シビリアンアストレイシリーズ

登録日:2012/02/14(火) 04:17:18
更新日:2023/09/27 Wed 14:18:23
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シビリアンアストレイシリーズとはガンダムSEED世界の民生モビルスーツ。
ASTRAYシリーズ』や『STARGAZER』など外伝作品に登場する。




■概要

開発はジャンク屋組合と深宇宙探査開発機構(DSSD)の協同で行われ、元オーブ技術者の協力もあってアストレイシリーズがベースになっている。
DSSDに納品されたDSSDカスタムと、ジャンク屋組合が売り出したJGカスタムの二種類が存在する。

両者共に戦闘力は低いが、操作性と機動性は高い。

頭部とパックパック以外の形状はほぼ変わりなく、各部装甲は作業の邪魔にならないよう極力突起部分を減らすよう設計されている。
特にそれが顕著な脚部の滑らかなラインや、尻尾風のテイルスタビライザーなどは可愛らしささえ感じさせる良デザイン。


■シビリアンアストレイ一覧


□シビリアンアストレイ DSSDカスタム


型式番号:UT-1D
全高:17.20m
重量:61.54t


◇概要
シビリアンアストレイ DSSDカスタムは、DSSDの活動内容に合わせて開発された機体。
M1アストレイの宇宙仕様機であるM1Aアストレイのデータもベースになっている。
型番の「UT」はユーティリティの意味で、建設作業から救助、戦闘まであらゆる用途に対応した多目的万能機である。

仕様の特徴としては
  • 頭部に搭載した精密活動用の高精度光学センサーと、それをデブリ等から保護するフェイスガード・バイザー
  • きめ細やかな姿勢制御を可能とする、推力調節可能なスラスター群
  • 通常のスラスターに加えて装備された電磁推進システム
などが挙げられる。

特に電磁推進システムは推力が低い反面、ガスやプラズマによる周囲の汚染を抑えられ、DSSDの観測活動などに影響を与えない点で非常に優秀。
後のスターゲイザーのヴォワチュール・リュミエールの原型にもなった。

◇武装
  • ビームガンKSM71/J
コンパクトなビームガン。DSSDが独自に開発したもので、スターゲイザーにも流用された。
独特の出力可変システムを搭載しており、一発あたりの威力や射程よりも連射による制圧を目的としている。

  • レーザートーチ
元々は溶断や溶接作業に用いるMS用工具。
緊急時には刀身を伸ばして兵器に転用できるが、DSSD側からの認証コードの発行が必要とされる。

  • シールド
極めて軽量で、機体の機動性能を損なわない。打突も考慮した形状になっている。


◇活躍
スターゲイザーを狙うファントムペインに対して防衛に当たるが、ストライクノワールやヴェルデバスターといったエース機には為す術なく蹂躙されるばかりであった。
しかしヴェルデバスターのパイロットであるシャムス・コーザが、憎悪に突き動かされて攻撃を繰り返しエネルギー切れに陥ったため、集中砲火で撃破に成功した。



◇DSSDカスタムのカスタム機

■レオンズ専用シビリアンアストレイ DSSDカスタム/レオンズ専用アームズアストレイ PMCカスタム


型式番号:PMC-1L
全高:17.32m
重量:59.12t(59.2tとするものも)

◆概要
フレームアストレイズに登場。『ウォーサーフ』レオンズ・グレイブスの搭乗機。
彼はザフトに雇われた民間軍事会社の社員であり、この機体を選んだのはナチュラル用MSで最も運動性能が高いから。
アームズアストレイは終盤に採算度外視の改修を行った結果で、自身の狙撃能力を活かすため頭部センサーを強化し、電磁推進システムで支援機からのパワー受信が可能。

◆武装
  • ビームガンKSM71/J
改修により飛躍的に射程距離が伸びており、出力調節で近距離での弾幕張りから遠距離狙撃まで対応可能。
ある任務では複数用意して連続狙撃を行ったことも。

