ガウルン

登録日:2010/08/29(日) 14:36:35
更新日:2023/11/09 Thu 15:58:12
所要時間:約 8 分で読めます





『会えて嬉しいぜぇ、カシム』




CV:田中正彦


東洋人男性のテロリスト。東洋人にしては非常に大柄。
ガウルンとは「九龍」という意味で、九つの国籍を持つ所からきている。
これまでに30人以上の要人を暗殺し、航空機の爆破も最低2回は行っているが、西側の対テロ組織にはほとんど知られていない。

宗介カリーニンに因縁があり数年前に狙撃された。
これで死亡したと思われていたが、過去の負傷で頭にチタンを埋め込んでいたため助かった。
この時負った額の傷は“固く閉ざした第三の目”のように見える。


性格は残忍残虐かつ冷酷非情であり、また非常に狡猾。
冷静沈着な思考と直感と危機回避能力に長けている。命を奪う事を楽しむ。
カリーニンですら、最後まで彼に対して完全な勝利を収めることはできなかった。

少年時代にはポル・ポト政権下のカンボジアにおり、当人曰く政権によって虐殺された人間の死体を毎日のように片付けていたらしい。
恐らくは日本人であろう彼がなぜそのような境遇であったかは不明。

実は末期の膵臓癌を患っている身であり、その事もあってか生に対する執着が希薄である。そのため死ぬ事をほとんど恐れていない。
しかし病を患う前は「自分の命は地球より重い」と考えており、ムダに死ぬような事は絶対にしなかった。
またヒューマニズムや物質文明に対して一種の嫌悪感を持つ。


戦闘技術についても卓越しており、作中でもトップクラス。
柔術の心得もある。ちなみに、柔術を「祖国の武術」と言ったため、恐らく日本人。中国人ではないと本人がはっきりと発言している。
アーム・スレイブの操縦技能にも優れ、複数存在するコダールタイプの搭乗兵の中で、最もその性能を引き出していた人物でもある。

普段こそ気だるげだが、時として断固たる暴力を奮うことから“獅子”に例えられる。

過去に傭兵訓練キャンプの教官などをしていたこともあるためか、部下の信任は厚い。
過去には双子の兄弟(原作小説、アニメ版、コミックス版それぞれで性別も人種も違う)を育てたこともある。
しかし、彼自身は腹心であろうとを前提に送り込むことをなんら躊躇しない。半ば部下を文字通りの意味で「手足」と考えている。


宗介のことを初めて出会った際に「命を否定も肯定もしない目だ」と気に入っていた。いわく“殺人聖者”だとか。
上記の少年時代での境遇と当時の宗介の境遇が重なり、曰く他人とは思えなかったとのこと。宗介は即答で断ってはいるが、自身の傭兵キャンプへ誘いもした。

そのため、時折宗介に対して異常な拘りを見せ、「愛してるぜぇ、カシムゥ……」などイカれた発言をすることもある。
これのネタで、ギャグでは若干ホモキャラ化しており、アニメ版の『らき☆すた』では宗介とガウルンのBLとおぼしき同人誌が登場し、
フルメタOVAの初回特典ドラマCD『ありえない授業』では宗介とのやりとりで宗介が「どこを触っているんだ、この変態め!!」と叫ぶシーンがある。
宗介の幼少期の写真を隠し撮りしてたとも発言したが、嘘だった。


現在はテロ組織〈アマルガム〉に所属しており、『ミスタ・Fe(アイアン)』のコードネームを持つ。
だが、後に組織を裏切って無関係に暴れて不利益をもたらし、さらに宗介にアマルガムの情報を漏らしたりと、組織に対する忠誠心というものは全く持ち合わせていない。
宗介を呼び出すためだけに香港を火の海にするとかどんだけ……。

アマルガムのメンバーは、それぞれ水銀と化合する元素名をコードネームに持つのだが、鉄は水銀とは化合しない。
そんなコードネームを与えていたあたり、アマルガム上層部もガウルンが組織に従うような人間でないことはわかっていたようである。



