ぼしている。

  • ヤング
未来人。アフリカ系アメリカ人の野球選手。突然タイムスリップに遭い、サブローと同じく戦国時代に落ちた。
その容姿から鬼と呼ばれていたが、サブローに護衛として雇われる。
常識的で、サブローに戦国時代を恐ろしいところと表現している。皆から「弥助」*3と呼ばれている。




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最終更新:2024年03月16日 11:00

*1 次の天下は秀吉が取るとも言っているため、「秀吉」→「家康」の順で天下を取ったこと自体は知っており、信長が天下統一目前で謀反に遭い死亡したことだけを知らず、「信長」→「秀吉」→「家康」の順に天下を取ったと誤解していると思われる

*2 本来は後に天下を取ることを知る豊臣秀吉・徳川家康に託そうとしたが、(この時点では二人とも別の名前を名乗っていたことを知らなかったのか)見つからなかったために現時点で最も勢いのある武田信玄にゆだねようとした

*3 史実でも、信長が宣教師と交渉して譲り受けた黒人奴隷を「弥助」と名付けて家臣に取り立てたとする記録が残っている。