  • レーザートーチ
格闘戦が不得手と装うため普段は使われない。

  • シールド
通常型と同型。機体装甲の軽量化を行っているため重要度は増している。

  • 90mm対空散弾銃
  • 76mm重突撃機銃
共にディンの武装。ガンプラには付かないが漫画や作例では装備する。



■シビリアンアストレイ DSSDカスタム(ロウ機)


◆概要
ロウがDSSDに新装備の売り込みをかけた際に持ち込んだ機体。元々は後述のターンデルタ開発の際に各種テストのために使ったのだが、その後倉庫にしまわれていた。
売りとなる新装備は2つあり、1つは高精度センサーに改造された頭部である。頭部右側にアンテナを伸ばし、中央に増設したスリットセンサーをメインカメラとすることでツインアイを廃しており、バイザーも外してロウ曰く「格好いい」顔になっている。
もう1つの新装備はM1アストレイなどが使う標準シールドを改造したもので、鎮圧用トリモチランチャーを装備するほか中央からビームシールドを発生させることができる。これは高い防御力を誇る一方でエネルギー消費が大きいという難点をもつが、本体の電磁推進システムをパワー受信システムにもなるように改造し、DSSDカスタムの防衛目標である宇宙ステーションからのパワー送信を前提にすることで補っている。


■ガンダムアストレイ ブレイズレッド


型式番号:UT-1D-JAC

◆概要
元々は2004年の無印ASTRAY時代、パワードレッドの作例担当者がついでに作って模型誌に掲載されたレッドフレームのIF形態であり、あくまで非公式の存在だった。
しかし時は流れて2013年、「DESTINY ASTRAY R」においてロウ・ギュールファンのジセム・アベル氏がシビリアンアストレイを独自に改造した機体として登場。晴れてセミオフィシャルへと昇格した。

ブレイズレッドはロウが劾にタクティカルアームズと専用頭部を譲ることが無く、当初の予定通りレッドフレームを強化していたらという設定で作られているため、セカンドLとは違い肩や脚部は素体のままでチンガードも持たない。また通常のバックパックもTAと入れ替わりに外すのではなく、移動機構を使って腰部に保持している点でも異なる。
ちなみにジセム氏の本業はMSファン雑誌の編集者であり、ブレイズレッドは一念発起して購入したシビリアンアストレイを基に元民間用MS開発者だった父やその教え子の協力を得て完成させている。TAと専用頭部はオシャレパーツであり、普段は通常のレッドフレームの姿で運用しているとのこと。

◆武装
  • タクティカルアームズ/ガーベラ・ストレート/タイガー・ピアス
これらは全てレプリカの模造刀に過ぎず本家のような攻撃力は持たない。ただし頑丈に作られているため鈍器にはなり、本気で殴ればMSの間接程度は容易に破壊できるとのこと。
ジセムが左利きなのでガーベラ・ストレート(レプリカ)は右腰に差している。

余談だが、半年かけてTAと専用頭部を自作した後になってジャンク屋組合から正式な改造キットが発売されており、本人はショックを受けていた。

  • ビームサイン
バックパックに2本装備している。父開発の試作品で、シグナルはもとより焼き肉や風呂を沸かすなどの繊細な調節が可能らしい。

  • カレトヴルッフ
ロウが開発した万能ツール。ビルドトーチ・ビルドナイフ・ビルドカッターの3パーツからなり、切断機能と加熱溶接機能に優れている。
組み替えて剣型のSモード、銃型のGモードをとることができ、自衛用にリミッター解除で戦闘にも使える作りになっているがあくまで工具、工具です!
ジセムは3本買っているらしい。




□シビリアンアストレイ JGカスタム


型式番号:MWF-JG73
装甲:ラミネート装甲(胴体部のみ)


◇概要
ジャンク屋組合がDSSDにシビリアンアストレイを納品したあと、それをベースにレイスタの後継機として開発した機体。
外観の違いは頭部のV字アンテナと、プロトアストレイと同型のパックパックを採用している点。