本編では『戦うBMG』『揺れるITB』の2度に渡って宗介に撃破される。
しかししぶとく生き残り『終わるDBD』ではもはや自力では生きられない身体に成り果てていたが、飛兄弟に指示を出し、ミスリルや宗介と対峙した。

最終的には宗介に“呪い”を残して射殺される。



レナードが「狂った世界」や「本来の世界」の話をした時も、疑いはしなかったが関心も示さなかった模様。
それは宗介同様に唯一不変の絶対的ルールである“戦士の不文律”故であった。
宗介は彼を「人間の屑」と断じているが、同時に戦士の不文律だけは守っていた、「命の儚さ」を知る戦士であったと語った。
宗介に言わせれば自分とガウルンの違いはその「命の儚さ」を楽しむか楽しまないかだけだったらしい。
宗介はレナードに対して「関心を持つことが無いから友にも宿敵にもなり得ない」といった風に感じていたが、
その意味では宗介にとっての真の“宿敵”と言えるのではないだろうか。




ゴキブリ並みの生命力】

ガウルンを語るうえで欠かせないのが、彼のしぶとさ。

時系列順に語ると……

@ 宗介の狙撃で額を撃たれて生き延びる。

A 宗介と戦い機体をバラバラに吹き飛ばされ、左足を失うが生存。

B アニメオリジナルエピソード『故郷に舞う風』でも登場。また機体をバラバラにされたが生き残る。

C 自爆して吹き飛ぶ。しかし、ラムダ・ドライバにより生還。
ただし身体は魚の餌となったため四肢を失い、機械を使わなければ声も出せない状態になった。



この後、宗介と最後のやりとりをして、今度こそ爆弾で死亡。
しかし『スーパーロボット大戦W』ではここでもまだ生きており、最後にサベージで宗介と一騎討ちしてようやく死を遂げた。

原作では死後もレナードの豹変に関わっているような描写(レナードの額の傷がガウルンと同じ描写など)がある。
オムニ・スフィア(いわゆる霊界)がある以上、ガウルンの霊的ななにかが影響している可能性は否定できない。

しぶと過ぎるだろ

ちなみに、これについては結局明かされていない。




【これまでの経緯】

時系列的な初登場は、死体の処理をしていた宗介(当時はカシム)との出会い。
当時はアフガニスタンでテロリストの養成キャンプの教官をしていた。
出会いといっても、傍を通りかかって二三言葉を交わしただけ。だが、この時点で宗介を「人間の弱さを持たない、矛盾のない聖人のような目をしている」と気に入っていた。

その後、カリーニンら(ロシア)がアフガニスタンに攻め込んでいるとき、一応の協力者として現れた。


捕虜三人のうち、気弱そうな一人を残して二人射殺。その一人がペラペラ情報を話すと、全て聞き終えた時点であっさり射殺した。
合理的だが嫌なやり方だ、とカリーニン談。

その後、カリーニンが祖国を見限り、裏切った際には追っ手となる。
この時カリーニンと宗介が暮らしていたキャンプを襲撃し、女子供を含め皆殺しにした。
この報復でカリーニンと宗介がガウルンを狙撃するも、かろうじて生き残る。

数年後、〈アマルガム〉に雇われてウィスパード誘拐を目論み、千鳥かなめを狙う。宗介と再会し、その後は何回撃破しても生き残る。

身体の自由を失ったあと、宗介と最後のやりとりをするため、
忠実な弟子であるフェイ兄弟(アニメや漫画は姉妹)を香港で暴れさせ〈ミスリル〉を引っ張りだし、宗介と再会。
任務と感情の板挟みになって悩んでいた宗介の心中を的確に見抜いた。

フェイ兄弟に任せていた千鳥かなめ暗殺は失敗したものの、宗介には殺したと思い込ませ、絶望に追い込む。



「東京の〜〜。女〜〜。もう間に合わない〜〜。あ、かわいそ〜〜〜。カナメちゃ〜〜〜ん。いい子だったのにィ〜〜〜」

「ガウルン……っ!」

「そぉだ、俺が殺した! さあ憎めっ!!」

こうしてガウルンはキレた宗介に射殺され、死後に起爆する爆弾で死体も吹き飛んだ。
宗介は反射的に部屋を飛び出し生き残ったが、それさえもガウルンの思惑通りであり、絶望したまま生き続けるという“呪い”を残した。

……が、その呪いはその場にやってきた千鳥かなめによってあっさり洗い流された。




【評価】

残忍な性格に高い知性と技量を持っており、小物化もしないため、度々「最強の敵キャラといえば」的な話題では名前が上がるほどの実力者。
最近では“実は理由があって悪者やってる敵”が敬遠されがちだが、こいつは心底悪党な辺りも評価されている。
出番は長編の半ばで終了するが、実質的に宗介の最大最強の敵だった。
それは、『フルメタル・パニック!』という作品のテーマそのもの――戦いしか知らない男が平和な日常に回帰する――を否定する存在であったからだろう。




【ゲームにおける活躍】

スーパーロボット大戦シリーズ』においても乗機の強さもあって、かなりの強敵。
特に恐ろしいのが、登場するのが序盤ということ。
これはつまり、自軍の戦力が十分に整っていない状態で戦わねばならないということであり、強力な機体や精神コマンド乱発でゴリ押しすることすらままならない。
単純な数値だけでは測れない強さを持っており、体感的な難易度はラスボス以上とさえ言える。

スーパーロボット大戦J
最終的に自爆するため戦域から離脱しないといけない。
ガウルンの憎まれ口は気分のいいものではないのでさっさと戦艦を離脱させよう。


スーパーロボット大戦W
無印は普通に撃破される。その後は前述の通り。
戦闘では最初のターンに熱血、必中、集中、覚醒をかけ、以降毎ターン集中と覚醒を使うという鬼畜っぷり。
さらに使用機体はラムダ・ドライバを搭載しており、攻撃力増加にダメージ軽減を備えた鬼畜性能。

その強さは生みの親(作者)さえ怯ませた。
ちなみに、作者はどんなバリア消滅させるサイレンを持つボルフォッグで乗り切ったらしい。

賀東「ふふふ。ボルフォッグ、可愛いやつ……」


あまりの鬼畜性能っぷりに「ラスボス熱血厨二病や批評家より強い」と評判。
ちなみに前述の集中・覚醒はとある裏技で消すことができるが素でも強すぎるので周回プレイでもなければあまり意味がない。
ある意味一番恐ろしいのはコイツに躊躇いもなく突っ込む某槍と、ガウルンが「自殺願望の塊」とまで評価するカガリの無謀さだろう。


先述の通り宗介との一騎打ちで敗れるが、その最期は……

「楽しかったぜ、カシム…」



JやWで大活躍した実力を今作でも発揮、キリコスコープドッグを撃墜したりした。



フルメタの再現が『TSR』終了後からであるが、夏姉妹共々死亡していない設定で登場。原作では叶わなかったレーバテインとの対決が実現した。



『本音を言ってみろ。俺の項目を編集するのは楽しいか?』

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • フルメタル・パニック!
  • ヤンホモ
  • 九龍
  • 戦争屋
  • 愛してるぜ、カシム
  • 強敵
  • 最強
  • 最狂
  • 傭兵
  • 柔術
  • 不死身
  • 不死身ファンタジア
  • ホモ
  • コダール
  • バァーン
  • 人間のクズ
  • 宗介(カシム)萌え
  • 悪の華
  • 悪役
  • 理想の悪役
  • 変態
  • 邪気眼
  • ポニョ
  • 崖の上のガウルン
  • 「ソースケ、すきぃ!」
  • テロリスト
  • ガウルン
  • 田中正彦
  • アマルガム
  • キモい
  • ストーカー
  • しつこい
  • 変質者
  • 異常者
  • フルメタ登場人物項目
  • ガウルン
  • ミスタ・Fe

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年11月09日 15:58