基本色は橙と紫の二種類あり、頭部にはバイザーやチンガード、補助カメラ、購入者特典のライトなど様々なオプションが用意され、非常にバリエーション豊富。
ロウ・ギュールや叢雲 劾の活躍からプロトアストレイシリーズの人気が高いため、外観をソックリにするパーツまで販売されている。勿論本人と間違われて事件に巻き込まれる危険性はあるため、そこは『自己責任で』と注意書きが付けられている。

組合は販売やレンタル、カスタム化まで請け負っているが、契約上は自衛以外の戦闘行為は禁止している。
しかし性能は軍用MSに匹敵するほど高いため、ゲリラなどにも利用されている。


◇装備
  • ビームガンKSM71/J
多分自衛用。DSSDから提供されたのだろうか。

  • ビームサーベル
多分本来は作業用。アストレイシリーズと同じ形をしている。

  • シールド
DSSDカスタムと同じもの。


◇活躍
△ASTRAYではジャンク屋の人達が乗り込み、ファントムペインのアキダリア襲撃に抵抗する。
アストレイズではゲリラ軍の機体として使われており、内一機に『拳神』バリー・ホーが搭乗するが、スーのザクウォーリアに撃破された。

ガンダムEXAにも登場。0話でレオス・アロイが搭乗し、劾のBFセカンドリバイに挑んだが瞬殺された。


◇JGカスタムのカスタム機

■マーズジャケット/アストレイMJ


型式番号:MBF-JG73MJ

◆概要
マーズジャケットは元々ロウがレッドフレーム用に作った増加装甲だったが、マーシャンのディアゴ・ローウェルが勝手に出撃してはぐれてしまう。
再会したディアゴのため、シビリアンアストレイをジャケットを装着できるよう改造してプレゼントしたのがこの機体。

ジャケット装着時はゲルググ顔で防御力が高く、大気圏突入さえ可能。
解放時はガンダム顔で機動力が上がる。

◆武装
  • 頭部バルカン
上下にスライドするアンテナ両脇に装備する。イーゲルシュテルンかは不明。

  • ビームツインソードライフル
銃身上部に取り外し可能なビームナギナタが装着されたビームライフル。

  • タクティカルバックパック
左右それぞれが大型ソードの鞘となったバックパック。柄の反対側にはビーム砲を備える。
格闘武器・射撃武器に加えて内蔵スラスターで機動力も補える万能装備。
またどこから発生するか謎だがビームバリアがあるらしい。

  • ビームシールド
作例によれば肘に発生器があるらしい。

  • カレトヴルッフ
「DESTINY ASTRAY R」作中においてロウと偶然再会した際プレゼントされた。カレトなんとか、もしくはカレトなんちゃら。



ターンデルタ

修理できないデルタアストレイの代わりに、ロウがJGカスタムをベースに改造した機体。



■シビリアンアストレイ0カスタム+I.W.S.P.


◆概要
元々はアジア圏のガンプラコンテストというホビー誌企画の優勝作品で、フレームアストレイズ作中に輸入された。因みに当時の作品名は「異端零式」。

作中設定ではJGカスタムをブルーフレームそっくりに改造し、可能な限りの武装を施した機体となっている。
第四軍の一人が乗り込み、ルカスライゴウガンダムに乗り換えたあとI.W.S.P.を譲り受けた。
「偽ブルー」や「第二のフルウェポン」とも呼ばれる。

◆武装
  • レーザートーチ
元々のビームサーベル。バックパックは可動式なのでI.W.S.P.装備でも腰にある。

  • 専用ビームライフル
右腿に付けたバッテリーとケーブルで繋がっている。銃口下部にも砲口を備える。

  • グレネード
左腿に二つの発射筒を装着する。
「グレネード×4」とする資料もあるので、一つの発射筒につき二つか、ライフル下部にでも装填しているのだろう。

  • パルデュス3連装短距離誘導弾発射筒
両肩と両脚の四箇所に装備する。

  • ガトリング砲
両肩上部の可動式アームに接続したシールド裏側に、ベクタードスラスターと共に取り付けられている。

  • コンバインドシールド
I.W.S.P.のものからビームブーメランを外し、ガトリングを2門に増設したもの。

  • I.W.S.P.
統合兵装ストライカーパック。115mmレールガン×2、105mm単装砲×2、9.1m対艦刀×2を追加する。



■ガンダムアストレイ バイオレンスガイスト


型式番号:MWF-JGP99G

◆概要
「DESTINY ASTRAY R」に登場。ロウ・ギュールを名乗る偽物が乗り込む改造MS。シビリアンアストレイをベースにブルーセカンドLや天ミナ用改造パーツ、カレトヴルッフなどが用いられ、凶悪なシルエットを構成している。
搭乗者がロウの名を騙り、赤いライトで自らを照らしていることから“ニセレッド”とも呼ばれるが、フレームは紫・装甲は黒でそう赤くも無い。改造は搭乗者本人によるものらしく、曰く「我が持てる技術のすべてをつぎ込んで作った究極のアストレイ」。
独自の可変機構を搭載しており「ブラックドラゴン」と名付けた恐竜のような姿へと変形することが可能。その技術と発想は対峙したロウにも認められるほどだったが、バランスの悪さを見抜かれ新生パワードレッドのレッドフレイムアッパーで吹き飛ばされ敗北した。
ちなみに搭乗者の男はバイオレンスガイストで傍若無人な振る舞いを繰り返し悪名を広げていたが、これは今度子供が生まれるので尻に敷かれがちな奥さんに男らしいところを見せたかったとのことで、ロウに諭されたあとはアストレイガイストを自称してまっとうなMSファン道を歩み始めたそうな……なにこの迷惑な人。

◆武装
  • ドラグアームズ(ドライグアームズ)
右下腕を覆うような大型の龍頭状装備。ブラックドラゴン形態では頭部にあたる。
ツムハノタチなどを流用したクローを備え爪や牙のように攻撃できるほか、中心部からはビームサーベルを発生させることができる。
基部にはタクティカルアームズを使っているため持ち手があり、手持ちの大剣として使うことも可能。
名称は誤字なのかドラグアームズとドライグアームズが混在している。

  • ガイストブリンガー
タクティカルアームズのブレード部にカレトヴルッフを組み込んで改造した片刃の大刀。ブラックドラゴン形態の尻尾。
展開機構は残しているため折りたたんで背部中央にマウントできる。

  • ガイストブレード
右肩に2基装着する小型のブレード。ブラックドラゴン形態では接続アームが稼動して竜の前肢に位置する。
カレドヴルッフのビルドカッターを流用しており、取り外して2本の小刀としても使える。

  • ガイストクロー
両脚の踵に3本ずつ付いたクロー。ブラックドラゴン形態では足首から回転し、竜の後ろ肢における爪先となる。

◆ブラックドラゴン
バイオレンスガイストの究極形態。その変形は人間でいえば両手を広げて腰を90度ひねった形に近い。腰部からアームで接続されたバックパックがMS時の正面と背面を挟み込むため、どの方向から見ても大丈夫な安心設計。
右腕のドラグアームズを頭部、左手のガイストブリンガーを尻尾とした大型の肉食恐竜のような姿をとり、各部に装備した格闘兵装を最大に活かせるものの、機体にかかる負荷が大きく長時間の変形は不可能となっている。
またロウに見抜かれた通り上半身の重さからくるバランスの悪さや、ジャンク屋組合のキットをつなぎ合わせたにすぎない脆さが弱点となっている。

制作者曰く変形機構は「トランスフォーマー ビーストウォーズ」のビーストメガトロンを大いに参考にしているとのこと。また同氏によれば当機のソウルネームは「ガンダムアストレイガイストフレームブラックドラゴン」である模様。



追記・修正はシビリアンアストレイを改造してからお願いします
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最終更新:2023年09月27日 14:18